IS 2体の魔神皇帝IFストーリー |
海道が生身での訓練を終えるとラウラが海道対それ以外全員の専用機持ちで手合わせをして
欲しいと言って来た。彼は断る理由もないので承諾し、準備をする。
「ねぇ、如何考えても海道が圧倒するよね・・・」
「大丈夫だってシャルル。海道は手加減してくれるんだからさ」
彼の本当実力を知る者達ならこの戦いでの彼の戦い方を手加減でなくただの手抜きと言うだろう。
だが生憎この世界には彼の本当の実力を知る者が一人もいない。
箒は専用機を持っていないがIS(打鉄)を借りていたので参加した。
「よし、始めるとするか」
「お手やわからに頼むぜ」
「私の足を引っ張るなよ」
「ラウラってば・・・」
「セシリア、当てにしてるわよ」
「嬉しいですわ」
(とっとと始めろよ・・・)
試合開始のブザーが鳴り、一夏、箒、ラウラ、鈴が四方に散り、接近する。
海道は一夏と箒の攻撃を手で、鈴とラウラの攻撃を腕の突起で受け止める。
「な!?プラズマ手刀ですら傷一つつかないだと!?」
「マッチ程度の火力のくせしてよく言うぜ」
「それだけじゃないわ。パワーも凄いわよ・・・」
「1千トンくらいの船なら持ち上げられるからな」
そのまま海道は鈴にニーインパルスキックをぶちかまして攻撃。
モロにヒットした鈴は壁まで弾き飛ばされた。一夏と箒は一旦離脱していった。
今度は上からレーザーが飛んできた。しかしグレートに届く前にレーザーが四散している。
「やはり効きませんか・・・」
「クッ・・・!?レーゲンのSEが吸収されているだと・・・?」
魔神パワー『吸収』によって見る見るうちにエネルギーが吸い取られていく。
そのスピードは零落白夜には及ばないがラウラは危機感を覚えた。
「行動が遅い!アトミックパンチ!!」
腕を変形させずに高速回転させ発射するタイプのアトミックパンチを使用する海道。
ラウラはAICで受け止めるが海道はそれを見越していたようで彼女の真上に飛ぶ。
「ネーブルミサイル!!!」
「なっ!?またかぁぁぁぁぁ!!」
ものの見事にネーブルミサイルの直撃を受けたラウラ。
しかも一発ではなくまるでマシンガンの如く発射されている。
「この!!」
シャルルがミサイルを打ち落とそうとするが頑丈すぎて穴すら開かない。
逆に今度はシャルルが標的にされる。
「新武装だ!!ブレードミサイル!!」
腕の肘に当る部分から小さな剣の形をしたミサイルが発射される。
マジンガーZで言えばドリルミサイルに当る武装だ。
「シャルルばかりに任せておけないわ!!喰らいなさい!!」
鈴が衝撃砲を撃ってきたので放熱板を取り外す。放熱板は巨大なブーメランへと変形する。
「グレートブーメラン!!」
鈴が回避行動をしようとすると
「甘い!!グレートタイフーン!!」
グレートタイフーンで吹き飛ばしてしまった。
しかも彼女は風の力でプロペラの如く高速回転している。
一夏と箒は吹き飛ばされた鈴を何とか受け止めてダメージを少なくした。
「大丈夫か?鈴」
「はにゃほろひれはれ・・・」
「目を回しているぞ・・・」
「何時までも固まっているな!!ブレストバーーン!!」
ブーメランを元に戻し、固まっている3人をブレストバーンで攻撃する海道。
一夏はギリギリで回避できたが目を回していた鈴と反応が一夏より若干遅れてしまった箒は
マトモに喰らってしまい、SEが0にされてしまった。
「ぬぅぅ・・・」
「ばびゃぼろびればれ・・・」プスプス・・・
「レーザーが駄目なら!」
セシリアはミサイルで攻撃する。しかしブレードミサイルで打ち落とされ、その爆炎の中から更にミサイルが
飛び出してブルー・ティアーズに次々突き刺さる。
「爆せろ!!」
グレートが指を鳴らすと同時にブレードミサイルが爆発しブルーティアーズのSEも0になった。
「まるで徹甲弾だ・・・」
「そうだね!」
ラウラの事場にシャルルもグレネードを投げながら賛成する。
爆発の中にグレートが消えるが爆炎の中からマジンガーブレードがラウラに向って飛んできた。
