IS 2体の魔神皇帝IFストーリー
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クラス代表決定戦の後、海道が散歩がてら学園内をうろついていると

見かけないツインテールの小柄な少女がうろついているのを見付けた。

 

「この世界の鈴か・・・ったく受付が見つからないと見えるな。それに苛立ってる」

 

海道の推理は当っていて彼女は受付が見つからずに苛立っていた。

ISを展開しようとするそぶりを見せたので声をかけた。

 

「此処はIS展開禁止だぞ」

 

「誰よ・・・って一夏!?ひさs「お前とは初対面だ。誰と勘違いしてるのかはわかってるが」へ?」

 

驚く鈴をよそに話を続ける海道。

 

「受付が見つからなかったようだが、受付は向こうに道沿いに行けばある」

 

「あ、そう・・・。ありがと・・・」

 

彼は言いたい事を言い終えるとまた散歩に戻って行った。

鈴は暫く呆けていたが、手続きを済ませなければいけないので急いで受付に向った。

 

一方食堂では海道のクラス代表決定及び一夏の副代表決定記念パーティーが

開かれようとしていたが肝心の海道が居ない。

それで皆待っているのだが実は彼に連絡が通っていなかったのだ。

 

「遅いな海道の奴」

 

「散歩でもしているのではないか?」

 

「あ、そういえば昨日海道君に携帯のアドレス聞いてたんだった」

 

清香が携帯を取り出して海道にこの事のメールを出す。

他の海道を狙っていたメンバーは「いつのまに!?」と驚いていた。

 

「こういう事は事前に言っておけっての・・・」

 

「えへへへ・・・」

 

「驚かせようと思って」

 

溜め息をつく海道だが仕方が無いと割り切ったようだ。

 

「まぁ何はともあれ」

 

クラッカーが弾けて音が鳴り響く。

 

「海道君クラス代表決定おめでとう。そして織斑君副代表決定おめでとう!」

 

パーティが始まると同時にカメラのフラッシュが焚かれた。そして同時に何かが切れる音も。

 

「ハイハーイ!新聞部の副部長の黛薫子で〜・・・す・・・?」

 

2年の新聞部副部長の黛薫子は目の前に居る一人の男子にカメラを取り上げられた後に

物凄い音の拳骨を叩き込まれた。その威力はかなりの物だったようで彼女の足が床にめり込んでいた。

 

「マスゴミが。勝手に取材とはどうゆう了見だ?あぁ!?」

 

海道が勝手に写真を取られたことにブチ切れたのだ。

彼は片手でカメラをコナゴナに握りつぶし、さらには彼女の隠し持っていたボイスレコーダーも解体した。

 

「アポとか取っているなまだしも勝手に取材だぁ?それにアンタは何かと捏造をすることで有名だからな。

 後で新聞部潰しに行くからな。覚悟しておけよ」

 

「イダダダダ・・・それは堪忍してつかぁさい・・・」

 

しかし海道は彼女の胸倉を片手で掴みながら殺気をこめた言葉で問い詰める。

 

「駄目だ。潰す。捏造ってのは報道機関が一番してはいけない事だろうが。それを何の戸惑いもなくする

 貴様等に堪忍してやるだぁ?ふざけんなよ。それとも何か?報道機関だから何をしても許されるとでも

 思ってんのか?もしくは生・・長あたりのスパイでもしてるのか?あ?」

 

この後IS学園から新聞部は永久に姿を消したとか・・・。

新聞部の黛薫子はこの後千冬の手によって連行された。

 

「か、海道君やりすぎじゃ・・・」

 

「やり過ぎか?今まで100社位こっちの世界で馬鹿なこと報道してた週刊誌の出版社

 とか潰したぞ。スキャンダルとか使って。・・・・・・暇つぶしに」

 

「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?!」」」」」

 

「ふ〜ん」

 

「まぁ海道君だしね」

 

「そ〜だね〜」

 

「かいっちスゴ〜イ」

 

「マスゴミか・・・ああいうのはそう言わざるを得ないよな」

 

「全くだ」

 

