超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST |
「……何で、ネプギアがここに居るのよ?」
場所は教会前。朝食を食べ終えたシンヤはネプギアを連れ、街を案内してくれるというユニの元に向かったのだが、二人が出会った瞬間、ユニがネプギアに向かってそう言った。
「……ユニちゃんこそ、どうしてここに居るの?」
「ア、アタシ? アタシはただ、シンヤにラステイションを案内してあげようと思ってただけよ」
「え? じゃあ、シンヤさんが言ってた案内人って……」
二人同時に同じ方向を見る。其処には勿論、何食わぬ顔をしているシンヤが立っていた。
「「……どういうことか、説明してもらえるかしら(ますか)?」」
と、ジト目で見つめられるシンヤだが、当人はどこ吹く風といった様子で答えを返した。
「ユニ、俺はネプギア達と一緒に行動しているからネプギア達とこの街を観光する可能性もあったはずだ。だから俺は俺とネプギア達にラステイションを案内してくれると解釈しただけだ。それとネプギアにも言った筈だぜ。この街を良く知っている人物に案内してもらうって」
「……確かに、言われてみたら……」
「……それに、良く知っていると言うより、知り尽くしているって言った方がいいかもしれませんけど」
まだ若干納得がいかない表情だが、これ以上説明するのが面倒だと判断したシンヤによって話は強制的に変えられた。
「ま、その話はこれで終わりとして、ユニ。お前は街を案内してくれるんだったよな」
「え? え、えぇ。約束、したからね……」
「なら、早速案内をしてもらおうか。俺も色々見て回りたいからな。ユニ、ネプギア、早く行こうぜ」
「あ、待って下さーい!」
「あ、ちょっと! 案内役を置いていってどうするのよ!」
と、笑顔で街に向かうシンヤを追い駆けて行く中、二人は同時にこう思った。
((……折角、デートできると思ったのにな……))
と、内心でため息をついた。
現在、ラステイションを見回っている途中のシンヤ達は、ラステイションで最も機械が大量に売られている市場に居る。本来はこんな場所は観光スポット等ではなく、機械オタクと言った人たちが良く来る場所である。
では何故シンヤ達が此処に着たかというと……。
「……なぁ、ユニ」
「……何? シンヤ?」
「……何でネプギアはあそこまでテンションが高くなってんだ?」
チラ、と視線を此処に来させる原因を作った人物に向ける。
「うわぁぁぁぁ……! 凄い! あれも! これも! 欲しかったパーツがこんなに安く! あ、見た事のない部品まで! すみません、これ下さい!」
……と、普段のネプギアからは想像も出来ない位のテンションの高さで、ネプギアの周りにいる人も何事だ? と言った表情でネプギアに視線を向けているが、当の本人は全く気にしていない。
「アタシに聞かないでよ。そもそもアンタの仲間なんだから、アンタの方が良く知っているんじゃないの?」
「生憎だが仲間だからって他の奴等の事を何もかも知っているって訳じゃない。それにあいつ等と知り合って仲間になったのは何日か前の事だ。それ以前のことは全く分からないのさ」
「ふーん……ま、良いわ。多分、あの様子だと、ネプギアは機械オタクって所かしら?」
「機械オタク、か。確かに、そう見えるな……お、帰ってきた」
と、視線をユニから手に複数の袋をぶら下げたネプギアに移す。その表情は、言うまでも無く満面の笑顔だった。
「すみません、今戻りました」
「お帰り。随分と楽しそうだったな」
「はい! 欲しかった機械がこんなに手に入りました!」
そう言ってネプギアは袋の中に入った機械を見せてくるが、生憎シンヤはそういうものに興味が無いのである。
「悪いが、俺はそういうものに興味は無いんだ。……ところで、一応謝ったほうが良いと思うぞ。今なら謝れば許してくれるそうだ」
「え? 誰に、ですか?」
そう聞かれたので、ネプギアの後ろを指差す。
「お前の後ろで不機嫌そうに腕を組んでいる奴だよ」
言われ後ろを振り向くと、ムスッとした表情で腕を組んでいるユニが立っていた。
「全く、何でいきなりこんな所に来なきゃいけないのよ」
「あはは……。ごめんなさい、ユニちゃん。つい体が勝手に……」
「……ハァ、まぁ良いわ。今回は大目に見てあげる。でも、次からは勝手な行動はしないでよね」
「はい、ごめんなさい」
と反省したように頭を下げたのを見て、ユニはようやく不機嫌そうな顔を止めた。
