九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影= |
CP第一章 第二十一話 「黒き闇を見つめて」
ダウンタウン、中華料理店・・・
タオカカ「もぐもぐ・・・」
ディア「で・・・・イーリスさんは竜神丸をさがしに?」
イーリス「はい・・・・・」
ヤヒコのダウンタウンにある中華料理店。其処にはイーリスとタオカカ。そして、ディアーリーズとバレットの姿があった。
タオカカは一人料理を黙々と食べ続け、三人は食べつつイーリスと会話をしていたのだ。
バレット「・・・竜神丸、確かコイツと同じ旅団のメンバーだったな。」
イーリス「ええ。でもディアーリーズ。貴方がイカルガに向かったのと同時に・・博士が居なくなってしまったの。」
ディア「僕と・・・・ですか?」
イカルガに最も早く入ったのはBlazとディアーリーズである。
幾ら竜神丸がかつて第七機関のメンバーだとしても何の気なしにイカルガに行くのには矛盾が残っていた。
イーリス「恐らく、関係しているのは、ココノエ博士。後は・・・・・」
バレット「待った。竜神丸って奴、元は第七機関のメンバーだったのか?」
イーリス「え・・ええ。博士からはそう・・・・・」
ディア「となると・・・博士関連でって事ですか?」
イーリス「それもありますし・・・・何より・・・レリウス博士も動いているとか・・・」
ディア「ッ・・・・・!!」
バレット「レリウス=クローバーがか!?」
意外な関連に驚く二人。特に、ディアーリーズは竜神丸がレリウスと関係を持っていた事に驚いていた。確かに、実験を優先すると言う正確は二人共同じではあるが、それだけで気が合うというのは可笑しいとしか考えられない。
イーリス「ええ・・・・実は、後から知った事なんですが・・元々アンブレラ社への入社の推薦はレリウス博士が行ってくれたそうなんです。」
ディア「アンブレラへ・・・・・」
バイオハザードを起こした一因でもあるアンブレラ社。
其処へとレリウスが推薦したという事だけでも二人は何だか納得が出来たのだった。
ディア「けど・・・・なら、何の為に・・・・・」
イーリス「そう。博士の明確な理由が解らないの。どうして・・・私達の前から消えたのか。」
ディア「・・・・・キーラさん・・・どうしてました?」
イーリス「・・・悲しんでました。「また私の前から消えた」って。」
バレット「キーラ・・?」
ディア「竜神丸さんのお姉さんです。弟への思いは結構、強くって・・・」
バレット「・・・そうか・・・・・・。」
さて。ディアーリーズ達がそうしている頃。
ぱきっ
何処かの森で焚き火を見る男が居た。
その男の前には一人の男が倒れており、その隣にもう一人の人影があったのだ。
「うっ・・・・・・・くうっ・・・・・・」
そして、倒れた男が気づき、ゆっくりと目を開けた。
其処にはその男が良く知る顔が目の前にあったのだ。
「・・・げ・・・・・・げんぶ・・・・?」
げんぶ「おう。気づいたか、ガルム。」
ガルムはそう言って身体を起こした。
彼の前にはボロボロのマントを着たげんぶが座っていたのだ。
すると・・・
「全く。お前をココまで運ぶのには苦労したぞ。」
ガルム「え・・・・・・・・・?」
そう言ってガルムは横を見ると、またも彼の知った顔の人物が居たのだ。
ガルム「・・・・・・・・・あの・・・・・・何でアンタが?」
げんぶ「・・・・知ってるのか?」
ガルム「えーっと・・・・どうしてココに居るの獣兵衛さん?」
六英雄の獣兵衛。その本人がガルムの視界にいたのだ。
ガルムにとって獣兵衛は見知った顔の人物だった。
獣兵衛「まぁ色々と訳アリでな。」
ガルム「・・・・そうだ。げんぶ、二百式達は・・・・!?」
すると、唐突にガルムは自分のさっきまでの状況を思い出し、それをげんぶに尋ねたのだ。