清香達や一夏に箒は既に海道の規格外さに慣れてしまっていたので驚いていない。

この後沈んだ空気を一夏や海道が料理を振舞ったり記念写真を撮ったりして楽しいものに変えた。

清香に夜竹、谷本と鷹月は海道と2人で写真を取らせてもらい、セシリアと箒は言わずもかな一夏と

ツーショットで写真を撮ったのだった。

 

そして翌日、一夏と箒が教室で話していると鈴がやって来た。

 

「久しぶりね一夏。っていうか昨日のあの態度はなんなのよ!?」

 

「はぁ!?何いってんだお前」

 

「もしかして海道とお前を勘違いしてるんじゃないか?」

 

「あぁ、確かにな。って鈴・・・」

 

「なによ!」

 

「後ろ・・・」

 

背後からの覇気に鈴も気が付きゆっくりと後ろを向く。其処には千冬が居た。

 

「邪魔だ。さっさと教室にもどれ馬鹿者」

 

鈴を出席簿で叩こうとした千冬だが後ろから来た海道に拳骨を叩き込まれた。

 

「な・・・何を・・・」

 

「あんたが邪魔をしてるから拳骨を叩き込んだだけだが何か?」

 

海道に関してトラウマを刻み込まれた千冬はそそくさと教員用の席についてしまった。

 

(あ、あの千冬さんに拳骨を叩き込むなんて・・・。何者なのよ!?)

 

(あ〜・・・鈴が戦慄してら・・・)

 

(あの女子はなんなのだ!?一夏と親しそうに・・・)

 

(一夏さんと親しそうなあの人は一体・・・)

 

(メンドクサイ事になりそうだなぁ・・・)

 

どの台詞が誰なのかは押して知るべし・・・。

鈴が2組の教室に戻った後、山田先生がやって来て授業が開始されたが箒とセシリアは山田先生に6回も

注意を受けてしまった。更に此処に就職した束にも数回の注意をされた。

 

「お前のせいだ!」

 

「貴方のせいですわ!!」

 

「何がだよ!?」

 

「自業自得だ馬鹿」

 

文句を言った2人だが海道が割り込んで黙らせた。

そして食堂に行くと、鈴が待ち受けていた。

 

「待ってたわよ一夏!!」

 

「五月蠅い邪魔だどけチビッ子。後ろが居る事考えろ」

 

「なによ!?」

 

「五月蠅い。邪魔だ。退け。そういったんだ阿呆。之だけ言っても解らないのか?あ?」

 

鈴は海道を睨みつけるが逆に睨み返されてガタガタ震えだしてしまった。

その後注文をして一緒のテーブルで食事を始める5人なのだが・・・

 

「海道って大食いだな・・・」

 

「あぁ。今まで弁当も大目に作ってくれといっていたがやはり凄いな・・・」

 

「何処に入っているのでしょう・・・」

 

「アリエナイ・・・こんなに食べるなんて・・・アリエナイ・・・」

 

現在海道が食べているのは、醤油味噌とんこつ塩の各ラーメンにチャーハン特盛、

天丼カツどん親子丼各種3杯に野菜炒め4皿、鮭の焼き物10切れに鰤の照り焼き15切れだ。

しかも食べるスピードもとても速い。

 

「一体なんなのよあんた・・・名前も一夏だし・・・」

 

「海道が言うには平行世界の俺なんだと」

 

一夏が鈴の疑問に答えると鈴はとても驚いた。

普通の反応だろうが平行世界の一夏という事実を彼は言っただけだ。

 

「何それ・・・っていうか並行世界からこの世界に来るなんてありえなくない?」

 

「ありえないこそありえないってさ。そういえば2組の代表が代わったって言ってたけどもしかして・・・」

 

「えぇ。アタシが2組の代表よ。なんだか知らないけど元々代表だった子が土下座して変わってくれって

 言ってきたから変わったのよ。元々変わってもらうつもりだったから良かったけど」

 

「ご愁傷様です」

 

「死ぬなよ」

 

「ってそれどういうことよ!?ってかアンタ達誰!?」

 

