【真・恋姫†無双if】〜死を与えることなかれ〜1話 |
…ああ、そっか。俺がこの外史で記憶を………いだ理由、
それは、君を救う為だったのか、なら、こんな結末でも納得が出来る。
…泣かないでくれ、雪蓮。君に涙は似合わない。
俺は君の笑っている姿が好きなんだ。最後は君の温かな笑顔で――逝きたい。
…だから……笑ってくれ……雪蓮―――――
「ほらほら、そんなに遅いと日が暮れるわよ」
「ひ、日が暮れるって、まだ昼前じゃないか。
ちょっと待ってくれよ雪蓮、息が……」
「それほど速く駆けてないでしょ。運動不足なんじゃないの?」
「いや、明らかに速いって。なぁ、少し休憩しないか?」
「ダーメ。後少しだから頑張りなさい」
「……わかったよ」
「でも、そうね。私は時を気にし過ぎてたみたいだから、
ここから先はゆっくりと歩いていきましょ」
「しぇ、雪蓮!?」
「ん?何かな一刀君?」
「その、腕に抱き着かれるのは嬉しいんだけど。…胸が当たってる」
「当ててるのよ。それとも一刀は嫌なのかしら?」
「嫌な訳がない!!」
「ふふふ、素直でよろしい。それじゃあ目的地まで再出発〜」
「りょーかい」
俺は雪蓮に連れられて森林を歩いていた。何処に向かっているのか、
目的地は知らされていない。と言うのも聞いても教えてくれないからだ。
だが、雪蓮曰くどうしても一緒に来てほしいとの事だった。
その際、上目遣いで尚且つ胸を強調されたポーズで頼まれて、つい…
まぁ、そんなポーズを決められたら男として断れない。俺は冥琳に一声掛けた後、
雪蓮の誘いに乗り現在に至るのである。
「…ここよ。どうしても今日貴方と一緒にここに来たかったの」
先程の子供の様な人懐っこい表情を浮かべていた雪蓮は一転して、
覇気を纏っていた。そのオーラは間違いなく江東の小覇王そのもの。
戦場で勇ましく武を揮う時の表情だ。そして、ここに来た理由、
眼前の一基の墓を見て瞬時に悟る。
「もしかしなくても。このお墓…」
「…そうよ。私達の偉大なる母、孫文台が眠る英霊の墓」
雪蓮は手で優しく墓石をなぞり語り始めた。
「母さん。暫く来れなくて、ごめんなさい。今日は朗報があって会いに来たの。
…蓮華のことよ。あの子、将として上に立つ者として大きな壁を乗り越えたの。
今までは一時の感情に支配され物事の本質を見抜けないで、
頑固な一面が多々あったじゃない。それがね、今じゃ誰かさんの影響を受けてか、
目をしっかりと見開き、本質を見抜くことが出来る。
それ所か柔軟な思考も身につけたの。あの石頭に定評がある蓮華が、よ」
俺は横で口を開く事無く、只々嬉しそうに語っている雪蓮を見詰めていた。
「あの子は将来、人々から名君と謳われるような君になれるわ。
そうなったら、私の出番は終わり。喜んで君の座を譲る。
楽しみで仕方がないわ。蓮華を始め次世代を担う子達が成長して、
私の背中を追い越していくのが」
「老け込むには早過ぎるだろ。俺達には、まだまだ雪蓮が必要なんだから」
「それは、勿論わかってるわ。言っての通り直ぐに君主の座を渡そう何て
思ってないもの。でも、一刀もわかっているでしょう。蓮華の大器が」
「ああ。雪蓮が切り開く力なら、蓮華は治める力…だろ?」
「そう。時代が蓮華を選ぶ日が必ずやってくる。その時が待ち遠しいわ」
雪蓮は笑顔をこちらに差し向けた後、墓石へと視線を移した。
本当に嬉しそうだった。だが、心に引っ掛かる事がある。
ここ最近、雪蓮を見ていると何故か、不安が心を過ぎる。
まるで、この世から消え去ってしまう、そんな悲哀なる感情。
…俺は、とても大切な何かを忘れている?
『一刀。蓮華を…蓮華を支えてあげて、貴方には私達が持っていない、
人と人とを結ぶ不思議な力があるの。その力を発揮すれば、
孫呉は今まで以上に強固になるわ。だから、私の…最期のお願い
蓮華と皆を頼むわね……一刀』
―――――――っつ!!!?
突然、頭の中で雪蓮が矢によって倒れる映像が流れた。
それも、妙に現実味に帯びていて、白昼夢と言う言葉では片付けられないものだった。
雪蓮が…死ぬ……
身体が思わず震える。俺は雪蓮に視線を向けると、最悪なデジャブを感じた。
……俺は…この先の出来事を…知っている……!?
『今度こそ、今度こそ雪蓮を救ってくれ。お前にはそれが出来る』
また、白昼夢!?いや、頭の中に声と何かが入り込んで……
……そうだ、この後!!焦りながら直ぐに辺りを見渡す。すると、茂みの奥から
甲冑を身に着けた屈強そうな兵達がおり、その一人が今にも矢を放たんとばかりに、
弓を引いていた。
駄目だ!!もう二度とあんな悲しい事を繰り返すわけにはいかない!
絶対…絶対に君を死なせはしない!!
「―――――危ない!雪蓮!!!!」
説明 | ||
こちらは真・恋姫†無双の二次創作でございます。 タイトルに入っていますがifものです。 もし雪蓮を助けていたら、どうなっていたか? しかし、助けた代償はあまりにも大きかった… 砂糖無し(多分)シリアス一本勝負!! 最後に、稚拙な文章、口調がおかしい所があるかもしれません。 それでも、暇な時間に読んで頂けたら嬉しいです。 よろしくお願いします。 |
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コメント | ||
雪馬さん>出来次第、直ぐ投稿します!コメントありがとうございます〜(南無さん) 続待ってます(^_^)ゞ(^_^)ゞ(雪馬) 本郷 刃さん>全く捻っていないのでわかりやすいですよねwコメントありがとうございます!(南無さん) 呉√のIFである外史の分岐ですか、雪蓮を助ける代償の予想はつきますがそれはあまりにも・・・(本郷 刃) |
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