シャルルが盾を展開し壁になって防いだがいとも容易く貫通し2本目まで投げられた。
それを防いだが帯電していた剣だったので一気にSEを0にされた。
「やはり・・・強い・・・」
「いりゃぁぁぁぁぁ!!」
一夏が背後から奇襲を掛けるがバックスピンキックで簡単に蹴り飛ばされてしまう。
しかも零落白夜を使っていてSEがギリギリだったようでこのキックがトドメになった。
さらに蹴り飛ばされた方向にはラウラがいて彼女も巻き込んでSEを0にした。
しかし最後にラウラはレールガンで攻撃していてそれはグレートマジンガーの右腕に命中した。
「やるじゃないか」
しかしグレートには傷一つ着いていなかった。
この模擬戦では結局海道にはSE50程度のダメージしか入れられなかった
「50も削れたんだ」
「いや50程度なんだよ」
「え?でも普通ISのSEは600〜800位だよ?」
シャルルはあの頑丈な装甲を持つグレートに50も削れたと喜んでいたが一夏が否定しその程度という。
ラウラも首をかしげて不思議がっている。
「海道、お前のISのSEの最高値は幾つなのだ?」
「グレートは素で5000。スカルカイザーは15000。模擬戦のときは1500まで減らしてる」
「高すぎるでしょ!!っていうか一万五千!?どんなISさ!?」
「んでもってSE回復機能がデフォで搭載されてる」
「幾らなんでもチートすぎるよ!!オーバーテクノロジーだよ!?」
「でもこっちの世界のお前等グレートくらいなら普通に追い詰めるぞ。意外と本気出さないとやばいくらいに」
「そっちの僕達強すぎるでしょ!?」
しかしシャルルのツッコミは軽く流され続けたのだった。
放課後の訓練の後、一夏や海道達は食堂で少し遅い夕食を取る。
一夏達は普通だが海道は何時も通り醤油味噌塩各ラーメンを3杯に豚丼牛丼各特盛5杯
野菜炒め4皿にチャーハン大盛り6杯、野菜の漬物を小皿でなくどんぶりに大量に入れた物を平らげていた。
「た、食べすぎじゃない?」
「わ、私もそう思う・・・昼もそうだったが・・・」
「俺はグレートを使った後は之が普通だ。昼は少し抑えてた」
「まぁ、その内慣れますわ」
シャルルとラウラはその食欲にまた驚き、セシリアがフォロー?をする。
当の海道本人は普通と言う。彼の燃費は一般人の7〜8倍は食べるほど悪いのである。
特にグレートで戦闘したり訓練、模擬戦をした後は特に食欲が増す。
「一夏もよく食べるようになったな」
「そうか?」
「そうよ。私の家に食べに来ていた頃に比べたら3割増で食べてるわよ」
箒が一夏の所ゥ浴を指摘したが彼は気がついていない。鈴も箒に同意するが彼には自覚が無い。
その後清香や本音達もやって来た。髪がまだ若干濡れているのを見ると風呂に入った後らしい。
「あ、私達もいい?」
「あぁ。いいぜ」
「構わない」
「・・・」←食べるのに集中している。
一夏と箒が快く彼女達を受け入れた。セシリア達は少しつめて彼女達が座れるようにした。
しかし海道はそんな事お構い無しに料理を食べ続けている。
「ねぇねぇかいっち〜後で甘い物頂戴〜♪」
「オバちゃん天丼とカツどんの特盛3杯つづ!!」
「あいよ!」
本音が甘いものを強請るが海道はガン無視。それどころか更に食べるようだ。
しつこく強請った本音だが食べる事に集中している彼には馬の耳に念仏だった。
そのうち拗ねてしまいまるで蛙の様に頬を膨らませてしまった。
「ごっそさん」
「む〜・・・」
「ん?」
「みゅ〜・・・」
「何してんだ魔神のほほん」
「魔神じゃないもん!」
ポカポカと海道を殴るが彼には全くダメージはない。それどころか本音にダメージが入っている始末である。
痛がる彼女だが海道は全く気に止めずに自業自得だとでも言わんばかりの対応だ。
「本音大丈夫?」
「手が痛い〜・・・」
「自業自得だろ。俺は何もしていない」
「魔神って言ったじゃない〜」
「だが俺は手を出していない。だから自業自得だ。っていうか何時も甘い物持ってると思うな。