セシリアと箒に哀れみを持たれるのと同時に自己紹介をしていなかった事を思い出した。

 

「っとそういえばそうだった。鈴、こっちのポニテのほうが篠ノ之箒。

 前に剣道を一緒にやってたって言ってたろ?まぁ鈴がセカンド幼馴染っていうなら箒はファースト幼馴染って事」

 

(ファースト・・・初めてか。いい響きだ)

 

(アタシはセカンドって・・・なんかムカつくわね)

 

「で、そっちの金髪さんは?」

 

「あぁ。セシリア・オルコット。イギリスの代表候補生だって」

 

「あっそ。アタシ他の国とか興味ないし」

 

「馬鹿か。世間知らずめ」

 

海道が鈴を世間知らずと言う。鈴は反論しようとするが海道は容赦しなかった。

 

「代表候補生は国の代表といっても過言じゃない立場だ。それが他の国の事を知らんということは

 他国を見下していると取られても仕方が無い。それで戦争に発展する可能性も高い。

 まったく代表候補生って言うのは立場が高いことしかわかってない大馬鹿しか居ないのか?」

 

「アンタ男なら黙ってなさいよ!!」

 

「男なら黙ってろ?だったら女のお前こそ黙ってろ。お前如きIS使っててもこっちは生身で倒してやる」

 

一夏達は海道が以前ISの装備を握りつぶした事を思い出して震える。しかもその時

「少し力入れすぎたか?」と発言していたのでまだまだパワーは高いのが解る。

それ以前に千冬すら簡単に力負けしいたのを知っているので鈴が今どんなに無謀な事をしているかは

彼等しかわかっていない。

 

「言うわね。まぁいいわ。アンタクラス代表らしいじゃない。対抗戦でボコボコにしてやるから覚悟しなさい!」

 

「あの・・・鈴音さん・・・」

 

セシリアが恐る恐る鈴に話しかける。

 

「なに?」

 

「海道さん、織斑先生と入学テストの際戦ったらしいんですけど・・・

 あの織斑先生相手に無傷だったらしいですわ。それも十秒以内に倒していたとか・・・」

 

「はぁ?ハッタリじゃないの?」

 

鈴はセシリアの言葉を信じない。一夏が彼女の言葉を肯定しても信じなかった。

 

なんやかんやありその日の夜、鈴が彼等の部屋を尋ねてきた。

 

「海道か篠ノ之さん部屋変わって」

 

「馬鹿かお前。寮長に言え」

 

「へ?」

 

来た早々海道に駄目だしを喰らう鈴。

 

「ねぇ一夏、寮長って・・・」

 

「千冬姉だ」

 

「勝てるわけ無いじゃない・・・はぁ。部屋変わってもらうのは諦めるわ。

 そういえばさ一夏・・・約束・・・覚えてる?」

 

「約束?あぁ確か酢豚を毎日・・・って奴?」

 

鈴は頷いている。しかし彼女は忘れている。一夏が鈍感であった事を。

 

「えっと確か酢豚を奢ってくれるってやつな」 

 

鈴は真っ赤になり一夏にISで殴りかかろうとするが生身の海道に止められた。

 

「あ、アンタ腕大丈夫なの!?」

 

「この程度のパワーでなに言ってやがる。お前、反省文数百枚クラスの処分になるな」

 

見る見る何時に真っ青になっていく鈴。

 

「それと織斑が言っていたことなのだがお前は別の意味で言ったが照れて本当の意味

 肯定しなかったんじゃないか?そのせいで約束を勘違いされているとも考えずに暴力とは

 呆れたものだな。代表候補生ってのはそんなに偉いのか?あ?」

 

「だからなんだって言うのよ!?」

 

「お前の今とっている行動が戦争の火種になる可能性は十分にある。それだけじゃない。

 国の家族の生活にも影響を及ぼすぞ。下手すりゃ国家反逆者の家族なんて汚名を付けられる」

 

物凄い大きい話をする海道だがあり得なくはないだろう。

 