「よろしい。なら、早く行きましょう。時間は限られてるんだから」
そう言ってユニは二人を先導し、機械市場を後にした。
その後、三人はラステイションを一通り見回った後、時間が少々余っていたので有名な観光地をじっくりと見て回っていた。そして、その訪れた場所とはラステイションで最も人気のある水族館である。ここはリビートリゾート等がモンスターの闊歩する場所になってしまい、海に生息する生物を見れなくなってしまったために造られた施設である。展示されている生物は、シンヤの居る世界では中々お目にかかれない―――――とは言っても、ゲイムギョウ界では水族館に来ればいつでも見る事のできる海の生物達だ。イルカや鮫、ジュゴンにアザラシ、ペンギン等の生物を、シンヤは初めて生で見る事が出来、シンヤはその生物達を見るごとに軽い感嘆を洩らしていた。途中、ショーが開催されており、それも観覧した。イルカやアザラシ等が教えられた芸を披露する度、シンヤはとても楽しそうな表情をしていた。また、水族館から出る少し前に部隊の仲間達に何かお土産でも買っていこうと思い買ったのだが、買った品物についてはまた後ほど。
観光の途中、少々腹が減ったのでレストランへ向かい昼食をとっていたが、突然ナイフを持った男―――――恐らく強盗目的の―――――が押し入ってきたが、シンヤによって早々に意識を沈めさせられた。その少し後、警備隊の人たちがやってきて男を連行していった。因みに、食事の料金は全額無料だった。なんでも、店長が「男を捕まえてくれたお礼」と称し、料金を無料にしてくれたので、その好意に甘えることにして、水族館を後にし、三人のラステイション観光は終了した。
「……如何、楽しかった?」
「あぁ、楽しかったぜ。偶にはああいうのも良いもんだな」
現在、ラステイションの教会の聖堂内、帰路についている途中でアイエフ、コンパ、日本一と合流し、教会に戻ってきたのだ。その時、ネプギアは嬉しそうだったが、ユニは何故か若干落ち込んだように見えた。
「そう、それより、そろそろ時間なんじゃない?」
「ん? ……あぁそういやそうだった。忘れる所だった」
時計を確認すると、午後5時を少し過ぎており、榊との約束した時間帯になっていたので、計に断りをいれ、通信装置を作動させる。その直後、榊の顔が映し出される。
『お、繋がったみたいだね。でも、256秒の遅刻だよ。珍しいね、君が遅刻するなんて』
「すいません、ちょっと出かけていました……それより博士、解析は済んだんですか?」
『うむ、解析は既に完了しているし、君の神機も万全の状態になっているよ』
「そうですか……それで、解析の結果は?」
『その事だけど、私達のアラガミと変わっている点は一つしか見つからなかったんだ。それ以外は全て同じさ』
「……なら、その一つと言うのは?」
『君の報告にあった「コアを隔離するとアラガミの体が消滅する」と言う点だね。コアを少し調べてみたけど、そういう風にオラクル細胞が変質していたということしか分からなかったけど、其方の世界にはモンスターと呼ばれる生命体が居ると言っていたね。それは生命活動を停止した際、完全に消滅すると言う特性を持っているとイストワール君から報告を受けていた。そして、そのモンスターを捕食した結果、このような変化が起こったと、私は考えているよ』
「……コアを捕食すればそのアラガミを構成しているオラクル細胞は完全に消えて無くなり、新たなアラガミを形成する事は無い……つまり、この世界のアラガミは完全に駆逐する事が出来ると?」
『早い話が、そういう事になるね』
「……分かりました。解析ご苦労様でした」
『例には及ばないよ。私も貴重なデータが取れたからね、お互い様と言うわけさ。ところで、君の神機をそちらに転送したいんだけど、良いかね?』
「はい、問題ありません」
『分かった。なら、今すぐ送るよ』
と言い、榊が画面内で何かの操作をする。その数秒後、すぐ隣の転送装置にシンヤの良く知っている武器―――――神機が現れる。シンヤはそれを手にし、軽く振る。どうやら、万全の状態に仕上がっている様だ。神機の状態を確認した後、通信装置の前に戻り榊のとの通信を再開する。
「確認しました。リッカさんにお礼を言っておいて下さい。それと、第一部隊に送りたい物があるのですが、転送しても宜しいでしょうか?」
『構わないよ。それで、誰に渡すというのは……』
「大丈夫です。一応、誰に渡すかは紙に書いて貼ってありますので」
『そうかい? なら、心配は要らないみたいだね。転送が完了したら私が彼らに渡しておくよ』