げんぶはその質問に少し言いにくそうな顔で、渋々答えるのだった。
げんぶ「・・・・・二百式は直ぐに戻った。どうやらBlazが((楽園|エデン))に戻ったらしいからな。」
獣兵衛「・・・・・。」
ガルム「Falsigとokakaは・・・?」
獣兵衛「その二人はまだだ・・・状況は全部二百式から聞いた。そこで俺達はアイツに頼まれて、お前等を探していたと言う訳だ。」
少しの沈黙が流れた。
ガルムも納得し難かったからだ。
そんな中、また一つ思い出し、げんぶ達に言ったのだ。
ガルム「そうだ・・・・!俺達、イブキドの地下で・・・!」
獣兵衛「ああ。恐らく、そいつは次元接触用素体だ。」
ガルム「次元接触要用素体・・・・・ニューと同じ・・・・」
げんぶ「そうだ。だが、お前等良く生きていたな。今のアイツと戦ったら、まず生きてなかったぞ・・・」
ガルム「・・・・・・ギリギリ・・・・な。」
げんぶ「・・・・・・お前、まさか・・・・・」
何かを察したげんぶ。その話を大体理解していた獣兵衛だったが、その個所だけは理解できなかったのだ。
獣兵衛「・・・・取り合えず、ガルム、お前さんはどうする?」
ガルム「・・・・・・俺はあいつ等を探したい。生きてるかどうかは大丈夫だろうが怪我は心配だからな。」
げんぶ「・・・・解った。俺は日が開けたら、直ぐに行く。」
ガルム「・・・・・・白蓮か。」
げんぶ「・・・・ああ。」
白蓮のことを言うと、げんぶの目は険しくなった。
どうやら、まだ目的は果たせていない様だ。
そう思ったガルムは少し心配はしていた。
げんぶ「恐らく、白蓮たちは今自分達が人質という事を解っていない。」
ガルム「狙いがお前だからか。」
げんぶ「・・・・ああ。」
白蓮たちは自分達が現在人質状態だというのを知らない。
と言うよりも知る由も無いのだ。それを知ったげんぶは一人ココに乗り込んだと言う事である。目的は唯一つ。白蓮達を人質にした人物を探し出すこと。
げんぶ「だから、俺はもう一度カグラに会いに行く。」
その為、イカルガを一番良く知る人物と言えるカグラに会う。
げんぶの今の目的はそれなのだ。
ガルム「・・・・じゃ・・・しばらくは別行動だな。」
げんぶ「おう。」
獣兵衛「全く・・・勝手に話を進めおって・・・」
ガルム「あ。そういえば獣兵衛さんは、どうするんだ?」
獣兵衛「・・・取り合えず、俺も色々と情報収集に回る。夜が明けたら、三人別行動だ。」
げんぶ「解った。」
その後。三人は焚き火を消し、一夜を過ごした。
だが、げんぶはその後も少しだけ起きて星明りが輝く空を見つめていたのだ。
げんぶ(・・・・白蓮・・・・・・・必ず、お前等を助けるからな・・・・・)
A.M 00:00
満点の星空が輝く夜空。
その下で二人の人影がイブキドの封鎖地区にあったのだ。
だが、その内一人は状況が悪く、どうやらもう一人の人物の所為の様だった。
その人物達とは・・・
リバインズ「全く・・・・散々探しましたよ、朱音さん。」
朱音「くうっ・・・・・・!」
余裕そうな顔のリバインズ。そして、地面から触手の様な物で全身を抑えられ、刀が離れた場所に刺さっていると言う最悪の状況の朱音。どうやら、状況は朱音が不利の様だった。
リバインズ「しかし。今までどうやって姿を隠していたのでしょうかね。一度、貴方の身体を解析させて下さいよ。」
朱音「断る・・・誰がお前何かに・・・・・」
リバインズ「・・・・・・・・。」
リバインズは無言で右手を挙げて力を入れた。すると、触手の締め付ける力が強くなり、朱音は苦痛の声を漏らしたのだ。
朱音「くううっ・・・・!!」
リバインズ「さてと。さっさと貴方の目的を果たせるんです。少しは大人しくして貰って下さいよ。」
朱音「煩い・・・・・!第一、アンを捕まえたのは、他でもないアンタでしょうが・・・!」
