魔法少女リリカルなのはStrikers ダメ人間の覚悟
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第43話 口寄せと能力と仕掛けと疑問

 

 

ども〜・・・・ナイフ持ってブルってた透です。

 

あの後駆けつけてきた『精神科』の医者に診断され、さっそく結果が出ちゃいましたぁ〜・・・・スゲェ早くね?まぁええわ・・・・。

 

なんと!その結果・・・・。

 

 

 

『PTSD(心的外傷後ストレス障害)』・・・・つまり、トラウマ持っちゃった♪みたいな・・・・。

 

 

 

ハルカ「『PTSD』・・・・」

 

あ、もう俺もじゃけど、皆も俺の病室に戻ってきちょるよ。

 

響「透君の場合、さっきのナイフを持ったのがいい例ね、おそらくあの時に彼の脳裏に何か恐怖になるようなことがフラッシュバックされたんだと思う・・・・簡単に言ったら『先端恐怖症』に近いかしら?」

 

キャロ「『先端恐怖症』?」

 

シャルル「つまり尖ったモノが苦手とか怖いって思っちゃうってこと、でも透の場合は・・・」

 

ティーダ「ナイフ・・・刃物を手に取ってパニックを起こした、引き金がナイフか・・・・」

 

トラウマって、要は過去にナイフ・・・つまり刃物に関する事で精神的にダメージを受ける要因があったってこと。

 

やっべ〜・・・・心当たりがあり過ぎるばぃ。

 

透「・・・はははは、言ってみりゃぁ俺は『先端恐怖症』じゃのぉて『刃物恐怖症』って言ったところかいのぉ」

 

ハルカ「笑い事じゃないでしょうに・・・・まったく、でも原因って言ったら・・・・やっぱりガージェスを斬った時?」

 

透「確かにアレは強烈っちゃー強烈じゃったけど・・・・」

 

スバル「じゃぁ、あのミュウって子が死んじゃった時ですか?刃物とか関係ないですけど」

 

透「それもあるかもしれん、けど・・・・俺は違うって思っちょるんよなぁ」

 

シャッハ「違うとは・・・・一体何が違うと言うのですか?」

 

透「え?・・・・・あ〜・・・と・・・・・えっと・・・・・・」///////////////

 

俺は「え?」って聞き返した後すぐにある事を言いそうになったけど思い止まり濁らした。

 

流石に言えんじゃろ〜・・・・・一番の原因と思われる事が『俺がなのは達に刃を向けた』って言うのは・・・・どう考えても恥ずいじゃろ。

 

透「って・・・ん?」

 

ふと俺はある事を考えた。

 

アインス「どうした?」

 

透「ん〜・・・いやの?さっき俺、自分で『刃物恐怖症』とか言うたやん?アレもしかしたら違うかもしれんなぁって思っての」

 

すずか「違うって、何が違うの?」

 

透「・・・・・の前に確かめてみんと、まずはっと・・・・ちょいとヤクモ返してくれん?」

 

アインス「・・・・何をする気か、それを言ってからだ」

 

おぅっふ・・・・メッチャ目が怖ぇ〜・・・まぁ黙る必要は無いけぇいいんじゃけどね。

 

透「違うって言ったんは、もしかしたら『刃物』以外もなんかなぁ?って思っての・・・・・例えば『銃』とかさ」

 

アリサ「あぁ・・・成程、アンタが言いたのは『刃物恐怖症』っていう刃物オンリーじゃなくて武器全般、つまり言ってみれば『武器恐怖症』じゃないのかって事?」

 

透「そう、まさにそれ、じゃけぇ今まさにそれを試そうとしとったわけ・・・・てなわけで、リコ」

 

俺はシレッとデバイスを展開、それもいきなり銃へと変換し持ってみようとした。

 

響「止めなさい!どうなるかまだ分からないのにそんなことして・・・・・それにもし暴発なんてしたら!?」

 

透「いや、そこんとこはホラ・・・・ちゃんと弾倉も抜いてありますんで・・・それにこういうのは早めにしとかんと」

 

響「それは・・・・そうかもしれないけど・・・・」

 

透「まぁいざとなったらクロノ達にでも取り押さえてもらいますんで」

 

クロノ「キラーパスにも程があるぞ」

 

透「まあまあまあ・・・・フゥッ、さて・・・では」

 

 

 

 

ポッポッ♪ポッポッ♪

 

 

結果発表!!

 

 

 

透「ダメでした・・・・・」チィーン

 

見事に拒絶反応が出てしもぉてね・・・・ぁぁぁ〜リコを無残に床に投げ飛ばしてしもぉたわ。

 

リコ『マスター・・・・・私に何の恨みが?』

 

透「いや・・・・特に無いんスッけどね」

 

アリシア「でも、これでもか!ってくらいに物凄い投げてたよね?透ヒドォ〜イ・・・・・」

 

透「あそーゆーこと言う?!俺一応弱ってんですけどねぇ!?」

 

響子「なら私がネットリと・・・それにシッポリと看て「ウッサイ黙れ」あぁあぁぁ〜久々の透さんの罵倒・・・・素敵?」/////////////ビクンッビクンッ

 

透「もうやだコイツ・・・」

 

ハルカ「まぁ透イジリはこれくらいにして「うわヒッデェ」うるさい、てゆーかそんなことよりアンタに聞きたいことがあったのよね」

 

透「聞きたいこと・・・・ね、その前に俺の用事済ませてもええ?」

 

ハルカ「用事?」

 

透「おぅ・・・・ここじゃぁなんじゃけぇ、ちょいと外の空気吸いに屋上に行こうかねぇ・・・・・車椅子ってあんの?」

 

響「あ、それならベッドの隣にあるって言ってたわ」

 

響先輩の言う通り、確かに俺のベッドの隣に車椅子が折り畳まれた状態で置かれとった。

 

それをハリベルが取り出し用意してくれた、俺は車椅子の両方の肘掛に手を置こうとしたら、ザフィーラとシグナムが俺を支えようと手を伸ばしてくれた。

 

本当なら俺は両方の肘掛に手を置いて逆立ちからのぉ〜・・・てな感じで座ろうとしたんじゃけど、そんな変なことせずに二人の好意に素直に甘えようと思い止めた。

 

透「・・・・スマンね」

 

シグナム「何を言ってる」

 

ザフィーラ「お前は怪我人なんだ、無理はさせられん」

 

透「まぁ・・・・そうなんじゃけどね」

 

とりあえず車椅子に座ることが出来、俺達は屋上へと向かった、その時には俺の乗った車椅子はシャルルがシレッと押しとった・・・・その間響子がスゲェ目でシャルルを睨んどった・・・・相変わらずコイツ等仲悪ぃんか・・・・・。

 

にしても、10,20人がゾロゾロと一斉に屋上に行くとか・・・・・どんな絵?

