義輝記 別伝 その弐
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【 鈴々の禅問答 の件 】

 

? 陳留城内 食堂 にて ?

 

華琳「鈴々! 私と知恵比べをしましょう!」

 

丁度……お昼頃、元劉備軍の皆と食事をしていたら、華琳が唐突に現れ、鈴々に申し渡す。

 

鈴々「むぅ〜、今、昼御飯「勝てたら、私の出来る範囲で何でもするわよ」──! はぁい! 鈴々、やるのだぁ!!」

 

朱里「……はわわわ! では、華琳様が勝てば………?」

 

華琳「愛紗に……… 一晩の同衾を命じるわよ!」

 

愛紗「はっ!? どうして…鈴々の負けの罰を、私が代わりに!!」

 

華琳「あらっ? 姉妹だから、妹の負債は姉の貴女が負うのは、当然でしょ? それとも、妹の勝利が信じられないワケかしら……」

 

鈴々「……………………………………………………」

 

愛紗「ウグググググッッッ!!!」

 

華琳「………そう。 仕方ないわ、一刀! 貴方が一晩私と同衾しなさい! そうすれば「ちょっっっと、待ってぇぇ!!」……ん?」

 

愛紗「わっ、わかりました! この関雲長! 鈴々が負けましたら……同衾………しますぅ…………」

 

星「流石だ、愛紗! 一刀殿のためなら、飛び込む火の中水の中! 見事な忠誠心だな……いや、あい「が、外野は黙って貰おうか!!」………ふっ」

 

桃香「頑張ってね! 鈴々ちゃん!!」

 

鈴々「任せるのだぁ!!!」

 

雛里「ドキドキ、ドキドキ」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

華琳「幾ら私でも、言葉の知恵比べでは、勝負にもならない事くらい判るわよ! だから……『 話す 』知恵比べでは無く、手の動きで表現するのよ!」

 

雛里「あわわわ! それなら、鈴々ちゃんにも勝ち目は、充分あります。 動作で示せば分かり易いし、一つの動作で意味は何通りも読めますから。 勿論、それぞれの相手が、その答えを認めなければいけませんが……………………?」

 

華琳「覇王の名に掛けて、正当な勝負を心掛けるわ!」

 

鈴々「鈴々も────────!!」

 

朱里「では、始めましゅう!! うぅ……噛んじゃいましたぁぁ!」

 

 

★☆☆

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

@ 華琳………両手で小さい○を空に描く。

 

@ 鈴々………両手で大きく○を描く。

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

華琳「………………やるわね! 正直、油断してたわ!」

 

鈴々「??」

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

A 華琳……片手を開き、指『五本』を示す!

 

A 鈴々……片手と指を三本立たせ『八本』を示す!

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

華琳「…………成る程」

 

鈴々「…………………」ジュル!

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

B 華琳……指を「三本」立てる!

 

B 鈴々……目に指を当て「あっかんべえー」

 

◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎◎

 

★★☆

 

     ガクッ!

 

華琳「………………ま、負けた! 私が………」ガタガタ

 

鈴々「うわぁ─────い! やったぁ────のだぁ!!」

 

愛紗「─────────────────!」

 

桃香「鈴々ちゃん! 偉い! 凄い! 最高!!」

 

朱里、雛里「…………………………………!!!」

 

星、一刀「???」 

 

★★★

 

華琳「約束は果たすわよ! 何をすればいいのかしら?」

 

鈴々「鈴々! ラーメン食べたいのだぁ!!」

 

華琳「そう? それで良ければ……「ちょっと待って!!」…何かしら?」

 

一刀「華琳! 鈴々! 答えを教えてくれ!!」

 

星「私からも頼む!」 愛紗「 コクッ!コクッ! 」

 

桃香「はぁーい、私も!!!」

 

朱里、雛里「………………………………」

 

華琳「良いわよ!」

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

華琳としての問題と解答

 

@ 華琳…「中原を支配するには、どうすればいいと思う?」

 

