真・リリカルなのは 第十二章 非道なる報復編 第二十一話 明かされる過去 前編 |
今から何年も前の話だ
地上にはエース級の魔導師が3人も居た
そのお陰か、地上は犯罪率が圧倒的に低かった
平和で穏やかな場所だった
しかし、それは脆くも崩れ去ってしまう
地上のトップ、レジアスによってエース3人に言い渡された任務
それが始まりだった
内容は大犯罪者ジェイル・スカリエッティもアジトに潜入するものだった
可能ならばスカリエッティの身柄を確保
最悪、抹殺も認可されていた
レジアス「という訳だ…………奴をこれ以上野放しには出来ん」
ゼスト「ああ、お前の言う通りだ。何としても捕まえる」
彼はゼスト・グランガイツ
当時、地上で最も強いと言われた騎士だ
六課時代、スカリエッティ一味の1人として、シグナムの前に立ちはだかった男
そして、彼女をアギトを託し、安らかに眠りについた
レジアス「今回の任務は今まで以上に厳しいものになるだろう。最善の注意を払っていけ」
ゼスト「わかっている。俺だけではない、メガーヌもクイントも承諾している」
ゼストの部下である2人の女性
メガーヌはルーテシアの母であり、クイントはギンガとスバルの母である
ゼスト「では行ってくる。それまでは地上の平和を任せる」
ゼストは任務に赴く為、レジアスの部屋から退出する
レジアス「クッ」
ゼストが居なくなると、レジアスは表情を歪める
レジアス「スマン、ゼスト………ワシはお前を」
何かを後悔している様な雰囲気だ
目からは涙が溢れていた
〜ゼスト視点〜
ゼスト「わかっていると思うが油断するなよ? 相手はあのスカリエッティだからな」
メガーヌ「勿論ですよ、ゼスト隊長」
クイント「……はい」
ゼスト「では行くぞ」
地上のエース3人は、スカリエッティのアジトに潜入する事に成功する
それが、命取りになるとは知らずに…………
真っ暗な部屋で3人の姿を映像で見ている男が居た
スカリエッティ「クククククク、確かに3人共来たようだね」
そう、スカリエッティだ
チンク「ドクター、では早速」
スカリエッティ「ああ、頼んだよ チンク」
スカリエッティ達は3人がアジトに潜入していた事に気付いていた
いや、知っていたと言うべきか
彼にはある任務を言い渡された
それが、アジトに潜入してきたクイント・ナカジマを抹殺しろというものだった
スカリエッティ「クイントの抹殺、何故今更? まぁいいか」
彼に命令したのは誰か?
犯罪者である彼をコントロールできる人物
それは…………………
スカリエッティ「今はまだ従っておくよ。けど、何時かは仕返しさせてもらおう………最高評議会のゴミ共」
管理局のトップだ……………
薄暗い廊下を歩き続けている3人
そこでクイントは違和感を感じる
クイント「あまりにも単調過ぎる。スカリエッティ程の犯罪者が、この程度のはずが」
ゼスト「落ち付け、クイント………お前はスカリエッティの事になると、焦りを見せる。奴とは何かあったのか?」
クイント「それは………」
クイントは黙りこんでしまう
メガーヌ「言いたくないなら、私は無理に聞かない。けど、困ったなら相談してよ? 私達は友達なのだから」
クイントの肩に手を置き、慰める メガーヌ
クイント「そうね、メガーヌ」
ゼスト「さっさと行くぞ、罠だったとしても前に進まねば始まらん」
ゼストの言う事にも一理あると思い、止めていた徒歩を再び始める
もうどのくらい歩いただろうか?