 

ちなみに俺は車椅子じゃけぇ屋上まで行くのにエレベーターに乗って皆はもちろん階段で登ってもらった。

 

そん時にクロノとエイミィさん、そんでユーノも結婚したことをシャルルから聞いた・・・・まぁアイツ等じゃったら時間の問題じゃったけぇ、あんま驚かんな。

 

まぁそんなこんなで屋上に到着した俺は皆から少し離れ、フェンスん所まで自力で動かした。

 

透「俺の用事っつーのは他でもない、会わせたい人がおるんよ」

 

ハルカ「会わせたい人?誰よそれ?」

 

透「まぁそれは今からわかるけんさ、ちょぉ待っちょけぇよ」

 

ユーノ「人って・・・・透、いつそんな人を呼んだの?」

 

透「呼んでねぇよ、つか今から呼ぶんよ」

 

シャマル「呼ぶってどうやって・・・って、そういえば透君って召喚士だったの?なんか龍とか狐を召還してたし」

 

透「うんにゃ、俺は召喚士じゃねぇべよ、まぁ似たようなモンじゃけど呼ぶつっても俺のは『口寄せ』じゃけどね」

 

スバル「クチヨセ?」

 

はやて「『口寄せ』って忍者が犬とかに使うアレ?」

 

透「簡単に言ゃぁそうなるね、俺のは召喚士が呼ぶような術式が無いバージョンって考えりゃぁええけぇ」

 

クロノ「それで、その会わせたい人っていうのは一体誰なんだ?」

 

俺は『口寄せ』に必要な血を手っ取り早く出す為に、自分の親指の腹の部分を軽く噛んだ。

 

透「ん?”ガリッ”えっと、まぁそれは会ってのお楽しみってことで」

 

アリサ「って何ナチュラルに自分の指噛んでんのよ?!」

 

俺が指を噛んだことにアリサが怒鳴ってきた、確かに傍から見たら自分を傷つけとる自虐な野郎にしか見えんな。

 

ハルカ「お、落ち着いてアリサ、アレは『口寄せ』に必要な事なのよ」

 

ギンガ「必要な事って・・・・どういうことですか?」

 

透「俺が扱う『口寄せ』、これは時空間を利用した術での、そこはまぁ召喚士とあんま変わらんのんじゃけど、召喚する時に契約者の血が必要になるんよ」

 

シャッハ「だから指を?ですがそれだと別に指を噛まずとも良いのでは?」

 

ハルカ「まぁ早いから、それに注射器とかで・・・なぁんて物も用意してとかも無理だし、変でしょ?」

 

シャッハ「はぁ・・・」

 

透「・・・・さって」

 

俺はハルカが皆に説明をしとるのを他所に、口寄せに必要な『印』を次々と結んだ。

 

フェイト「ねぇハルカ、透がやってるアレって?」

 

ハルカ「アレは『印』を結んでるの」

 

フェイト「『印』?」

 

ハルカ「そ、ああやって手で決まった形を作るんだけど・・・・てかアンタよく『印』結べるわね、あんな難しい手の形・・・指とか攣らない?」

 

透「最初はの、『印』は九喇嘛が教えてくれたんよ」

 

ハルカ「九喇嘛って・・・もしかして九尾の事!?え、ウソ!?名前あったの?!」

 

透「おりょ?知らんかったん?てかあるやろぉに名前くらい、知らんのんか?一尾にもあったじゃろぉが『守鶴』って名前が」

 

ハルカ「ぁ〜・・・・いや、あれは異名的なものかと思ってたから・・・」

 

透「(異名て・・・)まぁとにかく、九尾に教えてもらってからずぅっと・・・・それこそお前等と会う前からやり続けとったんじゃけぇ・・・・・まぁ出来るようになったんは5年前なんじゃけど」

 

そう、あんときゃぁ上手く指と指が動かせんでいたけぇなぁ、何回も九喇嘛に怒られとったわ。

 

『干支』の名前の『印』を一個一個教えてくれたんじゃけどなぁ・・・九喇嘛曰く『雷切』の時とかの『印』もギコチ無かったらしく、超下手糞って言われた。

 

流石にイラッと来たし。

 

透「そんじゃ・・・やる前に、この『口寄せ』はリンディさん・・・・そんでクロノ、アンタ達に関係のある『人物』です」

 

リンディ「え?」

 

クロノ「何で僕らが・・・・」

 

透「あと、ついでにグレアムさんも関係あるんかな」

 

グレアム「わ、私もか・・・」

 

ハルカ「!(まさかそれって!)」

 

俺は『印』で結んだ後、右手を頭上高く上げ、すぐに地面に手を付いた。

 

透「『口寄せの術』!!」ボンッ

 

俺の手から術式が現れ、同時に俺の20pくらい先からまるで煙幕が張られたような感じで煙が立ち込めた。

 

透「お待たせしました・・・・・・・」

 

俺は『口寄せ』した相手の名前を言った。

 

 

 

 

 

 

透「『クライド・ハラオウン』さん」

 

 

 

 

 

 

やがて煙が晴れていくと、俺となのは達の間に一人の男性が立っていた。

 

その男性というのは、以前『闇の書』での被害者でもあるリンディさんの旦那にしてクロノの親父、そんでギル・グレアム元提督の部下の『クライド・ハラオウン』その人じゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

クロノ「・・・・・・・・・・・・・・・え」

 

リンディ「・・・・・・・・・・ク・・・・・・ラ・・・イ・・・・・・ド?」

 

 

 

 

クライド「・・・・やぁ・・・・・久しぶり・・・・に、なるのかな?」

 

 

 

 

 

未だ自分達の旦那、父親が目の前にいる事を認識出来ずにおるリンディさんとクロノ、そんな二人とは違ってちょい気恥ずかしそうに口を開いたクライドさん。

 

グレアム「クライド・・・・・」

 

そんな中、申し訳そうに・・・・そして生きていて嬉しかったという複雑な顔をしながらクライドさんの名前を言うのは、元上司のグレアムさん。

 

クライド「ぁ・・・グレアム提督、お久しぶりです」バッ

 

グレアムさんを確認すると、クライドさんはグレアムさんに対し敬礼で答えた。

 

グレアム「クライド・・・・・すまなかった・・・・君を見捨てるような真似をして・・・・私は・・・・私は!」

 

