恋姫英雄譚 鎮魂の修羅2
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ここは、荊州の長沙

 

今日は、生憎の空模様で降水量50ミリを超えんとする大雨だった

 

その飛礫は地面を抉り、木々を揺らし、小川を濁流へと変える

 

???「ぐぅ・・・・・この俺としたことが・・・・・こんな些細な事で・・・・・」

 

その大雨の中、一人岩陰でうつ伏せ状態となっている女性がいた

 

???「いくらなんでも・・・・・先走りし過ぎたか・・・・・」

 

この女性は、土砂崩れに左腕を巻き込まれそのまま抜けなくなってしまっていた

 

???「痛っ!!・・・・・どうやら・・・・・完全に折れているみたいだな・・・・・」

 

巻き込まれた腕から伝わってくる激痛に意識を持っていかれないようにするだけで精一杯だった

 

???「拙いな・・・・・意識がぼやけてきやがった・・・・・」

 

腕が折れている上にこの大雨、体力はみるみる衰えていく

 

バシャバシャバシャ

 

そんな中、数の人の足が踏み飛ばす音が近づいてくる

 

???「・・・・・味方なら・・・・・いいんだがな・・・・・」

 

僅かな天運を信じ、物陰から現れる人物は

 

「あっ!いたぞーーーーー!!孫堅だーーーーーー!!」

 

???「・・・・・・・・・・くっ」

 

どうやら天運にも見捨てられたようだ

 

その兵は自軍の者ではない

 

「急いで黄忠様に・・・・・あ、待て!!その必要はないみたいだな」

 

「おお、あの孫堅がなんとも情けない姿を晒しているな」

 

「ああ、これなら俺達でもなんとかなりそうだな」

 

「あの江東の虎を討てば一気に昇進だ♪良ければ将軍になれるぜ♪」

 

???「・・・・・三下共め・・・・・」

 

「・・・・・それにしても・・・・・」

 

「ああ・・・・・(ゴクリ)」

 

兵達は、孫堅の姿を見て喉を鳴らす

 

左腕を岩に挟まれ体を前かがみにし、その反則的な魔乳が強調され、雨に濡れた服はもとから周りの視線を集める容姿を更に艶っぽくさせる

 

そのグラマラスな肉体は、牡を欲情させるには十分過ぎる魅力を持っていた

 

???「寄るな・・・・・この体は、ゲスの好きにしていいほど安くはない・・・・・」

 

今出せる最高の殺気を放ち、獣のような目で兵達を睨む孫堅

 

「お〜〜お〜〜怖え〜〜怖え〜〜、だがそんな目をしたって怖くもなんともないぞ」

 

???「黙れ・・・・・そんなに叩っ切られたいようだな・・・・・雑魚共が・・・・・」

 

残った右腕で左腰に差してある剣、南海覇王を抜こうとするが

 

???「ぐううう!!!」

 

その途端左腕が悲鳴を上げ、再び右腕を地に付ける

 

「くくく♪あの江東の虎もこうなっちまえば只の牝だぜ♪」

 

「一応押さえつけとけ、相手はあの化物孫堅だからな」

 

「へへ♪どんな声で鳴いてくれるのか楽しみだぜ♪」

 

???「・・・・・・・・・・」

 

これだけ体力が弱っている状態で犯されれば、それだけで死んでしまうだろう

 

孫武の血を引く者としては、あまりに屈辱的かつ情けなく無様な死に様である

 

そんな辱めを受けるくらいならいっそ舌を噛み切って自害してやろうと思ったその矢先

 

???「はあああああああああ!!」

 

ドカドカドカドカ!!!

 

「ごっはああああああああ!!!!!」

 

突然目の前の敵兵達が吹っ飛ぶ

 

華佗「おいあんた!!・・・・・これは酷いぞ・・・・・」

 

一刀「怪我をして動けない女性に・・・・・15人だ?随分と低俗なんだな荊州の兵ってのは」

 

「いってててて・・・・・くっそ〜〜〜、増援か・・・・・」

 

孫堅「・・・・・・・・・・」

 

自分に寄り添っている赤髪の男、そして敵兵の前に立ち塞がっている腰にひと振りの剣を刺した男

 

この二人は、どう考えても自軍の者ではない

 

そう、今の一刀は北郷流無刀術の戦闘装束を身に纏っていた

 

一刀「お前らは兵士として基本的な三つの事も教わってないのか!!!?一つ、田畑を荒らしてはならない!!!二つ、物を略奪してはならない!!!そして最後に、女性を襲ってはならない!!!」

 

???「・・・・・・・・・・」

 

随分な正論を並べる男だが、その気迫は本物だった

 

「はっ!!綺麗事を言うな!!」

 

「大体そいつは敵の総大将だぞ!!首を取って何が悪い!!?」

 

一刀「こんな綺麗な人が孫堅な訳ねーだろうがーーーーー!!!!」

 

ドガドガドガドガドガドガドガドガ!!!!

