真・リリカルなのは 第十二章 非道なる報復編 第二十二話 明かされる過去 中編 |
レジアスから言い渡された任務
それはスカリエッティのアジトに潜入し、彼を捕縛または抹殺する事
しかし、それは罠だった
3人は嵌められたのだ
床が抜け、地下に落下していったメガーヌとクイント
2人は別々の広い部屋に落ちていく
そして、先ほどまで感じられていたゼストの魔力が途絶えた事に驚く
メガーヌ「隊長………」
クイント「まさか………」
ゼストは死んだ
それが2人の答えだった
だが、悲しんでいる暇すらない
目の前に居る敵らしき人物を倒し、ここから脱出するのが先決だろう
クイントの目の前にはクアットロ
メガーヌの目の前にはトーレが居た
どちらも六課隊長格を苦しめた強敵だ
メガーヌ「あなたはスカリエッティの仲間………と見ていいのかしら?」
トーレ「ああ、それでいい」
案外あっさりと答える トーレ
メガーヌ「あっさりと答えを言うのね。まさか、私を此処で始末すると?」
トーレ「わかりきった事を聞くな!」
最早言葉は無用と言わんばかりに襲い掛かってくる トーレ
メガーヌ「召喚行使!!」
メガーヌとトーレの間に巨大な壁が現れる
トーレは構わず壁を殴るが……………
トーレ「硬い!?」
逆に自分の拳が傷つき、一旦メガーヌから距離を取る
離れて壁を見てみると、どうやらただの壁ではないようだ
メガーヌ「私の呼べる虫の中で最高の防御力を誇る子よ」
そう、壁ではなく虫なのだ
鉄鋼虫 ガルガンダ
世界で最も硬いと言われている虫である
その硬さはダイアモンド並みだ
トーレ「だが、ダイアモンド並みの硬さならば砕けるはず………靭性は低い」
メガーヌ「確かにダイアモンドは衝撃に弱いわね。けどガルガンダはダイアモンド並みの硬さであって、ダイアモンドではないの」
トーレ「…………なるほどな」
トーレはメガーヌの言いたい事を理解する
ガルガンダはダイアモンド並みの硬さを誇り、且つ靭性はダイアモンドを遥かに超えているのだ
つまり、衝撃にも強い
メガーヌ「あなたじゃ砕けないわよ」
トーレ「確かに私では無理かもしれんな。だが、別に砕く必要もない」
トーレはメガーヌの後ろに回り込む
メガーヌ(速い!?)
トーレ(クッ まだライドインパルスには慣れんな)
トーレは未だにISを使いこなしてはいないのだ
トーレ(だが、後ろを取った)
メガーヌ「っ!!!」
トーレの拳を受け止めようとするが、メガーヌは力が弱い為、吹き飛ばされる
メガーヌ「グッ」
トーレ「さて、止めはインパルスブレードで切り裂く!」
メガーヌ(スピード自慢…………なら!!)
メガーヌは再び召喚行使を発動
巨大なカマキリを召喚する
メガーヌ「裂空虫 スティング!」
メガーヌの召喚虫の中で最速を誇るカマキリだ
更に2つの鎌で相手を切り裂く攻撃が可能
メガーヌ「スティング! お願い!」
スティング「っ!!!!!」
主君であるメガーヌを助ける為、トーレに襲い掛かる
トーレ「舐めるなよ! カマキリ!」
スティングの鎌とトーレのインパルスブレードがぶつかり合う
トーレ(クッ 虫の癖に速い)
素早く鎌を振るい、トーレを切り裂こうとする スティング
トーレ「だが、防御は低いだろ!!」
トーレは一瞬の隙を突き、拳をスティングの腹に叩きこむ
トーレの予想通り、スティングは防御力が低く、今の一撃で倒されてしまう
トーレ「次は貴様だ! 覚悟!」
メガーヌ「私にはまだ頼れる仲間が居るわ!!」
またも召喚行使で呼び出される虫
人間の様な体格をした召喚虫
娘ルーテシアのガリューの色を真っ白に変えた様な存在
メガーヌ「賢明虫 シルバ!」
トーレ「フン、虫に頼るしか能がないか!!」
シルバに殴りかかるトーレ…………しかし
トーレ「っ!?」
シルバは彼女の拳を受け止めた
メガーヌ「驚いている場合?」
隙を見せたトーレを蹴り飛ばす メガーヌ
メガーヌ「これでも体術は心得ているわ」
シルバ「っ!!!!!」
トーレに向かって走り出す シルバ
トーレ「虫が!! 舐めるな!!」
インパルスブレードでシルバを切り裂く
メガーヌ(ゴメンなさい、シルバ。けど、隙が出来たわ!)
シルバがトーレにやられている間、メガーヌは彼女の背後に回り込む
メガーヌ「これで!」
トーレ「IS発動!」
メガーヌの攻撃は空を切った
トーレのスピードには全く着いて来れていない
トーレ「はぁぁ!!!!!」
スピードで翻弄し、インパルスブレードでシルバを切り裂いていく
シルバ「っ!?」
人間並みの知能を持つシルバは、ここは防御して耐えるしかないと判断
トーレ「次は貴様だ」
メガーヌ「きゃっ!?」
シルバに集中せず、メガーヌにも攻撃を繰り出す トーレ
トーレ(クッ これ以上は体が持たん…………終わらせる!)
一閃!!! 紫のエネルギー刃がメガーヌの体を通り過ぎる
メガーヌ「う………ルーテ………」
何かを言おうとしたが、その前に意識を失う
シルバ達召喚虫も消える
トーレ「以外にも強かったな」
倒れているメガーヌに近づく トーレ
メガーヌのネックレスが外れており、それを拾う
そのネックレスには小さな女の子が映っていた
トーレ「……娘か」
そう、メガーヌの娘であるルーテシアの写真だ
トーレ「…………………」
メガーヌを見つめる トーレ
彼女はまだ死んでいない
虫の息ではあるが、まだ生にしがみ付いているようだ
幼い娘を残して逝けない
そんな強い母の意思が感じられた気がする トーレ
トーレ(任務は侵入者である3人を殺すこと…………その内の1人がコイツ。なら私のすべきことはただ1つ)
トーレはインパルスブレードをメガーヌの首に添え、止めを刺そうとする
トーレ「………チッ」
しかし、何故か殺せない
ルーテシアの写真を見て、情が湧いて来たのだろうか?
トーレ「私は未熟者だな」
トーレはメガーヌを持ち上げ、その場から去って行く
そう、メガーヌは3人の中で唯一死んでいない
それはトーレが彼女の命を助けたからだ
情に動かされたなど思いたくも無く、トーレはルーテシアの写真をスカリエッティに見せ、彼女を生かしておき、娘を利用しようと提案する
そして、その案は採用され、クアットロがルーテシアをスカリエッティのアジトに連れて来る事になる
ルーテシア1人では生活もままならない
ここに居れば少なくとも衣食住には困らない
そんな考えが実はトーレには在ったのかもしれない
なにはともあれ、ルーテシアがスカリエッティのアジトにやってくるのはまだ先の話
ゼストに続いてメガーヌまでも戦闘機人に破れてしまう
残すはクイントただ1人
彼女の相手は狂気のクアットロ
絶体絶命か?
次回で過去編は終ります
しかし、この第十二章の敵であるリトナについてはまだ何も語りません
それがわかるのはもう少し先です
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中編です 次回でラストです |
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