クライド「いえ、あの時の判断は自分自身で決めた事、あなたの所為ではありませんでしたよ」

 

グレアム「しかし!」

 

クライド「透君・・・・彼から色々聞きました、あなたのした事を・・・・ですが私はこうして生きています、ですから悔やまないでください、悔やむのは・・・・本当に私が死んだ時にお願いします」

 

グレアム「!!・・・すまない・・・・すまない!」ポロっポロっ

 

グレアムさんは懺悔のようにクライドさんに訴えかけた、じゃけどクライドさんはそれを気にすることなくグレアムさんを許すことにした・・・・いや、許すっつーのは違うの、クライドさんは元々グレアムさんに謝りたかったようじゃし・・・・両方謝るとか・・・・普通に見りゃぁ変じゃけどね。

 

グレアム「・・・私ばかりではいかんな、というより私より先に会わなければならない相手がいるんじゃないのか?」

 

クライド「・・・・・・そうですね」

 

そう言ってクライドさんはグレアムさんとの会話もそこそこにし、やっと大本命の家族・・・愛しのリンディさんの所に戻った。

 

リンディ「・・・・・本当に・・・・・・クライドなの?」

 

未だ自分の夫が目の前に現れたことに対して実感が湧かず、動揺して中々受け入れられちょらんリンディさん。

 

クライド「疑いたい気持ちは分かるけどね」

 

クロノ「・・・・・・・」

 

そんでクロノはクロノで初めて?見る親父に気後れして固まっとる。

 

リンディ「だって・・・・・・だって・・・・・本当・・・・・・に?」

 

クライド「あぁ、僕だよリンディ・・・・・今まで会いに行けなくて、本当にすまない」

 

リンディ「!」ダッ

 

嬉しさのあまりか、それとも本当に本人だと分かった安心感からか、とにかくリンディさんは何かが弾けたかのようにクライドさんに抱き付いた。

 

まぁ、奥さんとしては・・・・・いや、大切に想っとる人じゃったら当たり前の反応じゃね。

 

リンディ「クライド!!クライド!・・・・会いたかった・・・・・グスッ・・・・・・本当に会いたかった・・・・」

 

クライド「僕もだよ・・・・まさか、本当にまた会えるなんて思ってなかったけどね」

 

リンディ「ぅっ・・・・・私もよ、あなたが死んだって聞いた時は信じられなかったし受け入れられなかった・・・でも・・・・・あなたが死んでしまったという事実だけが残って、本局でも正式にあなたが死んだと通達を受けた!必死に自分に言い聞かせてた!・・・・・でもぉ・・・・・・・ぅぅぅ・・・それでも私はぁぁ・・・・・」

 

クライド「分かってる・・・・分かってるよリンディ、君には本当に苦労させて・・・・それに・・・悲しませてしまったね、でもリンディ・・・僕はちゃんと・・・・・こうして君の傍にいるよ」

 

リンディ「っっ!!あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!あぁあああああ!!!!!!」

 

リンディさんはクライドさんと抱き合いながら、今まで悲しみと空虚感と溜めこんでいた物を全て吐き出すように、大声で泣いていた。

 

クライドさんは優しく答えながらもギュッと強くリンディさんを抱き締めていた、まるでもう手放さないと言っとるかのように。

 

クロノ「・・・・・・・・父・・・・さん」

 

今まで黙っとったクロノがやっと口を開いたと思ったら、どもりながら『父さん』と言った。

 

そーいやぁクロノって父ちゃんと会った事って無かったんやったっけ?確か前に・・・・中学ん時やったっけ?何回かユーノ等と飯食いに行った時にそんな話をしたようなぁ・・・・。

 

クライド「・・・クロノ」

 

リンディさんとの感動の再会を果たしとったクライドさん、クロノに顔を向けてはみたものの、クライドさん自身もどうやって接したらええんかは分からんかった。

 

リンディ「・・・・・クライド、この子・・・クロノはね提督になったのよ、小さい頃から必死に努力してあなたのようにカッコいい局員になろうって頑張ったのよ」

 

クライド「・・・・・・・そう・・・・なんだ」

 

いくらかは俺も話したけど、やっぱこういうのは当人同士で話した方がええけぇ、あんま詳しくは話さんかったけどね。

 

クロノ「・・・・・ぇぇっと・・・・その・・・・・」

 

クライド「・・・・・・クロノ」

 

クロノ「ぁっ!は・・・・・・はい」

 

突然父親に名前を呼ばれて一瞬気後れしたけど、一応返事はしとった・・・・・小さいけど。

 

クライド「・・・・・・・・よく、頑張ったな・・・・・・そして、大きくなったな」

 

クロノ「!!!」

 

クライドさんは父親として、たった二言しかクロノに言わんかった。

 

けど、そのたった二言はクロノにとってはメッチャ意味のある言葉になっとった。

 

クロノ「〜〜〜・・・・父・・・さん・・・・・・・父さん・・・・・・父さん」

 

クロノは肩を震わせながら声を出すのを我慢しながら・・・・泣いた。

 

クライドさんは何も言わず、リンディさんと一緒にクロノに近づき、そっとクロノの肩に手を置いた。

 

ハルカ「・・・・・・まさか、クライドさんだったなんてね・・・・」

 

透「つってもお前、何気に予想出来とったんじゃねぇん?」

 

ハルカ「まぁね、それより・・・・・・私たちは先に戻りましょ」

 

透「せやな」

 

なのは「う、うん」

 

俺はエイミィさんに先に戻ることを伝えてクロノ達を屋上に残して病室に戻った・・・・・んじゃけど、エイミィさんに伝言を頼む際に出来れば早目に『クライドさんと一緒に』戻ってもらうよう頼んだ・・・・事後処理的なことをせんといけんけぇね。

 

あと、エイミィさんだけじゃなくグレアムさんやリーゼ姉妹も残った・・・・まぁ積もる話もあるじゃろうけぇな。

 

そして病室に戻った俺たち、俺はまた皆に手を借りながらベッドにインした。

 

はやて「なぁ透君、色々聞きたいことが増えてもうたんやけど・・・・さっきの人は一体誰なん?」

 

透「誰って・・・・クロノの親父でリンディさんの旦那さん、それは分かっちょるじゃろぉに」

 

はやて「あぁ〜やぁ、そうやなくて・・・・・・」

 

ハルカ「・・・・『何で『死んだ』筈の人間が、アンタの使い魔・・・もとい口寄せの対象になってんのよ?』ってことが聞きたいのよね?、アンタクライドさんとは知り合ってなかったでしょ?」

 

透「知り合って無ぇよ、俺が知り合ったのは・・・・2年くらい前じゃし」

 