 

「「「「「ごはあああああああああああああああああああああ!!!!!!」」」」」

 

そして、兵士達は一撃で気を失わされてしまった

 

一刀「ったく!孫堅と劉表の馬鹿みたいな戦に巻き込まれて、ここに住んでいる人達はいい迷惑だってのに!」

 

???「・・・・・・・・・・」

 

一刀「華佗、そっちはどうだ?」

 

華佗「この岩をなんとかしなければ、治療もできない」

 

???「華佗・・・・・そうか、お前があの神医として有名な・・・・・」

 

華佗「喋るな、体力が減るぞ!」

 

一刀「土砂崩れか、だけどここの岩さえ持ち上げれば・・・・・ふっ!!!」

 

全身に氣を纏い、渾身の力を込めて自分の身丈以上の大岩を持ち上げる一刀

 

???「っ!?・・・・・(相当な功夫(クンフー)と氣の錬度だな)」

 

華佗「よし!もういいぞ!一刀!」

 

岩に挟まれた左腕が抜け孫堅は華佗にもたれかかる

 

そして、雨に濡れないように、一番近くの木陰に女性を移動させる

 

華佗「あまり動かすことはできない、ここで我慢してくれ」

 

???「ああ・・・・・贅沢は言わん・・・・・」

 

一刀「・・・・・冷たい、体が冷えきっている・・・・・ふっ」

 

フオオオオオオオオオオオ

 

???「・・・・・暖かいな・・・・・」

 

自らの氣を送り込み体温と体力の低下を防ぐ

 

一刀「・・・・・これは酷いな」

 

華佗「ああ・・・・・複雑骨折もいいところだ・・・・・」

 

女性の左腕は、肩から指先にかけてありえない方向に捻じれ折れ曲がっていた

 

???「・・・・・俺の腕は・・・・・どんな状態だ・・・・・」

 

華佗「これは・・・・・いくら五斗米道でも完全に治すことはできない・・・・・これだけ変形していては、元の形にも戻せない・・・・・」

 

???「・・・・・そうか・・・・・まあ、分かっていたことだがな・・・・・」

 

この腕は二度と動かすことはできない、分かっていた事とは言えその声は悲しい色を含んでいた

 

一刀「・・・・・華佗、より強力な氣を使えば元に戻すことはできるのか?」

 

華佗「え・・・・・ああ、理論的には可能だ・・・・・だがこれだけの傷を完全に癒す氣力なんて俺は持ち合わせてはいない」

 

一刀「なら華佗、俺とお前と同時に五斗米道を打ち込めばなんとかなるんじゃないか?」

 

華佗「無茶を言うな!一刀の氣の強さは知っているが、たとえ俺と一刀の氣を合わせてもこれだけの怪我を治すには遠く及ばない!それに一刀の五斗米道はまだまだ未熟だ!」

 

一刀「氣にかけては心配はいらない、俺にはとっておきの裏技があるからな」

 

華佗「裏技だって?」

 

一刀「針を打ち込むのは華佗に任せる、俺は華佗に氣を送るからそれを五斗米道に変換してくれ」

 

華佗「何をする気なんだ?」

 

一刀「話している暇はない、早くしないと腕が腐ってしまうぞ!」

 

華佗「・・・・・分かった」

 

手甲から針を取り出し、女性の腕に集中する

 

華佗「はあああああああああ!・・・・・」

 

一刀「ふううううううう・・・・・」

 

鍼に力を込めている間に一刀は腹に力を込め集中する

 

一刀「・・・・・回天丹田!」

 

氣のリミッターを外し薄皮一枚まで絞り込み羽のような氣の粒子が舞う

 

そして、後ろから華佗の背中にそっと触れた

 

華佗「っ!!!?(これは凄い!!これならどんな病魔にも負ける気がしない!!)」

 

???「っ!!!?(凄まじい氣だ!!これほどの氣力は感じたことがない!!)」

 

華佗「我が身、我が友と一つなり!我らが金鍼に全ての力、賦して相なるこの一撃、輝けぇぇ!賦相成・五斗米道ーーーーーーー!!!」

 

ピシャーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孫兵「駄目です!!!どこにも見当たりません!!!」

 

???「これだけ探しても見つからないなんて・・・・・冥琳!!捜索部隊を増やして早く大殿を探し出しなさい!!!」

 

