神次元の外れ者(42) |
【((首輪|ストッパー))】(チータ視点)
【人神研究施設本部・食堂】
俺の名前はチータ・プラー、人神No022で最新型の人神だ。
コードネームは…仕事以外で使ってねぇんで省略する。(つーかめんどい)
人神に成ったきっかけは……そうだな、人間だった時の人生があんまりにもつまんねぇから。
…ありきたりな理由だろ?隠してるって思うならそう思っとけ…この性格はそうそう変わらんよ。
成功例が21人ぐれぇとはいえ、人神ってのはすっげぇ優遇されてるんだよ、俺から見てもな。
メンバーにゃそれぞれ個室が与えられてるし飯も美味いし風呂もあるし、装備を揃えるのも簡単だ。
只し俺は、やっぱあそこの方が…アイツらのいるあの場所の方が良いかな……
…以前まではここが憩いの場だったのに、不思議なもんだ。
……あの事件以来、女神の信頼は駄々下がりだ。
中には「女神は危険」だの「核」だの「タリの再来」だの言う奴も出て来やがってる…俺もそう思います。いや、元凶の俺が見てもあれは…ね。
そうそう、あれ以来アイツも丸くなったのか(普段の見てると真ん丸に思えるが)俺がこうして勝手に出掛けても騒がなくなった。
お陰でアジトにも気楽に顔出せるし、こうしてのんびりいられるのだが……
ピー
チータ
「…あ。」
バチバチィッ!!
チータ
「ぎゃぅっ!」
…今のように、電流が流れる首輪をはめる羽目になった。(審議はしないで良いです、寧ろするな、マジだから)
これはあの女王さm――――
バチバチバチィ!!
チータ
「ぎぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ジュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
ワン
「だ、大丈夫カイ?」
チータ
「お、おう……」
このチョーカーはプルルートからもらった物で、アイツが付けてるのと同じやつだ…見た目だけは。
だがその実態は…電流によって俺を縛る首輪なのだ。
あれはいつものように、ピーシェとスパやってた時だった……
イエローハート
「いっくよー!!」
【SPスキル・ガードストライク】
チータ
「おいおいちょっと待ていきなり変身とか必殺とかナシだろ常識的に考え……」
ズドォォンッ!!
チータ
「…ッグゥゥゥッ………!!」
変身が間に合わなそうなので仕方なく変身せずに拳を受け止めた。
……うん痛い、すっっっごく痛い。もしかしたら折れてたね、下手すりゃ貫通してたね、全く加減を知らないんだから……
そう思ってたその時
ピ―――――――
チータ&イエローハート
「?」
首輪から高い音が出て来た。俺は首輪に触れ、ピーシェは変身を解除し、不思議そうに首輪を覗く。
ピーシェ
「これからでてるの?」
チータ
「みてぇだな……」
ピーシェ
「なんかこのおとやだ……」
チータ
「(何か嫌な予感…)ピーシェ、取り敢えず離れなさい。」
俺は念のためにピーシェと少し離れ、首輪を無理矢理引き千切ろうとした。
アイツからもらった物だから何かロクな事起きない気がしたし、こういうのは手っ取り早く外すに限る。
チータ
「……あれ?」
可笑しい、外れん……人神が引きちぎれないってどういう……
感触はプラスチックに近いのだが…不思議な事にびくともしない!!
一体何が起きたのか、この首輪は何なのか、そんな疑問を浮かべながら首輪を引っ張っていたその時……
チッ…バチバチバチバチィィィッ!!!!
チータ
「ピッギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ピーシェ
「わあっ!?」
首輪からいきなり電流が流れて来た。けど妙だ…この電撃の感触、俺は前にも((喰らった事がある|・・・・・・・・))。
だが考えても見れば不思議でも何でもなかった、何せこの首輪は…
((アイツ|プルルート))が渡した(※正確には俺が寝ている間に勝手に付けた)物だからだ!!