シャルル「わりと最近だね」

 

透「つっても、俺が知り合った時はあの人がクロノの親父じゃって事は分からんかったけどの」

 

俺が知り合ったのは・・・・・・・もちろん。

 

すずか「知り合ったのって・・・・もしかして、研究所?」

 

すずかの質問に俺は黙って頷いた。

 

透「俺が知り合った・・・つーか、あの人がクライドさんってわかったのは、ある研究所を襲撃した時なんじゃけど・・・ヤクモ」

 

ヤクモ『ハイ』

 

俺は口下手じゃけぇ口での説明より、実際に見てもらいながらの説明をした方がええと思ってヤクモの記録を映像化させて見せることにした。

 

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〜回想〜

 

 

俺等はいつも通り研究所を襲撃しとった時、逃げようとした研究員が俺等にデータを盗まれるのを恐れて実験段階のモンまでを廃棄して出て行った・・・。

 

廃棄されていったのはどれも生物系のモノばかりで、人間や動物達も焼却したりしとった・・・・俺等が入った部屋には生体ポッドがあったの。

 

その中に生体反応があって、しかも人間じゃったけぇ真っ先にそのポッドに近寄ったら男性が入っとるのが見えたんよなぁ。

 

マダラ(透)「コレは・・・・・・まだ生きてる・・・のか?」

 

オットー「たぶん、でもどうする?」

 

オットーの質問に俺は考えた、以前にも実験体を一人死なせてしまっちょるけぇ俺にはすぐに考えを言うことが出来んかった。

 

じゃけど、ディードの言葉に俺は考えるのを止め行動に移そうとした。

 

ディード「この人・・・・生きてるけど、アイツ等がココの施設のシステムを全部シャットダウンしていってるから、この人死んでしまうよ」

 

マダラ(透)「!」ダッ

 

俺は無意識にディードがおる端末に向かっていった、以前にも目の前で助けられんかったのが悔しくて、せめてこのオッサンだけはって思ったけぇ・・・。

 

俺はすぐにディードと代わると、男性が居るポッドに関する事を操作していった。

 

この時端末にはクライドさんの名前は無かったけぇ、この人が誰だか分からんかった。

 

マダラ(透)「お前達は他を調べつつ、いつものように情報の抜き取りと抹消をしておけ!」

 

俺は二人に指示を出しながら、なんとか男性を助け出す方法を探して行った・・・・・が、どうやっても見つからんかった。

 

今まで俺等が派手に動き過ぎた所為で奴等が警戒したり、自分の命可愛さに研究対象を見捨てて・・・・いんや、見殺しにして逃げおるけぇな。

 

俺はテメェのアホさ加減や馬鹿さ加減に後悔や憎みつつも、それでもこの男性を助け出すことを諦めず足掻こうと思って考えまくった。

 

すると、ポッドの中の男性が俺に声をかけてきたのが聞こえた。

 

男性(クライド)「・・・・・き・・・・・みは?」

 

俺はすぐにクライドさんの近くに行って少し話をしながらもなんとか助けれんかを考えまくったんよ。

 

 

 

〜回想終了〜

 

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透「結果、俺はクライドさんを『口寄せ契約』をしたんよ、ちなみにこの時俺はクライドさんがクロノの親父ってことは知らんかったけぇな」

 

アリシア「何で契約なんてしたの?普通に助ければよかったんじゃ」

 

透「クライドさんは・・・外に出したら死ぬ・・・・・・というより魔力が霧散して、終いには身体までもが崩れてしまうような身体にされてしまっとったんよ」

 

ヴァイス「身体が崩れるって・・・・どんな研究してたんだよ!?」

 

アインス「・・・・・」

 

アインスは俯きながら黙っとる・・・もしかしたら、気付いとる・・・もしくは知っとるんかな。

 

透「クライドさんを利用した研究内容が、『闇の書の残骸』っつって、奴等はクライドさんから『闇の書』の残留魔力を少しずつ採取しつつ、別件でクライドさんの身体に色々実験しおったみたいらしい」

 

はやて「え!?」

 

ヴィータ「『闇の書』だと!?」

 

アインス「・・・・(やはり・・・アイツはあの時のか)」

 

透「前にクライドさんに聞いたんじゃけど、当時クライドさんは『闇の書』を艦で輸送しちょった最中に艦のコントロールを『闇の書』に取られて、艦と一緒に沈んで異空間に投げ飛ばされた・・・・・か爆発に巻き込まれて爆死したって思いこんだらしい、じゃけど気が付いたらポッドの中におって色々何かされとった・・・てゆー話を聞いたんよ・・・・・・つーかアインスは覚えとるん?」

 

さっきから微妙な顔して俯いとるけぇ、気にはなっとったんじゃけど。

 

はやて「・・・・・どうなん?アインス」

 

アインス「・・・・覚えてます・・・・・正確には知ってます」

 

はやて「知ってる?」

 

アインス「ハイ、これでも『管制人格』でしたから、といってもあの時は一瞬の事でして艦はすぐに爆発しました。それよりも気になることが一つ」

 

ハルカ「気になるって・・・・何が?」

 

アインス「彼は『闇の書』・・・『夜天の書』には触れてはいない、なのに何故彼から『闇の書』の残留魔力を採取出来たのだ?」

 

透「直接的には触れてねぇわなぁ・・・・・・なら『間接』的には?」

 

ザフィーラ「間接的にとは、どういうことだ?」

 

透「お前等は知らんというか意識したことが無いじゃろぉけど、例えば、なのはのアノ悪魔的な砲撃があんじゃん?」

なのは「ちょっとそれどーゆー意味!?」

透「例えばじゃけぇ、反応すんなや・・・・・まぁなのはの砲撃を・・・そうじゃのぉ、アリサが受けたとすんじゃん?」

 

アリサ「アタシ!?イヤよあんなの!喰らいたくないわよ!!」

なのは「アリサちゃんヒドッ!?」

 

透「例えばって言っとるやんけ・・・・・んで、アリサがなのはの砲撃を・・・・・・まぁちょろっとでも受けたとしたら、アリサはなのはの魔力をほんの少しじゃけど『纏っとる』んよ」

 

フェイト「え・・・・どういうことなの?」

 

透「要はタバコとかの『匂い』と同じよ、砲撃じゃないにしても魔力を持った人が誰かに触れたら、その誰かはその人の魔力をほんの少しじゃけど纏うことが出来るんよ・・・・つっても一瞬じゃけどね」

 

アインス「だが、『夜天の書』は何も攻撃しては」

 