冥琳「分かっています!!粋怜殿!!・・・・・雪蓮!!お前の勘はこういった時こそ役に立つべきだぞ!!」

 

雪蓮「そんな都合のいいこと言わないでよ!!あたしの勘はそこまで万能じゃないわよ!!も〜〜〜母様ったら、いくらなんでも先走りし過ぎよ!!祭、母様がどっちに向かったか分かる!!?」

 

祭「堅殿ーーーーーー!!!!どこに行かれたのだーーーーーー!!!!???堅殿ーーーーーー!!!!」

 

雪蓮「・・・・・あ〜〜〜〜あ、祭が一番動揺しちゃってるし」

 

ここ、孫呉陣地では行方不明の孫堅捜索が急ピッチで行われていた

 

しかし、半刻(1時間)経っても手掛かり一つ掴めなかった

 

???「ようやく雨が上がったね、大殿今参りますね・・・・・私は南を探すわね!!雪蓮は西をお願いね!!」

 

雪蓮「分かったわ!!梨晏も母様のことお願い!!」

 

???「お〜〜〜〜いお前ら♪帰ったぞ〜〜〜〜♪」

 

その時、爽やかな笑顔で後ろに二人の男を引き連れた自軍の総大将が帰ってきた

 

雪蓮「母様!!!?」

 

梨晏「大殿!!どこに行ってたんですか!!?」

 

祭「堅殿〜〜〜〜〜!!!堅殿堅殿堅殿堅殿堅殿堅殿〜〜〜〜〜!!!!!」

 

無事な自分の盟友の姿を見るなり涙を流しながら抱きつく祭

 

炎蓮「おいおい祭、俺が死ぬわけねえだろ、大げさだぜ」

 

冥琳「炎蓮様、後ろの二人は何者ですか?」

 

炎蓮「実はな、勢い余って敵陣に切り込んだまでは良かったんだが、その時左腕を土砂崩れに巻き込まれてしまったんだ」

 

「!!!??」

 

炎蓮「んで危うく敵兵に討ち取られそうになった時に、この腰に刀を差した奴に助けられて、その後二人で俺の腕をここまで見事に直してくれたんだ♪」

 

左腕をブンブンと振り回し、絶好調をアピールする炎蓮だったが

 

雪蓮「ちょっと母様!!!?」

 

炎蓮「な、なんだよ・・・・・」

 

粋怜「左腕を負傷したですって!!!?ちょっと見せてください!!!」

 

炎蓮「だから治してもらったって言ってるだろ!」

 

冥琳「そういう問題ではありません!!!もしその時に討ち取られていたらどうするつもりだったのですか!!!?」

 

炎蓮「結果良ければ全て良しだろ、こうして戻ってきたんだからさ!」

 

祭「ですから、そういう問題ではないと言っとるのです!!!」

 

華佗「あっははははは♪・・・・・あれだけ皆に慕われている総大将も珍しいな♪なあ一刀♪」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

華佗「?・・・・・どうしたんだ、一刀」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

冷静になって周りを見回す一刀

 

ここはどう考えても軍の陣地、しかもその内に堂々と翻る孫の牙門旗

 

女性だから何かの間違いだと思っていたが、辺りは兵士達の死体が散乱し血の匂いが充満し、家屋が焼き焦げる匂いが立ち込める

 

この有様は、やっていることは、史実の孫堅と変わらない

 

粋怜「おっと、だいぶみっともないところを見せてしまったようね・・・・・私の名は、程徳謀、孫堅軍の筆頭軍師を勤めているわ、うちの大殿を助けてくれてありがとう」

 

祭「ワシの名は黄蓋じゃ、堅殿を助けていただいて感謝のしようもない」

 

雪蓮「あたしは孫策、母様を助けてくれて本当にありがとう」

 

梨晏「私は、太史子義だよ♪」

 

冥琳「私は周瑜公瑾、炎蓮様を助けていただき感謝する」

 

炎蓮「そして俺が、こいつらを率いている総大将の孫堅だ♪」

 

華佗「え!!!?あんたがあの江東の虎の!!!?」

 

祭「なんじゃお主ら、気付いとらんかったのか?」

 

華佗「ああ、今初めて聞いた・・・・・」

 

炎蓮「どうだ♪驚いたか♪」

 

一刀「・・・・・そうですか」

 

炎蓮「?・・・・・随分と冷めた反応だな、俺もお前らを驚かせようと思って黙っていたのによう」

 

一刀「そんな事はありません、驚いていますよ・・・・・では、失礼します」

 

梨晏「あ、ちょっと!!せめてお礼くらい受け取っていってよ!!」

 

