義輝記 別伝 その四 青州攻略編
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【 華琳の悩み事 の件 】

 

? 陳留 陳留城 謁見の間 にて ?

 

郭奉孝以下四名は、典韋の案内、許緒、張翼徳の護衛?で城に登城する。 事前に連絡があったため、曹孟徳、臣下一同が謁見の間で迎えて、顔合わせを行う。

 

十数日前には、別の場所で顔を合わせ……命のやり取りをした者、声を掛け合った者も居れば……全くの初顔合わせの者も存在する。

 

例外と言えば、元曹孟徳に仕えながら……一身の都合で鞍替えした楽文謙の姿が見える事。 

 

だが、双方それぞれ納得で移籍した事、真面目で人望厚い楽文謙の人柄の事などで、問題は何も起きないままで済んでいる。

 

それぞれの簡単な紹介の後、仕事を片付けに行く者、別の用事に行く者、誰かさんから逃げる者、その者を追いかける者等……それぞれ解散となった。

 

***

 

秋蘭「さて、もう一息で終わる。 手際よく片付けようか!」

 

桂花「私も手伝うわ! 早く終わらせて、秋蘭に青州攻めの見解を聞きたいのよ。 ……青州に送り込んだ『草』が………」

 

***

 

鈴々「ごめんなのだぁ! メンマを食べた事、謝るのだぁ!!」

 

星「天は許しても、このメンマの伝道師たる趙子竜が許さん! 覚悟せよぉ!!!」

 

 

***

 

沙和「凪ちゃん来たから、可愛い服を見繕って贈るのお!!」

 

真桜「……凪……元気そうやなぁ! うん! うん!!」

 

 

★☆☆

 

? 陳留 陳留城内 華琳私室 にて ?

 

華琳「遠路より遙々の到来、恐悦至極……で、いいのかしら? 郭奉孝……」

 

稟「此方こそ……務めては言え、曹孟徳様の用兵の妙は聞いていますよ。 孫子を注訳した新たな兵法を竹簡に記述したり、実際に実地に取り入れて行う様は、洛陽にも聞こえていましたから…… 」

 

華琳「そんな私でも、『颯馬』に悉く退けられてしまった。 所詮は生兵法だった………それだけよ…………」

 

稟「……………………………」

 

華琳「さて……そんな話をしに、この部屋に来た訳ではないでしょう? 要件は………何かしら?」

 

稟「─────率直に申し上げましょう! 曹孟徳殿……何を怯えていますか………?」

 

華琳「!!」

 

稟「今日の昼に……典韋殿達と昼を御相伴致しました。 その後、曹孟徳殿の様子を尋ねると……言い淀まれたのです。 その様子は、心配されている様子でしたのでしたよ?」

 

華琳「それだけで『 まだ、ありますよ! 』……!」

 

稟「……貴女の顔を観察してみれば、目の隈が濃いですね。 化粧で隠してありますが……間近で謁見させて頂きましたので、はっきり見えました。 それに、その顔の赤みは……お酒ですか?」

 

華琳「───!」

 

稟「うっすら……貴女から、お酒の匂いがしたものですから、鎌をかけてみたのですが………やはり、そうでしたか………」

 

華琳「────恐るべし観察眼と読みの深さね。 

 

……で、どうするの? このままにすれば、曹孟徳は自壊するわ! 誰の手も煩わせずに………この国は落ちるわよ?」

 

稟「……原因は何ですか? 私で良ければ、相談に乗りましょう!」

 

華琳「はっ? 何を言い出すと思えば……相談に乗る? 貴女と私は敵同士。 助けて何の得が『 天城殿の頼みだからですよ! 曹孟徳殿 』…えっ? 」

 

稟「………天城殿は、洛陽救援に向かう途中、貴女を見定めたそうです。 そうして、出た答えが『 虚勢を張る女の子 』だと……」

 

華琳「な、何を馬鹿な! 私は覇王!! 孤独を友にし皆を導く者よ!! それを、何も出来ない小娘みたいに……言うなんて!」

 

