英雄伝説〜焔の軌跡〜 リメイク
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〜霧降り峡谷・北西部・最奥頂上〜

 

霧降り峡谷を登り続けたエステルたちはついに、竜の棲む洞穴を見つけた。

(ああっ……)

(いたか……!)

竜を見つけたエステルは驚き、アガットは警戒した。

 

(ね、眠ってるのかな?)

(そのようね。だけど私達にとっては好都合ね。)

(ああ。上手くいけば一瞬でカタを付けられる!)

眠っている様子の竜にティータは首を傾げ、ルークとアーシアは口元に笑みを浮かべ

(フン、あの銀髪の男の姿は見えないが……―――まさか臆して逃げたのか?)

(そんな風には見えないけど……とにかくレーヴェがいないのだったら絶好の機会ね。アガット、どうする?)

リオンの言葉に頷いたエステルはアガットに視線を向けた。

 

(まずは俺1人で接近する。うまく行きゃあ、そのまま”ゴスペル”を破壊できるだろう。)

(そっか……分かった。)

(アガットさん……)

(大丈夫だ、心配すんな。失敗した時は援護を頼むぞ。)

(はいっ……!)」

(気を付けてね……!)」

そしてアガットは特殊なユニットが付けられた重剣を持って、近くの岩陰に身を隠した。

 

(あれか……)

”ゴスペル”を確認したアガットは、重剣についたユニットの電源を入れた。

(……行くぜ!)

アガットは眠っている竜に走って近づき

「らあああっ!」

ありったけの力で竜の額に重剣を食い込ませた!その時、”ゴスペル”にヒビが入る音がした。

 

「やったか……!?」

アガットの願いは通じず、”ゴスペル”から黒い光が出て、竜が目覚めた!

「チッ……浅かったか!」

竜の様子を見たアガットは舌打ちをした後、ユニットが付いた特殊な重剣を一端しまい、新しく買い直した重剣を構えた!そして竜はアガットに炎を吐いた!

 

「!!」

「アガットさんっ!」

「アガット!」

竜が吐いた炎を回避したアガットにティータとエステルを先頭に仲間達が次々と武器を構えて駆け寄ってきた。

 

「ヒビは入ったが破壊まではできなかった!こうなりゃもう1度チャンスを作るしかねえ!手を貸してくれ!」

「もちろん!」

「はいっ!」

「ああ!」

「ええ!」

「チッ、世話を焼かせるな!」

アガットの言葉にエステル達はそれぞれ力強く頷いた後、竜との戦闘を開始した!

 

「グオッ!!」

竜が頭を突っ込んでかみついてきたその時、エステル達は散開して回避し

「空襲剣!!」

竜の噛み付き攻撃を回避したリオンは竜の頭に攻撃すると共に竜から離れ

「も、燃えちゃえ!!」

ティータは導力砲から炎の砲弾を放つ技―――バーニングフォースを竜の頭に命中させた!

 

「グオオオッ!!」

「は、はわわわっ!?」

頭を攻撃された竜は炎のブレスをティータに吐き、炎のブレスがティータを襲ったその時

「そこだぁっ!!

アガットがティータの前で重剣を叩きつけて炎の衝撃波を放って、自分達に襲い掛かってくる部分の炎のブレスを貫くと同時に竜の頭に命中させた!

「ハァァァァァァァァ……!」

竜がブレスを放っている間に竜の足元に近づいたエステルは足と足の間でコマのように回転して棒を両足に命中させ

「行け!――――インフィニティスパロー!!」

アーシアは竜の足に集中して法剣の刃を飛び回らせて攻撃し

「空破!絶風撃!!烈震天衝!斬魔!飛影斬!!―――大雪斬!!」

エステルと共に竜の足元に近づいたルークは片足を集中攻撃していた。

 

「グオオオオオッ!!」

足元を集中攻撃された竜は叫びながら翼を何度も羽ばたかせて足元にいるエステル達を吹っ飛ばすと共に尻尾を振るって吹っ飛ばしたエステル達を薙ぎ払い、薙ぎ払い攻撃を受けたエステル達は近くの岩に叩きつけられた。