「それにお前は代表候補生になった時点で普通の恋愛は恐らく無理だ。国が勝手に婚約者などを決めてくる」

 

「そんなの握りつぶして・・・」

 

「握りつぶそうとしたら国家反逆罪にでもされるだろうな」

 

完全にいい負けてしまった鈴は逃げるように部屋を出て行った。

 

「鈴のやつなんであんなに怒ったんだ?」

 

「馬に蹴られて地獄に落ちるか?それとも生きたまま地獄に行くか?」

 

「生きたままって・・・」

 

「それが出来る物が有るからなぁ・・・」

 

流石に鈴だけを責めない海道だった。この後一夏も色々と罵倒されてその日は震えて過ごしたとか。

それからというもの、鈴と一夏は顔を合わせることも無く過ごし、ついにクラス対抗戦の日になった。

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しかし前日に海道がグレートのオーバーホールをすると言うので一夏が対抗戦に出る事になった。

 

(海道のやつ何考えてるんだ・・・)

 

(鈴音のやつの鬱憤を晴らす機会を与えたのか・・・。見えない気配りをするな海道は)

 

箒は海道の考えていたことを見抜いたが一夏には当然言わなかった。

当然海道はグレートマジンガーのオーバーホールは行なっていない。

一夏はピットからアリーナに飛び出していく。

 

「来たわね。海道ってやつは逃げたのかしら・・・。一夏、今謝るなら半殺しで許しあげるわ!」

 

「理由も解らず謝れるか。とっととかかって来い!!それと海道を馬鹿にするのは許さねぇぜ!」

 

試合開始のブザーが鳴り響くと同時に鈴が非固定浮遊武装で攻撃をする。

しかし一夏は鈴の目線からこの攻撃の弾道をギリギリで見切り回避する。

 

「な、何で避けられるのよ・・・衝撃砲の弾丸は目に見えないのに・・・」

 

「目線からどの辺りを攻撃するのか見切っただけだ。正直ギリギリだけどな」

 

実は一夏は海道から彼の得意戦法であるガン・カタの基礎を少しずつ教わっているのだ。

お陰で相手の視線から弾道を予測できる程度には成長していた。

 

「オリャアァァァ!!」

 

そして一気に接近して右側の衝撃砲を破壊する。

鈴は舌打ちし、もう容赦しないと気持ちを切り替え一夏に向っていこうとした。

すると突然、アリーナのバリアが吹き飛んだ。

奇妙なゴーレムの様な全身装甲のISが現れたが更に別の何かがそのISを破壊した。

爆炎とその煙のせいでその何かの正体が見えない。

 

「な・・・なんなの・・・一体・・・」

 

「解らない。けど・・・そうとうヤバイ。手は出さない方が良いだろうな。

 んでもって隙があれば逃げた方が良い」

 

「何言ってんのよ!?戦うべきでしょ!?」

 

「如何見ても無謀だと思うぜ。ん?出てきたみたいだ」

 

煙の中から現れたのは3つの首があり、その内の左右2つは何処か竜のような形をしている。

中央の首には巨大な鎌がついていて背には翼を持っている。動きもロボットと言うより獣である。

アリーナの隔壁が次々と閉じていき、中に居る生徒達は安全な場所に避難させられていく。

 

「束!あれは一旦何なんだ!?」

 

「最初に来たISは私の作った無人ISなんだけど何で勝手に起動を・・・。

 廃棄して動かないようにしてたのに・・・」

 

「あの動き・・・まるで機械の獣・・・」

 

『そりゃそうだ。あれは機械獣。俺の世界の産物だ。篠ノ之、先走った事するなよ』

 

海道から通信が入る。

 

『それと織斑と凰を下がらせろ。俺の攻撃の巻き添えを食う可能性がある』

 

「おい海道!お前の世界の産物とはどういう」

 

しかし既に通信は切られていて千冬は急いで一夏達に下がるように指示する。

箒は海道に言葉を掛けられた時に何処かに行こうとしたのだが彼の言葉によって思いとどまった。

 

「篠ノ之、それでいい。やつが言ったとおり変な行動はするな」

 