稟「……私も、始め聞いた時は驚き、今まで……その言葉を疑っていました。 しかし、たった今、確信しました! 天城殿の見立ては正しかった………と!!!」

 

華琳「────!」

 

稟「曹孟徳殿! 私を信じて下さい! 私も貴女を助けたい、この国を、この国の将兵達を、民達を助けたいのです!! 」

 

華琳「しかし……」

 

稟「その証拠に、私の真名『稟』を曹孟徳殿、将の皆さんにお預けしましょう! これでも……信じていただけませんか? 」

 

『稟ちゃん…………! 一人だけ格好つけては、駄目ですよー?』

 

稟「風!? 貴女、いつの間に!?!?」

 

風「えぇ──? 稟ちゃんの後ろにピタリとくっ付いて入ったんですよー? 曹孟徳様、確かに見ていましたよねー?」

 

華琳「最初は、何かの冗談かと思っていたけど………本当に気が付かなかったのねぇ………」フッ

 

稟「風! 今、大事な話を『 あいあいー! だから、風も口を出したんですよー! 稟ちゃんだけだと頼りないですからー! 』 ちょっ!?」

 

風「曹孟徳様ー! 風も真名『風』を預けますよー! 貴女達を助けたいんですー!! 天麩羅も美味しかったですからねぇ〜!」

 

華琳「そう………………判ったわ! それでは二人の真名『稟』、『風』を預からせてもらう! 私も……信頼の証として『華琳』の真名を、二人に預ける!! 」

 

稟、風「「 はい! 」」

 

◆◇◆

 

【 久秀の進言 の件 】

 

? 渤海 麗羽居城 謁見の間 にて ?

 

久秀「麗羽様! ここは……このようにすれば、もっと壮麗に威厳も醸し出され、良い雰囲気になると思いますが?」

 

麗羽「おーっほっほっほ!! 渤海の居城が美しなるのは、わたくしにとっても、大変喜ばしい事ですわ!!」

 

猪々子「しかしさぁ〜 姫ぇ〜! 戦が無い分、あたい達は暇でぇ暇でぇ…………」

 

斗詩「……じゃあ、この案件を見て貰いたいんだけど………」

 

猪々子「───あぁ! 急に忙しくなった! わりぃー、斗詩! また今度な────!」ピュー

 

斗詩「もう! 文ちゃんたら!!」

 

久秀「顔良様……僭越ながら、私で宜しければ……」

 

斗詩「あっ! お願いします! 司馬仲達さんなら、何かに付け詳しいから大丈夫です!」

 

久秀「……では、拝見を。 ……『 食糧貯蓄庫の建築と輸送の問題 』ですか。 将来的に曹操を攻め入る目的の先行投資ですね?」

 

斗詩「………そうなんですよ! 姫が『河北を平定して、曹孟徳さんに戦い挑む!!』って息巻いてるですけどねぇ〜」

 

麗羽「斗詩さん! 何を弱気な事を!! ここは、大きく飛躍しなければ行けない時なのですよ!!」

 

斗詩「ですが、姫ぇ!! 周辺は、まだ安定に程遠く、袁家の財力を持ってしても……とても今年以内に曹孟徳さんに攻めいる事なんか、出来そうもないんですよ!!」

 

麗羽「─────ですが、あの『クルクル小娘』は、青州の黄巾賊に釘付けにされていますわ! ここで、わたくしが華麗に美麗に登場、優雅に華琳さんにギャフンと言わせれば、御遣い様は必ず……わたくしに向いてくれます! いえ、向かせるのです!!!」

 

斗詩「……しかも、昔…お世話になった『冀州牧 韓馥』様は、麗羽様の礼儀知らずと罵り、私達の『冀州牧地位、領地の譲渡』に首を縦に振りません!!」

 

麗羽「斗詩さん!! 貴女は忘れているのですか!? ……あの男は……確かに先代の袁家が貧窮している時に、私達を預かり養ってくれましたわ! 