「っ……!女神よ、我らにお慈悲を……―――セイクリッドブレス!!」

仲間達と共に身体に伝わる痛みを耐えながら立ち上がったアーシアは星杯のペンダントから癒しの光を発して周囲の仲間達の傷や自分の傷を回復し

「集気砲!!」

エステルは周囲に漂う”気”を集めて自分や自分の周囲にいる仲間が負った傷を回復していた。

 

「覚悟はできたか!?デモンズランス・ゼロ!!」

その時リオンは上空へと跳躍し、異空間から現れた暗黒の巨槍を投擲して竜の身体に命中させ、リオンの術に命中した竜は標的をリオンに変えて落下して無防備になっているリオンにドラゴンブレスを放とうとしたが

「えいっ!!」

「グオッ!?」

ティータが導力砲から放った煙幕弾―――スモークカノンの砲弾が頭に命中した瞬間に発生した煙によって怯んだ。

 

「ふおらあああっ!!」

その隙にアガットは竜の足元に炎の闘気を纏った重剣を叩きつけて炎の衝撃波を発生させて攻撃し

「らああああっ!!」

そのまま重剣を左から右へと薙ぎ払う技―――レンチングスイングで追撃し、アガットが攻撃している間にエステルやルーク、リオンが詰め寄り、アガットと共にそれぞれ竜の足を攻撃し始めた!

「瞬迅爪!秋沙雨!翔舞煌爆破!!」

エステルは突撃から連続突き、跳躍して棒を叩きつけて衝撃波を発生させる技へと連携し

「双牙斬!紅蓮襲撃!ぶっ潰れちまいなあ!魔王地顎陣!!」

ルークは斬り下ろしから斬り上げ攻撃と共に跳躍した後炎の闘気を纏った蹴りで追撃して着地した後剣を竜の足に叩きつけて衝撃波を発生させる技へと連携し

「幻影刃!爪竜連牙斬!千裂虚光閃!」

リオンは電光石火の速さで斬撃を叩き込んだ後休む暇もなく次々と剣技を繰り出して竜の足に叩き込み

「それっ!――――ロストメビウス!!」

「えいっ!――――ダークマター!!」

後方にいるアーシアとティータはそれぞれの遠距離攻撃武器で竜の頭に攻撃した後駆動を終えたオーブメントでアーツを放って追撃していた。

 

「グオオオオオオオッ!!」

エステル達の総攻撃を受けた竜はその場で激しく足踏みして暴れ出し、足踏みによって竜の足元にいる4人はそれぞれ傷を負ったが

「が、頑張って!!」

ティータが導力砲から特殊調合によってできた回復の砲弾がエステル達の上空で爆発して癒しの光を降り注がせて4人の傷を回復した。

 

「グオオオオッ!!」

一方竜が咆哮を上げると上空から巨大な球体がゆっくりと降り始め

「―――!不味いわ!我が右手に有りし星の杯よ、天より授かりし輝きもって我らが盾となれ………」

巨大な球体からとてつもない力を感じたアーシアは血相を変えた後星杯のペンダントを掲げて聖句を呟いた。そして巨大な球体が地面に降りて大爆発を起こしたその時

「女神よ、我らに守りの加護を!―――グラールスフィア!!」

アーシアの味方全体に絶対防壁を付与する法術が発動し、竜が放った古より伝わりし術――――プレッシャーエクスプロージョンを防いだ!

 

(坊ちゃん、準備は整いました!今です!)

「僕の前から消え失せろ!―――ブラックホール!!」

爆発が収まるとリオンは力を溜め終えたシャルティエを掲げて術を発動した。

「グオオオオオオッ!?」

リオンが発動した術によって発生した巨大な暗黒の空間は強烈な吸い込みで竜の動きを制限すると共に吸い込みと同時に発生する暗黒の刃で竜の身体を傷つけていた。

 

「みんな、今よっ!」

「一気に決めるぞ!」

動きが鈍くなった竜の様子を見たエステルとルークが号令をかけると、二人や仲間達はそれぞれの奥義を一斉に叩き込み始めた!

