とある傭兵と戦闘機  (IS編第四話) 対話と性格
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   とある日の出来事

 

 

 

 「前期学力調査テストの総合結果を発表します」

 

山田先生がいつも通りの穏やかな雰囲気でそう宣言する・・・んだけど

 

 「「「・・・・(汗」」」

 

何故か、クラスの雰囲気がズシっと質量を持ったかのように沈み込んだ

 

 「成績発表・・・」

 

 「とうとうこの日が・・・」

 

 「来てしまったわ・・・」

 

クラスメイトが口々に呟く

 

それは一週間ほど前に行われたペーパーテストの採点返却だった

 

IS学園には採点結果をクラス別、学年別に公開する方式らしく

 

授業用センターディスプレイに大きく総合成績順位が表示される

 

 「ふふふ・・・もちろん、見るまでもなくこの私が学年主席ですわ!!」

 

隣の席のセシリアが堂々と胸を張っている

 

そういえばセシリアって入学する時のテストは学年一位とか聞いたような無いような

 

 「なんと、第一学園第一位と二位の生徒はこのクラスの生徒です」

 

山田先生が物凄く笑顔でディスプレイに手を掲げた

 

 「そしてその一位の生徒は、学園初の全科目満点という偉業を達成しました!!」

 

 「「「ま、満点!?」」」

 

いきなりクラスの全員が顔を上げる

 

まぁ、私は私は最初にやって後は寝てたからありえないんだけどね

 

案の定、織斑先生にシバかれたけど

 

でもここ最近の授業はバレないように寝る技術を磨いてばれてないんだよね・・・うん、無駄

 

 「では、クラス内成績順位発表です!!」

 

その声と共に、ディスプレイに表示が切り替わった

 

成績順位がズラっと並べられているその表示の一番上はーーー

 

 「クラス内、第一学年総成績最優秀主席は」

 

 ”第一位  第一学年一組  出席番号28 フィリア・フェイリールド 点数、1500点”

 

その画面を見た瞬間、私は自分がやらかした事を確信した

 

 「一位はなんと、フェイリールドさんです。よくがんばりました!!」

 

一瞬の沈黙ーーーからの

 

 「「「えええええええええ!?」」」

 

クラス全員のお腹の底からのシャウト

 

 「なんですって!?」

 

そして隣の席からの驚きの目線

 

 「フィリアって頭いいんだな〜」

 

織斑君の驚きの目線・・・せめて織斑君よりは頭よくなきゃ本当にバカにされてもおかしくないよ

 

 「ふぃ〜ふぃ〜のうらぎりもの〜・・・」

 

のほほんとしてたはずの本音・・・裏切った覚えなんか一つもないよ?

 

というか何でさ皆、そんなに私の事バカみたいに見てさ・・・

 

 「だって・・・テストが始まって十分たらずで寝てたんだよ!?」

 

 「あの織斑君の妹ちゃんが!?」

 

 「あの千冬様の授業を睡眠で過ごしていた妹ちゃんが!?」

 

あ・・・最後の人それ言ったら・・・

 

 「ほう?フェイリールド、そんなに私の授業が退屈か?」

 

イヤァァァァァァァァここで嘘付いたら本当に死んじゃうぅぅぅぅぅぅぅぅう!!

 

 「退屈と言うより・・・まあ、退屈です」

 

 「理由は何だ?」

 

 「その・・・”簡単”だからです」

 

 「・・・そうか。丁度いいこの問題を解いてみーーー」

 

と、織斑先生が紙を渡してくる

 

そこにはーーーまぁ、計算だね。

 

 「答えはこれでいいですね」

 

計算式書くの面倒だから答えだけを用紙に記入する

 

 「あってますか?」

 

 「イヤ待て待て。まさかお前、”暗算”でこの計算を行ったのか?」

 

 「それがどうかしました?」

 

 「・・・今からディスプレイに表示する計算を暗算で即答できる者は挙手しろ」

 

それからディスプレイに大きく演算式が表示される

 

 「え・・・何?この数字の羅列・・・」

 

 「何だろう?プログラムか何かのコマンド?」

 

 「目がチカチカする・・・」

 

 「意味がわからない・・・」

 

 「訳がわからないよ・・・」

 

なんか皆頭に?を浮かべてるけど、どうかしたのかな

 

 「オルコット。入試主席のお前はこの式が何の物なのか判るか?」

 

と、右の席のセシリアに織斑先生が質問する

 

 「いえ・・・一体何の物でしょうか・・・私には判りませんわ」

 

 「フェイリールド、この演算式は何の物だ?」

 

えっと・・・確か・・・

 

 「グラフィカル量子テレポートの出現ポイント算出演算式・・・だったっけかな

 

  確かそんな名前だったと思います」

 

確かそんな名前だったと思う。まあ、頭で考えた方が早いしね

 

それから謎の視線を受けながら、私は窓の外を見上げた

 

今、私が知っている人達はどんな生活を送っているんだろう?