透「言ったやろ?間接的って、『夜天の書』は艦に居る魔導師の魔力や艦のエネルギーを無意識に・・・しかも若干じゃけど吸収して、自分の魔力とした・・・・そんで大爆発、その爆発の時に『夜天の書』の魔力も一緒に爆発したんじゃろぉよ、その際にクライドさんは『夜天の書』の魔力の一部をほんのちょろっと纏ったんじゃろぉよ」

 

アインス「そう・・・・か」

 

透「しかも爆発の衝撃で運悪く次元震を起こして更には『虚数空間』が出てきて、クライドさんはそん中に投げ飛ばされた・・・・そんで、更に運悪くクライドさんは奴等に捕まって『闇の書』の魔力の欠片程度とはいえ奴等に利用されとった・・・・アイツ等欠片だけでも集めて『第二の闇の書』的な物を造ろうとしとったっぽいで、あわよくばクライドさんを『残骸兵器』として使おうとしとったらしいけど」

 

アインス「・・・・愚かな・・・」

 

はやて「あないな事を・・・・・・誰かにさせる言うんか・・・・」

 

ゼスト「しかも非人道的な事を平気で・・・・・」

 

現に『夜天の書』にして『蒼天の書』の主のはやてからしたら、若干とはいえ苦い記憶として残ってる分、管理局がしようとしとることに対し嫌悪感はあるじゃろぉよ。

 

シャーリー「でも知りませんでした、僅かとはいえ他人の魔力を纏うというのは・・・・」

 

透「まぁ皆、戦闘に於いても結果だけしか見んけぇな、それに一瞬のことじゃけぇ知らんのも無理ねぇわ」

 

俺がそう説明しとると、病室のドアがガラガラと音を立てて開いた。

 

どうやらハラオウン親子が戻ったようで・・・・後ろにはグレアムさんもおった。

 

クロノ「透・・・・」

 

リンディ「透君・・・・」

 

リンディさんとクロノが俺の近くまで歩いてきた、二人の近くにはクライドさんもおった。

 

リンディ「透君、あな”バッ!”ぇ?」

 

俺はリンディさんが口を開いた瞬間に、掌をリンディさんに見せて制止させた。

 

透「スンマセン、その前にやらんといけんことが・・・・クライドさん、ちょいこっちに・・・・」チョイチョイ

 

俺はクライドさんに右手でチョイチョイと俺のトコに来るように指示した、本人は何で呼ばれたんかは知らんって顔しとったけど。

 

そして俺のトコに来たクライドさんに、俺はまた親指を少し噛んで血を滲ませた状態で『印』を結んだ。

 

結んだら、左手でクライドさんの身体の中心ら辺を押し付けた。

 

すると、左手を中心にクライドさんの身体に術式が広がり始め、すぐに術式が消えた。

 

クライド「な・・・・何をしたんだい?」

 

透「・・・・『契約封印』、つまりあなたは俺の助っ人をクビになったんス」

 

クライド「!?」

 

透「・・・・・クライドさん、これで貴方は文字通り『自由』ッス・・・・すんません、ハラオウン一家とグレアムさんには長い事待たせてしもぉて、もっと早ぉにしたかったんスッけど・・・流石に管理局復帰は出来るかは知らんのんッスけど、これからはクライドさんのしたいようにしてくださいッス」

 

リンディ「っ!」ポロッポロッ

 

俺の『自由』っつー言葉を聞いた瞬間、リンディさんは両手で口を押え目には涙が浮かんで、床に落ちていった。

 

クロノ「じ、じゃぁ父さんはもう大丈夫なんだな?!」

 

透「(ほぉ・・・『父さん』ねぇ)せやな、もう普通に暮らせるようになっとるで」

 

ガッ!

 

言い終わると同時に、リンディさんが俺に泣きながら抱き着いてきた。

 

リンディ「ありがとう・・・・・ぐすっ・・・本当に・・・・・・・ありがとう・・・透君!」

 

クライド「君は・・・僕だけじゃなく、僕達家族の恩人だよ、本当に・・・・ありがとう」

 

俺はチラッとクロノの方を見て、すぐにクライドさんに目を戻した。

 

透「何言ってんすか、大人になろうがガキには親父が必要なんは当たり前じゃないッスか」

 

クロノ「!!」

 

今度はクロノが泣き始めてしもぉた、近くに居った奥さんに寄り添ってもらいながら・・・。

 

透「・・・・・まぁ、家族仲良ぉしてくださいよ」

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・

 

・・・・・・・・

 

・・・・・

 

 

 

 

ハルカ「えぇ〜っとさ、そろそろ本題ってゆーかぁ・・・・別の事を聞きたいんだけどさ」

 

ハルカの言葉を皮切りに、リンディさん達は俺から離れた・・・・・じゃけど、俺は見逃さんかったゼィ、リンディさんとクライドさん・・・二人とも手なんか繋いどるし・・・・・ヒューヒュー♪

 

透「あぁそーいやぁそやったな、んで?お前等は何が聞きたいん?」

 

ハルカ「・・・・・・・アンタ、スバル達に何したの?」

 

透「すばる?・・・・・あ〜!あぁ〜!!そこの新人達の事か!?」

 

はやて「忘れとったんかぃな・・・」

 

一回だけじゃなぁ・・・・流石に。

 

なのは「でも、ちゃんとした挨拶ってしてなかったよね・・・・ほら皆、挨拶して」

 

ゲンヤ「ギンガもだ・・・・ほら」

 

すると、前に戦った新人たちともう一人が俺の近くに来て一人一人敬礼しながら挨拶してきた。

 

ギンガ「なら私から、『108部隊』のギンガ・ナカジマです!井上さんには母や妹共々、大変お世話になりました・・・・空港事故の時は本当にありがとうございました!・・・スバル」

 

スバル「う、うん!えぇっと・・・『古代遺物管理部機動六課』、『スターズ分隊』所属のスバル・ナカジマです!井上さんには母や姉を助けてもらって、本当に感謝してます!!・・・・・つ、次!ティア!」

 

ティアナ「何もそんな慌てなくても・・・・同じく、ティアナ・ランスターです・・・・えっと、兄を助けていただいてありがとうございました・・・・それと前は失礼なことしてすみませんでした・・・・」

 

エリオ「えと、『ライトニング分隊』所属のエリオ・モンディアルです!よろしくお願いします!・・・・キャロ」

 

キャロ「エリオ君と一緒で『ライトニング分隊』のキャロ・ロ・ルシエです!よろしくお願いします!」

 

まぁ見事な敬礼をしちゃって・・・・・。

 

