東方物語~約束と終焉~5 |
?「ここにもなしか。これだけ探しても無いって、どーいうわけ?」
?「もしかしたら、誰かが既に見つけたのかもしれませんね」
?「誰かがって、確かあれは普通は見えないはずでしょ?なのにどうして?どうやって?」
?「・・・・・では、あちらにいる方に聞いてみますか」
─────魔法の森
枝が倒れた方向に向かって歩くこと約6分。近くにあった切り株に腰をおろし、少し休憩をしていた
まだまだこの森から抜け出せそうにない。これだけ歩いても出れないということは、相当広い森なのだろう。喉も乾いてきた。見渡す限り水を飲める場所など、どこにもない。
「まずはここから出て、それから『物』を探すか。・・・・・そーいえば『物』ってどんな形しとるか聞いてなかったな。まあ大体は変な形をしたやつか、丸い形かのどっちかだろ」
休憩をすませ腰をあげ再び木の枝で方向を決めた。
「あ、夜になったらどうするかな・・・・・テントも寝袋もねえし。
ましてやこんな森の中に家なんて
ある雰囲気でもないし・・・・・来るんじゃなかった・・・・・」
不安と後悔を感じながら枝から指を離した。倒れたと同時に凄まじい爆音と地震が響いた。耳鳴りが聞こえるほどの音だった。少しの間耳を押さえながら切り株にすわった。
同時に恐怖が襲ってきた。今まで聞いてきた音とは比べ物のならないぐらいの音。体験したことのない地震。出口の見えない薄暗い森。恐怖を克服しようにも今の状況では克服どころか、その場から動くことすら出来ないほどの恐怖が自分に襲いかかってきた。
怖い。逃げたい。死にたくない。
「うっ・・・・・もう最悪だ・・・・・なんで俺がこんな目に・・・・・」
耳鳴りが完全に直ってもまだその場から動かない。動けない。またあの音が来ると思うと、またあの地震が来ると思うと、動けなかった。足が震える。
「・・・・・ダメだダメだ。俺は男だ・・・・・怖いものなしの男だ・・・・・
た、たかがこんなもんで怖がってちゃ、情けない情けない・・・・・」
そう自分に言い聞かせ、震える足を5、6回叩き、深呼吸をした。少し震えが収まってきた。次はこの場から早く離れなければならない
震える足でなんとか立ち上がり、
この場から離れようとしたとき、
後ろから枝を踏みつける音がした
背中から汗が吹き出た。一瞬体の
動きが止まったが、ゆっくりと、
ゆっくりと後ろに顏だけを向けた
?「まったくなんなんだあいつら」
木の後ろから白黒の服と帽子をきた女が箒を片手に出てきた。いたる所にケガをしている。さっきの爆発はこの女がやったのか?
?「ん?お前、何してんだ?」
「・・・・・・・・・・」
?「黙ってないで、何か言ってみたらどうだ」
「・・・・・あぁ・・・・・えぇっと・・・・・」
自分が何を言おうか考えてる時、
白黒の女は自分に近づいてきた。
反射的に、自分は後ろに下がった
近づけば下がり、近づけば下がりを続けていると背中に硬いものが
当たった。大きな木に当たったのだ。自分は地面に落ちてあった枝を手に取り、女に向かって構えた
それでも女は尚もこっちに向かって歩いてくる。
「と、止まれ!!」
女に向かって放った最初の言葉がなんとも情けない言葉になってしまった。その言葉を聞き女はその場で止まった。
?「止まってやったぜ?」
「え・・・・・あ、はい・・・・・どうも・・・・・」
?「・・・・・・・・・・っ」
「?」
?「くくくく・・・・・っ、アハハハハハハ!!!」
「??」
?「くくくくっ!いやぁごめんごめん。ついおかしくて・・・・・」
「はあ・・・・・」
女は笑うのをやめ、手に持った箒を自分に突きつけてきた。自分は膝を軽く曲げ、いつでも動けるような体制をとった。すると女は
突きつけていた箒をおろした。
?「お前、あいつらの仲間か?」
「あいつら?」
?「さっき私をいきなり襲ってきたやつだ。仲間なのか?」
「いや・・・・・」
?「そうか・・・・・」
女はその場で少し考えていたが、
そのうち考えるのやめ切り株に座った。大きなため息をつきながら体を後ろにそった。なんともまあ、男らしいと言うか女らしいと言うか。どちらにせよ、今のところこの女は危なくないと思う。
?「なあなあ」
「?」
?「お前、名前は?」
「・・・・・・・・・・」
?「おいおい、私は別に怪しい人物じゃないぜ?逆に被害者だぜ。このキズ見たってわかるだろう?」
そう言って腕のキズを見せてきた
確かに、腕には軽い切り傷のようなものがあった。他にも顏にはすり傷があった。被害者だ。
「うわぁ・・・・・すげえな・・・・・」
?「だろ?んで、名前は?」
「・・・・・椋木八幡」
?「椋木・・・・・八幡・・・・・聞いたことない名前だな。里の奴か?」
「里?」
?「人里だよ。この森を抜けた場所にあるんだ」
「ほう・・・・・」
この世界にも人が住んでいる場所があるのか。
「・・・・・この森を抜けたらって、抜け方知ってるんですか?」
?「知ってるぜ。なんなら里まで送ってやろうか?」
これはラッキーだ。この森から出してくれるなんてありがたい。手に持っていた枝を捨てた 。
「ところで、名前は?」
?「私は霧雨魔理沙。魔法使いだぜ」
・・・・・・・・・・あぁ、八雲紫が言ってたことってこういうことだったんだな。全てを受け入れるねぇ・・・・・
まぁ、ある意味命の恩人だな。
「じゃあ里までお願いします」
魔「そんな、堅苦しくしなくていいぜ。見たところ、同じ年のように見えるし」
「そうっすか。じゃあ改めて。里までよろしく」
魔「おう。まかされて~」
魔理沙は箒にまたがり、後ろの空いたスペースを叩き、『ここに乗れ』とジェスチャーしてきた。自分はその指示に従い魔理沙の後ろに座った。すると箒はゆっくりと浮き始め、どんどん上がっていった。そして今いた場所が小さく見える高さまできた。また震えてきた。自分の腕を強く噛み、痛さで怖さを誤魔化した。
魔「危ないからちゃんと掴まってろよ」
「できるだけ危なくないようにお願いしたんだが。もう腕噛んでも震えがおさまらんのんよ」
魔「なんだ?怖いのか?」
「そうじゃ。怖いんじゃ」
魔「じゃあしっかり捕まっとけよ!!」
魔理沙の肩を持とうとした瞬間体の体重が後ろにきた。まるでジェットコースターに乗ってる気分だ。それにとてつもなく速い。
こりゃあ耐えきれるかわからんな
そして自分はジェットコースターを体験しながら里に向かった。
説明 | ||
本格的に春が来ましたね。庭にある桜の木は満開満開。花見に酒。うまいもんがようけい出てきます。 | ||
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