 

 

 

 

 

採点していて思ったんだが、こいつは解答欄にしか書き込みを行っていなかった

 

それでいて全教科全問正解なのだ。はっきりカンニングか何かだと疑っていた

 

しかし・・・今の問題を解いた時点で私のその疑問は跡形も無く消え去った

 

瞬間演算能力が、他の生徒とは桁違いすぎる

 

更に記憶能力、思考力、言語力共に抜けが一切無いと来た

 

よくよく考えてみても、テスト開始数十分で全ての問題を解く生徒など居るハズがない

 

更にその十分間は、ただテストにゆっくり書き込むに必要だった時間だったのだ

 

凄まじい・・・この能力が瞬時判断力に繋がり、一瞬の判断の誤りが死を招く高速戦闘を

 

生き抜くに必要な能力を特化させている

 

こうした観点よりフェイリールドの特徴をまとめると

 

学業優秀にて運動もそこそこに、ISの操縦者としても随一の実力を誇り人格的不振無し

 

性格は優しさを持って強しとする意思を持っており、才色兼備を更に洗練させたような存在

 

 「(・・・完璧を通り越して反則の領域だなこれは)」

 

世の中不思議でやれんな・・・本当に

 

 

 

 「納得・・・いきませんわ・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さて・・・これよりイギリス製第三世代試験実証機”ブルーティアーズ”の稼動試験を行う」

 

はい、現在位置。第一アリーナメインフィールド。状況・・・

 

 「最大稼動時のデータを取りたいが、今のオルコットの腕では二割程度でしか稼動させる事ができない

 

  その為今回は搭乗者を変更。フェイリールドにブルーティアーズを操作させる」

 

との事・・・

 

 「オルコット、お前はイギリス本土ではBT適正値最高値を出しているが

 

  ISは通常の機械とは異なる事はわかるな」

 

 「はい、よく承知しております」

 

 「知っていても扱いきれていない。そう言う事だな?」

 

 「・・・ええ」

 

セシリアが重い顔になる

 

目の前にあるのは、セシリアの専用機ーーー”ブルー・ティアーズ”

 

本来セシリアのイヤリングとして待機状態にあるはずのそれが

 

今は他の搭乗者を受け入れる状態になっている

 

 「フェイリールド。搭乗しろ」

 

それにしてもこの先生は容赦と人使いを知らないね・・・

 

でもまあ、セシリアの今後を考えると・・・今、それをするしかない

 

それをーーー気付かせるしかない

 

 

 

織斑先生が予想する”未来”を、確実に生き残る為に

 

 

 

 

そうして今、私はアリーナ上空に浮いている

 

私が搭乗しているのは、ストラティアではなく。ブルーティアーズ

 

セシリアから預かった、彼女の相棒だ

 

 「ではフェイリールド。これよりフィールドに多数の移動目標を表示させる

 

  それを可及的速やかに撃破せよ。」

 

 「その他の指示は?」

 

 「ただ、破壊せよ」

 

 「了解」

 

と、アリーナ空中に現れる的

 

レーダーセンサーが目標を捕捉する

 

でも・・・この子は・・・

 

 「織斑先生、少し時間をいいですか?」

 

 「どうした?」

 

 「今、この子は動きたくないみたいです」

 

 「それで、どうするんだ?」

 

 「これからお話します」

 

目を閉じて、感覚をブルーティアーズに溶け込ませる

 

機体の声をーーー聞く

 

 

 

 

と、言うわけで湖の畔。前にサイファーと話をした場所に居るんだけど

 

 「こっちに来ないでくださらない?」

 

早速、目の前のお嬢様に物凄い睨まれて話しかけようがないや

 

 「どうせ話しかけても、聞いてはくれないのでしょう」

 

 「話しかけてもって・・・セシリアはここに来たの?」

 

 「あの搭乗者とも呼べない私専属の搭乗者が?笑わせますわ」

 

 「それじゃあ、何で私がここに居るの?」

 