リバインズ「ええ。僕も少し実験したかったので、未だに未知数の身体を持つアン姉さんを調べよう・・・ってね。」
朱音「お前は・・・・・!」
リバインズ「それに、正直貴方も知りたいのは同じでしょ?彼女が
何時死ぬのか。」
朱音「黙れ・・・・・黙れッ!!」
リバインズ「事実を述べたまでです。貴方だって薄々勘付いていた筈。金色の魔王などの力の一部を取り込み、尚生き続ける彼。本当は何時自我や精神が、身体が崩壊しても可笑しくはない。そのタイムリミットが・・・近づいているという事を。」
朱音「黙れって言ってんだよ!!」
朱音が何時に無く怒りの声でリバインズに叫んだ。刹那、リバインズは目障りそうな顔で手を振り、何かの合図をした。その瞬間、イワンが何処からか召喚され、朱音の腹を殴ったのだ。
朱音「がはっ・・!?」
リバインズ「黙りなさい。状況解ってます?貴方は今私の手の上なんですよ。」
朱音「ごほっ・・こぼっ・・・・!」
リバインズ「・・・・まぁいいでしょう。さっさと貴方を連れ帰って彼の実験の素材に成って貰います。」
朱音「・・・・・何っ・・・・!?」
リバインズ「簡単ですよ。彼が生き残るには永久の時間を生きれば良い。」
朱音「ッ!!止めろッ!!!アイツを・・・・アイツを観測者にさせるな!!」
リバインズ「・・・だから、それを決めるのは貴方じゃない。僕の権利です。」
朱音「止めろ・・・・・止めてぇ・・・・・・・・」
そう言い、彼女の目には少しではあるが雫が溜まり、滴り落ちていった。だが、リバインズはそんな事は構い無しで朱音へと手を伸ばした。
リバインズ「・・・・・・・・・。」
しかし。
「デット・スパイクッ!!」
突如、リバインズに向かって黒い獣の様な衝撃波が飛び、リバインズはそれを術式で防御した。そして、イワンがその方向へと身体を向け、突然の事に朱音も驚くのだった。
朱音「ッ・・・・・・」
リバインズ「今のは・・・・・・。」
「ベリアル・エッジッ!!」
更に、上から大剣を構え、誰かが突進してきた。それはリバインズではなく、イワンに向かってだったのだ。咄嗟の反応が遅れ、イワンの肩に大剣が突き刺さる。
ノーガードだった肩にダメージを負い、イワンも驚くのだった。
イワン「ッ・・・・・!!!」
そして、大剣を抜き、距離を取って再び大剣を構える。
その人物は二人も良く知る、と言うよりも最近知り合った者だった。
リバインズ「ッ・・・・・・・ラグナ=ザ=ブラッドエッジ・・・・・・・・」
ラグナ「・・・・・・・・。」
ラグナは険しい表情を変えず、リバインズを見つめた。
そして、大剣を振り上げ、リバインズとイワンは攻撃をしてくると思い、警戒をした。
だが。
ラグナ「オラッ!!」
大剣を地面に叩きつけ、其処から地面を叩き割ったのだ。
お陰で回りにも衝撃が走り、リバインズ達は体勢を少し崩してしまったのだ。
それは朱音も同じなのだが、ラグナは直ぐに朱音の方に向かい、彼女に巻き付いていた触手を大剣で精密に切り裂いたのだ。
朱音「ッ・・・・!」
そして、大剣を腰に挿し、刀を取ると。朱音を抱いて走り始めたのだ。
リバインズ「何っ・・・・!?」
それにはリバインズも、抱かれた朱音も驚き、朱音はラグナにおろす様に命令したのだ。
朱音「お・・・おい!直ぐに下ろせ!!」
ラグナ「黙ってろ!第一、アンタもそんな身体でどうこう出来ないのは解ってんだろうが!!」
朱音「ッーーーー!!」
リバインズはイワンに追撃を命令する。
イワンはその巨体に似合わないスピードでラグナと朱音を追ったのだ。
流石に朱音を抱えては走りにくかったラグナ。そこで、彼は意外すぎる事に打って出たのだ。それは・・・
ラグナ「チッ・・・しゃーねー・・・・・・・舌、噛むなよッ!!」
朱音「はあ!?」
ばっ!!
