英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
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ルーク達が街に戻ると異変―――ルーク達の知り合いであるルック自身やエリッサの母親等数人の市民達が昏睡状態に陥るという大事件が起こった。

 

幸いにも昏睡した市民達は唯の睡眠状態であり、ルーク達は手分けして昏睡状態に陥った市民達の家族に事情を聞いた。

 

そして共通している部分は市民達が昏睡した瞬間を霧の影響で誰も見ていない事、気になった事は昏睡する直前に昏睡状態に陥った市民達の家族が聞いた鈴の音や黒衣の女性を見かけたという情報であり、ルーク達はこれ以上被害者を出さない為や黒衣の女性を見つける為に仮眠を取りながら交代でパトロールを行った。

 

パトロールの甲斐があったのか、被害者は増える事はなかったが昏睡状態に陥った市民達は未だ目を覚まさず、更にロレント地方を覆う霧の濃度が上がると共に範囲が更に広くなったという状況であった。

 

〜遊撃士協会・ロレント支部〜

 

「そう……霧の範囲が一晩でそこまで広がったの……」

街道の状況を見てきたルーク達の報告を聞いたアイナは考え込み

「更にマルガ山道に至ってはほぼ全域が霧に閉ざされていたわ。」

「行きも帰りも大変でしたよ〜。」

山道方面を見てきたシェラザードとアネラスはそれぞれ報告した。

 

「かなり洒落にならない状況だが……軍はまだ動かないのか?」

その時ある事を疑問に思っていたフレンはアイナを見つめて尋ね

「いえ、こちらの報告を受けた軍が状況を重く見たのか、ロレントの警備の為に部隊の派遣を決定しました。」

「ほんとですか!?」

「ようやく軍も動き出したか……」

「街を軍に任せられるから、レン達も自由に動けるわね。」

ようやく来る援軍の存在にアネラスは明るい表情をし、ルークとレンはそれぞれ口元に笑みを浮かべていた。

 

「ええ、すでにヴェルテ橋方面から2個小隊がこちらに向かっているわ。」

「それでアイナ。俺達はこれから何をした方がいい?」

「それなんだけど……。まずは民間人の避難を手伝ってくれないかしら。」

「民間人の避難?」

アイナの依頼を聞き、意味がわからなかったアネラスは首を傾げた。

 

「昏睡事件は霧の発生範囲で起こされている可能性が高いわ。そして今朝、その発生範囲はさらに広がってしまった……。パーゼル農園やマルガ鉱山が覆われてしまうくらいにね。」

「なるほど、そういう事か。」

「ママやティオ達みたいにロレントの外に住んでいる人達の避難ね?」

「後は鉱山で働いている鉱員達の避難か……」

説明を聞き、察したルークやレン、フレンはそれぞれ答えた。

 

「ええ。郊外の一軒家に住んでいるレナさん、パーゼル農園の一家と、鉱員達の安全を頼んでもいいかしら?」

「わかったわ。それじゃあ迅速に避難を終わらせる為にも3手に分かれた方がいいわね。」

アイナの指示を聞いた後シェラザードは提案した。

 

「組み合わせや担当地はどうしますか?5人だと、どうしても一人だけのチームになってしまいますが……」

「一人のチームは母さんの護衛でいいんじゃねえか?ブライト家はロレント市からすぐの距離だし。」

アネラスの疑問を聞いたルークは提案し

「そうね……それじゃあクジで手っ取り早く決めてしまいましょう。」

ルークの提案にシェラザードは頷いた。

 

「ん?そう言えばお前は真っ先に母親の護衛を買って出ないんだな?」

母親が大好きな性格をしているレンの事を知っていたフレンはレンがレナの護衛に申し出なかった事に疑問に思って口に出し

「”仕事”なんだから、レンの私情で動く訳にはいかないもの。それにこの5人なら、誰が行ってもロレントに無事届けられるって確信しているしね。」

「お、さすがは正遊撃士になっただけあって、一人前な発言をするじゃねえか。」

「はあ、エステルにレンの爪を煎じて飲ませてやりたいわ……」

レンの答えを聞いたルークは感心し、シェラザードは疲れた表情で溜息を吐いた。その後クジの結果ルークとフレンが鉱員達の保護に、シェラザードとレンが農園に住む人々の保護に、そしてアネラスがレナの保護に向かう事となり、それぞれ3手に分かれてそれぞれが保護する人々がいる場所へと向かった。

 

〜マルガ山道〜

 

鉱山に到着したルークとフレンは鉱山長に事情を話し、多くの鉱員達と共にロレント市に向かっていた。

「!………」

「チッ、嫌な気配だぜ……」

先頭に立って鉱員達を先導していたルークとフレンは何かの気配を感じて武器を構えて警戒の表情をした。

 

「何だ?どうして立ち止まったんだ?前は何もねえ―――」

そしてルーク達の様子に首を傾げた鉱山長が話しかけたその時、霧のような魔獣が一体現れた!