 「・・・この空間は、意思を持つ者にのみ訪れる事が許される場所なのよ」

 

ふむ・・・そういう所なんだここって

 

 「・・・あなたが新しい搭乗者かしら?」

 

 「う〜ん・・・まあ、仮の搭乗者って所かな。今のあなたの搭乗者がありえないくらい弱さだから

 

  貴女の力を引き出せない。だから代わりに私が貴女の力を全て引き出すって所かな」

 

 「・・・今の搭乗者がその言葉を聞いたら顔を真っ赤にしますわよ」

 

 「事実だからね・・・ま、本人が挑んできても別に返り討ちにするしね」

 

それからティアーズの席・・・ティーテーブルの向かい側に座って紅茶をたしなむ

 

 「別に搭乗者を拒んでるって訳じゃないんだね」

 

 「拒む拒まないじゃないのよ。まず、”会話に成り立たない”の」

 

それから話を聞くと、ここに来ない以上はこうして話す事ができないらしい

 

 「不思議な人間ね。貴女は」

 

 「どういう意味?それは」

 

 「貴女は私と会話するにしろ、私に抱く感情が人間のものと同じなのよ

 

  本来機械として開発された私に、人と同じ接し方ができるという意味では

 

  ある意味貴女は”機械”なのかもしれないわね」

 

・・・・流石だね

 

 「確かに、昔の私の生き方としては私は機械だったって言う事は否定しない

 

  それは私が償わなければならない過去だし、守らなきゃいけない未来でもある」

 

 「それはまた複雑ですこと」

 

 「でも、サイファーもそうだけど、私はあなた達を機械として見ることができない」

 

 「?」

 

 「何でだろうね・・・本当に何でだろうね」

 

また自問自答の渦に引き込まれる

 

私にはーーー聞こえる

 

皆には聞こえないーーー機体の声が聞こえる

 

 「・・・私が人間と話せたのは始めてだけど、”貴女は他の人間とは違う”。そんな気がするわ」

 

カタンと、椅子が移動する音が聞こえた

 

それと同時に、空中にアリーナの映像が表示される

 

 「このターゲットを全て撃ち抜けばいいのよね?」

 

 「うん。可及的速やかにって事らしい」

 

 「それならばーーー貴女ならば扱えるでしょう」

 

と、私の頭の中にイメージが流れ込んでくる

 

それを見て、私はセシリアがどれだけ彼女をを理解していなかったのかを把握した

 

それならーーー

 

 「いくよ。ティアーズ」

 

 「ええ。いきますわよ」

 

ティアーズの本気をーーー”シズク”の本気を、セシリアに見せ付ける

 

それでーーー判らせてみせる

 

 

 

 

 「機体とお話か・・・あいつらしい表現だな」

 

ブルー・ティアーズを装着したフェイリールドは、そんな事を言って瞳を閉じた

 

 「馬鹿馬鹿しいですわ・・・機体とお話?フィリアさんは少しおかしな事を言いますわね

 

  現に、機体稼働率は10パーセント止まりではありませんか」

 

横で安堵したような顔をしているのは、本来のこの機体の搭乗者であるセシリア・オルコット

 

それもそうだろう。オルコットがこの機体を使用できているのは、適合率が高かったのが

 

主な要因である

 

だが、ISというものを扱うにあたって適合率と呼ばれるものはーーー意味を成さない

 

ただの数値でしかないのだ

 

 「機体を扱えていないお前が言える事ではないな

 

  それにまだ、コイツは一歩たりとも動かしていないぞ」

 

 「動けないのでしょう」

 

こいつの神経も図太いな・・・曲がらない所はあいつそっくりなんだが

 

 「まあ見ていろ。そろそろじゃないか?」

 

と、視線を向けたと同時にフェイリールドの閉ざされた瞳が開いたーーー

 

 ゾクッ

 

不意に、私はその瞳に何か良くわからない寒気を感じてほんの少したじろいだ

 

 「・・・・・ッ・・・話は終ったか?」

 

 「はい」

 

機体の感触を確かめるようにしながら、フェイリールドは機体の火器管制ロックを解除する

 

 「では、はじめます」

 

 「了解・・・戦闘を開始せよ」

 

そして、深呼吸

 

 「行こう。”シズク”」

 

その言葉と同時に、フェイリールドはビットを全機射出

 

 「全砲門解放、捕捉した全目標に糸を通すようにーーー撃ち抜く!!」

 

