酔妖桜 |
説明 | ||
桜Exhibition2014参加作品。 ある満月の晩、助けを求めるように地中から差し伸べられた手のような桜の木に、桜の精は舞い降りた。 桜色の着物をひらひらとはためかせ、手に納まらんとするように枝に絡みつく。 そして木肌を優しく擦ると、哀れな死人が姿を現した。 「そなたの昇天出来ぬほどの悲しみ、癒してやろうぞ」 桜の精は死人の手に杯を取らせると、なみなみと酒をついだ。 「裏切りによる死刑、悦楽に浸る間もなし。 我が身の虚しきこと限りなく、残るは怨恨の想。汝、我を救い給うや?」 死人の枯れた身体に酒が染み渡ると、闇い穴と化してしまった目から涙が零れ落ちた。 桜の精はフッと微笑むと、いつの間にやら飛んできた蝶を指差す。 「あれがそなたを天へ送る。そなたが浮かばれぬままではこの桜は咲かぬゆえな。」 死人が蝶に連れられ昇天すると、桜の精は消え、後には満開の桜が残ったのだった。 ※昨年末から創作用にfacebookを始めてみました!よろしければご覧くださいv https://www.facebook.com/byakuya.takatsuki |
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