「お願いします」
と言い、シンヤは転送装置に水族館で買ったお土産を置き転送を開始する。数秒後、通信装置からお土産が届いた報告が入る。
『確認したよ。では、通信を終了する』
その言葉と共に画面が暗く染まり、榊の顔が見えなくなる。それを確認した後、部屋から出て、ネプギア達に声を掛ける。
「終わったぜ」
「あ、シンヤさん。何か分かったんですか?」
「一つだけだけどな。簡単に説明すれば、アラガミがモンスターと同じ特性を持ったという事……つまり倒してコアを回収すれば完全に消えてなくなるって事だ。ま、やる事は大して変わらないさ」
「そう、じゃ、この国でやる事は全てやったって事よね」
「そうだな。なら、早めに次の国へ向かう……前に、ユニ」
「えっ!? な、何?」
「前にネプギアが言ったが、俺達と一緒に来てくれないか? 俺達は人手が足りない。少しでも人が多い方が都合が良い。だから……」
「……ゴメン、今は…ダメ。(だって今のアタシじゃ、着いて行った所で、シンヤの足手纏いになるだけ……だから、今は…)」
とユニが考えていると、シンヤから声がかかる。
「別に足手纏いになるとか考えなくていいぞ。皆最初は足手纏いさ。だけど、少しずつ強くなっていけばいいんだ。俺だってそうしてきたんだ」
「……ううん、やっぱり、行けない」
やはり、ユニの決断は変わらないようだ。しかし、その後に「でも」と付け加える。
「アタシが強くなれたら、今度は一緒に着いて行ってあげる。だから、その時まで待ってて」と言い、手を差し出してくる。
「……あぁ、待ってるぜ」
と言い返し、手を握る。
瞬間、シンヤの体に何かが流れ込んでくる様な感覚を覚えた。
「……!?」
突然の事に反応できず、少しの間手を握ったままだったが、少しするとその感覚は少しずつ消えていった。感覚が消えるとシンヤは自分の手を見つめる。
(……今のは、一体?)
ふと、ユニのほうを見るとシンヤと同じく自分の手を見つめていた。
「ユニ、大丈夫か?」
「えぇ。体から何かが流れる感じがしたけど、大丈夫。心配しないで」
「……そうか。なら良いんだが」
そんな二人を心配したのか、ネプギアが声を掛けてくる。
「如何したんですか、二人とも?」
「……いや、大したことじゃない。心配しなくても大丈夫だ」
と言った所でケイから声が掛かる。
「二人とも大丈夫のようだね。さて、必要だったとはいえ、長い間拘束して申し訳なかったね。あなた方のこれからの旅の無事を祈っているよ」
とケイは営業スマイルでそんな言葉を言ってきた。
「ま、一日は望んで滞在したんだけどな」
「それに、似合わないっての…」
アイエフとシンヤは苦笑で返す。だが直にいつもの教祖としての顔に戻る。
「もっともルウィーの女神候補生…いや、候補生達には、ユニ以上に手を焼くかもしれないけどね」
「候補生……達?」
「複数形……一人以上居るってことか」
「まぁ、行ってみればすぐに分かるさ……それとは別件で、ルウィーに今の教祖とは別に新たに教祖が就任したらしいね」
「教祖さんが、ですか?」
「えぇ。と言っても、正式にではなく、見習いと言う形らしいけどね」
「新しい教祖、か……分かりました。教会に立ち寄る事もあるので、その時に会えるなら会ってみます。貴重な情報をどうも有難う御座います。じゃあな、ユニ。次に会ったときは強くなってろよ」
「言われなくても分かってるわよ! そっちこそ強くなったアタシを見て驚かない事ね!」
と強気で返してきた。
「それは楽しみだ。では、失礼します」
そう言ってシンヤ達一行はラステイション教会を後にし、新たなる大地へと向かうのであった。
説明 | ||
大変お待たせして申し訳有りませんでした。リアルが忙しく小説を書いている暇が有りませんでした。言い訳ばっかりで本当に申し訳御座いません。半年近く待たせておいて相変わらずの駄文でグダグダしてますが、ご了承下さい。 第十六話 ダブルデート(後編) |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
675 | 670 | 0 |
タグ | ||
超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST 超次元ゲイムネプテューヌmk2 GODEATERBURST | ||
レオさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |