英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク |
〜パーゼル農園〜
「ティオ達の家、かなり深い霧に覆われているわね。もしこの状態で街道の魔獣が迷い込んできたら危険じゃないかしら?」
農園に到着したレンは農園全体を覆う濃い霧を見て呟き
「そうね。速やかに避難してもらう為にもまずはご主人に事情を説明するわよ。」
レンの意見にシェラザードは真剣な表情で頷いた。するとその時!
チリーン…………
辺りに響く程の透き通った鈴の音が聞こえて来た!
「鈴の音……!?」
「……まさか……!」
農園に響き渡る鈴の音を聞いたレンとシェラザードが血相を変えたその時、霧型の魔獣が2体、二人の目の前に現れた!
「霧の魔物……!?まさか”黒衣の女”の仕業!?」
「今は考えているヒマはないわ!撃破するわよ!」
そしてシェラザードとレンは戦闘を開始した!
「二の型――――疾風!!」
レンは電光石火の速さで魔獣達に詰め寄ると共に抜刀して駆け抜け、元の位置に戻ったが
「(手応えがない!?)―――!!」
「ハッ!」
すぐに手応えが無い事に気付いた瞬間、霧の魔獣が放った何かのガスがレンとシェラザードを襲い、二人はそれぞれ側面に跳躍して回避した。
「物理攻撃が効かないんだったら……!」
回避に成功したシェラザードはオーブメントを駆動させ
「魔神剣!魔神剣・双牙!!」
レンは剣や小剣を振るって衝撃波を次々と魔獣に放って自分に注意を引きつけていた。
「それっ!スパイラルフレア!!」
駆動を終えたオーブメントでアーツが発動されると魔獣達の上空から炎の槍が次々と降り注いで魔獣達を怯ませ
「塵も残さず焼き尽くされなさいっ!奥義!浄破滅焼闇!!」
闘気によって発生し、武器に宿した漆黒の炎をレンが放つと魔獣達は漆黒の炎に焼き尽くされ、霧散して消滅した!
「シェラお姉さん!鈴の音が聞こえたという事はもしかして”黒衣の女性”がまだ近くに……!」
「ええ!レンは家の中にいる人達の安否の確認を!あたしは”黒衣の女性”を探すわ!」
「わかったわ!」
戦闘を終えた二人はそれぞれの行動に移った。
「あ………ティオ……それにチェル達も……」
レンが家の中に入ると自分の知人やその家族たちが意識を失った状態で倒れていた。
「眠っているだけね……やっぱり街の人達と同じ症状ね……」
「ダメね……まんまと逃げられたわ。あたしたちの動きを完全に読んでいたみたい。」
レンが一人一人の状態を調べていると犯人を逃がした事に悔しさを感じているシェラザードが家の中に入って来た。
「”黒衣の女性”、ね。とりあえずティオ達をベッドに運んだ方がいいのかしら?」
「ええ、あたしが運ぶからレンは部屋に案内して……」
その後二人は協力して農家に住む人々をベッドに寝かせた。
「何とかベッドに運んだわね。ふう……これからどうしたもんだか。」
ベッドに運び終えたシェラザードは溜息を吐いた後今後の対策を考え込んでいた。
「状況をギルドに報告して、できれば軍の人達をこっちに派遣してもらうべきだけど……この農園を護衛する人達が現れるまでレンかシェラお姉さん、どちらかが残っておいた方がいいのじゃないかしら?何だったらレンが急いで報告しに行こうかしら?シェラお姉さん、ティオ達を運んで、ちょっと疲れているでしょう?」
「そうね……。悪いけどお願いしようかしら。」
レンの提案にシェラザードが頷いたその時
「―――いえ、その必要はありません。」
なんとイオンがアリエッタとシスター服を身に纏うカリンと共に部屋に入って来た!
「あら、お姉さん達は……」
「確かクーデター事件時に手伝って頂いた”星杯騎士”のアリエッタさん………という事は貴女達のどちらかがもしかしてアリエッタさんの?」
3人の登場にレンは目を丸くし、シェラザードは驚いた後イオンとカリンに視線を向けた。
「ええ、僕がアリエッタの上司―――イオン・ジュエと申します。クーデターの時は部下のアリエッタがお世話になりました。」
「フフ、お世話になったのはあたし達の方だけどね。―――それよりどうして七耀教会の裏組織がこんなちょうどいいタイミングでここに現れるのかしら?」
”星杯騎士”の登場のタイミングがあまりにも良すぎる事を疑ったシェラザードは真剣な表情でイオンを見つめて尋ねた。
「昨夜、デバイン教区長から昏睡事件についての報告が、王都の大聖堂に届けられ、ました。それで『星杯騎士』として、どのような状況なのかを確かめる為に、街道を越えて、ロレントに到着した後、たまたま鉱員達を連れたルーク達と出会い、状況を聞いた後、ここにきました。」
「あら、お兄様達は無事護衛を終えれたようね。」
「となると失敗したのはあたし達だけか……それよりさっきの『その必要はありません』って言ってたけど、あれはどういう意味かしら?」
アリエッタの説明を聞いたレンは目を丸くし、シェラザードは疲れた表情で溜息を吐いた後すぐに気を取り直して尋ねた。
「ああ、その話ですか。あれは僕達がここに残りますから、お二人がこの農園に残る必要はないという意味ですよ。」
「あら、いいの?」
「多分任務の関係でロレントに来ているだろうに、本当にいいのかしら?」
「これも聖職者としての、仕事の一つ、です。それに、アリエッタたち、医術の心得も、あります。」
イオンの申し出に驚いているレンとシェラザードを安心させるかのようにアリエッタは説明した。