透「あ〜・・・うん、まぁそぉかしこまらんでええけぇ・・・改めて、井上 透です・・・・っと・・・・そっちの姉以外のお前さん等にゃぁ結構キツイ事言うて悪かったのぉ、あん時は『マダラ』になりきっとったけぇ、いらんことまで言うてしまっとって・・・・・なんつーか・・・スマン」

 

ティアナ「ぁ・・・・・・いえ・・・」

 

透「まぁ堅いのは抜きで、とりあえず・・・よろしくってことで」スッ

 

「よろしく」と同時に俺は新人たちに拳を向けた。

 

スバル「??あのぉ・・・・コレって・・・」

 

透「あぁ・・・・俺握手とか苦手っつーか恥ずかしいっつーか・・・・滅多にせんけぇ、大抵こうやって拳を合わせたりして挨拶しちょるんよ・・・・・まぁ大抵っつっても主に仲のええ男なんじゃけどね、あっ!じゃけどそっちの子は拳っつーのはアレじゃけぇ・・・・まぁハイタッチ的な感じでええけぇ、お前さん等も嫌・・・ていうか恥ずかしかったらタッチでええけぇ、とりあえずよろしく」

 

ティアナ「・・・ハイ」

 

そうして俺達の簡単な自己紹介は終わった・・・・・ちなみに、拳を合わしたのはハチマキ娘(スバル)、槍小僧(エリオ)の二人で、猪娘(ティアナ)とハチマキ娘の姉(ギンガ)と嬢ちゃん(キャロ)は普通のハイタッチになった。

 

透「(・・・・ウッシ、『戻った』)」

 

ハルカ「それで透、さっきの私の質問はどうなの?」

 

透「質問ってーと・・・・あぁ、コイツ等に何したんかってやつか」

 

ハルカ「そうよ・・・前にヤクモ達が透が『譲渡』は使ってないって言ってたのは覚えてるけど、じゃぁアンタ一体何したの?アンタの事だからまだ戦う気でいるんだろうけど・・・・・『写輪眼』や『輪廻眼』が無い状態でどうやって・・・」

 

透「無いって・・・んなもん・・・・・・」

 

 

 

 

 

 

透「とっくに『返して』もろぉちょるわ」ギンッ!←『輪廻眼』

 

 

 

 

 

 

 

全員「!!!」

 

俺は喋りながら両眼を『輪廻眼』に変えながら皆に見せた、予想通り全員驚いとった。

 

まぁこれはコイツ等に言うてないけぇな・・・・・あと『身体』と『刀』も。

 

シグナム「ちょっと待て透!お前、スバル達に『写輪眼』等をお前のレアスキルの『譲渡』以外でどうやって!?」

 

透「もち俺のレアスキルで」

 

すずか「透君のレアスキルでって・・・・・でも透君のレアスキルって『譲渡』だよね?」

 

透「確かに俺はレアスキルは使ぉた・・・・・けど、眼に関してで言えば『譲渡』は使ってねぇ」

 

はやて「・・・・なぁ透君、ハッキリ言うてや、私等別に禅問答をしたいわけやないんや」

 

俺の妙な言い回しに対し、痺れを切らしたんかはやてだけじゃなくなのはやフェイト達、終いには新人たちまでもがマジな目を俺に向けてきた。

 

透「・・・・分かった、言うとくけど俺のレアスキルは元々『1つ』じゃけぇな・・・・『譲渡』じゃないで、『譲渡』は『譲渡』を譲渡してもろぉた・・・・つまり『譲渡』自体貰いモンなんよ」

 

クロノ「『譲渡』自体・・・・誰かに譲り受けたという事か!?一体誰が・・・・」

 

 

 

 

透「・・・・・『譲渡』の本来の持ち主は・・・・・・俺の母なんよ」

 

 

 

 

 

ハルカ「ええ?!」

 

リンディ「咲が!?・・・・でもそんな・・・」

 

この中で俺以上に母さんとの付き合いが長かったリンディさんでも母さんのレアスキルは知らんかったらしい・・・・まあ当たり前じゃろうけど。

 

透「リンディさんが知らんかったのも無理ないッス、母さんレアスキル自体が好きじゃ無かったらしいっスし、使うことも無かったッスし」

 

はるか「じゃあ透君はいつお母様から力を?」

 

フェイト「!!・・・・そうか」

 

俺がいつ母さんから『譲渡』を貰ったんか、もう既に気付いた奴もチラホラおるようじゃね。

 

透「そう、俺が奴等の襲撃から逃げる際に俺の手を引っ張って行った瞬間に、それに気づいたのは『ジュエルシード事件』の後で、俺が一人で修行しとるときに気づいた」

 

アリシア「・・・・・そういえば透、私達が仕事に行ってる間家の地下で修行してたんだっけ?」

 

家のって・・・・あん時はまだ家主は俺やけぇな?

 

シャマル「じゃぁ・・・・・透君が元々持ってるレアスキルって何?」

 

 

 

 

 

透「俺の本当のレアスキルは・・・・・『貸出』」

 

 

 

 

 

ヴィータ「か・・・『貸出』ぃぃ??」

 

あ、ヴィータ含め結構な奴が疑った目で俺を見ちょるわ・・・。

 

透「んな疑う目で見られてものぉ、事実俺のレアスキルなんじゃけぇしゃーなくね?」

 

ハルカ「でもそれだと、スバル達に『写輪眼』や『輪廻眼』を渡してた事も合点がいくわね」

 

アインス「私もお前の事前の策の事は聞いていたが、何故すぐにスバル達の眼は発動しなかったんだ?」

 

透「俺の『貸出』は、技だろうがレアスキルだろうが貸すことが出来る、しかも技やレアスキルを発動させるのに俺が予め条件付ける事が出来るってわけ」

 

ハルカ「成程ねぇ、確かにあの時はスバル達が危険な時になったら、発動してたもんね」

 

透「そ、あん時のように、まず貸し出す為の『モノ』を事前に決めておく、そんで貸し出す対象に触りさえすれば貸出完了・・・・てなわけ」

 

そっから俺は『貸出』での新人たちの『写輪眼』と『輪廻眼』の発動条件を言っていった。

 

つっても、既にハルカ達がヤクモから聞いたのを皆に言っとったらしいけぇ、いらん説明になってしもぉた。

 

透「ちなみに、そこのナカジマ姉妹とランスターに関しては貸し出したのは眼で、それに必要な魔力は俺が事前に『譲渡』で渡しといたけぇ負担にはならんかったはず(まぁ負担にさせんように、3度目以降からは白や九喇嘛達が出るように仕掛けとったんやけど)」

 

スバル「あぁ〜・・・・だからだったんですか、ここ最近妙に眼がゴロゴロというか変な感じだなって思ってたんです」

 

エリオ「あ、僕もです、なんか目が重いというか、眠くも無いのに瞼が重い時もありましたし」

 

透「あーそれ俺の所為じゃわ、俺がお前等にやった『貸出』は『譲渡』と違って、発動前は本人の意思でどうこうっていうのは出来んかったけぇなぁ、剥き出しの状態で貸したけぇで何らかの影響はあったんかもなぁ・・・今はどうよ?何か変な感じはせんか?」

 

俺も『貸出』を使うのは今回が初めてじゃけぇ、コイツ等にどんな後遺症があるんか気になったし、何よりコイツ等の将来を棒に振るようなことをしてしまったら大変じゃけぇな。

 

キャロ「えっと・・・・それなら大丈夫です、特に変な所はありませんよ」

 

透「・・・・とは言うても、気にはなるけぇ一応検査はしとってくれん?もしかしたら今後は『貸出』は封印せんといかんかもしれんし」

 

キャロ「あ、はい・・・わかりました」

 

透「ほいじゃけども、お前等にゃぁホンマ迷惑掛けたりやらキツイこと言うたりで、スマンことしたって思っとるわ・・・・・・マジでスマンな」

 

俺は普段ちゃんと礼を言わんから、こういう時はちゃんと頭下げて謝るべきなんじゃろうけど、恥ずかしいけぇか日本の若者のように頭を下にチョイっと動かしただけの謝りになってしまい、やってから心の中で「しまったぁ〜〜!!!」って思ってしまった。

 

ティアナ「そ、そんな!私の方こそ・・・・アドバイスも聞かないで無謀な事して、挙句あなたを罵倒するだけ罵倒して・・・・みっともない八つ当たりをしてました。謝らないといけないのは私の方です・・・・・今まで本当にすみませんでした」

 

透「・・・・・」

 

確かに、ランスター妹は最初の頃から危ない感じではあった・・・・2回目ではそれが浮き彫りになっとった、じゃけど今はもう何の迷いの無い・・・・ってわけでは無いけども、それでも最初と2回目の時よりかは各段にええ面になっちょる。

 

スバル「あ、あのっ!だったら私もです!いくら敵対してたり意識を乗っ取られてる状態だからって、思いっきり攻撃しちゃってすみません!」

 

1人、ハチマキ娘だけズレた事を言うた瞬間、室内の時間が一瞬止まった。

 

ハルカ「・・・・ねぇスバル、それって私達も透に謝れって遠回しに言ってる?」

 

スバル「え?・・・・・・あぁぁぁああ!!!そそそそそんなんじゃないですよぉ!!!???」

 

ハチマキ娘がハルカに対し身体を使っての全力否定。

 

このハチマキ娘・・・・・やるね。

 

アリサ「なら『貸出』を使った能力は終わったらどうするのよ?」

 

透「終わったらさっき俺がコイツ等に挨拶したように、また身体に触れたらか、もしくはさっき言うた条件の中に発動と一緒で返却期日を決めて、その日が来たら自動的に俺に戻るってわけ」

 

ハルカ「ふ〜ん・・・・・アンタのレアスキルのことはわかったわ・・・・でも、これからどうするかよねぇ」

 

俺の『貸出』を一通り聞き、そしてハルカが次の話題に移ろうとした。

 

透「これから?これからって・・・・・・え、何?どういう事?」

 

なのは「透君は動けない、動けるのは私達・・・・なんだけど、動こうにも透君みたいに奴等の居場所を知ってるわけでもなし、それに探そうにも手掛かりすら無いし」

 

手掛かりが無いて・・・・・んなこたぁ無かろうに。

 

透「いや、何で?」

 

ゲンヤ「何でって、俺達は奴等に関する情報は一切無いんだぜ?公安は基本秘密主義、研究所だって目ぼしい所はお前さんがほとんど潰してったんじゃねぇか」

 

はやて「上の人等や私等のような部隊がゴタついてるんは、それが原因でもあるんやけどな・・・」

 

ゼスト「レジアスが協力してはくれているが、それでも限界はある・・・・しかも前もって調べた結果、ハズレも多数あった」

 

・・・・コイツ等の話を聞く限りでの予想じゃけど・・・もしかして・・・・。

 

透「のぉ・・・まさか、ヤクモ達から何も聞いとらんのん?」

 

カリム「聞いてって、聞いたのはあなたの過去くらいですよ?」

 

透「(あぁー・・・・な〜る)・・・・そうかぃ、ハハハ・・・・何してんのお前等・・・・」

 

ライラ『・・・・な、何のことでしょう・・・・・』

 

コイツ等・・・イッチョ前に白ぁ切ろうとしやがるか・・・・・。

 

はやて「??な、なぁ透君、一体何をヤクモ等に当たっとるん?ヤクモ等は私等に透君の過去や研究所が何をしとったかっていうやつやってんよ?私等がどうするかを決める判断材料として見せてくれてん」

 

判断材料・・・・・ね、まぁなのは達も一応時空管理局の職員、裏切るかそのまま職務を全うするかでは迷うじゃろうなぁ・・・・・出来れば俺の事で悩んで欲しいって思うが、実際はどうなんじゃろ?

 

透「俺の過去・・・かぃ、まぁそれも必要っちゃぁ必要じゃけど・・・・・俺の言った事と違う事しおってからに」

 

ハルカ「違う事?」

 

透「おぉ、俺がヤクモ等に言ったのは俺の血からあのデカブツと俺が捕まっとった研究所の位置をお前等に教えろっちゅーことじゃったんじゃけど・・・・」

 

ライラ『・・・・・間違えちゃいました』テヘペロ☆♪

 

透「いやデバイスなんじゃけぇ、テヘペロ的なことされてもわからんっつーに、アホか」

 

リコ『ヒド!?』

 

透「ヒドかねぇよ、まったく・・・・」

 

アリシア「・・・えと、何?どういうことなの透」

 

俺がヤクモ達とのコントをしとる中、室内の全員が訳が分からんって顔で俺を見とった。

 

透「・・・・実はの」

 

ヤクモ達が一番重要な物を皆に見せんかったけぇ、俺は皆に俺が考えた事を言うていった。

 

まず俺は仕掛けとして『あること』を2つやっとった。

 

前々回なのは達と戦った時、途中で『デビルガンダム』が出現した時に俺は『ガンダムヘッド』の一体に腕を噛まれた時に、自分で腕を切断した。

 

そん時に奴の口には俺の血がベッタリ付いてあった。シュテルが攻撃して機能停止はしたけど、なのは達の話からすると俺が連れてかれた時には他の『ガンダムヘッド』もおらんようになっとったらしいけぇ、俺の血が付着しとる奴も付いていったんじゃろう。

 

次に研究所に関して・・・て言うても簡単で、奴等によって拘束された時や殴る蹴るなんかされとった時や妙なアームドデバイスやらを取り付けられたとった時、そん時に俺は派手に血を付けまくった。

 

まぁ要するに、その血で『デビルガンダム』の位置と俺が捕えられとった『研究所』の位置を割り出せるって事をなのは達に説明した。

 

ギンガ「成程、ですがあのデカい質量兵器が格納されていた場所と井上さんが捕えられてた研究所というのは一緒の研究所だったんですよね?でしたら別に分けなくても?」

 

透「まぁそうなんじゃけど、俺の記憶が確かならあそこはあのデカブツを格納して尚且つ整備するような施設じゃないって思ぉてのぉ、もっと広く整った施設に移すんじゃないんかって思っての」

 

俺としては二つの研究所の位置が分かれば御の字って感じじゃけぇ、ぶっちゃけどっちでもええんじゃけど。

 

ハルカ「分かった、とりあえずヤクモ達のデータから研究所の位置を割り出しておくわ・・・・すずか」

 

すずか「うん、ちょっと借りるね透君」

 

すずかにヤクモを手渡すと、すずかはポケットから小型の装置を取り出しヤクモ達に接続した。

 

聞くと、デバイスの記録などを簡単ではあるがコピー出来たりするらしい、これで研究所の位置なんかも割り出せるとの事。

 

コピーしとる最中、俺との戦闘やらこれまでの事を簡単ではあるけどなのは達が話してくれた。

 

色々話していく中、特に毒ついとったのが榊と緋村の話じゃった。

 

アイツ等は俺が居らんようなってからもなのは達に絡んどったらしく、やたらデートやら飯に誘ってきて、挙句最近じゃぁ休憩と称してホテルに行こうとか言う始末じゃったらしい。

 

それに俺が操られとった時には動けんようなった俺に容赦無い攻撃をしてきたとの事、なのは達は特にそれが許せんかったらしい。

 

相変わらずあの二人の話となると容赦無くキツイんじゃけど、あのなのはやフェイトやすずかなんかがアリサやハルカのように毒吐くようになっとったのにはムッチャ驚いたねえ。

 

 

 

じゃけど、なのは達が榊と緋村の話をしとる時に俺の中で若干の変化が起こった・・・・・。

 

 

 

 

 

ズキッ・・・・・。

 

 

 

 

透「(ん?)」

 

 

 

突然、胸が痛んだ気がした・・・・・じゃけど、すぐに気のせいかと思い無視した・・・・・。

 

 

じゃけど、この痛みが・・・俺にとってある悪夢と決意を呼ぶことを、この時の俺はまだ知らんかった。

 

 

 

 

 

-4ページ-

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

どもぉ〜、make〜ですっ!

 

今回は前回の次回予告で挙げてた人、クライドさんがリンディさん達の下へと戻る話と透の『写輪眼』をスバル達に渡した謎、そして透たちのこれからの話だったんですが・・・・・。

 

あれぇ〜??可笑しいなぁ・・・・私的にはクライドさんも重要だったんですが、一番重要だったのが透の本当のレアスキルの『貸出』だったんですが・・・・・どうしてこうなったんでしょう???

 

まぁいいです、それよりももうお気付きになられてる方々もいらっしゃいますが、透が操られていた時に、透救出の際に精神内で『ウルシ』から助ける時白達と一緒に出てきた4人目(?)がクライドだったんです。

 

言い回しと言いますか、セリフの中に息子なんてキーワードが入ってたら簡単に予想付いちゃいますよね?

 

次に透の唯一のレアスキル『貸出』ですね、流石血筋なのか、母親が透が以前響子の管理局員になった時にプレゼントした時に使用した『譲渡』の本当の持ち主だったんですが、母親の似たレアスキルを所持はしていても使い所も難しい能力ではありますね。

 

あ、血筋というのはまったく関係無いというのは分かっておりますので・・・・ハイ。

 

ですが皆さん!この『貸出』、使い所が難しいとは言いましたが、ココだけの話で実は近いうちにもう一回使うことになります!!

 

近いうちとは言いましたが・・・・・さていつになることやら・・・・・・。

 

そして最後にこれからの事ではありますが、流石透ですね。やられたらやり返すを実行していましたね・・・・『デビルガンダム』の時は違いますが、自分の血を研究所に付けて自らが居た痕跡を残すとは・・・実際そんなことされたら相当嫌ですよね・・・・。

 

しかし最後の透の心境と言いますか、透は何故胸に痛みが走ったんでしょうか?透は一体何に反応したんでしょうか?

 

 

 

 

さて次回は!!その透にある試練が!!!そしてなんと透がとうとうなのは達に!!!・・・・さらにそこに彼女達まで!!

 

 

えぇ〜ただですね、次回に関しましては18禁とまではいかないよう頑張りますが、もしかしたら皆さんがご覧になってて不快になるような描写があるかもしれません。

 

というのがですね・・・・内容までは言えませんが、強いて言うなら・・・・・あの大馬鹿野郎2人のことです。

 

その2人の所為で透が!!!!!!

 

 

ではでは、次回は(色んな意味で)危なくならないようやりますので、皆さん!また次回をご覧ください!!!!!

 

 

 

 

あと皆さんにアンケートというかお聞きしたいのですが、今回のクライドの話ですが、クライドがどのようにして透と会話を交わしたのか?どうやって無事な姿のままリンディさん達の前に現れるようになれたのか?

 

その辺りがお知りになりたい方はコメントの方でお願いします。もしお知りになりたいのであれば、次回辺りのオマケでやろうかと思っております。

 

「別にいらねぇ」という事でしたら、やりませんのでご安心を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
第43話 口寄せと能力と仕掛けと疑問
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コメント
俊さん同感です。(アジ=ダハーカ)
胸の痛みが気になりますね……(ohatiyo)
そして、透の本当のレアスキルが『貸出』だそうで、透らしいと言えばらしいんですかね?個人的には『強奪』だった方が馬鹿二匹のレアスキルや転生特典を奪えただろうから面白そうだったんですけどね。次回は問題の馬鹿二匹の登場との事で、完全なる殲滅を期待しています。(俊)
やっぱり透の中に居た四人目はクライドでしたか。透から口寄せ契約を解約された事で今後如何動くのか、楽しみです。(俊)
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