リリカルHS 26話 |
士希・レーゲン・シャマル「おはよーございまーす」
ザフィーラ「何故小声で挨拶しているのだ?というか、このビデオカメラはなんだ?」
夏休み某日の夜明け前。
俺、レーゲン、シャマルさんは八神家の玄関前に集まっていた。
そして、ザフィーラが撮ってくれているカメラに向かって小声で挨拶した
士希「始まりは一通のお手紙。
海鳴市某所にお住まいの、ハンドルネーム湖の騎士さんから頂きました」
ザフィーラ「湖の騎士?シャマルのことか」
レーゲン「では読みますね!
『士希ママ、レーゲン君、こんにちは。今日はお願いがあってお便りを出しました。
いつもいつも頑張ってくれている私のマスター、はやてちゃんの為に朝ご飯を作って欲しいのです。はやてちゃんは毎朝忙しいのにも関わらず、私達家族の為に美味しい朝ご飯を作ってくれます。それはとても嬉しいのですが、たまには朝をゆっくりと過ごして欲しいのです。なので士希ママ、レーゲン君、そんな頑張っているはやてちゃんの為に、朝ご飯を作って下さい。お願いします』
………湖の騎士さん、あんたええ人や…」
ザフィーラ「レーゲン、口調が…ふむ、確かにシャマルの言はもっともだ。
主はやてはもう少しご自身の御身を労って欲しい」
士希「はい。と言うことで、この俺士希ママが、そんな湖の騎士さんの願いを叶えるべく、
今日はこうしてやって来ました」
ザフィーラ「ふむ、それはありがたい。だが、このカメラは何なのだ?」
レーゲン「ドッキリには必要かなって」
ザフィーラ「ドッキリ?」
シャマル「うふふ、なんかこういうの、ドキドキしちゃう!」
まぁようは寝起きドッキリ的なアレな訳ですよ
レーゲン「しまった!挨拶は『おっはー』の方がよかったですかね?」
士希「む、それもそうだな。撮り直すか?」
シャマル「あぁでも、これ以上時間をかけると、作る時間無くなりますよ?
ちなみに、はやてちゃんの時計のアラームは解除済みなので、起きる心配はないと思いますが」
それはいかんな。企画倒れになってしまう。今後の改善点の一つにしておこう
士希「よし、これより潜入作戦を開始する。
物音を立てること、ターゲットに気づかれる事は厳禁だ。見つかった場合、即ゲームオーバー」
レーゲン「ヨーロピアンエクストリームですね、わかります」
ザフィーラ「よくわからんが、とりあえずわかった」
シャマル「では、行動開始!」
俺達のスニーキングミッションが始まった。
今日の俺、テンション高くないかだって?暗いから深夜のテンションなんです
俺は事前に受け取った八神家の鍵で家のドアを開ける。慎重に、音を立てず…
士希「…開きましたー」
おぉー、っと歓声が上がるが、努めて小声で話す俺達
ザフィーラ「というか、何故鍵が…」
ザフィーラの無粋なツッコミはスルー。
俺達は静かに家に侵入する。よし、ここまでは順調だな
レーゲン「八神家の見取り図は入手済み。このままミッションを遂行しますか?それとも…」
シャマル「ふっふっふ、それだけではつまらないですよ。
せっかくなので、寝ている人の寝顔を拝みましょう」
ザフィーラ「それは、いいんだろうか?」
いいんですザフィーラ。そういう企画だし
シャマル「では、まず一番近いヴィータちゃんの寝顔を見に行きましょう」
そして俺達はヴィータちゃんが寝ているとされる部屋の前にやってくる。
それにしてもシャマルさん、ノリノリである
士希「ここか、では、突入する」
俺は慎重に部屋のドアを開ける。そこには可愛らしいぬいぐるみが何体かあった。
そしてベッドには…
レーゲン「いました。ヴィータさんです」
ヴィータちゃんがぬいぐるみを抱いて、小さく丸まって寝ていた。
寝顔は、いつも勝気なヴィータちゃんとは打って変わり、天使のような可愛らしい寝顔だった
シャマル「ヴィータちゃん可愛いー」
小声でキュンキュンしているシャマルさん
ザフィーラ「ヴィータも、この時ばかりは少女になるのだな」
しっかり寝顔を撮っているザフィーラ
レーゲン「どうします?起こします?」
士希「いや、ここで起こして、大声を上げられたら厄介だ。よって、このまま放置する」
ヴィータちゃんの寝顔、プライスレス
ザフィーラ「ふむ、次はシグナム辺りか?」
ヴィータちゃんの寝顔撮影に成功したからか、珍しく乗ってきたザフィーラ。
シグナムか。2戦目にして、難易度的にはラスボス級だな
シャマル「ふっふっふ、シグナムは確かに強敵でしょうが、我々はプロ!
気配を消すなど、造作もないこと」
シャマルさんの言う通り、ここにはプロが集まっている。
いかにシグナムと言えど、感づかれる訳がない
士希「ここだな、では、突入」
俺達はシグナムの部屋の扉を開けた。中はシグナムらしいシンプルな部屋だ。物が少ない。
しかしベッドにはもちろん…
レーゲン「おー、さすがシグナムさん。寝ていても凛々しい」
確かにシグナムの寝顔は凛々しかった。寝相もピシッとしていて良い
ザフィーラ「シグナムは寝ている時でもシグナムだったな」
でもしっかり寝顔を撮るザフィーラは偉い
シャマル「うーん…つまらないなぁ……あ……クチュンッ」
シャマルさんが残念って感じにしていると、シャマルさんがうっかりクシャミをした。
その音でシグナムが微かに反応したのか、微妙に顔を歪めた。起きるか?
シグナム「ん…うーん…」
俺達は咄嗟に身構え、逃げる準備をする。すると…
シグナム「主…はやて…そこは……テスタロッサも……ダメ…だ……」
四人「!!?」
俺達はシグナムの突然の寝言に吹き出しそうになる。
な、なんだこいつ!?どんな夢見てやがる!
ザフィーラ「(クッ……そう言えばシグナムは、フェイトと仲が良かったな)」
シャマル「(ぷっ…ふふ、幸せそうな寝顔。一体はやてちゃんにナニされてるの?)」
レーゲン「(シグナムさんも、なのはさんやフェイトさんと同類なんですね)」
士希「(お前らの周りにはどんだけ良い男がいなかったんだよ)」
声に出して話したら吹き出してしまいそうだったので、俺達は念話で会話していた。
そして、このままでは危険と判断して俺達は部屋を出た
ザフィーラ「ふぅ、ようやく落ち着いた」
レーゲン「まさかシグナムさんにやられるとは思いませんでしたね」
シャマル「あ、危なかった…ていうか皆さん、ごめんなさい…」
士希「全くだ。だが、俺達はボスを超えた。
シャマルさんのうっかりスキルさえ発動しなければ、もう怖いものはないな」
シャマル「あぅ…き、気を取り直して、次はいよいよはやてちゃんの部屋です。
ちなみにリインちゃんも一緒です」
とうとうはやてか。あいつの寝顔、どんなんだろう…
「んー?みなさん、どうしたですかー?」
四人「!?」
声のする方を見ると、ふらふらとリインちゃんが飛んでやってきた。
しまった、見つかった!いや待て、どうやらリインちゃん一人の様子。
はやてに見つからなければいいんだ。リインちゃんくらいなら…
士希「やぁリインちゃんおはよう。リインちゃんは朝が早いんだね」
リイン「なんか起きてしまったんですー。ところで、なんで士希さんとレーゲン君がここに?」
士希「それは…」
俺は事情を説明した。リインちゃんは寝ぼけながらも、理解してくれたようだ
リイン「そういうことですかー。それ、バレたら怒られません?」
レーゲン「バレなければいいんです!」
リイン「リインがリークするかもしれないですよ?」
ふむ、それなら…
士希「ここにシグナムのちょっとした映像が記録されている。
あのザフィーラが吹き出しそうになる映像だ。気にならないか?」
リイン「そ、それは…」
ザフィーラ「あんなシグナム、そうそう見れるものでもないな」
お、ザフィーラノリノリだなー
シャマル「リインちゃんがリークするなら、この映像は処分します。ですがもし協力してくれるなら…」
シャマルさんも乗ってくれた。ふふ、リインちゃんも所詮は子ども。好奇心には抗えないはず!
リイン「わ、わかりました。その代わり、絶対見せて下さいですよ?」
ふ、堕ちたなリインちゃん。これで見つかった時の責任の分散が一人分増えた
と言うことで、新たにリインちゃんという仲間を得て、俺達ははやての部屋にやってきた。
やっべー、すげぇドキドキするわ
士希「お、お邪魔します…」
俺は慎重にドアを開ける。中は女の子らしいとは言えない、シグナム並みにシンプルな部屋だった。
本がいっぱいあるくらいか。ベッドは…
士希「ッ!?」
はやての寝顔は、まぁなんと言うか、可愛かった。
微妙に幼さが残る顔立ちながらも、どこか妙に色っぽい。思わず見とれてしまった
レーゲン「わぁ、はやてさん、可愛いですね」
シャマル「ヴィータちゃんとはまた違った可愛さよね!」
ザフィーラ「主はやても、大きくなられたな」
リイン「リインは割と毎日見てますけど、癒されるですー」
四人が四人、感想を言っているのは聞こえていたが、正直頭には入っていなかった
士希「あ、いかんいかん、本来の目的を……って、ザフィーラなんで俺を撮ってんだよ」
気づけば、ザフィーラが俺の事を撮っていた
ザフィーラ「ふむ、念のための保険だ。今のお前は、なかなか締まりのない顔だったからな」
な!?なんてもん映してやがる!?それに保険だぁ?一体何の為に…
士希「って、それどころじゃねぇな。そろそろ飯作るよ」
シャマル「あ、そうですね。お願いします!」
俺はもう少しはやての寝顔を拝みたいと思いつつも、部屋を出た。
ビデオに撮ってんだ。後で見よ
レーゲン「はい!この企画のメインコーナー、士希ママの朝食クッキングです!
