リリカルHS 24話
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私が雑賀士希と一騎打ちをしていると、突然炎に囲まれた。

そしてその中から、刀を携えた、深紅の男が現れた

 

士希「察するに、お前がプロメテウスだな?」

 

プロメテウス「ご名答だ。タナトスがやられたと聞いて驚いたぞ。

奴に殺せないものはいないのだがな」

 

シグナム「待て。お前、何故私を知っている?何故夜天の魔道書の事を知っている?」

 

こいつは確かに、私の事を烈火の将と言った。何故知っている?

それも、闇の書と言わず、夜天のと言った。その名を知っているものはもう…

 

プロメテウス「ん?覚えておらんのか?まぁ無理もない。もう随分昔の話だからな」

 

シグナム「何の話だ?お前達は何者なんだ?」

 

プロメテウス「まぁまて烈火の将よ。積もる話もあるが、先にこちらの用事を済ませたい」

 

プロメテウスはそう言うと、刀を構え、レーゲンに向けて斬撃を繰り出した

 

 

ガキィン

 

 

プロメテウス「ほぅ、止めるか」

 

士希「悪いな。俺の目の前で、大切なものを壊される訳にはいかないんだ」

 

プロメテウスの一撃は、雑賀士希がナイフで受け止めた。あいつ、いつの間に移動した?

 

士希「レーゲン、ユニゾンだ」

 

レーゲン「はい!」

 

雑賀士希は再びユニゾンし、タナトスを出し、プロメテウスに相対した

 

プロメテウス「ほぅ、タナトスを使うか」

 

士希「タナトスは閉じ込められた復讐で襲ってきた。お前もその口か?」

 

プロメテウス「復讐?まさか。そんな事を考えるのはタナトスくらいよ。

我が目的は解放。お主が守る者の中に眠る我らの仲間を外に出す事だ」

 

レーゲン『僕の…中?』

 

プロメテウス「覚えておらんのか?」

 

士希「こいつは記憶喪失だ。そこを俺が保護した。お前、レーゲンについて何を知っている?」

 

プロメテウス「保護?なるほど、ではお前が新たなマスターになるな。いいだろう。

私に勝ってみせよ!さすれば私が知る事を教えよう!」

 

雑賀士希とプロメテウスはお互い武器を構え、距離を取る

 

リイン「シグナム!私達も!」

 

プロメテウス「ほう?二人がかりでくるか?

烈火の将よ。私は構わんぞ。どちらにせよ、お主らにも用はあるからな」

 

我らにも用があるのか?一体こいつは…

 

シグナム「手を貸そう雑賀士希。どうやら我らも、無関係ではなさそうだ」

 

士希「いいのか?お前、俺の事嫌いなんだろ?」

 

シグナム「あぁ、お前の事は今でも気に食わんさ。

だが、それでもお前の主はやてに対する想いはわかった。剣を預けるには十分だ」

 

士希「そうかい。なら、頼むぜシグナム」

 

プロメテウス「フッ。行くぞ!炎刀・プロメテウス!推して参る!」

 

 

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士希「ハァァッ!」

 

シグナム「タァッ!」

 

プロメテウス「フン!」

 

三人の武器が重なり合い、周囲に激しい衝撃波を生む。さらには…

 

プロメテウス「燃えろ!」

 

奴の刀から炎が溢れ、一帯を焦がさんとする。

なかなか厄介だ。私も炎を得意とするが、それでも奴の力は驚異だ

 

士希「チッ…火が怖くて料理人が務まるかよ、とか言いたいが、流石に近接戦闘は不利だな。

余熱で燃やされちまう。銃を持ってくるべきだったか?」

 

……なるほど。飛び道具か

 

シグナム「雑賀士希、お前は奴を引きつけろ」

 

士希「何か手があるのか?」

 

シグナム「あぁ。私のレヴァンティンにはシュツルムファルケンという射撃魔法がある。それで射抜く」

 

士希「ふーん、威力は?」

 

シグナム「リインフォースもいるから、なかなかのものだぞ」

 

リイン『一発で仕留めてやるです!シグナムが!』

 

士希「なるほど。なら任せるぞ」

 

そう言って雑賀士希は単身プロメテウスに突っ込み、激しい剣撃を繰り広げた

 

リイン『シグナム!』

 

シグナム「わかっている。やつは私達を信頼した。なら騎士として、我らはそれに報いなければならない」

 

そう。やつは私が剣を向けたにも関わらず信頼を寄せた。

私は今でも、やつを好きになれそうにないが、それでも…

 

シグナム「それでも、この一撃は決める!」

 

 

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私は距離を取り、カートリッジロードしつつ、魔力を全開にして力を高める。

リインフォースもそれに付き合い、力を分け与えてくれた

 

ふと前方を見れば、雑賀士希とプロメテウスが燃え盛る中、激しく打ち合っていた。

あいつは本当に人間なのか?あの炎の中、何故ああも平然と打ち合える?

