真・リリカルなのは 第十二章 非道なる報復編 第二十話 語る欲望 |
時間は少し遡り、リトナが地球へと赴こうとしていた頃、ミッドでは戦いの爪痕を癒やすべく、管理局員たちが奮闘していた
そんな中、カイトに呼ばれ、彼の部屋にやって来たナカジマ姉妹
カイトに呼ばれるなど今までになかった為、一体何の用かと若干震えている
スバル「カイトさん、一体何の用なんだろ?」
ギンガ「行けば分かるわ。そんなに怖がる事ないじゃない」
スバル「だって………」
六課時代、まともに口を聞いてくれなかった人物の1人だ
ましてスバルは小僧と呼ばれていたのだ
あまり良い印象はない
そして、ドアの前に立つ
ギンガ「天城一佐、ギンガ・ナカジマ、スバル・ナカジマ、参上しました」
カイト「入れ」
ギンガ「失礼します」
カイトに許可を貰い、部屋に入って行く2人
するとカイトの他にクロノとヴェロッサが居た
カイト「さて、揃ったな」
クロノ「では、早速か?」
カイト「ああ、無駄に時間を潰す必要はない」
ギンガ「???」
カイト達の話の内容が全くわからず、何故呼ばれたのか疑問を持つ ギンガ達
クロノ「僕が提督の権限で許可するが、30分だけだぞ?」
カイト「わかっている」
そう言い残し、クロノは退出する
ヴェロッサ「さて、本題に入ろうか」
彼はヴェロッサ・アコース
スカリエッティのアジトに潜入し、リトナに殺されかけた人物だ
ゆりかご消滅後、シャッハによって救われ、何とか一命を取り留めた
ヴェロッサ「初めましてだね、僕のはヴェロッサ・アコース」
ギンガ「ギンガ・ナカジマ陸曹です」
スバル「スバル・ナカジマ防災士長です」
お互いに握手を交わす
カイト「今回、貴様らを呼んだのは外でもない、スカリエッティの奴に直接聞く為だ」
ヴェロッサ「君達のお母さん、クイント・ナカジマについてね」
ギンガ「え?」
スバル「それはどういう?」
いまいち理解できていない2人
ヴェロッサ「僕はね、ゆりかご襲来時にスカリエッティのアジトにハラオウン執務官と共に潜入した者なんだけどね………君達も知っているだろうリトナ・フェイゲールを」
今回の事件の首謀者の名にして、クイントの死の事実を知る者だ
彼の名を聞いたとたん、2人の顔色が変わる
ヴェロッサ「僕は彼に不意打ちをされてね、死に掛けたんだ」
カイト「それはどうでもいいが、ヴェロッサが発見した資料が中々ものでな」
自分が死に掛けた事をどうでもいいと言われ、落ち込む ヴェロッサ
カイト「貴様らの母、クイントに纏わるものだった」
ヴェロッサ「リトナ本人に聞くのが一番かもしれないけど、スカリエッティもこの事については知っているはず。だから聞きに行こうと思ってね」
ヴェロッサの発言に驚く2人
スカリエッティは絶対監獄で監禁状態である
その為、彼に会うのは不可能と思われていた
しかし、クロノ提督の権限で30分だけ話をする事が出来るようになったのだ
ヴェロッサ「辛い話になるかもしれない。けど君達には知る権利がある………と僕は思う。君達を呼んだ理由、理解できたかな?」
そう、つまりはスカリエッティから真実を聞く覚悟があるのかと問われているのだ
2人は悩む
正直言って怖い
リトナの言う通り、本当に自分達の所為でクイントが殺されたのならば、恨まれていても不思議ではない
もし恨まれていたのならば、正直ショックを隠せないだろう
しかし、こんな機会はもう無いのも事実
特にギンガは管理局に入って間もない頃、母の死について調べたが、何の手がかりも無く断念した事がある
これを逃せば、二度と真実を知る事はないだろう
そう考えた時、返答は1つしかなかった
ギンガ&スバル「「私達も連れて行ってください!!」」
例え待っている答えが残酷でも、真実が知れるのならば知りたい
それが彼女達の答えだった
カイト「ならば早速 行くぞ」
答えを得る為、スカリエッティの元へと赴いた4人
時間は30分
限られた時間の中で、どれだけの情報を導き出せるか?