「はい・・・すいません」

 

「思いとどまったからいいさ。凰!織斑!一旦下がれ。ピットを何とか開ける!」

 

鈴は納得が行かなかったようだが千冬が急げというので下がる。

曇天に渦を巻き始める空の下、機械獣は左右の首から怪光線を発射しながら一夏達に突進してくる。

 

「逃げ場無しか・・・」

 

「あ、あぁ・・ああ」

 

一夏は悔しそうに現状を語り、鈴は機械獣の恐ろしさに震えている。

すると突然上空から紅い何かが飛んできて機械獣の右側の首を切断した。

 

「あ、あれは・・・ブーメラン?グレートマジンガーの胸のあれか!」

 

紅いブーメランは次に翼の左側を切断。更に戻ってきて翼の右側も破壊し雲の上に戻って行った。

 

BGM:OVAマジンカイザーより『猛将』

 

そしてブーメランが雲に近付くと穴が開き彼の機体が見えた。

 

「あれは!」

 

彼、海道の機体、グレートマジンガーはグレートブーメランをキャッチし、胸に戻す。

そしてガッツポーズを取るとグレートに雷が当り、グレートが帯電する。

その雷を両手に集中させた後、合掌をするように合わせてパワーを増幅させる。

 

「闇を切り裂け!!ダブル!!サンダーブレーーーーク!!!」

 

セシリア戦のときとは比較できない。いや、次元の違う雷が機械獣に落とされる。

機械獣の翼は完全に破壊されて崩れ落ちた。

 

「ガラダブラMKO−1の量産型、GRDBMKO−1か・・・一体誰が・・・まぁいい」

 

海道は息を大きく吸う。

 

「やい機械獣!!よくも俺のダチ公を狙いやがったな!!!」

 

大気が震えるような大声を張り上げながら機械獣を指差す。

アリーナの管制室に居る箒、千冬、山田先生も耳を塞ぐほどの大声だ。

 

「だが!この偉大な勇者、グレートマジンガーと海道一夏が相手になってやる!!!!」

 

海道は地上に降りて機械獣と対峙する。

 

「海道!お前・・・」

 

「何とかそのチビッ子のウサ晴らしをさせてやろうと思ってな。サンダーブレーーク!!」

 

一夏が何を言おうとしたのか察した海道はサンダーブレークを放ちながら問いに答える。

鈴は海道が逃げたのではなく自分の為にわざと一夏をこの試合に出したのだとやっと解った。

海道はそれだけが目的ではなく一夏に戦闘経験を積ませるのも目的としていた。

 

「それより早く下がれ。巻き添え食ってもしらねぇぞ」

 

「解った、頼んだぜ!」

 

一夏は鈴を横抱きにして素早くピットに戻って行った。

GRBRMKO−1は内部回路が彼方此方ショートしてるがまだ動けるようだ。

形状不変体質が若干ながら機能しているのは彼からすれば少し以外だった。

 

「マジンガーブレーード!!」

 

マジンガーブレードを2本、腿から射出し、変形させる。

そして一気に機械獣の横を走りぬきながら剣を振り、長い六角形型の再生パーツを破壊した。

 

「トドメだぁ!ブレストバァァァーーーーーーーーン!!!!!」

 

胸のV字型の放熱板から4万度の光線(熱線?)が放たれる。

機械獣は最後のあがきなのか一夏達の居るピットにサイズブーメランを投げようとする。

 

「させるか!!ブレストバーン!!!アップ!!!!」

 

放熱板が巨大化し、深紅の熱線の威力が更に上がる。

そしてついに機械獣は爆散した。アリーナはブレストバーンとサンダーブレークにより地面が溶解している。

シールド発生装置はグレートの戦闘の余波で暫く使い物にならなくなってしまった。

千冬はやりすぎだと言おうとしたが。束はけが人も出ていないしあのまま一夏達が戦闘をしていたら

間違いなく死んでいた等と言い海道を擁護した。

だが海道自身も悪いと思った所があったのか数枚の反省文を掻く事でお叱りは終了となった。

 