 

シグナム「!?」

 

そして私は気づいてしまった。

雑賀士希が、プロメテウスの攻撃の余波をこちらに流さないようにしていることを。

プロメテウスは攻撃する度に炎が溢れ出るが、その炎がこちらに飛び移ることはなかった。

目の前の敵に集中しつつ、我らも気遣うのか

 

シグナム「あいつは本気で、我らを守る気なのだな」

 

リイン『そうですよシグナム!士希さんは良い人です!

だからリインは、士希さんを信頼してもいいと思うです』

 

シグナム「フッ。リインフォース、私は気に入らないだけで、信頼はしているさ」

 

この言葉に嘘はない。だから…

 

シグナム「翔けよ、隼!!」

 

 

パシュンッ!

 

 

音速を越える速度で放たれた魔力の矢は、真っ直ぐ敵目掛けて飛び、そして…

 

プロメテウス「グオォォッ!」

 

プロメテウスは直前に気付き、回避行動を取ったが、避けきれず腹部を貫かれた

 

士希「おいおい、直撃して爆発って、どんな威力してんだよ。

てか、もう少しで俺まで巻き込んでるぞ!?」

 

矢が放たれた直後、雑賀士希はプロメテウスから離れていたが、

シュツルムファルケンの余波に巻き込まれそうになっていた

 

シグナム「すまんすまん。

別に余波に巻き込まれてしまえばよかったのに、とか全然思っていなかったからな」

 

士希「巻き込む気満々だったんだな!?」

 

 

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プロメテウス「クッ!流石は夜天の守護騎士。まさかこれ程とは…」

 

まだ生きているのか。タフなやつだ

 

士希「だが、もう動けねぇよなぁ?さぁ、知ってること、吐いてもらうぜ」

 

プロメテウスは観念したかのように武器を収め、座り込んだ

 

プロメテウス「私が知っている事は、そやつ、お主らがレーゲンと呼んでいる者の中に封印されていたこと、その中には他にも我らの仲間がいることだ。そして我々は、マスターを護る為に作られたことだ。そのマスターは、我らを使う事なく封印してしまったがな」

 

士希「って事は、収穫なしか。タナトスが教えてくれた事とほぼ同じ。

まぁ、レーゲンの中にお前の仲間がいるってのは、初耳だったがな」

 

レーゲン「でも僕、タナトス以外に取り出せませんよ?」

 

プロメテウス「それはお主が記憶喪失であることに関係しているのだろう」

 

レーゲン「そう、なんですかね」

 

まだまだレーゲンには、謎が多そうだな

 

シグナム「少しいいか?お前は何故、我らの事を知っていた?闇の書ではなく、夜天の書として」

 

プロメテウス「それはお主、我らとお主らの製作者が同じだからだろう?」

 

………は?

 

リイン「………えぇー!?」

 

プロメテウス「何をそんなに騒いでおる?というか、ちょっと休ませてくれないか?出血がヤバい」

 

忘れていたが、プロメテウスの腹部からは勢いよく血が吹き出している。心なしか、顔も真っ青だ

 

士希「少し気になる話も出たが、レーゲン、回収してくれ。そんで話聞いといてくれ」

 

レーゲン「あ、はい!わかりました!」

 

プロメテウス「すまんな。今後はお主をマスターと認め、私を使う事を許可しよう」

 

そう言い残し、プロメテウスは赤い光となり姿を消した。

レーゲンがその赤い光に触れると、一振りの刀となった

 

士希「あ、そういやプリン作ってあるんだった。ちょっと取ってくるよ」

 

レーゲン「プッリン♪プッリン♪しきさん特製プッリンー♪」

 

そのまま雑賀士希とレーゲンは、何事もなかったかのように帰って行ってしまった

 

 

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シグナム「……ということです」

 

私は主はやてに今回の件を報告した(ちなみに、雑賀士希と勝負した事は伏せている)。

主はやても微妙に混乱している様子だった

 

はやて「てことは何か?レーゲンと夜天の書って、もしかして兄妹みたいな?」

 

リイン「多分です…」

 

はやて「マジでかぁ……っとと!連絡?あ、ユーノ君からや。もしもしユーノ君?」

 

突如コールがかかり、主はやてが応答する。

相手は無限書庫の司書長、ユーノ・スクライアだった。ユーノはとても慌てている様子だった

 