「ふふ、それならありがたくお言葉に甘えさせてもらうわ。」
アリエッタの説明を聞いたシェラザードは微笑み
「あの、イオン様………私もお二人の手伝いをしてはいけないでしょうか?」
カリンは申し訳なさそうな表情でイオンを見つめて尋ねた。
「………理由は……やはりヨシュア・ブライト絡みですか?」
尋ねられたイオンは目を閉じて考え込んだ後やがて目を見開いて尋ね
「へっ!?」
「あら。」
イオンの口から出た予想外の人物の名前を聞いたシェラザードは驚き、レンは目を丸くした。
「ええ……あの子がお世話になったロレントの方々に恩返しをしたいですし……」
「―――わかりました。ですが、くれぐれも無理はしないで下さいね?」
「はい、ありがとうございます……!」
「ちょ、ちょっと待って!?貴女、何者!?まるでヨシュアの知り合いか何かみたいな言い方をしているようだけど……」
イオンの許可を得て明るい表情をしているカリンの様子を見たシェラザードは血相を変えてカリンを見つめて尋ね
「なるほど。貴女が話にあったヨシュアと血が繋がっているヨシュアのお姉さん――――カリンお姉さんね?」
「ハアッ!?ヨ、ヨシュアの実の姉!?というかどうしてレンがそんな事を知っているのよ!?」
レンの話を聞いたシェラザードは驚いた後レンを見つめて尋ねた。
「うふふ、ルークお兄様はイオンお姉さん達と親しい事は知っているでしょう?その二人の”協力者”がリベールにいて、その人が昨日乗っていた飛行船にたまたま乗っていてね……その人がヨシュアのお姉さんの事をお兄様とレンに教えてくれたの。」
「い、一体いつの間に………というかそんな重要な話、どうして今まで黙っていたのよ!?」
「だってその人、イオンお姉さん達―――”星杯騎士”が保護されているから、おいそれと他の人達に教える訳にもいかなかったのよ。」
「”星杯騎士”が保護………?」
レンの説明を聞いたシェラザードは眉を顰めてカリンを見つめた。
「自己紹介が遅れましたね。―――カリン・アストレイ。ヨシュアの姉です。」
見つめられたカリンはヴェールを取って微笑みながら自己紹介をし
「わあ、ヨシュアと同じ黒髪と琥珀の瞳じゃない。しかもとっても美人さんね。」
「容姿もあの子と非常に似ているわね………それでカリンさん、だったかしら?どうして今までヨシュアに会いに来なかったのかしら?」
ヨシュアと非常に似ている容姿を持つカリンをレンは興味深そうに見つめ、シェラザードは驚きの表情で見つめながら呟いた後真剣な表情で尋ねた。
「人づてであの子が記憶喪失だという話を聞いておりまして………記憶喪失でも幸せに暮らしていたそうですから、辛い記憶が蘇るきっかけになるかもしれない”私”とヨシュアが顔を合わせない為にも今まで会いに行かなかったんです……」
「その辛い記憶ってのはかなり気になる話だけど、今は悠長に話をしている場合ではないわね………それでカリンさん。手伝うって言ってましたけど、具体的には何を手伝うつもりなのかしら?」
「それは勿論、皆さん―――遊撃士の方達と一緒にロレントで起こった昏睡事件の解決の為に共に行動しようと思っています。」
「共に行動って……下手したら昏睡事件を起こした”犯人”とも戦う事になるかもしれないのよ?」
カリンの話を聞いたシェラザードは目を丸くした後真剣な表情で尋ねた。
「大丈夫、です。カリン、アリエッタ達が鍛えました、から。」
「……彼女の希望で自衛の手段として僕の知り合いが”騎士団”に伝わる独特の投擲武器の一つ――――”チャクラム”の使い方を教え、さらに僕達は”術”を教えていますし、魔獣との戦いも経験しています。カリンも充分戦力になりますよ。」
「あら、じゃあその人もアリエッタお姉さんみたいに”法術”を使えるんだ。」
「それは助かるわね。アリエッタさんの法術もあのロランス少尉との戦いの時、非常に助かったし。後方支援ならあたし達が守ればいいだけだから、大丈夫ね。―――わかりました、短い間になりますがよろしくお願いします、カリンさん。ただし戦闘時になれば、くれぐれも前に出ないようにお願いします。」
「はい。」
こうしてカリンを加えたシェラザードとレンはその場をイオンとアリエッタに任せ、ギルドに戻った………
と言う訳でカリンもバトルに参戦します!それとお気づきと思いますがカリンの武器はテイルズでは有名なあのドジ神子と同じ武器ですwwまあ、ドジ神子と違ってさすがにこけただけでアイテムを盗むとか、術の詠唱を間違えて秘奥義に変わるとかそんな強運は持っていませんからね!?
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第51話 | ||
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コメント | ||
感想ありがとうございます さすらいのハリマエ様&dark様 まあ、さすがにカリンが『アイテムスティール!ふにゅ』とか『あ。間違えちゃった♪失敗、失敗〜』とか言ったら大崩壊ですしねww(sorano) いやいやいやいや、後者のスペックは付けなくて良い・・・つかカリン像が本気で大崩壊してしまうwww(dark) そんなことやったら…イメージがらがら崩れるがな(黄昏☆ハリマエ) |
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