@ 鈴々…『周辺の国を、味方に引き入ればいいのだぁ!』

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

A 華琳……「敵である『五胡』を押さえよという事なの?」

 

A 鈴々……『《五胡》だけでなく《三国(袁紹、袁術、董卓)》の対処も考えないと!!』

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

B 華琳……「先に『三国』を対処した方がいいの?」

 

B 鈴々……『それは、自分の《 目 》で見て、考えるのだぁ!』

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆

 

華琳「全く……あんな正論言われるなんて、思いもしなかったわ!」

 

華琳、鈴々除く『 (゜Д゜;) 』

 

   バタバタバタバタ!  バタバタバタバタ!

 

☆☆★

 

朱里「…………鈴々ちゃんが………あそこまで『 知 』の分野で働けるなんて…………」

 

雛里「大丈夫だよ、朱里ちゃん…! 『腹ぺこ軍師』『大食い軍師』枠に鈴々ちゃんは入るから………私達と被らないはず……」

 

朱里「駄目だよ! それで人気が出たら、私達干されちゃうよ!?」

 

雛里「あわわわわわ!!」

 

☆★★

 

 

桃香「鈴々ちゃん!! お勉強、これ以上頑張らないでね! 出ないと私の立場が────「姉上!」ヒャイッ───!!!」

 

愛紗「鈴々が! あの鈴々が!! 華琳様に勝ったんですよ!!! 勉強嫌いで……姉の私に散々迷惑かけ続けた鈴々が………!!」

 

桃香「そうだね〜! ホント凄いよね〜! あはははは……」

 

星「うんうん。 流石、姉馬鹿殿。 喜びようも一入(ひとしお)だな!」

 

愛紗「──ですから、姉上! 貴女も鈴々を見習って勉強を!?」

 

桃香「一刀さん、星ちゃん!! 助けて〜〜!!!」

 

一刀「ごめん! この後、華琳に呼ばれているから!」

 

星「私も、メンマの出来具合を見に…………用事が!」

 

桃香「皆───!! 酷いぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

 

★★★

 

鈴々「……………鈴々の答えとは、大分違うのだ……」

 

          ピタッ!!

 

桃香「…………り、鈴々ちゃんの…答えは……?」

 

鈴々「う〜ん、鈴々は……………」

 

*******************

 

鈴々としての問題と解答

 

@ 華琳……『鈴々が食べたいラーメンは、このくらいの『器』かしら?』

 

@ 鈴々…「鈴々の食べたいラーメンは、そんな小さいのじゃないのだぁ!! こ───んなに大きいのだぁ!!!」

 

*******************

 

A 華琳……『へえー、そんなラーメンなら『 五杯 』が限度じゃないの?』

 

A 鈴々……「そんな事ない! 『 八杯 』は、いける!!!」

 

*******************

 

B 華琳……『そんな大きなラーメンなら、三杯奢るのが精一杯かしら………』

 

B 鈴々……「鈴々! 約束破る奴は、大嫌いなのだぁ!!」

 

*******************

 

鈴々「……………と、思ってた! にゃはっ!!」

 

鈴々除く全員『 …………………………… orz 』

 

 

華琳「………はぁー。 ………身から出た錆とはいえ、約束は約束! 後日、今ここに居る全員の分、奢らせてもらうわ……」

 

鈴々「鈴々は、今でも無問題なのだぁ!!!」

 

愛紗「鈴々!! この後、春蘭と共に協同演習があるだろう!?」

 

鈴々「にゃっ!! 忘れてたのだぁ………………」ショッボン

 

星「それでは、華琳様。 私もメンマを「奢るのはラーメンだけよ?」………orz」

 

一刀「 やれやれ……………」

 

◇◆◇

 

【 桂花と春蘭の問答 の件 】

 

? 陳留城内 とある一室にて ?

