リリカルなのは〜翡翠の戦士と七つの才牙〜 |
〜剣也視点〜
GWから数日後…学校は休みですよ?
「目的地までもう少しだ、フェイト…準備良いな」
「うん」
俺はフェイトと一緒にある異世界の研究所へ取り締まりに向かっていた
因みに何故かというとフェイトは屈託魔導師として、俺は特殊騎士としての任務の為である
「ねぇ、剣也…この仕事って執務官の仕事だよね?…資格とか良いの?」
フェイトは心配そうに聞く
確かに、こうした仕事は執務官の資格が必要だな…しかもなんか向こうからは「特殊騎士がいるから大丈夫」と軽く言われたらしい…任務の前に不安にさせてどうする、管理局よ
さすが海(本局)の膿み(腐った上層部)…というべきか
「平気だよ、俺持ってるし」
「…へ?」
俺は軽く答える…聖王教会側の任務でこういった仕事もあるからな聖王教会側のだけど取得したのだ……前世ではミルファさんの仕事も手伝っていたし
他にも教導官、捜査官の資格も持ってる……勢いで取った事にアイとカリムのダブル従姉妹に起こられたというのは記憶に新しい…
…っと見えてきたな、あれか
「…此処だな」
「うん、でも見張りが…」
確かに、出入口には二人の見張りがいた
魔導師ランクは…Dか、しかもサブマシンガン持ち…ランクが低いから質量兵器で補うということか
…甘いな
「《ちょっと待ってろ》」
ーヒュッ、トンっ「「うっ」」ドサッ…
俺はフェイトに念話で指示をだし、無音式の剃で近寄り、同時に当て身を食らわせて意識を落とさせた
「(もう良いな)来て良いよ」
そう言うとフェイトは吃驚しながらも来た
「す、凄い…」
「こういう取り締まりには早さが必要だからな…慣れってやつだ」
前世でもやってたし
「さ、行くぞ」
そう言いながら俺とフェイトは入った
研究所内…
気持ち悪い位真っ白な廊下を俺達は歩いていた
「なにもしてこない?」
フェイトは訝しげに呟く
そう、確かに研究所に入ってから誰にも会わないし、なにもしてこないのだ
こういう輩は自分の腕に自信を持つ奴等だからな…見聞色で見ても一番奥にいる
「一番奥にいるらしい…気をつけて行くぞ」
そう言いながら歩いて行った
捕捉としてだがこういう輩は普通に弱いからフェイトのフォローする必要がないから安心なんだよね
閑話休題
「…此処だな」
俺達の目の前には重厚な扉がある
「じゃあ、早速…」
「まて、普通に開けるのは危ないから」
普通に開けようとしたフェイトを止めた、覇気で確認してみると相手が待ち伏せしてるからな
「俺が扉吹き飛ばすから」
そう言いながら俺は右手に魔力を集束、乱回転、圧縮、留めながら武装色の覇気を加え球を作り…
「剃!!」
扉に接近して
「螺旋丸!!!!」
懸命に再現して作り上げた近接魔法をぶつけた
ほんとに大変だった…(泣)
『ギヤァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!?????』
…扉が吹っ飛び、待ち伏せしてた人達に当たったらしい
「よし、行くぞ」
「は、はい!」
俺の言葉にフェイトは驚きながらも付いてきた
「「動くな!!」」
「時空管理局屈託魔導師、フェイト・T・ハラオウンです!!」
「聖王教会執務官、特殊騎士隊副隊長、柊 剣也だ!!貴殿方を違法研究の疑いで逮捕します!!抵抗しなければ貴殿方には弁解の余地が与えられます!!」
フェイトは名乗り、俺は一息に此処まで言う……意外にきつかった
「ほぉ……"Fの欠片"がいるか、丁度良い…アレ(・・)を出せ」
研究者のリーダーらしきハゲ男が言う
「!?何故それを!?」
「?(Fの欠片?)」
フェイトが驚き、俺はハゲの言葉に疑問を抱いた
その時、俺の右側の壁が開き、そこから獣が現れた
いや、獣というべきか…
そいつは狼の様な姿をしており、二本の脚で立ち、両手には片手斧が一つずつ握られていた
「お……」
「狼男…?」
俺とフェイトはその姿を見て呆然とした
「そう…人間をベースに狼の遺伝子を細胞レベルで融合させた人工生物"ワーウルフ"……試させてもらうとしよう」
「そんな…生き物を何だと思ってるの!?」
フェイトは怒りを滲ませながら叫ぶ
「お前の母親も同じことをしただろう?やれ、ワーウルフ!!」
ーガルルルッ!!!!