全てのビットからの一斉射撃、その青色のレーザーが最初の的を貫く

 

 「この程度ならば私にだってーーー」  

 

オルコットが言いかけた瞬間、その一度的を通り抜けた光が途中で軌道を変化させて

 

全ての的を、その一度の一斉射撃のみで撃ち抜いた

 

 「ーーーー・・・」

 

声を上げられないで、あり得ない光景を目の当たりにしたオルコットは

 

精神的に、心を抉られた

 

 「戦闘終了。ありがとう、シズク」

 

そう言ってブルー・ティアーズを解除しようとする・・・が

 

 「・・・どうしたフェイリールド。早く装着解除しろ」

 

 「いや・・・それが・・・」

 

 「?」

 

 「解除できないんです・・・」

 

 ピピッ

 

操作しても無いのに空中に画面が表示される

 

 ”離れたくない”

 

 「・・・シズクぅ・・・ワガママ言わないで」

 

機体を撫でるフェイリールドは、少し困った顔をしていた

 

それには、甘える子供に困っている大人のような”優しさ”が感じられた

 

 「機体稼働率95%・・・そんな事・・・」

 

セシリアが信じられないものを見る目でこっちを見ていた

 

信じられないもなにも

 

 「セシリア。あなたはまだこの子の事を何も知らない

 

  通じ合って、理解しあって、お互いの事を知らないと何もわからない

 

  こんな状態じゃあ、セシリアは無理やり機体を動かしてたってだけだよ」

 

 「それの何が間違っていると言うのですか?」

 

・・・それが理解できないのなら

 

 「・・・もういいや。これ以上の会話は意味が無い

 

  ティアーズも嫌がってるみたいだし、ブルーティアーズはしばらく預からせてもらうね」

 

 「っ!!アナタにそんな権限はありませんわ!!」  

 

 「私に権限が無い?そんなの当たり前だよ。選ぶ権限があるのはこの子だよ」

 

 「ブルーティアーズ!!緊急展開(スクランブル・オープン)!!」

 

緊急展開とは、搭乗者・・・専用機持ちならその専属搭乗者にのみ許される非常事態対応展開コード

 

本来はスクランブル等の緊急戦闘の場合のみ使用する

 

専属搭乗者が整備待機中のISに触れて唱えるだけ。後は自動で急速装着される

 

しかし、何も起こらなかった

 

何よりも優先されるそのコードを唱えたセシリアだけど、ティアーズはそれに答えなかった

 

”ブルーティアーズはセシリアを拒んだ”・・・これ以上の意思の表示は無いと思う

 

 「そんな・・・」

 

絶望に近い顔をして、セシリアはティアーズから手を離した

 

 「織斑先生、しばらくこの子と話してみます

 

  説得って言った方が早いかもしれませんが」

 

 「許可できる訳が無い・・・と、言いたい所だがこちらの緊急解除プログラムが効かない以上

 

  そうするしかあるまい。だが、その機体はイギリスという国の所有物だ

 

  基礎稼動部位以外・・・武装、それに関連するシステムの展開は控えてくれ」

 

 「わかっています。ていうか、展開する必要ないですし

 

  ティアーズ、とりあえず待機状態にもどってね」

 

そう問いかけると、機体は光の粒子へと変化して

 

私の耳に、イアリングの待機状態へと変化した

 

 「セシリア、しばらく預からせてもらうよ

 

  文句があるなら後で部屋に来てね。ゆっくり”お話”する時間は作っとくから」

 

それだけを言い残し、私は待機室に戻る事にした

 

 

 

 

 

 ガチャ

 

 「ただいま〜」

 

 「おかえりなさいなのですっ!!」

 

部屋に帰った途端、フィアが私に勢いよく抱きついてきた

 

 「いい子にしてた?」

 

 「はいっ!!」

 

元気もいいし笑顔が眩しいし・・・マズイね、親バカ特有のアレが発症しかかってるのかもしれないね

 

 「ラリーが今の私を見たら嗤うんだろうね・・・”鬼神の振舞い方じゃねーな”って」

 

私自身はあまり興味がなかったけど・・・私が呼ばれていたその名声・・・”円卓の鬼神”

 

 「何が”鬼神”だ・・・」

 

そんな名声・・・私には要らなかったのに

 

私は・・・今のような人並みの生活ができればそれでよかったのに・・・

 

 

 

 

 