朱音「えっ・・・・・・・」
リバインズ「・・・・・・・・・・!」
刹那、ラグナは朱音を抱えて崖から飛び降りたのだ。
朱音「お・・・おまっ!?」
ラグナ「飛べるだろうけど・・・今は我慢しろよッ!!」
朱音「そうじゃな・・・・!!」
朱音が次の言葉を言おうとした瞬間。二人は水に着水したのだった。
それを崖の上から見ていたリバインズとイワンは唖然とし、リバインズは直ぐに冷静になったのだ。
リバインズ「・・・・・この暗闇では・・・探すのは至難の業ですか・・・・・仕方ないですね。戻りますよイワン。」
リバインズはそう言い、イワンとともに転移したのだった。
この後、ラグナと朱音の姿をこの崖の下にある湖では誰も見ていないのだった。
一方、アルカード城では。レイチェルがヴァルケンハインと共に優雅に紅茶を飲んでいたのだ。
レイチェル「・・・・ふうっ・・・・・・」
ヴァルケン「今宵の月も綺麗ですな。レイチェル様。」
レイチェル「そうね。しばらく忙しかったし・・・こうして月を眺めるのは久しぶりかしら・・・」
レイチェルがそう言ってティーカップに手を持ち、口につけようとした時である。
突如誰かが転移し、二人の前に現れたのだ。
「それでは・・・・私も少しご一緒しても宜しいですか?」
ヴァルケン「ッ!お前は・・・・・・」
レイチェル「あら。最近見ないと思ったら・・・こんな所で油を・・いえ、灯油を売ってて良いのかしら
ゼロス。」
レイチェルの前には、紫のおかっぱに神官の様なマントと服装、そして杖。
細目の青年の姿をした「魔族」。
((獣神官|プリースト))ゼロス。吸血鬼であるレイチェルと敵対するべき人物でもある。
ゼロス「灯油だなんて、ヒドイですねぇ。せめてサラダ油でお願いします。」
レイチェル「貴方がサラダ油なんて、ろくな揚げ物料理が出来ないわよ。」
ゼロス「あ・・・・そうですか・・・・・」
レイチェルの返答に失笑するゼロス。
其処に睨みを利かせているヴァルケンハインがゼロスに食い付いたのだ。
ヴァルケン「・・・まさか世間話をする為に来たのではあるまい。そうだろ、ゼロス。」
ゼロス「ええ。ヴァルケンハインさんもお久しぶりです。ご健在何より。」
しかし、ヴァルケンハインはそれを鼻で笑い、ゼロスに厳しい意見で言い返したのだ。
ヴァルケン「・・・・とうに死んでほしかったと、顔に書いてあるぞ。」
ゼロス「・・・これは手厳しい。」
レイチェル「そうね。生憎、今日は一人で紅茶を楽しみたいの。また今度にしましょう。」
ゼロス「おや、多分完全否定されると思いましたが、それは嬉しい限りです。」
レイチェル「・・・・・・で、私も聞きたいわね。貴方が態々、その「上司」の力を借りてまでココに次元転移して来た理由を。」
ゼロス「ええ。私もそれをまず貴方にお伝えしようかと思い、馳せ参じました。」
ヴァルケン「お前が態々ココまで出張ってくるんだ。大体の察しは、すでにレイチェル様も、私も解っている。」
ゼロスはヴァルケンハインの言葉を聞き、表情をさっきよりも明るめにした。
どうやら手間が省けたと思い、ある意味嬉しかったのだろう。
そして、ゼロスは二人に対し、自身の目的を話したのだ。
ゼロス「私がココに来た理由。それは、彼です。」
レイチェル「・・・矢張り、彼の力を貴方の「上司達」は恐れたのね。」
ゼロス「それもありますが、実際はココで異常成長した力を恐れたのです。この魔素が充満するこの世界でね。」
レイチェル「それと・・・プラス、ラグナ達ね。」
ゼロス「ご明察。黒き獣の力は以前、彼が私達の世界に来たときに重々理解しました。そんな力と彼の力が合わさったらどうなるか。少なくとも・・・
この世界は・・・と言うか、周りの世界も崩壊所では済まなくなりますね。」
ヴァルケン「ッ・・・・!」
次元間の影響まで出ると聞き、ヴァルケンハインは驚いていた。しかし、彼の主であるレイチェルは冷静そのもので、ある意味想定内と言った表情だったのだ。
レイチェル「だから・・・・と言う理由ね。」
ゼロス「ええ。ですが、直接と言うのは流石に無防備です。其処で、私もしばらくここに居ようと思います。」
ヴァルケン「何っ・・・・・・!?」
ゼロス「大丈夫ですよ、用事を済ませたら直ぐに帰りますって。」
レイチェル「成程ね。他にも理由と目的があるって事かしら?」
ゼロス「それは・・・・・
秘密です♪」
ゼロスはそう言い、左手の人差し指を立ててレイチェル達に答えた。
その返答が彼女にとっては無意味だと知っててではあるが。
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月夜の下では・・・ イメージソング OP2「BLUE SANCTION」 BLAZBLUE -CHRONOPHANTASMA- より ED2「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」 仮面ライダーW より |
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