 

「これで決めるっ!はっ!はぁぁぁぁぁぁぁぁ!せぃ、やっ!たぁぁぁ!!」

エステルは奥義――――桜花無双撃で攻撃し

「この一撃で沈め!――――ハアッ!!」

ルークは奥義――――夢想覇斬で攻撃し

「行くぜっ!うおぉぉぉぉ!うらっ!せいっ!はぁっ!どりゃあぁぁぁぁぁっ!」

アガットは重剣による連携攻撃の奥義―――ダイナストゲイルで攻撃し

「―――この奥義にて全てを決する!今万感の思いをこの技に込めて………!魔人闇(マリアン)!!」

リオンは心から愛する者の名を付けた奥義で攻撃し

「か、覚悟してください!い、行きます!やあぁぁぁぁぁ!」

ティータはラッセル博士から借りているラッセル家秘蔵の火薬式の大型の銃で惜しみなく弾丸を放つ奥義――――カノンインパルスで竜の頭目掛けて集中攻撃し

「これで終わらせるわ!刃よ、行けッ!まだまだっ!―――奥義!ヘヴンサウザンド!!」

アーシアは法剣の刃を飛び回らせた後ボウガンから次々と矢を放ち、更に飛び回っていた刃が戻って元の姿に戻った法剣に膨大な法力を溜めて巨大な光の剣と化した法剣で薙ぎ払う連携奥義にしてアーシア最大の奥義――――ヘヴンサウザンドで攻撃した!

 

「グオオオオオッ!?」

エステル達の奥義を次々と受けた事によって竜は地面に倒れたが

「グオオオオオオオオオ―――――ッ!!」

すぐに立ち上がり、暴れ出した!

 

「あ、あう……」

「くっ……。普通ならとっくに倒れているはずなのに……!!」

「まだ立てるのかよ!?」

暴れ出す竜の様子にティータは不安そうな表情をし、エステルとルークは唇を噛みしめて竜を睨み

「無限の生命力……教会に伝わる伝承通りね……!」

「チッ、見た目通り体力”だけ”は無駄にあるようだな……!」

真剣な表情で竜を見つめながら呟いたアーシアの話を聞いたリオンは舌打ちをした後、竜を睨んでいた。

 

その時アガットは周りを見て、高台を見つけ、ある提案を思いついた。

「ティータ!閃光弾を持ってるか!?」

「ふえっ……はいっ!」

アガットに突如呼ばれたティータは一瞬戸惑った後頷いた。

 

「そいつで竜のスキを作れ!エステル、ルーク、アーシア、リオン!一瞬でいい、お前達は動きを止めろ!」

「ええっ!?」

「何をする気だ!?」

エステルとルークがアガットの指示に驚いたその時、アガットはジャンプして、高台へと登り、先程まで使っていた重剣をしまった後、ユニットを付けた特殊な重剣を取り出し重剣のユニットを起動させて、構えた。

 

「あ……」

「なるほど……そういう事ね。」

「フン、僕が手を貸してやる事、ありがたく思え!」

アガットの行動を見て察したティータは呆け、アーシアは静かな笑みを浮かべ、リオンは鼻を鳴らした。

 

「ティータ!当てないで撃ち上げちゃって!あたしたちで動きを止めるから!」

「うんっ……!」

そしてティータは閃光弾を竜の頭上に撃った!閃光弾が放った光に竜は一瞬気を取られ

(今だ……!)

竜の様子を見たエステル達は一斉に竜に近づいて総攻撃を仕掛けた後、素早く散開した。すると竜は咆哮を上げながら地面に倒れた!

 

「………………………………。」

倒れ行く竜の様子を見たアガットは石のアクセサリーを強く握りしめた後、重剣を構え、そして!

「これで決まりだ!!らあぁぁぁぁぁぁ……!ふおらぁ!」

その場で力を溜めた後高台からさらに高くへと跳躍し

「うおぉぉぉぉぉぉ……っ!だぁぁぁぁっ!」

空中で竜の姿を形どった凄まじい闘気を纏い、そして!

「行くぜっ!ドラゴンダ――――イブ!!」

竜の額に付いている”ゴスペル”めがけて、突進した!

 

常人離れした跳躍から繰り出される、炎を纏った奥義――ドラゴンダイブを竜の額に付いている”ゴスペル”に命中させると重剣は真っ二つに割れ、”ゴスペル”も完全に壊れた……………!

 

説明
第75話
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