 

ですが──幼きわたくしに『人には決して言えない事をした』とんでもない男ですのよ!! 貴女や猪々子さんが、叫びを聞きつけ駆け付けてくれなければ……私は…………!!」ブルブル

 

斗詩「…………………………」

 

久秀「………顔良様、私に任せて頂ければ、この計画より安く堅固な貯蓄庫を、構築させてみせましょう!」

 

斗詩「───い、いいんですかぁ!! 助かります!!!」

 

久秀「麗羽様 誠に差し出がましいのですが……『 冀州牧 韓馥 』の領地、麗羽様に献上したいと存じます」

 

麗羽「久秀さん!? 」

 

斗詩「司馬仲達さん!!!」

 

久秀「そうですねぇ…二つの件合わせて……十五日程の期間を頂ければ……大丈夫です。 麗羽様の為ですもの………!」

 

斗詩「──あの貯蓄庫の計画だけでも、二月ぐらい掛かる予定ですよ? それを冀州を落とす事と同時に────なんて!?」

 

久秀「はい、安心して待っていて下さいな」クスッ

 

麗羽「久秀さん! 改めて命を下します!! 『冀州牧 韓馥』の攻略、貯蓄庫の設置! 速やかに行いなさい!!」

 

久秀「───承りました!」ペコ

 

◆◇◆

 

【 華琳の悩み事2  の件 】

 

? 陳留 陳留城 華琳私室 にて ?

 

稟「では、華琳殿……悩みを……お聞かせ願いますか?」

 

風「風も、力を貸しますよぉー!」

 

華琳「………私はね、今度の戦いが……不安なのよ。 敵の数が…我が方より多いなんて事は…最初から分かりきっていたわ。 そのために、一刀の策を採用して準備を整えた! 」

 

稟「えぇ……。 臥竜鳳雛殿達が『この策に不備がありますか?』と、私にわざわざ教えて下さいましたから………」

 

風「……細部が少し違う策を示し、こちらの反応を伺ったのかも、しれませんねー? 風には、相談なんてありませんしー」ツーン

 

華琳「あの子達は、貴女を信じているわよ。 貴女の助言のおかげで一刀や私が救われたと、信じているから………」

 

稟「少し複雑ですね。 私の助言は一般的なモノ、軍師なら少し考えれば思いつくんですが………?」

 

風「あの軍師さん達は、稟ちゃんと違うんですぅ! 性格が捻くれてないんですよぉー!」ツーン

 

宝ャ「大人げねぇぞ! 風!! それなら、曹孟徳に実力を見せてやれば良いだけじゃねぇか! いつまでも拗ねてちゃ事態は変わらないぜぇ!!」

 

風「ぐぅー」

 

華琳「起きなさい!」

 

風「おぉぉ〜! 他の人に起こされますと、良い気分転換になりますねー! ………で、心配されている事とは、何ですか〜?」

 

華琳「…貴女を見ていたら、悩んでいた私が馬鹿みたいじゃない…。 まぁ、いいわ! ここまで話たから、最後まで話すわよ!」

 

風「あいあいー!」

 

華琳「私は、相手をただの賊と判断して、何人か『密偵』を送ったわ………。 だけど、誰も帰ってこないのよ! 腕の立つ者も送ったけど、探れたのは周辺のみだけ。 奥に侵入しようとすると、忽ち正体が発覚して──始末されてしまうらしいの!!」

 

稟「情報を遮断する防諜部隊が居る……と、見ているわけですね?」

 

風「それだけ優秀な防諜部隊なら、こちらの様子を探るのも、お手のモノでしょうねー? 」

 

華琳「そうよ……もし、そんな部隊が存在していたら、一刀の策は見破られ、我が軍は蹂躙、屍を晒すはめになりかねないのよ!!」

 

稟、風「「 ……………… 」」

 