一刀「いいえ、結構です・・・・・華佗、行こう」

 

華佗「あ、ああ・・・・・」

 

そして、颯爽と踵を返し、一刀は去って行き、華佗も戸惑いながらもついていった

 

梨晏「・・・・・なんだか、感じ悪い人だったね」

 

冥琳「そう言うな、炎蓮様がかの孫文台と聞いて報奨を強請らなかったんだ、そう考えれば謙虚さと弁えを持った良い人物ではないか」

 

雪蓮「・・・・・・・・・・」

 

冥琳「?・・・・・どうした?雪蓮」

 

雪蓮「ん〜〜〜〜〜なんかね、あたしの勘は違うって言ってるみたい」

 

祭「そうじゃな、あの目はワシらをいい目で見ているものではなかったわ」

 

炎蓮「う〜〜〜〜〜ん惜しいな、もうちょっと話を長引かせて俺の軍に勧誘しようと思っていたんだが」

 

粋怜「大殿自身が勧誘しようなんて、あの二人相当な腕と思っていいのですか?」

 

炎蓮「ああ、二人共氣の使い手で、かなりの武を持っているぞ」

 

雪蓮「氣の使い手ですって!?」

 

炎蓮「特にあの腰に刀を差した奴の氣は、俺もびっくりするくらいのものだったぜ」

 

祭「・・・・・そういえば、こんな噂を聞いたことはありませんかな、堅殿」

 

炎蓮「ん?どんな噂だ?」

 

祭「益州の巴東に二人組の医者が現れ、病魔に苦しむ民草を無償で癒しているという・・・・・」

 

雪蓮「あ、それ聞いたことあるわ!」

 

冥琳「一人はあの神医と名高い華佗、もう一人は確か・・・・・北郷、と言いましたか・・・・・」

 

梨晏「うんうん・・・・・それに、その地域の山賊や賞金首がどんどん捕まっているって話も聞いてますよ」

 

冥琳「それがあの二人の仕業だとすれば、確かに惜しいことをしましたね」

 

粋怜「・・・・・それはそうと大殿!!これだけ迷惑をかけたのですから、今回の戦は本陣で大人しくしていてください!!」

 

炎蓮「分った分ったってば!・・・・・それより戦況はどうなんだ、あれからだいぶ経ってるみたいだが」

 

粋怜「・・・・・はっきり言って、悲惨もいいところですよ」

 

雪蓮「ええ、母様が先走って行方不明になってくれたおかげでこっちの指揮系統はズタズタよ・・・・・」

 

梨晏「大殿が討たれたという噂が蔓延して、離反する人達が後を立ちませんよ」

 

冥琳「負けているわけではありませんが、勝っているというわけでもありません・・・・・」

 

祭「お互いに被害が拡大するばかりで、勝敗がまるで分からんぞ」

 

炎蓮「が〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」

 

粋怜「だから大殿、これからは勝手な行動は謹んでもらいますよ!!」

 

冥琳「その通りです!!炎蓮様の強さは周知の事実ですが、後始末をするこちらの身にもなってください!!」

 

祭「堅殿の独断専行で、これ以上兵を失うわけにもいかんのです、自重してくだされ」

 

炎蓮「え、え〜〜〜と・・・・・少しは「「「「「いい(わね、ですね、ですな)!!!!!」」」」」・・・・・はい・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

華佗「おい一刀!一体どうしたんだ!?らしくないぞ!」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

質問に答えず、険しい表情をしながらつかつかと歩く一刀に華佗は動揺を隠せなかった

 

華佗「はぁ・・・・・本当にどうしたんだ・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・華佗」

 

華佗「?」

 

一刀「この大陸の太守や将や軍師は・・・・・皆女性なのか?」

 

華佗「いや、そういうわけでもない・・・・・だが比率的に言えば女性の方が多いかもしれないな」

 

一刀「・・・・・そうか・・・・・華佗、俺は今回ほど自分の無鉄砲さを呪ったことはない」

 

華佗「どうしてなんだ・・・・・」

 

一刀「俺は・・・・・俺達は彼女を・・・・・孫堅を助けるべきじゃなかった・・・・・」

 

華佗「・・・・・・・・・・」

 

後悔と自責の念溢れる一刀の言葉に華佗は何も言えなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、劉表陣地

 

 

???「どうだ黄忠、あの忌々しい孫堅のそっ首を落としたのか?」

 

黄忠「・・・・・申し訳ございません劉表様、後一歩というところで討ち損じました」

 

劉表「この能無しが!!!ようやく・・・・・ようやくこれでワシも安心して暮らせると思っていたのに・・・・・」

 

