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【吸血貴族の半人前編(ハイマside)】
『Bloodfate』
強くなりたい
そうすれば誰もが認めてくれる
強くなりたい
そうすれば誰もが文句を言わなくなる
強くなりたい
そうすれば…誰もが母さんの事を悪く言わなくなる
強くなりたい…
そうすれば…そうすれば……私は一人前になれる
そう、例え私が…人間の血をひいてるとしても
子供の頃、周りは母の事を『餌に惚れた恥知らず』と言っていた
当時吸血族にとって、人間は餌でしかなかった
例え己を狩る手段を持ってるとしても、彼らにとっては些細な事だった
交渉どころか会話の相手にする価値もないとさげすんでいた
だから人間の父の子供でもある私の事を『汚れた家畜の血をひく半人前』と言っていた
私と同年代の子は、そう言って良く苛めてきた。
その子たちはその意味も知らず、面白がって言っていた
私はその内隅っこにいることが多くなっていた、だれも接してない方が楽だと思った
そんな日々が突然終わりを告げた
その終わりは、たった一人の変異によるものだった
リンク・ワーカー…後に一族の領地ごと一族の((誇り|ココロ))を抉り取り、((家畜|エサ))の皮を被った((死神|バケモノ))と呼ばれる優男である。
〈10歳〉
私達の領地がインターセンター13番街という名称になり、他種族が入るようになり、法による制限を科されて2年が経っていた……
それぞれの種族はその種族特有の事情故に馴染むわけが無く、内乱が多発した…と思いきや、意外にも折り合い付いて馴染んでいた。
何故なのか…それが解らなかった。
誰かに聞くことにしたが、同種族が中々見当たらない。
人狼A
「お、どうした吸血鬼の嬢ちゃん…家出したは良いがいざ帰るとなるとどの面下げて謝るか考えてるのか?」
そんな時、一人の人狼が声をかけて来た…全く的外れな事を言って。
人狼種は文字通り人型の狼であり、吸血種と同じく人間を餌扱いしてたのだが…今ではこの有様である。
これが所謂牙が抜けたようという事なのだろうか。
何故法に従っているのか、何故そこらにいる((人間|エサ))を喰らわないのか、私はそんな問いを投げかけた。
……私とは違い、半端者ではない純粋種でありながら、力を持つ者でありながら何故…と
人狼A
「あ〜…うん……嬢ちゃんもそっち側か………」
そう言いながら人狼は深く考え込み、一つの答えを出した。
人狼A
「強いて言うなら…『ワーカーさん』かな?」
その言葉を聞いた途端、私は固まった。
ハイマ
「…何で……」
人狼A
「?」
その時、私は秘めに秘めた怒りを爆発した。
周囲から、身内から、ついには母から、何度も何度もヤツの事を聞いて来た私は、心の底にしまい込んだモノを吐き出した。
ハイマ
「何でアイツなの!?何であの死神のいう事を大人しく聞いてるのよ!?」
人狼A
「【強い】からだよ、当たり前だろ?」
ハイマ
「強い!?あんな優男が強い!?あんなにも弱かったのに!!女神に勝てず犬死したのに!!死して尚我らを縛るか!死して尚律するか!!((人間|エサ))ごときが!((捕食者|ワレラ))を!」
人狼A
「お、おい…お嬢さん?あんま熱くなるなって。強さってのは力の強さだけじゃなくてだな…」
キッ!!
人狼A
「ッ!!」
睨みつけた((だけ|・・))なのに怯えている…本当に牙が抜け落ちたか!
半端者の睨みでこれだなんて……ただ平和ボケしただけの方がまだマシだ!
ハイマ
「私は…私は半分人間だ、だから母や先祖共々蔑まれてきた、関わりたくもなくなった…」
人狼A
「だったら今の状況は生き易いんじゃ――」
ハイマ
「だがそれでもっ!私は変えたかった…己を、周囲を、運命を!だからどんな侮辱も耐えて努力してきた…なのに!」
なのに((ワーカー|ヤツ))が全てを壊していった…詳しくは分からない…だが奴は人間だ、姑息な手を使ったに違いない!!
ハイマ
「目的を、目標を壊された気持ちが貴様に分かるか!誇りも生き甲斐も奪われた気持ちが貴様に分かるか!」
人狼A
「嬢ちゃん……」
ハイマ
「もう良い…うんざりだ……貴様ら((誇り|キバ))の抜けた奴らと話すのも……この世界も!」
私はそう吐き捨てた後、すぐさまその場を立ち去った。
それから私は決意した…『この世界を変えてやる』と。
戻すんだ、すべてを元に戻し、我らは再び返り咲くのだ。
……だがそれには仲間が必要だ、一人で変えるには世界は広すぎる。
現在通っている央共学園にて同じ志を持つ者…同志を集め、レッドチェッカーズというグループを結成した。
だがほぼその同時期、私達に対抗するかのようにブルーラインズなるグループが出来た。
赤はモンスターとしての誇りを取り戻すことを志し、青は今までの古い思想を捨てて人間と歩み寄る事を志した。
二つの勢力は真っ向から対立し、度々衝突するようになった
そんな中、母からある事を告げられた、今まで語ってくれなかった父の事を…
その時私は、生まれて初めて己の血を、運命を、存在そのものを呪った
嘘であってほしいと心の底から懇願した
母が語った真実、私の父は……リンク・ワーカーだったのだ
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