華琳「………桂花は、この事態打開の為に、色々と陰で動いてくれているようだけど………とても対応仕切れない!! 私には、もう思い付く方法は無いのよぉ!!!」

 

  ……………………………………

 

稟「………よく相談してくれました。 風! 『影』殿に連絡をお願いします!!」

 

風「じゃあ、頼んできますねぇ? えーと、調査対象は、人数、諜報部隊の有無、兵達の様子、敵大将の人相ぐらいですかねー?」

 

稟「そうですね! 数日の期限しか無いですので、急いで調査を頼んで下さい!! 」

 

風「それじゃあ、一足失礼しますねぇー!」トントントン

 

華琳「──『影』て何なの? それに、私のこの悩みに、どう対応してくれるの!?」

 

稟「──詳しくは説明出来ませんが、『影』とは『伏竜の軍勢』方に属する『忍び』です。 御遣いの百地、風魔の二人から薫陶を受けた者ゆえ、必ず成果を上げてくれるはずです!!」

 

華琳「……百地の弟子……」

 

稟「華琳殿…四日、いえ…三日の間期限を頂きたい。 さすれば、相手の全貌を知る事が出来るでしょう!」

 

華琳「いいの? その者に期限を伝えなくて……?」

 

稟「大丈夫ですよ。 繋ぎは付けるようにしていますので」

 

華琳「それでは、三日以内に奴らの全貌を伝えなさい!」

 

稟「承知致しました!」

 

 

◆◇◆

 

【 久秀の謀略発動 の件 】

 

? 幽州 白蓮居城 にて ?

 

兵「伯珪様! 大変です!!」

 

白蓮「ど、どうした! 久しぶりの……で、出番だから、緊張してる訳じゃ……ないのだが……!」

 

兵「我が方の領地と『冀州牧韓馥』様の領地境近辺に、少数の白装束の部隊を発見!! 伯珪様に出陣の要請が!!」

 

白蓮「分かった! 颯馬より報告にあった洛陽襲撃の実行犯共だろう!! 捕らえて洛陽に送らなければ───!!!」

 

☆☆★

 

? 冀州 韓馥居城 謁見の間 にて ?

 

久秀「───お目通り、ありがとうございます……」ペコリ

 

( 久秀が、城の中を案内され謁見の部屋に入ると……年の頃七十になりそうな、総白髪の細身の老人が玉座に座って待っていた。 

 

皺だらけで骨と皮ばかりの身体だが、身に付けている物は流石に一流品で覆っている。 玉座の手すりで、人差し指を動かしていたのを止めて、久秀の姿を見ると………嫌らしい笑いを浮かべる。

 

しかし、共に入って来た久秀配下の屈強な男二人に、明らかな嫌悪感を表情に出したのを見て、久秀は男共を部屋の隅に待機させた。 )

 

韓馥「して……何用か……の? 麗羽殿は………この《冀州牧》の地位と土地が……余程……欲しいと……見える………な?」

 

( 久秀は、顔を横に振りながら不定の言葉を紡ぎ出す…… )

 

久秀「麗羽様の再三の要請は、決して地位の奪取、国の乗っ取りではございません! 古くから、この地で民達を見守ってきた老英雄を、麗羽様が保護したいとの、要請を受けたからでございます!」

 

韓馥「ほ……ぅ、面白……い事を、言う……。 今まで、何の音信も……なかった麗羽殿が……。 昔、袁家を助けた……事も、あるのにも…何故……今更に………?」

 

久秀「はい! 私の配下の者より報告があり、麗羽様に言上したところ『至急、韓馥殿の下へ向かいなさい!』───と」

 

( 意外な言葉が聞こえたため、少し身を乗り出す韓馥! )

 

韓馥「いっ………たい、何が………!?」

 

久秀「はい! 『幽州太守 公孫伯珪』が、こちらに攻める手筈を整えているため、我が領地へ下がりて難を避けられればと、申しております!!」

 

( これまた意外な人物の名が出て、韓馥は驚きの声を挙げる! )

 