何時まで経っても終わらない廊下
ゼスト「長いな」
流石のゼストも疲れたようだ
メガーヌ「少し休みますか?」
心配するメガーヌだが、
ゼスト「いや、もう少しだけ進む」
ゼストの歩みは止まらない
クイント「やっぱりそうだ。このまま進んでも意味はありません」
突如、クイントはゼスト達を止める
メガーヌ「どういうこと? クイント」
クイント「その壁を見て」
言われた通り、壁を見るが特に何もない
ゼスト「この壁がどうかしたのか?」
クイント「目を凝らして見て下さい。少しですけど凹んでいます」
言われてみれば、若干だか凹んでいるのがわかった
メガーヌ「確かにそうね。でもこれがどうしたの?」
クイント「その凹みは私が付けたものよ」
メガーヌ「え?」
クイントは歩いている途中である事に気づき、壁に少しだけ拳を当て、凹ませていたのだ
そのある事とは?
ゼスト「同じ所を歩かされている訳か」
クイント「そういう事です」
3人は警戒を強める
間違いなくスカリエッティは自分達に気付いている
クイントが一歩踏み出すと、床が抜け落ち、そのまま落下していく
ゼスト「クイント!!!」
彼女を助けようとするが、すぐさま床は元に戻る
ゼスト「やられた!!」
まんまと罠に掛けられたのだった
メガーヌ「どうします?」
冷静にメガーヌは対応しようとするが、
メガーヌ「っ!?」
何と、メガーヌが立っていた床も抜け落ちた
ゼスト「メガーヌ!!」
今度は反応が間に合い、メガーヌの腕を掴む事に成功
しかし、メガーヌの左腕を掴んだ手にナイフが突き刺さり、痛みで離してしまう
ゼスト「仕舞った!!」
床は元に戻り、メガーヌも行方不明に
ゼスト「クッ」
手に刺さっているナイフを抜き取り、飛んで来た方を向く
そこには小さな女の子が立っていた
ゼスト「スカリエッティの部下か?」
チンク「そうだ。名はチンクと言う」
ゼスト「意外だな、名をバラすとは」
チンク「問題ない。お前は此処で死ぬのだから」
チンクはナイフを6本投げる
ゼスト(この場所では不利だが………)
デバイスである槍を振るい、ナイフを弾く
先端が少し壁に触れる
ゼスト(此処で戦うのは狭すぎる)
長い獲物が仇となった
チンク「一様言っておくが、お前を不利な場所に誘い込んだのだぞ?」
そう、始めからこれが目的だった
ゼストは強い
正々堂々戦えば、恐らくスカリエッティ一味は捕えられて終わる
その為、槍を振るえない狭い場所に誘い込むことを思い付いた
それがこの廊下という訳だ
チンク「長い間歩き続けて、草臥れただろうが、加減はしない…………お前には此処で死んでもらわねばならぬのでな」
再びナイフを投げる チンク
ゼスト「はぁ!!」
しかし、流石はエース
狭い場所でも普通に戦えている
ゼスト「舐められたものだ。狭い場所なら勝てると思ったか?」
チンク「ああ。IS発動!!」
チンクがそう言うと、ナイフが爆発する
ゼスト「ぐわぁぁぁぁ!!!!!!」
予想外の攻撃にゼストは対処法が無く、爆発に飲まれる
チンク「止めだ!!」
チンクは1本だけナイフを投げる
ゼスト「うぉぉぉぉぉ!!!!!!!」
しかし、体に突き刺さるナイフを無視して、特攻してくる ゼスト
チンク「何!?」
予想外の行動に慌ててしまう チンク
ゼスト「はぁぁぁ!!!!!!!!」
ゼストの渾身の一撃がチンクの顔に決まる
チンク「グゥ!!!」
チンクは右目を斬られた
恐らく眼球も無傷ではないだろう
チンク(私とした事が………抜かったか)
ゼストの体に突き刺さっているナイフを爆発させる
彼は息絶えてしまった
ゼスト(無念だ……………スマン、レジアス)
友に詫びながら………………
過去編は1話で纏めようか考えたのでけどね
流石に長いと思ったので3話に分けました
次回もお楽しみに〜
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