 

桂花「華琳様が行っていた『知恵比べ』! 臣下たる私達も習って行うのは当然の行為よ! だから、協力しなさい! 春蘭!!」

 

春蘭「ちょっと待て! なんで私になるんだ? 体型的には季衣や流琉が丁度いいと思うのだが…………?」

 

桂花「チィ! これだから脳筋は!? 流琉は鈴々に比べれば、かなり賢い子よ? ………確かに季衣は近いものはあるけど………あんな幼い子達を笑い者にしたいと思うほど、私が鬼畜だと思うの!?」

 

春蘭「────ん、一理あるな。 でも、なんで私「はい! 問答開始!」────おい! 桂花………」

 

      ガチャ!

 

華琳「………あら? 貴女達も始めたの?」

 

桂花、春蘭「「華琳様!」」

 

桂花「華琳様! 私の問題は超難問! 春蘭如きに解けるはずなど……絶対ありません!! 」

 

春蘭「華琳様! 鈴々が解けるなら……私にも出来ます! 曹猛徳古参の将として、その『 知 』をお見せします。」

 

@  桂花……指を一本突き出し、天を指す。

 

@  春蘭……指を一本突き出して、地面を指す。

 

華琳「ふ〜ん。 『世に必要になる学問は、《天文》と何?』という問いと『《地理》』と答えるね。 言うだけあるわ!」

 

そう呟く華琳。

 

だが……二人の問答は続いていたらしく、天と地に向かっていた指先が動き出し、そのまま『 華琳 』を示した。

 

華琳「????」

 

桂花「………やるわね、春蘭! 見事よ!!」

 

春蘭「………いや、桂花! お前を見直したぞ!」

 

      ぐっ!!

 

二人は、意味が分かるらしく、互いに握手し合う。

 

華琳「………これは、どういうことなの?」

 

意味が判らず、戸惑う華琳…………。

 

桂花「はっ、はい! 私の指したのは『天』、春蘭が『地』です」

 

春蘭「…………後、失礼ながら華琳様を指差してしまいましたが、「華琳」様となります。 繋げると………」

 

『天上天下唯我独尊』……(天の上にも地面の下にも、華琳様より尊い者は居ないんだぁ!!)

 

華琳「……………………………………ハァー」

 

桂花、春蘭「「 呆れられた!? 」」

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

知ってる方は知っている『三国志民間伝承』をキャラと構成を代えて作ってみました。 

 

本文にも、いくつかネタで使用させてもらってます。

 

実は、この話は日本にも似たような話があり、『蒟蒻問答』『饅頭問答』とあるそうで、落語にもあるそうですよ。

 

 

次回は…………………別伝、いつになるか判りません。

 

ネタあれば…………ですかね。

 

 

 

説明
義輝記の別伝です。 ですので……颯馬達は出ていません。 宜しければ読んで下さい!
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コメント
鈴々のバインの話は、アンソロジーで少し読んだだけの知識しかありません。 原画担当の方が成長後を描いたとしか。 確かに、ぐっ!と、きますね。 (いた)
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! まぁ、元ネタが元ネタですので……。 姦雄さんが真に誘いたかったのは、愛紗なのか一刀なのか………本人しか知りません。(いた)
安心したまえはあわ軍師達よ、君達のふぁんは残念なことにハードコア変態も多いが鈴々に関しては将来バインボインに成長確定だから更に幅は広い、個人的にはバインな鈴々が結構きてます(禁玉⇒金球)
出だしこそ華琳さんお得意の詭弁と論弁でいて込ましておきながら鈴々相手には深読みし過ぎて自爆とは、情けないぞ姦雄!!。一刀の閨に関しては他人がどうこう言う事は出来ないので普通に誘ってください姦雄さん。(禁玉⇒金球)
洛陽戦までは、なんとか現状並みに頑張りたいですね。 その後は………う〜ん、どうなる事か。(いた)
naku様 早速のコメントありがとうございます! 民間伝承本購入したので、別伝を出してみました。 書いて楽しいんですが………再構成が難しいですね。 性格付けは、他の作品の影響が入って若干原作と変わってるかも………。(いた)
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