 「何が”鬼神”だ・・・そんな事をあの年端もいかん子供に背負わせる名前なんかじゃねーよ」

 

俺は・・・あの世界に戻った

 

ベルカ戦争から三十年後の、あの腐った世界に

 

 「あー最後の書類系が一番面倒だったぜ・・・そんじゃナターシャ、後は頼んだぞ」

 

 「ええ、貴方の人生をかけた大仕事よ。彼女を護ってやりなさいな」

 

当然だ、その為の書類だ

 

アイツの傍に、なるべく近くに居てやる為のな

 

そうして、俺はあいつの”翼”と俺の”翼”を乗せた輸送機に同乗する

 

タラップを上り、機内に入る直前でナターシャに敬礼を送る

 

 「行ってくる」

 

そう呟いて、俺は輸送機に搭乗した

 

この輸送機が向かう場所はーーーIS学園

 

俺は、大切な人を護る為にそこへと向かった

 

 

 

   ”もうお前だけに・・・背負わせたりなんかしねーからな”

 

 

 

 「あ〜あ、行っちゃったわね」

 

滑走路から空を飛ぶ輸送機を眺めながら、ナターシャは呟いた

 

 「さて、仕事仕事っと・・・あ、フォルク元指令から若返りの方法聞くの忘れてたわね」

 

輸送機に背を向けて、基地施設に戻ろうとする

 

 「この情報化された世界は、”いつも繋がっている”もの」

 

後で電話で聞く事にしたナターシャはそう残して

 

滑走路を一人、夕焼けの影を伸ばしながら歩いていった

 

 

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         ★前回のオマケの続き★

 

 

 

 

 

 

 「所属不明艦?」

 

 「はい、見慣れない装備をした正規工空母級の艦娘だそうです

 

  彼女のお陰で赤城さんの艦隊は助かったそうです」

 

ふむ・・・と、言う事は新しい艦娘だろうか

 

 「・・・報告と違うな。やはり狙われてたって事だな」

 

 「ええ、あの海域での偵察の任は横須賀第四艦隊にあります」

 

第四艦隊か・・・相変わらず陰謀渦巻く鎮守府だなここは

 

港ん中にうずしお作ってどうすんだよ。

 

 「さて、仕事を片付けるとしよう。加賀、第零特務艦隊を編成

 

  使用装備の主砲砲弾を拘束弾に設定。出撃任務にかかれ」

 

 「了解しました」

 

と、秘書艦の加賀は執務室を出て行った

 

 「さて、書置きしてねーと出てる奴らが心配するな・・・」

 

メモ用紙に提督仕事中と書いて、執務室を出てドアに貼る

 

 「さてと・・・さっさとゴミ掃除にでも行って来るか」

 

そうして、俺は刀を片手に装備格納庫に向かった

 

 

 

 

 「とりあえず私達の部隊の基地で保護するネー

 

  テイトクには私から話を付けておきマース」

 

一応同行の許可は出たけど

 

私は、正直困惑していた

 

見たところ、この人達は先程のモンスター達と戦う存在だ

 

艦の代わりに、小回りの利く人間が使用できる戦闘艦の武装と機能

 

そんなもの、私が居た世界には存在しなかった

 

私自身も、こんなに小さな体ではなかったのに

 

ーーーそれは、向こうの世界ではこの人達も私と同じ者だった可能性があると言う事だ

 

そうしているうちに、港が遠くに見えてきた

 

 「あそこが私達の基地ーーー第六艦隊基地ネー」

 

私の視界に入ってきたのはーーー小規模な港だった

 

小型船舶が停泊するくらいの、対空火器が所々に存在しなかったらただの

 

少し大きめな漁港程度の規模だった

 

 「まあ、私達の基地は通常の施設の内部改装しただけの簡易的な支部みたいなものだから

 

  地味なのは仕方が無い事ですが」

 

 「はぁ・・・」

 

 「それにしても不思議な装備なのです・・・」

 

少し小さな女の子・・・駆逐艦の電ちゃんが私の腰に付いている空対空システムを興味深めに見ていた

 

 「んー?テイトクのお迎えが無いネー・・・いつもは埠頭で待っていてくれるんですけどネー」

 

と、金剛と呼ばれる少女が首を傾げる

 

 「あっ。おかえりなさい皆」

 

 「暁お姉ちゃん!!」

 

先程から私の艤装を興味津々に眺めていた電ちゃんが港で待っていた黒髪の少女に駆け寄った

 

 「暁レディちゃん、テイトクは何処に居るのデスか?」

 