韓馥「───馬鹿、な! あやつとは……互いに……不可侵の密約…を……結んで……いるのに……!!!」

 

兵「た、大変です! 磐河に公孫伯珪の軍勢が集結している、との報告が入っています!! 数は約千! しかも白馬の騎馬隊ゆえ、白馬義従と思われます!!」

 

韓馥「な、なん……だぁ……とぉ!?」

 

( 兵より驚愕の報告が入り、頭が回らない韓馥! )

 

久秀「はぁ………折角の忠告も無駄になりましたわ。

 

如何しましょう? 私は一人で逃げれば済みますけど、韓馥様は……どうでしょうね? 公孫伯珪の白馬義従に対抗出来るのは、多分近隣見渡せば……麗羽様だけだと思いますが………」

 

韓馥「う……うぐっ!」

 

久秀「御返事がありませんようですし、それでは……お暇させて頂きます! 精々無様な死に方をされないよう……お気を付けて……」

 

( 久秀は優雅に別れの挨拶を行い、配下に退室を促した )

 

韓馥「まっ……まてぇ! まっ……てくれぇぇ!! わ、分かった! 地位や……領地も……くれてやる!! た、頼む! 儂も…………連れて………行けぇぇぇ!!!」ガタン!

 

久秀「そうですかぁ………残念ですけど……。 では、先に印綬を頂きましょうかぁ? 韓馥様ぁ? 助けた後で反古にされるなんて、嫌ですからねぇ?」

 

韓馥「こ、これ………だぁ!! は、早く……連れて行けぇぇ!!」

 

( 韓馥から印綬を貰うと、配下の兵に呼びかけた! )

 

久秀「はい、確かに。 では、韓馥サマを丁重にお連れなさい!」

 

( 城から連れ出すと、外に輿が待っていた。 勿論、久秀が命じたもの。 久秀は、口を三日月の形にして嗤いながら命を下す! )

 

久秀「 ──韓馥サマは、渤海までの道筋はご存知ないでしょう? 

 

凄く険しい道程ですので……舌を噛まれないように、口をきつく布で封じなさい! それから、駕籠から落ちるかもしれないから、手足も縛って、簡単には動かないようにしておくのよ!

 

これも、韓馥サマを守るための予防ですわよ?」クスクス

 

韓馥「ウグゥ───!! ウグウグゥゥゥ!!!」 ガタン! ガタガタ

 

久秀「あらあら……縛られて興奮するなんて……仕方の無い方ねぇ? 誰か!? 少し……眠らせて差し上げなさい!」

 

配下「はっ!」 ドスッ! 「ぐごおぉー!!」 ガタン!

 

久秀「では……渤海に戻りましょうか………」クスクスクス

 

 

( ……こうして、冀州は……袁本初の手に落ち、経緯を聞いた白蓮は……ただ唖然としていた……という……… )

 

 

◇◆◇

 

【 青州黄巾賊 の件 】

 

? 青州 東平 青州黄巾賊居城 にて ?

 

青州黄巾賊の主な将が集まり、集会をするため、頭目を中心に円座で囲み─────言葉を待つ。

 

 

  パチパチ パチ……パチ パチッ!

 

 

男達の周りには………篝火が何本も焚かれ、周辺を昼間のように明るく照らしだし、真ん中に居た男──青州黄巾賊頭目『閔純』が大声を挙げた!!

 

 

閔純「皆、日没まで御苦労!! 『 河水 』!!」

 

 

頭目『閔純』が叫ぶと、囲んでいた男達が一斉に座る!

 

……だが、中には座らずに佇む者が二人──────!

 

男1 「うっ!?」  男2 「何ぃぃ?」

 

閔純「───その者を捕らえろ!! 敵の密偵だぁ!!!」

 

  ダァ──! ドタバタドタバタ! 

 

閔純「ふん! 相変わらず…同じ手ばかり。 懲りん奴等…だ! 