ハゲの言葉にワーウルフは唸りを挙げ、構えた
「く、どうすれば……」
「……フェイト、あいつら頼む…あいつを殺す」
俺はワーウルフの目を見て決意をした
「!?そんな!!まだ助かる筈だよ!?あの子にはなんの罪も…」
「もう助からない…このままでは奴は苦しんだまま死ぬことになる……」
細胞レベルで融合すると言うことはいずれ拒否反応を起こしてしまう……遺伝子レベルで融合なら戻すのは不可能だ……
「でも!!「フェイト!!」っ!?」
それでも食い下がろうとするフェイトの言葉を止めた
「奴の目を見ろ」
「目を?……あっ……」
フェイトも奴の目を見て気付いた様だな……ワーウルフの目にはただひとつ……「殺してくれ」と悲しげな目で見ていたのだ……フェイトとは出会ってからあまり日にちは経ってはいない。
でも……こいつは殺してくれと頼まれても殺すことが出来ない優しい子だと言うことはわかる……なら俺が代わりに殺すしかない
「剣也…ひとつだけ約束して」
「なんだ?」
「苦しまないように…死なせてあげて」
「…わかってる」
そう行ってからフェイトは研究者を捕まえる為に向こうに行った
「ガルォォォォォ!!!」
ージャララララッ!!!!
ワーウルフが飛び掛かるも俺は瞬時に光る球を胸から出し、
ある形を作り上げた
その形とは…
4、5メートル程の白く輝く鎖で端には刃渡り十五センチほどの短剣が括りつけられており、武器としても機能するものだ
「天光鎖(シャイニーチェーン)…」
俺は言うと同時に巧みに操り、ワーウルフの四肢に巻き付け、動きを封じた
「…さて…ウィル」
「はい…ソードフォーム、モードカタナ」
その言葉と同時にウィルはあの魔法を使える形態に棍から変型した
薄緑色の刀身、鍔に深緑のコア、水色の柄と全体的に、見た目も流麗で美しい刀となった
「属性を火に…現れよ、灼熱の悪戯坊主…爆裂童子(ばくれつどうじ)」
サイガ式を展開、火の紋章を真ん中にして召喚した式神は…
赤いお面を持ち、炎を服の様に纏った童子…爆裂童子だ
「《やほー主様♪どうしたの?》」
「奴を苦しまずに葬りたい、アレをやるぞ」
「《人工生物だね酷い事を…良いよ、一撃で葬るよ!!》」
そう言いながら爆裂童子は粒子になり、刀になったウィルに入った
それによりウィルの形がさらに変化した
刀身は紅く、切っ先は鎌のように、黄色い柄を持つ刀に…(形のイメージはダンボール戦機WのLBX ペルセウスのペルセウスソード)
「"式神武装"…妖刀:殺火(さつか)」
[式神武装]
ウィルが刀になった時にのみ使える魔法。
疑似リンカーコアを用いて召喚した式神を魔力に変換、ウィルにインストールする事でその式神の力をダイレクトに操る事が出来る
「グルルルッ…」
そのあまりの熱量に怯えるワーウルフ
「安心しろ、一撃で…仕留める!!」
そう叫びながらワーウルフを投げ飛ばし…
殺火に魔力を込めて…
「武天流刀術、火、業火天刃!!」
そう叫ぶと同時に火を纏った巨大な斬撃を放つ
ーズバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!!
ワーウルフを声も出させずに両断、更に消し炭にした
…約束は守った…筈だ!!