 「分からないわ。私はとりあえず”れでぃはこの大人の飲み物を飲みながら待ってる方が

 

  似合うぞ?”って言われたから皆を待っていたのよ」

 

と、その手に持つのは黒く無糖珈琲と書かれたラベルを張られたーーー

 

・・・中身は少し明るい黄色がかった白色の飲み物のビンだった

 

 「(お姉ちゃん・・・それは提督が前に作ってくれたとっても甘いみるくせーきなのです・・・)」

 

 「(このちっちゃなレディは本当に幸せそうですネー・・・)」

 

 「(提督に遊ばれてるわよ・・・それでいいの?暁ちゃん)」

 

と、出迎えを受けた皆は思い思いに・・・もとい全員一致の考えに行き着いた

 

 「「「(つまり、お留守番って事(でしょうね)(なのです)(デスネー)・・・)」

 

 「えっと、置手紙にこう書いてあったわ」

 

暁と呼ばれる少女はポケットから紙を取り出し

 

 ”囚われのお姫様を助けに行って来る。晩飯はテキトーに食料庫にあるもんで何とかしといてくれ”

 

 「「「・・・・・・・」」」

 

私と、赤城さんと、電ちゃんはただ呆然としていた・・・んだけど

 

 「ヘェーテイトクゥ〜・・・テイトクは私よりも他の女の子を選ぶのデスネーーー?」

 

その紙をグシャっという音を立てて握りつぶした金剛さんは・・・どうやら怒り心頭のご様子

 

 「ああ、大丈夫、何時もの事だから」

 

 「そうなのです・・・提督さんはいつもこんな感じなんです」

 

そうなんだ・・・テイトクと呼ばれる人物は結構適当な人間なんだね

 

 「それにしても、眠り姫とは一体何の事なのですか?」

 

 「さぁ・・・ちんぷんかんぷんだわ」

 

よくわからないけど、ここの基地の司令官は不在らしい

 

私はどうなるのかな・・・これから

 

 「こら金剛、提督の部屋に向かって主砲を向けるのはやめなさい」

 

赤城さんが金剛さんを羽交い絞めにして拘束する

 

 「放して下サーイ!!私には提督を粛清する使命があるのデース!!」

 

そうしてただ呆然とその騒ぎを見つめる私と電ちゃんとそのお姉さん

 

 「とめなくていいの?」

 

 「いつもの事なのです」

 

 「ええ、いつもの事ね」

 

それにしても、提督と呼ばれる人物がどんな人物なのか気になるなぁ・・・

 

 

 

 

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   ドウモ=作者=デス  すみません作者ですふざけてごめんなさい

 

   はい、オルコッ党党員の方、セシリアがお気に入りの方ごめんなさいな回です

 

   まぁセシリアはかなり重要なポジションなのでこのくらいはお許しを

 

   個人的に主人公チート化は好ましくないのですが・・・何故かもう時既に遅しでした

 

   見返して”チート”やんとしか思えなくなりました(絶望

 

   相変わらずの月一更新を目指す作者ですが、中々手が進みませんでした

 

   作者のお頭が足りてない故ですが、どうかご容赦をお願いします

 

 

   尚、艦これの方は個別に投稿するか迷っております

 

   今の所はオマケ程度なので、艦これに興味の無い方には申し訳ありません

 

   できれば興味を持って頂ければいいんですが・・・(切望

 

   意見感想募集中

 

   駄文申し訳ありませんが、よろしくお願いします〜

 

      

   

 

説明
とある日常を過ぎ、機体の稼動があまりうまく進んでいないセシリアの機体を動かす事になった主人公、そして、主人公は自分の異常に気がつき始める・・・
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コメント
ドーモ、サクシャ=サン。ドクシャ=デス。セシリアの性格が初期の頃に戻っているというかなんというか・・・そして予想とは違い若返ったままのライリーwこれは波乱の予感ですな。え?毎度の事?(銀ユリヤ)
ドウモ=作者=デス 艦これの方がメインになりかねないですが…オーケィ…レッツ、パァァリィィィィ!!(提督)(雪下 夾矢)
ドーモ、サクシャ=サン。ドクシャ、デス。艦これやってないけど面白そうなので個人的には是非ともやって欲しいデース!(okaka)
ドーモ、サクシャ=サン。ドクシャ=デス。  艦これ小説?良いではないか。歓迎しよう…盛大にな!!(ガルム)
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