ユーノ『ごめんはやて!調査が遅くなった!でもとんでもないことがわかったよ!』

 

はやて「あぁ、こっちも今しがた、とんでもない事実を知ったかもやわ。

夜天の書とレーゲン、製作者同じなんちゃう?」

 

ユーノ『あれ?知ってたんだ。なら話は早い。

タナトス、プロメテウス、オケアヌス、アルテミス、ガイア、ミネルバ。

これらはかつて、神器と呼ばれた古代ベルカの武器。役割は魔導師が旅の間自己を護るためだ。

そして、高い確率でこれらの製作者は夜天の魔道書を作った人と同一人物だ。

夜天の魔道書の資料の中に、神器に関する情報が多く記載されていたからね』

 

はやて「って事は、ロストロギアか」

 

ユーノ『製作されてすぐ封印されたらしいから、性能まではわからないけど、恐らくは』

 

はやて「じゃあ、その封印してた器?みたいなんはわかった?」

 

ユーノ『多分、それはゼウスだね。

全ての神器を司る剣があって、ほとんどの神器は、ゼウスの管理下にあったみたいなんだ』

 

全ての神器を司る剣…それがレーゲンの正体か。

だが、何故レーゲンは記憶を失う事になった?それも、何故今になって…

 

士希「おーい、採点終わりましたよー。って、なんだこの真面目な雰囲気」

 

はやて「あ、士希君、実はな…」

 

主はやては、ここまでの情報を整理し、雑賀士希に説明した。

雑賀士希は別段驚く事なく受け入れていた

 

士希「ふーん、レーゲンの本名はゼウスで、はやての持つ夜天の魔道書とやらと兄妹とはなぁ。

レーゲン、何か思い出せそうか?」

 

レーゲン「うーん…でも、とても懐かしい感じはあります。

それに、確かに八神家の人達とは親近感を持っていたので、兄妹と言われてなんか納得はしました」

 

兄妹、か。我ら以外にも、同郷のものがいるとはな

 

はやて「なんや私も士希君も、歩くロストロギアって言われそうやな」

 

士希「そういや、そのロストロギアとやらなら、俺とレーゲンは管理局に行くべきなのか?」

 

はやて「まぁ、本来ならそうなんやけど、別段まだデカい事件起こした訳ちゃうし、

私やクロノ君の方で手引きして、私かなのはちゃん、フェイトちゃんが監視員として付くようにすりゃ問題ないやろ」

 

士希「へぇ、そんなんで良いのか?」

 

はやて「士希君だって、まだ地球におりたいやろ?」

 

士希「まぁな。なら頼むわ」

 

はやて「はいはーい♪」

 

確かに、まだレーゲンが原因で事件を起こした訳じゃない。

この件も、ほぼ身内しか知らない物だ。だが…

 

シグナム「主はやて、職権乱用という言葉をご存知ですか?」

 

はやて「フッ、せっかく管理局員になったんや。使えるもんは使うのが自然やろ」

 

思わずため息が出てしまう。雑賀士希は主はやてに想われている。

なら私はそれを認め、主の幸せを願うべきなのだろう

 

シグナム「雑賀士希、何があっても、主はやてを護るのだぞ」

 

私は誰にも聞こえないくらいの声で、ポツリと呟いた

 

 

 

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あとがき

 

 

 

どうもこんにちは!桐生キラでっす!

 

今回はシグナム戦とプロメテウス戦を描いてみました

 

さくっとあっさりしていないですって?

 

それはこの作品が日常メインだからです(笑)

 

プロメテウス戦に関しては一応背景があって…

 

どの神器にも言える事なんですが、神器はマスターの技量によって性能が激変するっていう裏設定があるので、神器の具現化自体はそんなに強くないんですよ

 

シグナム戦に関しても、お互いガチでやりあってるわけじゃないのであっさりです

 

流石のシグナムも、嫉妬で本気で戦いません(笑)

 

ただ、お互いを見極めるための力試しみたいなもんです

 

まぁでも、いつか士希君とシグナム姉さんには全力で戦ってほしいなって思ってます

 

 

 

次回から、作品としては夏に突入します

 

皆さんが思う夏のイベントみたいなのがあれば反映させてみたいと思います。

 

なので要望があれば受け付けます!!

 

それではまた次回にお会いしましょう!!

 

 

 

説明
こんにちは
今回はプロメテウス戦!
さくっと終わります(笑)
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コメント
夏と言えば東京ビッグサイト?。(黒鉄 刃)
後、夏と言えば海!(ohatiyo)
夜天の書の作成者が出て来るのか気がかりですね(ohatiyo)
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リリカルなのは オリキャラ 八神はやて シグナム 

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