士希ママ、今日はよろしくお願いします!」
士希「お願いします。ちなみにマヨネーズは吸いません」
そこでマヨネーズを片手に期待していたシャマルさん、残念でした。
そんなコレステロールの大量摂取、俺はしません
リイン「ちなみにメニューは何なんです?」
士希「要望があれば、なんでも作るよ?」
シャマル「私、お味噌汁!」
リイン「リインはオムレツ!」
ザフィーラ「ベーコン」
ずいぶん簡単なものを注文するな。ザフィーラに至ってはベーコンかよ
レーゲン「はやてさんの好きな食べ物はなんでしょう?」
リイン「うーん…はやてちゃん、なんでも食べますからねー」
シャマル「朝食ですし、そんなに重いものは…」
結局答えは出なかったので、俺の方で適当に作る事にした
ザフィーラ「ふむ、さすがに手慣れているな」
ザフィーラが撮影しながら話しかけて来た。あれ?この場面も撮るんだ
士希「料理人目指してるからねー。将来は海の見えるカフェとかやりたいなぁ」
この前行ったなのはの店、喫茶翠屋は、俺の理想に近いものがあった。
俺も将来は、ああいう温かい店を開きたいな
レーゲン「そのカフェ、僕もお手伝いします!」
士希「はは、なら、レーゲンにも料理を覚えてもらわないとな」
シャマル「あ、私にも教えて下さい!カレー以外にも作れるようになりたい!」
料理人の前に、クッキング教室開けそうだな
士希「できましたー」
俺は朝食の仕込みを終わらせた。メニューは白米、味噌汁、野菜たっぷりオムレツ、
ベーコンやウィンナー、サラダ、きんぴらごぼう、ほうれん草のおひたしって感じだ。
魚もあったんだが、ベーコンやウィンナーもあるし、今回はやめておいた
シャマル「おー、さすが士希ママ、とても健康的な朝ご飯です!」
士希「とーぜん!士希ママは現役ママにも負けませんよ」
リイン「はやてちゃんに負けないクオリティです!」
ザフィーラ「うむ、美味そうだ」
反応は上々。後は皆が起きるのを待つだけだな
シャマル「時間的にそろそろ起き始めるんだけど「おはよー」……ふふ、噂をすれば」
まず起きて来たのはヴィータちゃんだった。まだ微妙に寝ぼけているが、俺を見つけるなり…
ヴィータ「え?なんで士希とレーゲンがここに?ていうかザフィーラ、そのビデオカメラはなんだ?」
ザフィーラ「気にするな」
レーゲン「士希ママがご飯作りに来ました!」
ヴィータ「士希ママ?ご飯?ん?ん?」
よくわかってない様子だった
ヴィータ「おー、朝飯美味そーだ。もう食っていいのか?」
シャマル「ダーメ!はやてちゃんとシグナムがまだです!」
ヴィータ「そうか。ちょっとシグナム起こして来る。あたしは腹減った」
そう言ってヴィータちゃんはシグナムの部屋に向かった
シャマル「では士希さん、はやてちゃんを起こして来て下さい」
士希「え!?な、なんで俺が…」
シャマル「忘れましたか士希さん?これはドッキリですよ?最後はドッキリで締めないと」
いや、確かに、ドッキリだけどさ。俺が起こす必要あるのか?
レーゲン「ジャジャーン!こんな事もあろうかと、こんなものを作って来ました!」
レーゲンは突然、どこからか箱を持ってきた。あぁ、嫌な予感が…
レーゲン「題して、『起こし方百選!』」
ネーミングセンスゼロだな。だが内容はよくわかる
士希「なに?俺がこれを引いて、それを実行しろって?」
レーゲン「さすがしきさん!話が早いです!では、早速どうぞ!」
レーゲンはぐいっと箱を押して来る。
ふと周りを見てみると、シャマルさんもリインちゃんも期待しているようだった
士希「マジ?」
レーゲン・シャマル・リイン「マジ!」
ザフィーラ「諦めるんだな」
クッ、ザフィーラまで…
士希「えぇい!せめてまともなの来い!」
俺は勢いでクジを引いてみた。内容は…
士希「………いやぁ、これはダメだろ、これはダメだろ!?」
レーゲン「お!それを引きましたか!」
リイン「わぉ!凄いですね!」
シャマル「これはこれは…」
俺の人生で一番、嬉しくも死んでしまいそうな時間が始まる…
説明 | ||
こんにちは! 今回はとある朝の一コマ この作品のザフィーラは意外とノリがいい(笑) |
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コメント | ||
案外一旦はやての布団の中に入ってから、『おはようはやてよく眠れたか』とか言うのでは?。(黒鉄 刃) よし、予想しよう……1、おはよーのキス2、死者の目覚め3、襲う さぁ、どれ!?(肉豆腐太郎) ザフィーラがノリノリで面白かった。士希はおはよーのキスでもするかな?(ohatiyo) |
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