スカリエッティ「クククククク、珍しい客人だね」
相変わらずの様子だ
ヴェロッサ「さて、今日僕達があなたに会いに来たのは外でもない。クイント・ナカジマについて話してもらおうと思ってね」
時間がない為、雑談は無しで、一気に本題を問う
スカリエッティ「クイントについて? クククク、何故今更?」
ヴェロッサ「簡単言うと、あなたのアジトからクイントの亡骸が奪われた」
カイト「戦闘機人に改造したのは貴様だろう? その経緯を話してもらおうか」
カイトとヴェロッサがスカリエッティから情報を聞きだそうとしている
そんな後ろ姿を見ながらじっと耐える2人
本来ならスカリエッティを殴り飛ばしたい気分だが、その逸る気持ちを押さえつける
スカリエッティ「クククク、見返りは?」
無論、犯罪者であるスカリエッティにも黙秘権がある
その為、話さないという選択が出来るのだ
ヴェロッサ「あなたは何を望む? 別にほしいものなどないだろう?」
カイト「なんなら、俺が此処で貴様に引導を渡してもいいが?」
話さなければ殺すと脅す カイト
スカリエッティ「クククク、稚拙な挑発………必至だね」
カイト「……………………」
互いに睨みあう
スカリエッティ「クククク、まぁいいさ。どの道暇だったんだ、時間つぶしにはなるかな」
どうやらスカリエッティは話してくれるようだ
スカリエッティ「さて、クイントの死の経緯だったね? そうだね………彼女が死んだとされる事件について話そうか」
本格的な情報がほしい所だが、彼には枷が付けられている
最高評議会によるものだ
下手の事を話すと殺されかねない
だからこそ、話せる範囲は決まっている
スカリエッティ「知っていると思うが、彼女が死んだ任務失敗時にはゼストとメガーヌも居たのさ」
そう3人は地上の魔導師だった
その3人はかなりの実力者であり、地上も海に劣らないほどの力を所持していた
そんな ある日、元地上のトップであるレジアス・ゲイズから任務を言い渡される
その任務こそ、スカリエッティのアジトへの潜入だった
しかし、その任務は3人を……………いや、クイントを殺す為の罠だったのだ
全てはクイントの口封じの為
その為にレジアスは偽りの任務を与えたのだった
他の2人はとばっちりである
ヴェロッサ「クイントを殺す為……か」
カイト(恐らく知ってしまったのだろうな。上層部が知られたくない何かを)
スカリエッティ「そして私は3人を殺す為、色々と罠を仕掛けた。クイントの命が目的だが、彼女だけ殺しても逆に変だからね」
ヴェロッサ「…………あなたはクイントを殺そうとした者の協力者ということだね?」
スカリエッティ「ああ、そうだよ」
ヴェロッサも管理局の闇の正体に近づいて行く
クイントを殺す理由はまだわからないが、少なくても彼女を殺す為、偽りの任務を与えたのがレジアス
つまり、彼の陰謀か? それとも彼に命令できるほどの権力者か?
恐らくは後者だろう
レジアスは3人の事を気に入っていた
それを殺す必要は全く考えられなかった
レジアスに命令出来る権力者………
ヴェロッサが知る限りでは上層部しか居ない
スカリエッティ「でだ、見事に罠に掛かった3人を始末…………といえば、語弊があるな。メガーヌは殺さなかったからね」
メガーヌだけは生かしていた
スカリエッティの口ぶりからして偶然では無く、わざとだろう
娘のルーテシアを利用する為か?
スカリエッティの話を聞いても、未だに自分達の関係が見えてこない
そう思い、スカリエッティに問おうとする ギンガ
しかし、それより先にスカリエッティが口を開く
スカリエッティ「では、何故クイントを殺そうと考えたのか? それが一番知りたいのだろう?」
遂に明かされるクイント殺害の真相
そこにあるのは管理局の陰謀…………自らの保身を守る為の汚れた欲望だった
次回は3話ほどかけて過去の話をします
ゼスト達がスカリエッティのアジトに潜入した時の話です
お楽しみに〜
説明 | ||
今回で全てが分かる訳ではありません | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
719 | 711 | 0 |
タグ | ||
リリカルなのは あくまで主役はなのは・・・・・・と思う 内容はオリジナル | ||
ohatiyoさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |