【デジナミ】お花見パニック!【お花見】
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ある日、いつものようにデジナミにログインすると、待ってましたとばかりにパートナーであるりゅーちゃんが一枚のチラシを差し出してきた。

 

「……ブロッサムゾーンでお花見イベント?」

 

「ライラモン殿がお店を開いて、期間限定のメニューを用意されているそうなのであります!

ルナは食べに行かないのでありますか?」

 

首を傾げたりゅーちゃんの言葉に、どうしようかと考える。

期間限定メニューの一覧は、桜餅とか三食団子とか、甘い物が中心のようだ。

正直、あんまり甘い物は好きじゃないのだけれど。

 

「行かないの、でありますか……?」

 

若干涙を浮かべてしょんぼりと下を向いてしまったりゅーちゃん。

そんな姿を見て、心を動かされない人なんていないだろう。

 

「じゃあ、今日はライラモンのお店に行ってから、お花見だね。

ちょっとお金が心許ないから、アルバイトイベントに参加してからになるけど、良いかな?」

 

「はいであります!」

 

■□■

 

ぶんぶんと尻尾を振るりゅーちゃんと一緒に、イベントエリアに向かう。

その途中で、前回のイベントでお世話になったハウンドちゃんのことを思い出す。

パンプキンモンの襲撃のとき、ハウンドちゃんが居なかったら、自分もりゅーちゃんも危なかったと思う。

フレンド一覧を開いて確認すると、丁度ログインしているようだった。

コールしようかと考えて、バトル中だと危険だと思いメール画面を起動する。

 

「……これでよし、と」

 

「お手紙でありますか?」

 

「そうだよ。頑張ってアルバイトして、皆の分の料理も用意して行こうね」

 

ハウンドちゃんは女の子だし、ハナちゃんもきっと甘い物が好きだと思う。

頑張ってアルバイトするぞと気合いを入れて、ライラモンのお店の扉を開いた。

 

□■□

 

お店の中で私たちを迎えてくれたライラモンは、忙しそうに彼方此方を行き来していた。

どうしようかな、と話しかけるタイミングを伺っていると、私たちに気づいたのかにこりと笑みを浮かべて近づいてきた。

 

「あら、いらっしゃい。アルバイト希望の子かしら?」

 

「そうであります!期間限定メニューを頂くために、アルバイトするのであります」

 

「それは有り難いわ。丁度少し前から混み始めた所なのよ。

アルバイトクエストの詳しい内容は、カウンターの中の子に聞いて頂戴ね。

あとは……お手伝い用のエプロンを渡すわ。アルバイト中は身につけておいてね」

 

渡されたエプロンは、桜色の所々にフリルがあしらわれた可愛らしいもので。

りゅーちゃんと私はそれを身につけて、カウンターへと向かった。

 

■□■

 

「うう、疲れたのであります」

 

「そうだね、お客さん多かったもんね」

 

アルバイトも終わって、ぺたりと地面に座り込んだりゅーちゃんの全身からは疲労の色がにじみ出ていた。

近くで手品のイベントがあったらしく、終了後にいきなり人が増えたのだ。

その人たちのオーダー取りや配膳やらで、アルバイトは皆てんてこ舞いだった。

それでも何とか人の波が引いたところで目標金額へと到達したので、私たちはお店を後にしたのだ。

 

「早く、食べたいのであります!……じゅるり」

 

「こらこら、ハウンドちゃんたちの所に着いてからだよ」

 

期間限定メニューをふたりで抱えて、ギルくんに教えてもらった桜のおすすめポイントへと向かう。

一生懸命我慢しているのだろう、若干よだれを垂らしかけているりゅーちゃんをたしなめながら。

 

「もうちょっとだから、我慢しよう、ね?」

 

「はいであります。

……りゅーは我慢できる、よい子なのでありま……ふみゅうっ!?」

 

「りゅーちゃん!?だいじょうぶ?」

 

いきなり、りゅーちゃんが姿勢を崩してその場にひっくり返った。

地面は平らで、躓きそうな突起などはその場にないのに。

 

「……いたた、であります。……はっ、ルナ、ライラモンの料理が!」

 

「え?……ああっ!」

 

いつの間にか両手に抱えていたはずの料理が、無くなっていた。

りゅーちゃんの分だけでなく、私の分まで。

慌てて回りを見渡すと、小さなデジモンが大きな荷物をもってふよふよと飛んでいる。

 

「……っ、泥棒、待ちなさい!」

 

「待つ出あります!りゅーのごちそうを返すであります!!」

 

いや、りゅーちゃんだけの分じゃないからねと心の中で突っ込みを入れながら。

そのデジモンとの逃走劇が始まった。

 

■□■

 

泥棒デジモンの情報をデジヴァイスで確認する。

 

どうやらララモンと言うらしいそのデジモンの移動速度はやたらと速い。

さらに小さいため、辺りの桜の木々に紛れて、時折見失いそうになる。

何とかりゅーちゃんとふたりで追いかけているものの、このままでは逃げられてしまうのも時間の問題だろう。

 

「このままじゃ、逃げられちゃう……何か方法は……あ、すみませんそこの人!