一夏と鈴は念の為に検査を受ける為に医務室に居た。

一夏は今までの疲れが出たのか深い眠りについているように寝ているが、鈴は逆に眠れない様子だ。

そして鈴は一夏にゆっくと近付いていくが顔を近づけようよした直前で彼が目を覚ました。

 

「何やってんだ鈴・・・」

 

「な、なんでもないわよ!!」

 

「オイオイ此処は医務室だぞ。静かにしろ」

 

鈴は後ろからいきなり声を掛けられて相当驚いたようだ。

其処には海道が居た。手には2人の夕食が乗せられていた。気を使って持ってきたようだ。

 

「あはは。飯持って来てくれたんだな。ありがとな海道」

 

「別にいい。そいうえば機械獣と対峙した時そっちの無謀な娘っ子よりマシな判断とかしてたろ。

 あれは結構驚いたぞ。それに比べて・・・」

 

海道は鈴を呆れたような目で見る。しかし鈴も一夏も機械獣の恐ろしさを知らないので仕方が無い。

彼も少ししてからその判断に落ち着いたようなので鈴にはもっと敵の事を観察しろと言っただけだった。

 

場所は変わり食堂では本音が簪を連れて食事をしていた。

簪は今日の襲撃事件を千冬達とは別の管制室で見ていたのだ。

 

(あの機体・・・物凄く強かった・・・)

 

しかし簪はあれでもリミッターなどがまだ幾つも付けられている事を知らない。

 

(あんな機体・・・私も作れたら・・・)

 

しかし彼女は自分一人だけで完成させようとしている機体がある。

そして海道は一人でグレートを作ったのだと思い込んでいる。

 

「腹減った・・・。オバちゃん、あれと之とそれと・・・メンドイから此処からここまで全部3つづつ」

 

「本当によく食べるねぇ。それで残さないんだから大したもんだよ」

 

考え事をしていると鈴達に夕食を持って行った海道本人がやって来た。

注文が来るまで席を探して周囲を見渡している。

 

「かいっち〜此処で一緒に食べよ〜♪」

 

本音が彼を誘い海道本人も手を上げてそれに答えた。

 

「ほ、本音・・・」

 

「かいっちって意外と優しいんだよ〜♪」

 

「そ、そう言う事じゃなくて・・・」

 

「ん〜?」

 

「だから・・・あ」

 

簪が本音に何か言おうとしたがその時海道が来たので簪は黙ってしまった。

その表情は複雑である。

 

「相変わらず凄い食べるんだね〜」

 

「燃費が悪いんだ。特にグレートを使った後はな。んでそっちのお前さんは何か聞きたいみたいだな」

 

「え・・・」

 

「何で解ったって顔だな」

 

食べながら言った海道の言葉で簪はさらに驚かされた。彼の言った事は確かに当っていたからだ。

 

「・・・・・・貴方の機体」

 

「俺ひとりで造ったのかとでも言いたいのか?」

 

「え・・・?」

 

海道は平行世界でも簪は簪で元々の考えは違っていないと推測して発言した。

そして彼女の反応でそれが間違っていないのを確信した。

それと同時に簪が自分の世界の簪より頭が固く、周りが見えていないとも感じ取った。

 

「こっちは頭が固そうだ・・・」

 

「そんな事・・・」

 

「誰もがひとりで何でも出来ると思ってんのか?勘違いもはなはだしい。

 たとえテメェの姉であろうと生きていくには誰かに頼らなければいけない」

 

「あの人なら誰にも頼らずに生きていく・・・」

 

「馬鹿か?誰にもと言う事は動物植物、生きとし生ける者達、その者達にすら頼らないと言う事だ。

 薬剤で栄養補給したとしてもすぐに内臓が弱ってすぐ死ぬ。

 見た所あのゲンゴロウが一人でISを組み立て造り上げたと思っているようだがそんなことはない。

 装甲材を採取する人間、それを加工し物にする人間、設計を行なう人間、設計図から部品を作る人間。

 他にも多数の人間の手によって造られている。そんなことも解らないのか?」

 

