亡き王女のためのパヴァーヌ |
説明 | ||
フランスの作曲家モーリス・ラヴェル(1875年3月7日 - 1937年12月28日)作のピアノ曲(後に、ラヴェル自身の手で管弦楽曲に編曲)。 今でこそ名曲として知られる「亡き王女のためのパヴァーヌ」だが、ラヴェルは生前この曲を若書きの習作として嫌悪したという。 そのラヴェルは、晩年深刻な記憶障害に悩まされた。さらには、交通事故の後遺症による脳の障害が加わり、晩年のラヴェルは言葉を発するにも難渋し、ついには頭のなかに鳴り響いている音楽をただの一音符も譜面に記せなくなった。 「オーケストレーションの魔術師」と謳われた栄光の時代は遠くすぎ去り、今や脳に重度の障害をおった哀れな老人と成り果てたモーリス・ラヴェル。 最晩年のある日のこと、老ラヴェルはふと花園に立ち込める朝霧のような優美で幻想的な旋律を耳にした。それが「亡き王女のためのパヴァーヌ」だった。ラヴェルは、かつて自分があれほど嫌悪した若書きの習作を聞き終えると、うっとりとした顔つきでこうつぶやいたという。 ――なんて美しい曲だ。誰が書いたんだろう―――――― この曲にまつわる有名な逸話。おそらくはつくり話でしょうが、それでも真実と信じたくなる儚くも美しい物語。 |
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