そう思いながら解除した
「《主様、有り難うって言ってたよ、ワーウルフさん》」
「…そうか」
心の中で安堵しながらも俺はそう言った
爆裂童子がその後消えたのを確認してフェイトの方を見ると…
『………………………。』
捕まえた研究者達と一緒に口をあんぐりと開けていた
「?どした?フェ「剣也、いまのなに!?式神って合体できるの!?それに一撃でって言ったけどやりすぎだよ!!」……」
フェイトにめちゃめちゃ質問された
まぁ、天井も消し炭にしたから当たり前だな……研究者達がやった事にしよ
「説明は後で…この任務が終わってからで良いだろ」
本部に報告するまでが仕事です
「う、うん…私も話したい事があるから…その時に話して良い?」
「ああ、構わない(Fの欠片についてか?)」
その後任務を速攻で終わらせた
場所が変わり、夕方の公園のベンチ…
「はい、ココア」
「あ、有り難う」
俺はフェイトに説明する為にココアを渡した
「俺が使った魔法…あれは式神武装っていってな…疑似リンカーコアを用いて召喚した式神を魔力に変換、ウィルにインストールする事でその式神の力をダイレクトに操る事が出来る魔法なんだ」
「凄いね…弱点は無いの?」
「強いて言えば刀の時しか使えないだけだな…といっても形も変化するから問題ない」
「そうなんだ…じゃあ次は私だね」
そう言いながら姿勢を正すフェイト
「剣也は…クローンについてどう思う?」
いきなり聞いてきた
「クローン?生まれかたはどうあれ生き物であることに変わりないと思うけど?」
これは俺がほんとに思ってる事だ…前世で命を奪う仕事についていたからな
「なら、私がそのクローンだとしたら…どうする?」
やっぱりそう来たか…なんの意味も無くそんな話しないもんな…
「…どういう事?」
「うん…実は…」
寂しげな表情でフェイトが語ったのは九歳の頃の話…母親に言われ、ジュエルシードというロストロギアを集めに地球に来たこと、そこでなのはと出会い、何度も戦ったこと…。母親に自分がアリシアという子のクローンだという事を告げられ、自分を見失い、立ち上がり、母親に向き合うも受け入れてもらえず、アリシアと共に虚数空間に落ちて行った事…。そして、この公園でなのはと友達になった事を話してくれた…。なるほど、前になのはと話していた時に所々抜けてたのはフェイトの事に触れるからか…確かに此は簡単には話せないな…
「だから…私は普通の人間じゃないの…」
「フェイト…普通とはなんだ?」
「え?」
「世界には色々な人々がいる…その人達の唯一の共通点は寿命がある事…でもその寿命さえ人によって違う…厳密に言うと普通の基準というのは無いんだ」
「………………」
「フェイト、クローンであるかないかは些細なモノだ」
「?どういう事?」
「周りにどう言われようと、どう思われていようと自分は自分……クローンであろうと無かろうと変えることは出来ない………」
そう言ってからフェイトの顔を見て言う
「大切なのは"自分はなにか…でなく、どうありたいか"…ということだ」
「自分は……どうありたいか」
「そ、お前はどうありたい?」
そこまで言ってからフェイトの言葉を待つ
「………あたしは『アリシア・テスタロッサのクローン』なんかじゃない、一人のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンでありたい」
そう真っ直ぐな顔をしてフェイトははっきりと言った
「それで良い…じゃあな」
それからフェイトに背中を向けて歩くが、数歩歩いたところで立ち止まり
「フェイト」
俺は振り返らずに彼女を呼ぶ。俺に呼ばれたフェイトの視線がこっちを向いてるのが背中越しに感じる
「これは俺が思ってる事だが…生まれて来てくれて有り難うな」
「えっ!?/////////」
再び歩き出した
〜剣也視点終わり〜
〜フェイト視点〜
「ただいま〜」
「フェイトお帰り〜」
「ただいま、アルフ」
私は玄関に来たアルフに笑いかける
「?フェイト、なにか良いことでもあった?」
「え?何で?」
「なんか嬉しそうだから」
「う、うん…ちょっとね///」
「ふーん…」
その後、お風呂に入り、ご飯を食べ、自室のベットに横たわりながら今日の事を振り替える…
「(生まれて来てくれて有り難う…か)」
考えると私の出生を聞いた人達は大半が同情するか気味悪そうにするかだった
「(なのは達は違ったけど……あんなこと言ってくれたのは剣也だけだった……)」
剣也の事を思い出すたびに自分でもわかるくらい顔が熱くなっていく
「(そっか……この気持ちは…)」
今までずっと剣也が気になっていたり、なのは達と仲良さそうにしてるのを見てモヤモヤしていたのは…
「私…剣也の事が…」
…好きなんだ…
「剣也には一人のフェイト・テスタロッサ・ハラオウンだよって言ったけど……」
……それだけじゃ足りないかな?
「そう言えば剣也って執務官の資格を取得してるんだったな…」
たしか聖王教会の執務官は管理局の執務官とペアを組めるって…
「決めた!!」
…執務官になって、剣也のパートナーになろう!!…出来れば、公私共に///
そして私は執務官を目指すことにした
その頃…剣也は
「なんつーはずい事言ってんだおれは…///」
チルドレン達のデバイスを完成した後にフェイトに言ったことを思い出して悶えていた…
説明 | ||
第二十九話任務、その後、気持ち | ||
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コメント | ||
剣也の新しい才牙もお披露目したし、残りの才牙も期待しています。(俊) こうして剣也はヒロインを増やしていくんですね。しかし、資格取りすぎじゃないか? 所持してる資格だけでなのはとはやての二人とも一緒に仕事が出来ますね。(俊) フェイトが執務官を目指す理由という訳ですな、面白いです(ohatiyo) |
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