腐女子「殺すよ」ニッコリ 女騎士「くっ…殺せ」後編
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腐女子「それで、二人に話があるんだ」

 

女騎士「言ってみてくれ」

 

腐女子母『腐女子−、ご飯よー!』

 

腐女子『あーもううっさいなー! 今良いとこなの! お母さんはだまっててよ!』

 

腐女子母『お友達もご飯よ−!』

 

腐女子「あーもうおか…母。みっともない恥ずかしい」カァァァ

 

女騎士「話は夕餉のあとだな」

 

腐女子母『今日はカレーよ!』

 

腐女子「!!」

 

女騎士B「華麗か……」

 

――――――

 

腐女子「あーもう恥ずかしいったらないよ」カァァァ

 

女騎士「しかし、素晴らしい夕餉だった。 香辛料の香りがまだ残っている」

 

女騎士B「馳走になった、今まで食べたことがない味、美味だった」

 

腐女子「でしょ!」

 

女騎士、女騎士B「ふふふ」ニヤニヤ

 

腐女子「あーもううるさいうるさいうるさい!」

 

――――――

 

腐女子「でさ、本題なんだけど二人とも今度のコスフェスタに参加しない?」

 

女騎士「レコンキスタ!? 再度遠征を行うというのか?」

 

腐女子「違うって、あははははは」

 

腐女子「漫画とか、アニメとかの格好をして楽しむんだよ」

 

女騎士B「あにめ? それはぶるーれいか?」

 

腐女子「Exactly(そのとおりでございます) 二人ならきっと格好良いよ」

 

女騎士「しかし、私たちは」

 

腐女子「普段からファンタジーな格好をしてるくせに」ボソッ

 

女騎士「ん?」

 

腐女子「二人はもう萌え、を理解したでしょ?」

 

女騎士B「もえ……」

 

――――――

 

女騎士「いやぁ、最高の休日だった」

 

女騎士B「そうだな」コクッ

 

女騎士「しかし、休暇を取った以上何らかの成果を残さねば」

 

女騎士B「再び休日を取れずふぇすには参加出来ない……」ギリッ

 

女騎士「一先ず……あそこにいる怪しげな男を追跡する」

 

女騎士B「そううまくいくかな」

 

――――――

 

女騎士「運が良すぎたな」

 

女騎士B「その偶然のおかげで祭典に参加出来ているわけだ」

 

腐女子「麻薬を扱う組織だったとは……薄い本の展開だったら危なかったよ?」

 

女騎士「まさか」

 

女騎士B「こやつめ、ハハハ……」

 

腐女子「二人とも、準備できたんだからコスプレ広場に行って来なよ」

 

女騎士B「しかし、こすぷれは少し恥ずかしい……」

 

腐女子「普段からコスプレしてるような格好だろ」

 

女騎士「そ、そうかな」

 

女騎士「しかし、腐女子無しとは……出来るのか?」

 

女騎士B「心配するな……僕たち二人なら飛べるさ。 そう思うだろう」キリッ

 

女騎士「!!」ゾクゾク

 

腐女子α「あの−!それって!今の3話のあれですよねっ!」キラキラ

 

女騎士B「……」ニコッ

 

腐女子α「あうあう」カァァァ

 

カメコ「あのー、写真いいすかー?」

 

女騎士「すみません、写真はえぬじーなんですよ」

 

カメコ「チッ、使えねーな」スタスタ

 

腐女子α「なにあれ!感じ悪い!」

 

 

――――――

 

腐女子「……」ザッ

 

女騎士、女騎士B「!?」

 

腐女子「これが憎しみ……」

 

女騎士「なぜそれを選ぶッ!」

 

腐女子α「!!」

 

 

 

――――――

 

女騎士……「いやぁ、女騎士B、二人とも様になってたな」

 

女騎士B「女騎士もなかなかだったぞ」

 

腐女子「やっぱりいいわぁ……」

 

女騎士「人混みは好かんが、楽しかったな……」

 

女騎士B「そうだな」コクッ

 

腐女子「こんな時間が、続けばいいのに」

 

女騎士「……」

 

女騎士「それじゃ、今日は楽しかったよ」

 

女騎士B「母上殿に宜しく頼む。 特に華麗を」

 

腐女子「うん、言っとくよ、美味しいカレーを作って貰えるようにな」

 

女騎士「またな」スタスタ

 

女騎士B「素っ気ないな、女騎士も。 それじゃあな」フリフリ

 

腐女子「ああ」フリフリ

 

女騎士B「さて、明日からはまた任務だぞ」

 

女騎士「ああ、次はいつ遊びに行こうかな」

 

女騎士B「そういえば腐女子に薄い本を返すのを忘れていた……次持ってくると言わないと」タタタッ

 

女騎士「ああ」

 

――――――

 

女騎士「女騎士B,遅いな」

 

女騎士B「女騎士……!」ハァハァ

 

女騎士「どうした?」

 

女騎士B「と、とにかく来てくれ」グイッ

 

女騎士「どうした?」

 

女騎士B「無いんだ」

 

女騎士「何がだ?」

 

 

女騎士B「道が」

 

女騎士「道? そこの道を曲がればすぐ腐女子の家に……」スタスタ

 

女騎士が角を曲がると、ただ薄汚れた壁がただ存在していた。

いくら触っても動じない、まるで何百年も前からそこに存在していたかのように。

 

 

女騎士「これは一体……」ペタペタ

 

女騎士B「いくら、探してもないんだ。 おかしいな……」 

 

女騎士「嘘だろ、もう一回探そう」

 

――――――――――――――――――

 

 

それから、6年は過ぎた。 でも、私は再び女騎士達に会うことはなかった。

ほんの一瞬、私の人生の中で存在していた時間。 中世のコスプレをした女騎士達。

私は、それから中世ヨーロッパ史を勉強していた。 記憶の中で存在していた彼女達の姿を探していたのかもしれない。

 

 

腐女子α「腐女子? どうしたの?」

 

腐女子「あ、ごめん。 考え事」

 

腐女子α「旅行に誘ってくれてありがとう。 そうそう、この町ってなんか見たことある気がするんだ」

 

腐女子「そうだね。 もう少しで廃墟に着くよ」

 

腐女子α「楽しみ」

 

 

私たちは現地ガイドの家に誘われ、泊まることとなった。

普段なら丁重にお断りするところだったが、昔見た腐女子αのような、輝く目で見られたら断れなくなってしまったのだ。

 

 

現地ガイド「コレヲ」スッ

 

腐女子「?」

 

手渡された古ぼけた封筒。 封印の蝋がまだ存在している。

確かに長い時間が経っている手紙。

それがなぜ、今私に手渡されたのだろうか?

 

腐女子「これを、開封しても良いの?」

 

現地ガイド「HAI」ニコッ

 

意を決し、ペーパーナイフを借り、手紙の封を解く。

中から出てきたのは、一通の朽ちた手紙。 

その裏を見ると、最初にこう記されてあった。 腐女子へ、やっぱり騎士Aと団長はデキていた、と。

私は、笑いながら泣いた。 腐ってやがる、早すぎたんだ(笑)

 

終わり

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ふぅ
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