 

まぁ───いい! 今日の成果は…………………  」

 

  ─────────────────

  ─────────────────

  ─────────────────

 

 

閔純「───────っと、いうことだ。 本日は、これにて解散とする! 『 嵩山 』!! 」

 

 

閔純が別の声を掛けると、男達が立ち上がる!!

 

男3 「──────!!」

 

………また、座ったままで辺りを慌てて伺う男! 閔純は叫ぶ!!

 

閔純「捕らえろ!! 雇い主を吐かせるのだぁ!!」

 

ドタバタドタバタ! ドタバタドタバタ!

 

解散した後、篝火の火は消され…………辺りは暗くなった。

 

☆☆★

 

??「………なるほど『立ちすぐり・居すぐり』の法を使って、間者の有無を見極めていましたか?」

 

    ───スッ!

 

伯約「…………御二人の修行で養った『遁法』で、ここまで侵入できましたが、並みの間者では無理ですね……ん?」フッ!

 

黄巾賊「あれ? 今誰か立っていたようだが……!」キョロキョロ

 

    ポトッ!

 

黄巾賊「むっ! なんだ…これはぁ!?!? 『女モノの下着』だとぉ!! キョロキョロ! キョロキョロ! クンクン ウホッ! いい匂い!」

 

   ゴソゴソ グィ!  ───ダッダッダッダッダッダッ!

 

 

───────スッ!

 

伯約「危ない所でした。 貂蝉さんから借りた下着が役立ちましたか………。 黄巾賊ですから、男日照りだと思いましたからね。 

 

さて……更に侵入して任務を果たすとしましょうか………」

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

仕事が少し楽になった間隙を突き、何と出来ました。

 

久秀の謀略は………更に続きます。 

 

『久秀の策は、こんな児戯みたいなモノじゃないの。 青州黄巾賊も久秀が一枚噛んでるけど、結果がどうなっても曹操は終わりよ!』

 

と………コメント貰う程の自信ありげなんですけどね。

 

どうなることやら。

 

次回には、貯蔵庫造りですね。 

 

久秀がどんな貯蔵庫造りをするか、こちらもお楽しみに………。

 

また、宜しければ読んで下さい。

説明
義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。
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コメント
naku様 コメントありがとうございます! この世界の女性に禁句の言葉は、『歳』、『下の通じ』、『結婚』の三つと聞いておりますので、確認が取れません。(いた)
naku様 再コメントありがとうございます! 白蓮さんの登場は『官渡の戦い』の後ぐらいです。 この頃には華北は史実とはかなり違う実情になりますよ……。 白蓮さんが残れる事ができるのか……。 (いた)
今回、漢女の下着を喜ぶ黄巾賊は男です。 漢女の画像確認したら『女性用の下着』でしたので、こんな話が。 後、白蓮さんの出番は今回これで終わりです。 青州攻略編終了後に登場予定です。(いた)
naku様 コメントありがとうございます! 今回の策は、一刀が『教科書とTVの知識』を利用した策ですが、細かいところを軍師達が口出しする事になってます。 地形とか分からないですので。(いた)
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます。 『偉そうな人物=変な性癖持ち』の方程式が出来ている作者の趣味ですね。 下着の持ち主から、盗む技も勇気もないはずですので、借りたとしか言いようが……… 使用済みか未使用かは……ノーコメントです。   (いた)
白蓮さん唖然としてますね当然ですが、電光石火の司馬懿の策謀というか房中術というかなんでおっさんsは若干変で残念なのが多いのか、口調が厳つい分余計に残念ですね作者様の御趣味ならば理解は示しますが。漢女のパンツとは中々にエグミの強いモノをw、その持ち主の漢女はフル出しで行動したのでしょうか(禁玉⇒金球)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 後に……事情を暴露して、恐怖のどん底に落とすのも…ありかな……と、考えております。(いた)
貂蝉から借りた下着って…拾った方はご愁傷様です。真実を知らないというのは良い事だ。(mokiti1976-2010)
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戦極姫 真・恋姫†無双 

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