それとも何か?俺は甘味製造機かってんだ」
何か言おうとする本音だが彼の言っていることも事実であるので悔しそうだ。
周りの数人の女子は海道に冷たい目線を向けているが彼の事を知っている付き合いの長いメンバーは
皆こう思っている。
「駄々っ子を叱るお父さんと駄々を捏ねてみたが聞いて貰えず拗ねた娘っ子」
完全に海道は保護者ポジションに収まってしまったようだ。
「っていうか本音は簡単に強請りすぎ。しかもしつこいし・・・」
「む〜・・・」
「之位しかないな・・・」
ドラ焼きを取り出して本音に食べさせる。彼女はすぐに食いついて一口食べたが其処で動かなくなった。
全員が何があった?と本音に視線を集中させる。
「す・・・」
「「「「す?」」」」」
「す・・・・・・・」
「「「「「「「ん?」」」」」」」」
「しゅっぱ〜〜〜〜い・・・」
「「「「「「「「「「「「すっぱいのかよ!!」」」」」」」」」」」」」
「そらそうだ。餡子の変わりに梅ジャム入れたんだから」
「海道お前鬼か!?」
「結構好評なんだよな。これ」
各言う彼もそのドラ焼きを食べている。
「っていうかドンだけ食べるのさ!?」
「まだ腹7分目だ」
「まだ入るの!?人間じゃないわ・・・」
(ある意味生体兵器だしなぁ・・・俺・・・)
シャルルや鈴の突っ込みも彼にはただのそよ風程度にしか感じていないようだ。
「ん?」
海道は何かの視線を感じたようでその場を走り去った。
彼の感じた視線に敵意はない。それどころか好意的なものだった。
だが出てこないのが気になって確かめる事にしたのだ。
「海道?」
「如何した一夏?」
「ん?いや何でもねぇよ箒」
海道は校舎から少し遠めに離れた場所まで走ると素早く物陰に隠れた。小さな敵意を感じたからだ。
後から追ってきたのは黒人の男だった。
(確かあいつは・・・ピグマンだったか・・・)
「チィ・・・逃したか・・・」
海道は光子銃をホルスターから抜き、安全装置を解除した。
そしてピグマンに向けて一発撃った。光子力ビームはピグマンの右腕を貫く。
「クッ・・・見事だ。私でも気配を感じ取れなかった」
「こっちも色々命がけだからな。それにしても貴様だったのか・・・」
「フフッ。もうばれてしまったがな。もう少し隠し通せるかと思っていたのだが・・・」
「ダメージがあるように見せかけてんじゃねぇよ。外皮でしかないその体で。
第一このビームはお前くらいの体格の人間なら跡形もなく吹っ飛んでるのによ・・・」
「チッ。其処も知っていたか」
ピグマンは舌打ちして彼に何かを投げる。その何かは目が眩むほどの閃光を放つ。
海道は腕を目の前に翳して閃光から目を護る。
「くそったっれ!」
「フハハハハ!!去らばだ海道一夏!!」
閃光で前が見えない隙にピグマンは去っていく。
千冬や束、他の教師陣も何事かとISを装備して駆けつける。
「海道!何があったんだ!?」
「かいくん!!」
「俺の世界の敵が来た。どうも怪しいな・・・」
光子銃をホルスターに戻しながら海道は部屋に戻って行った。
「アイツの・・・世界の敵・・・」
「ちーちゃん・・・」
千冬と束は彼の世界の敵の事をこの世界の人間としては唯一詳しく知っているので
危機感を覚えた。量産型ですらほんの50機居れば今現在この世界に存在するこの世界のIS
全機を全てを相手にすることすら可能である。通常型に関しては10機居れば十分である。
ただ之は適正Bのある程度経験の有る操縦者と戦った場合の予想データである。
「ちーちゃん・・・大丈夫かな・・・」
「何とかするしかあるまい」
「私も箒ちゃんの専用機、早く仕上げないと・・・」
「今までが異常だったからな・・・」
箒は束の妹であったというのに自己防衛の為の専用機がなかった。
噂では様々な国が彼女を手に入れて、束を脅迫しようとした為にIS委員会を通して日本に
圧力を掛けていたとの情報も有る。だが海道や束には既にばれていて2人から様々な仕返しを受けた。
そのうちの数国はそのまま潰れてしまった。彼等にとっては知ったことではないが。