其れだけ言うと海道は最後の椀に手を伸ばす。簪は言葉かなかった。

完全に見落としていたからだ。

 

「それに心配してくれている人間が居る事にも気がつかない奴が姉を超えるなんて

 余りにも馬鹿馬鹿しくて全く笑えない。どうにかしたいならまず誰かを頼ってみろ」

 

最後の椀を食べ終え、言うだけ言うとさっさと席を立ち、彼は何処かに行ってしまった。

残された簪は本音を見る。本音は優しい笑みで彼女に笑いかけている。

 

「まずはかいっちの言った通りに行動してみてもいいと思うよ〜♪」

 

簪は照れながらも彼女の言葉に頷いて笑い返した。

一方海道は千冬、束の下を尋ねていた。話の内容は機械獣に関してだ。

 

「海道、あの機械獣と言うのは何なのだ?」

 

「それに外側からの推測だけどかなり複雑な機構みたいだね」

 

「機械獣はギリシャ人の先祖であり古代人が神と崇めた宇宙人、ミケーネ人の造り上げた

 元々無人の機械の獣だ。その上位にはミケーネの人間を改造した戦闘獣が居る」

 

海道がまず機械獣を造り上げた者とその上位種の存在を明かす。

千冬と束はとても驚いている。まさか宇宙人が出て来るとは思っていなかったからだ。

 

「って一寸待ってかいくん!元々無人って・・・」

 

「現在の機械獣は人間をISでいうコアとフレームにしている。要は生体パーツって事だ。

 対抗戦で出てきたのはその量産型で無人のものだ」

 

「人間・・を・・・だと?」

 

「酷い・・・酷すぎる・・・」

 

ショックを受けている二人をよそに話を続ける海道。

 

「量産型にも生体パーツは少なからず使われている。その生体パーツの素材も人間だ。

 脳だったり腕だったりまちまちだがな。さらに形状不変体質も持っている」

 

「形状・・・」

 

「不変体質?」

 

「後で映像は見せる。量産型ではない正式型の機械獣には破壊される前の情報を破壊された組織の隣が

 量子領域で保存するという再生機能が使われている。これにより欠片いっぺんでも残っていると

 再生してしまうしぶとさが有る。一応機械獣の事に関してはこの本にほぼ全て載ってる。

 何で奴等がこの世界にいるのかは解らんけどな」

 

海道は数冊の本とメモリーカードを束に渡すと其の場を後にした。

本の内容は今まで海道の世界で確認されてきた機械獣の事とミケーネの文明について。

メモリーカードの中身は戦闘時の映像だった。

 

「こ・・・こんなものと戦っていたのか・・・海道は・・・」

 

「私でも此処まで酷い事しないよ・・・。興味が無いなら認識して無かっただけだし・・・」

 

「あぁ。・・・海道の過去についても書いてあるぞ」

 

千冬の言う通り海道の生まれについても本に書いてあった。

亡国企業の手によって彼の世界の千冬達の母の卵子と、さらに古代の時代に存在した

2体の魔神皇帝のうちの一体だったと伝えられた男のミイラの細胞を掛け合わせた上に薬物投与や

遺伝子操作、進退強化ナノマシンの投与も行なわれている人造人間と有る。

 

「か・・・かいくんの生まれって・・・重過ぎるよ・・・」

 

「・・・」

 

束は彼の生まれが人道に非する物である事にショックを受け、千冬は完全に黙り込んでしまった。

しかし海道本人や彼の世界の者達は全く気にしていないことを彼女達は知らない。

そして彼が元の世界で戦っていた狂科学者の手下ひとりがこの世界に来ていることも。

手下の事は海道もまだ知らない。

説明
四話です!
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コメント
道産子国士さん>確かに・・・やられたらえらい迷惑ですよね(HIBIKI)
マスゴミの捏造報道の行き着く先が@犯罪報道の暴走冤罪(松本S事件時の河野氏・光事件遺族本村氏Etc)A名誉毀損B国益侵食です。(道産子国士)
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