 

「ひ、ひえええっ!?」

「ま、魔獣!?」

魔獣を見た鉱員達は悲鳴を上げ

「みんな、落ち着いてくれ!」

「すぐに片付ける!あんた達は下がってな!」

ルークとフレンは警告を出した後戦闘を開始した!

 

「スタンブレイク!!」

フレンは魔獣に詰め寄って電撃を流し込んだトンファーを叩き込んだが

「なっ!?グッ!?」

フレンのトンファーはすり抜け、その事にフレンが驚いた瞬間魔獣は体当たりをしてフレンにダメージを与え、フレンはすぐさま後ろへと跳躍した。

 

「フレアアロー!!」

フレンが後ろへと跳躍した瞬間、ルークは駆動を終えたオーブメントでアーツを発動した。すると上空から炎の矢が魔獣に襲い掛かり、炎の矢を受けた敵は全身を炎に包まれていたが、炎に包まれていた魔獣はガスらしき煙を出してルークに放った。

 

「烈!魔神拳!!」

その時闘気を纏った拳をルークが振るうと衝撃波がガスを吹き飛ばし、魔獣を襲ったが攻撃はすり抜けた!

 

「ハアッ!?攻撃がすり抜けちまったぞ!?」

「チッ、霧系だから物理は通しにくいのか!だったら……!」

目の前の魔獣が物理攻撃が効きにくいと判断した二人はすぐさまオーブメントの駆動や詠唱を開始し、その様子を見た魔獣は二人に向かってそれぞれガスを放ったが二人は軽やかに回避し

「アースランス!!」

フレンが発動したアーツによって発生した大地の槍で身体を貫かれ

「ロックブレイク!!」

更にルークの譜術によって止めを刺され、止めを刺された魔獣は霧散した!

 

「仕留めたか。しかし……何だったんだ、今の奴は?」

「今まで見た事のないタイプの魔獣だったな。―――とりあえずまずは護衛に専念して、さっきの魔獣の事は後でアイナに報告しようぜ。」

フレンの疑問に答えたルークは提案し、二人はその後鉱員達を無事、ロレント市まで護衛した。

 

〜エリーズ街道〜

 

「!………下がって下さい、レナさん。」

一方レナを護衛していたアネラスは何かの気配に気付いて立ち止まって真剣な表情でレナに警告し

「もしかして魔獣ですか……?この辺りは出ないのに……」

警告を聞いたレナは戸惑っていた。するとその時霧のような魔獣が一体現れた!

「霧の魔獣!?悪いけど……すぐに終わらさせてもらうよ!」

そしてアネラスは戦闘を開始した!

 

「蒼波刃!!」

アネラスは剣を振るって風の刃を放ったが風の刃は霧の魔獣をすり抜け、対する魔獣はガスのような煙を吐き出してアネラスに放った!

「えいっ!物理が効きにくいタイプか〜。ちょっと面倒な相手だな〜。」

襲い掛かる煙を剣を振るって霧散させたアネラスはオーブメントに付与されているクオーツに指でなぞり、アーツを発動しようとしていた。

 

「……………」

アネラスの行動を見た魔獣はアネラスに近づきながらガスを放ったが

「無駄だよっ!」

アネラスは剣を振るって次々と霧を霧散させ

「それっ!ダイヤモンドダスト!!」

駆動を終えたオーブメントでアーツを発動した。すると魔獣の周囲に冷気が包み込んだ後氷の塊が落下して魔獣にダメージを与え、冷気を受けた影響で魔獣の身体は所々凍結し

「二の型――――疾風!!」

その瞬間を狙ったかのようにアネラスが電光石火の速さで強襲すると魔獣は一刀両断され、霧散した!

 

「フウ。レナさん、怪我はありませんか?」

「ええ、大丈夫です。それにしても今のような魔獣、今まで見た事がないのですが……」

「………後でギルドに報告しておきます。さあ、新手が現れない内に急いでロレントに向かいましょう。」

そしてアネラスはレナの護衛を再開し、レナを無事ロレント市に送り届けた。

 

 

 

説明
第50話
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