急いで教会に戻り、偶然そこにいたイストワールに問いただして見た。
本人に聞いた場合、聞く前に何やられるか分かったもんじゃねーし。
聞くところによると、この首輪が電流を流すのには条件があり、今分かってるのは以下の三つ。
一つ、教会かプルルートから離れて一定時間経つ。
二つ、プルルートの事を「女王様」若しくは「魔王様」と言う事。
三つ、異性に触れる事。ただしこれを付けた本人、即ちプルルートは例外とする。
まだまだ色々発生条件があるかもしれないが…全部見つけるまでに俺が持たん。
更に付け足すと、一つ目より二つ目、二つ目より三つめの方がキツいらしい。
外そうとしたが全然外れねぇのは、首輪本体に触れた時、力をゆるめるように電気信号を脳に送るからだとか…
世の平穏の為に、人類と女神の共存の為に、四国の知識の髄を集めた発明らしい
……その知識、他に回せよ他に。何が世界の平和だ、何が人類と女神の共存だ。
俺の平和を返してくれ、ライフワークを返してくれ。
『人神研究施設本部・食堂・男性陣のたまり場』
…とまぁこんな感じでやりきれない訳なんで、思い切ってぶちまけた。
同情する奴、慰める奴、どうでも良い奴、それより仕事しろという奴、羨ましがる奴、色々いた。
ワン
「ソレは災難だったネ……」
こいつはワン、小柄で童顔なんだが同い年らしい。ケーキが大好きで、休暇は大抵ケーキを喰って過ごしているとか(なのにどうして太らない)
チータ
「これさえなければ俺だって……俺だって………」
今にもベールさんとこに転職出来るのに……!!
そんな俺の肩を、坊主頭で清いオーラが見える男が優しく肩をたたいた
テン
「涙を拭きなさい…きっと良い事ありますよ。人生は山あり谷あり、今が谷にでもきっとその先には……」
こいつはテン、元々は僧侶だったらしく、坊主頭と悟りを開いたような喋り方はその名残らしい。
痩せ形でストイックな性格の為にモテてるのだが、妙に憎めないし嫉めん…それは恐らく、コイツの人柄あっての事だろう。
チータ
「う…ううう………」
泣きそうです…いや、もう泣いてるな、俺。
目から涙がぼろぼろ出てるのが自分にもわかるしな。柄じゃねぇが、こればっかりは誤魔化せねぇな。
ドォンッ!!
チータ+他数名
「ッ!!」
トゥエルブ
「貴様ぁ!!プルルート様に((御慈悲|オシオキ))を恵んでもらっておいてその態度は何事だぁ!!恥を知れぇ!!」
…いや、お前が恥を知れこのドM。
今テーブルを思い切り叩いて恥ずかしい事を堂々と言うM男はトゥエルブだ。
硬派なイメージ漂う巨漢だが、実はかなりのプルルート信仰者で、特にアイリスハートには心酔しているとか。
雷であってもアイツのならご褒美と感じる程らしいが…どう見てもド変態です、本当にありがとうございます。
トゥエルブ
「大体なんだ貴様!あの方と一つ屋根の下にいられるのに、お近づきになれるというの…口を開けば文句と愚痴ばかりとは何様だぁ!!」
チータ
「こっちは命がかかってんだよ!!」
ワン
「あ、それ僕も思った。首輪はともかく一緒に居られるってのはズルいヨ。」
チータ
「早速手の平返すな!!」
トゥエルブ
「そんなに嫌なら俺と代われぇぇ!!」
チータ
「出来たらとっくに代わってるよ!!寧ろ代わって――」
ダァンッ……
サーティーン
「ぎゃぁぎゃぁぎゃぁぎゃぁうっせぇなぁ……ごみ溜めに群がるカラスかよ」
…今発砲した奴はサーティーン、人間だった頃は殺人鬼という噂があるらしいが、真偽は不明。
サーティーン
「…まぁそんな事はどうでもいい……例の計画に支障出るだろ、それ。どうすんだ?」
チータ
「そうなんだよなぁ……ワン、この首輪どうにかなんねぇのか?お前でも無理なのか?」
ワン
「先ずどんな電波に合わせてるのか割り当てないとネェ……ラジオ、TV、携帯、PC、ゲーム機、色々な電波でやってみたけど合わないんだヨ…」
この首輪、セキュリティ云々より接続する手段が分からない…これをどうにかしないと例の計画が……
?????