黄忠「・・・・・・・・・・」

 

なんて自分の事しか考えない太守だろう、私利私欲を満たすことしか考えない

 

しかし昔は違った、孫堅がこの荊州を攻め始めた時から歯車が狂い始めてしまったのだ

 

そうなることも分からなくもない、なにせここ1年の間は孫堅の攻撃を四六時中受けているのだ、ストレスが溜まるのも無理はない

 

しかし、劉表はこの荊州の筆頭太守なのである、毅然とした態度をとっていてくれなければ兵の士気に差し支える

 

劉表「こうなったら、なんとしても今日中に孫堅を討ち滅ぼしてくれる・・・・・荊州の全将をここに集結させよ!!!孫呉に総攻撃をかけるのじゃ!!!」

 

黄忠「なっ!!!?お辞め下さい劉表様!!!そんなことをすればこの荊州の守りは完全に崩れてしまいます!!!民たちは不安にかられ、治安も乱れてしまいます!!!」

 

劉表「それがなんだ!!!?そんなものあの孫堅さえ討ち滅ぼせばゴホッゴホッ!!!」

 

言葉を続けようとするも、それは激しい喘息によって打ち消される

 

手で覆い隠そうにも、指の間から血が滲み出る

 

黄忠「劉表様!!!お気をしっかり!!!劉表様!!!」

 

劉表「・・・・・・・・・・」

 

椅子にもたれ掛かり服を血で染め、劉表は帰らぬ人となった

 

黄忠「・・・・・これから、この荊州はどうなっていくの・・・・・」

 

彼女の真名は紫苑、後に劉表に替り荊州州牧となる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皆さん初めまして、そしてサヨウナラ・・・・・

 

なぜにサヨウナラなのかというと、今まで自分はseigouとしてこのTINAMIでずっと作品を投稿してきましたが、これからはSeigouと改名してやっていこうと思います

 

ただ単にイニシャルが大文字になっただけですが、新たな外史、鎮魂の修羅を描いていく上で自分も生まれ変わった気持ちで執筆に取り組んで行きたいと思い、ここにペンネームの変更を宣言したいと思います

 

というわけで!!皆様初めましてSeigouです!!

 

以前皆様に恋姫新シリーズ英雄譚のキャラを作中に取り入れようかどうかご相談しましたが、もうこうなったらヤケです!!!入れられるキャラはじゃんじゃん入れていこうと思います!!!

 

たとえその結果作品が崩壊したとしてもそれはそれです!!!というわけで、今のうちに作品タイトルも変更しておきます

 

しかし、ホームページを見てもまだまだ新武将が出てくるかもしれないので、むやみに執筆をしたら後でえらい目にあってしまうかもしれません、せっかくのゴールデンウィークなのに恐ろしくて執筆出来ませんよ

 

てなわけで、待て!!!次回!!!

説明
自己嫌悪の修羅
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コメント
う〜ん、人としては助けるのが常道、だけど今後の事考えると被害が多くなるから邪道。北郷は自分自身とどう向き合うのか…(はこざき(仮))
生と死が狂演する舞台に立った一刀はこれからも善と悪という、現代的な生温い考えを持ちつづけることができるのか(デーモン赤ペン改めジェームず)
彼の言う『人殺し』を救ってしまったことに対する後悔なのか、歴史の流れ(孫堅の死)を変えてしまったことに対する後悔なのか…。今のところ、前者かな?(孔明)
回天丹田使えるのか〜また無理しそうですな^^;(nao)
戦乱の世に善も悪もなし・・・ただ在るは生か死のどちらかのみ、ということなのですよね(本郷 刃)
全てを救うことなどできはしない…わかってはいても悲しいことですが、それを理解して受け入れなければ、それこそ何も救えなくなってしまいます。その現実を超克してほしいですね。(Jack Tlam)
……これもまた、乱世。そして、北郷少年よ。その考えこそが君が最も忌み嫌い、また英雄達の業でもある『命の取捨選択』その物だぞ?(h995)
今回の話を読んでいて・・・・・「パーソン・オブ・インタレスト 犯罪予知ユニット」season1の『目撃者』を思い出しましたよ。(劉邦柾棟)
人として正しい事をした。 でも、『ソレ』が結果的に最悪な結果になってしまった訳か・・・・・。(劉邦柾棟)
(;−ω−)ウーン別に以前のままでも(オリジナルの真名)良かった気が… まぁそんな事はさておき続きも楽しみにさせて頂きます(黒鉄 刃)
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恋姫英雄譚 北郷一刀 華佗 鎮魂の修羅 

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