ララモンを捕まえてください!!!」

 

咄嗟に、私はララモンが飛んでいった先に見えた人影に助けを求めた。

……助けを求めた、のだけれど

 

「……え?えええ??えと、どーしよう、お兄ちゃん?」

 

「くも、危ない!」

 

助けを求めた相手は……思ったよりも小さかった。

これが、私たちとくもちゃん・望くん達との出会いだった。

 

□■□

 

「離せYO!」

 

くもちゃんと望くんの流れるような連携により、ララモンを無事に捕まえる事ができた。

何だか煩く騒いでいるけれど、気にしない。

とりあえず、一晩くらいその辺りの木に吊しておいて、明日くらいに解放してあげることにした。

 

「ありがとうございます。助かりました」

 

「ううん、困ったときはおたがいさまだよ。

ね、お兄ちゃん?」

 

くもちゃんの隣で、望くんが頷く。

……頷くんだけれど、視線はじっとりゅーちゃんが抱えている料理へ向けられている。

くもちゃんたちも料理を手にしているみたいだけれど、どうも私が買ったものとは種類が違う物だったらしい。

 

「ルナお姉さんの持ってるのも、おいしそうだね」

 

望くんの視線に気づいたのか、くもちゃんがしゃがみ込んでりゅーちゃんのもつ料理を見ている。

りゅーちゃんは、両手で料理を抱きしめている。

どうやら二度と落とすつもりは無い、という意思表示らしい。

 

「もしよかったら、一緒にお花見しませんか?

他にも何人か誘っていますけど料理もたくさんあるので、それでよければごちそうしますよ」

 

「ほんとう?……じゃあ、一緒に行く!」

 

小さなかわいい同行者達が出来た。

私たちは改めて、ギルくんのお勧めスポットへと向かうことにした。

 

■□■

 

 

「ルナ、遅かったけど、何かあったの?」

 

「お待たせしてごめんなさい、ハウンドちゃん。

……ちょっとララモンにいたずらされて、ね」

 

「ああ、ランダムイベントに当たったのね。お疲れさま」

 

あらかじめ場所を連絡していたため、ハウンドちゃん達が先にシートを敷いて待っていてくれた。

謝りながらその上に料理を広げる。

ハウンドちゃんもいくらか持ってきてくれていたようで、色とりどりの料理が並んでいく。

くもちゃんの料理も預かっていたため、一緒に並べる。

いまはデジモン達と近くで遊んでもらっている。

……摘まみ食いしそうな子が、何人もいたためだ。

 

「よし、これで大体セッティングは完了ね」

 

「はい、じゃあ皆を呼んで……」

 

ようやく大量の料理と取り皿、箸と飲み物の準備が終わった。

くもちゃんたちを呼ぼうと立ち上がろうとしたのだけれど。

 

「そろそろ食べても良いでありますか!?」

 

「ハナもたべるー!」

 

見計らったかのように帰ってきたパートナー達に苦笑が浮かぶ。

くもちゃんも向こうから走り寄ってくる。

 

小さなお花見の宴がはじまる。

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○月×日 ある日のルナの日記より、抜粋。

 

ハウンドちゃんとお花見の約束をしたので、料理を準備するためアルバイトをした。

ギルくんに教えてもらったお花見スポットに向かう途中、ララモンが料理を盗まれてしまった。

たまたま通りかかった、くもちゃんに助けてもらって取り返すことができた。

お礼として、皆一緒にお花見をして、とても楽しい一日だった。

 

説明
ぎりぎり……セーフ?
女の子たち皆で集まって、お花見出来たらすてきですよね!

こちらのイベント企画に参加しています。
お花見企画元【http://www.tinami.com/creator/profile/16609】

お借りした皆様
ハウンドちゃんとハナちゃん
【http://www.tinami.com/view/375178】
くもちゃんと望くん
【http://www.tinami.com/view/257647】
うちのルナとりゅーちゃん
【http://www.tinami.com/view/260696】

デジナミ企画元
【http://www.tinami.com/view/236070】
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コメント
ふおおおお!!!ルナちゃんとハウンドの素敵な絡みありがとうございます…!!ますますルナちゃん連れ回したくなって来てしまう…!!しかもくもちゃんとのつながりがこれで出来ただと…!!(リィ@デジナミ交流楽しす!)
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