「あらあらお困りのご様子ね。けど、どうにかなるかもしれないわよ。」
チータ&ワン&トゥエルブ&サーティーン
「ッ!?!?!?」
突然聞き覚えのない声を聞き、皆一斉に振り向いた。そこにはパワードスーツを身に纏った奴がいた。
こいつは俗にいうオカマってやつか…?
チャッ
サーティーン
「……誰だ」
早速銃口を向けるサーティーン。
見知らぬ侵入者…もしかしたらスパイと言う可能性もある。
しかし何故わざわざおれたちの所に…?
?????
「アラアラ血の気の荒い子ね。そんなトゲトゲしいと、女の子にもてないゾ?」
ガァンッ!!
ワン
「ちょっとォ!?」
サーティーン
「安心しろ、死んでない……」
サーティーンの放った銃弾は弾かれていた。あのパワードスーツ、障壁でも張れるのか?
ワン
「いやいやそういう事言ってるんじゃないんだヨ!?いくら侵入者と言っても…」
サーティーン
「だからてめぇは甘ちゃんなんだよ、ここにゃ色々と秘密があるようだからな、とっくに知られた可能性だってある。」
確かにその通りだ。
ここって意外と秘密多いんだよな…
わいわいがやがや呑気にしてたが、仕事はしっかりやらんといかんしな…最近任務来ねぇけど。
?????
「あらあら…アタシ一応ここの関係者よ?ほら、証明書」
謎のパワードスーツは何やらカードを取り出し、俺達に見せた。
『人神研究所化学班・アノネデス』そう書かれていた。
チータ
「アノネデスって…まさかアンタ、あのアノネデス!?」
アノネデス
「あら、ご存知のようね。」
知らないわけがない。
アノネデスと言えば七賢人の一人だ。
かつてラステイションに乗っ取り(ハッキング)を容易く行い、大混乱に陥れたとされる。
…因みにノワールことブラックハートのストーカーであり、部屋にカメラをこっそり仕込んで盗撮してるという噂もある。
アノネデス
「『元』七賢人ね。今はここにスカウトされたただの研究者だから、ヨロシク」
チータ
「あぁはい…って何で俺の心の声を!?」
アノネデス
「それはアナタの首輪が関係してるけど…まあいいわ。そんな事より取引よ、呑んでくれたらその首輪、外してあげるわ」
そんな事って…俺には死活問題なわけですがそれは…ってあれ?『外してあげる』?
チータ
「マジすか!?」
サーティーン
「どうせでまかせだ、この場から逃げる為のな。大体その証明書だって本物かどうか…」
チータ
「いや、証明書は本物だ。それに、逃げる気ならとっくに逃げてるよ、あのアノネデスなら。」
国をハッキングした腕を持つと言われるアノネデスなら、もしかしたら本当にこの首輪を外してくれるかもしれない。
だが問題は取引の内容だ。命とか体の一部とか記憶とか言われたらどうしようか…流石にそれはちょっと……
チータ
「何だ?何が望みだ?」
もしそうだとしても可笑しくない。それ程までに首輪を外すことは重要だ、俺にとっても『計画』にとっても。
アノネデス
「アナタをその首輪から解放してあげる。ああ安心して、別に何か取るって訳じゃないからただあなた達が立ててる計画……」
目の前の超有名人、伝説級のハッカーが出した条件は…
アノネデス
「まず一つ目、アタシも混ぜてくれないかしら?」
仲間に…否、同志になりたい言う意外なものだった。
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つ〜か〜れ〜た〜(訳:良ければどうぞ) | ||
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