アメリカやロシア等も圧力を掛けていた国家の筆頭だったがその国々は現在ISは一つの国家で一機しか
動かなくなっていた。後で解った事だが潰れた以外にもピグマンによって滅ぼされた国も幾つが有った。
「束、出来るだけ急いで仕上げてくれ」
「戦わせるためじゃないよ?護る為だからね」
「解っている。居てくれればの話だが海道が上手くやってくれるさ」
「もう暫く居てほしいね・・・」
「多分居てくれるさ。あのピグマンとやらを倒すかあいつの世界に追い返すまではな」
千冬の言葉は確信と力に満ちていた。そして彼女達を見る2つの影があった。
「あいつ等来てるのか・・・?」
去り際に海道か呟いた言葉は影達に聞こえていたらしく若干動揺した。
「ありゃ、バレてる・・・」
「仕方ない。もう少ししたらハッキリ出よう」
「それまでピグマンの事調べないとね」
「うむ」
陰は煙のように消えて行った。
その気配が消えた事を海道は感じ取ると小さく溜め息をついた。
また騒がしくなるであろう事と色々と面倒が起こりそうな予感がよぎるのだった。
「あいつ等下手に事を起こさなけりゃ良いんだが・・・
あのこと調べておくか・・・」
数日後、3人組みチームによるチームトーナメントが開催される事になった。
箒と一夏は既に組む事を約束していたのでそのままあと一人を探す事になった。
「後一人か。誰にするんだ?」
「海道が良いと思うんだけど・・・」
「?」
「アイツ以外とも組んでおいた方が良いと思ってよ」
「訓練にもなるしいざというときに役に立つか・・・そうするとしよう。
しかし誰と組むのだ?」
一夏は少し考えていたが視界にシャルルが入り込んできた。
「シャルルは如何だ?シャルルなら射撃による援護が期待できる。
っていうかあの訓練の後は姿を見かけないぞ」
「うむ。賛成だ」
箒も賛成し、シャルルに声を掛けた。シャルルが一夏と箒の提案に賛成すると
すぐに訓練をしようと箒が提案。一夏も今の内に慣れておいたほうが良いと考えて3人でコンビネーション
の訓練をすることにした。
「でも僕でよかったの?」
「海道なら多分組もうと言ったら他のやつと組んでみろって言うさ」
「海道はそういう奴だ」
「あぁ・・・確かに。何となくだけど・・・解るかな」
シャルルは苦笑いしながら2人の言葉に納得する。
そして準備をする為に一旦整備室にやってきた。
(少しはやりやすくなったかな・・・海道は隙がなさ過ぎたけど一夏は・・・)
「データを頂き易いとでも言うのか?」
シャルルの背後にはいつの間にかここ数日部屋にすら姿を見せて居なかった海道が居た。
「な・・・何の話?」
「すっとぼけても無駄だ。お前さんの秘密ならもう知ってんだよ」
「っ!」
シャルルは警戒をして彼から離れる。
「あれ?かいくん?何処行ってたの!?」
束が海道を見つけて駆け寄って来た。彼は舌打ちするとシャルルに向って手短に言った。
「俺はお前の事をまだ誰にも言うつもりはない。ただ事実確認をしてきただけだ」
「一寸かいくん!何処行ってたの!?心配したんだから・・・」
「仏さんまで出掛けてただけだ」
「何言ってるの?」
「はぁ。後で出かけた理由は解る。おいシャルル!」
シャルルは更に警戒する。束は2人の間に走る緊張を感じ取って頭に?を浮かべている。
「下手な気を起こすなよ」
「何のことだか解らないよ・・・」
シャルルは檻に閉じこもったような声で返す。しかし海道は気にせずにその場を去った。
ラウラは彼を見つけるとチームを組んでくれと誘い海道もそれに乗った。
「で、もう一人は?」
「4組の専用機持ちの更識という奴だ」
「あぁ、アイツね」
「なんだ、知っていたのか」
海道は軽くラウラの頭を撫でながらそらそうだと返す。
トーナメントまであと一週間。どうなる事やら。
説明 | ||
今までのIFストーリーの7割位の長さです。 | ||
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