九番目の熾天使・外伝 =蒼の物語 刻の幻影= |
CP第一章 第二十四話 「人形達は」
= ??? =
げんぶ「・・・・・・うっ・・・・・」
げんぶは目覚めた。
何が起こったかは解らない。
だが、少なくとも気絶するほどの何かがあったと言うのは紛れもない事実だ。
げんぶ「っ・・・・・ココは一体・・・・・・」
周りは機械的なものが置かれた場所。
開けた場所で、一方を見れば巨大な扉がロックされていた。
こんな施設は見たことも無い。
取り合えず起き上がったげんぶは周りを確認するのだが
げんぶ「・・・・・何処だココ・・・・・・」
「ココは私の研究所だ。」
(BGM”Science Fiction”)
げんぶ「ッ・・・・・!?」
気づけば、扉の前には一人の少女が居た。
桃色の髪に猫耳の様なものを付け、更には尻尾を生やしている。
そんな少女は手に持つキャンディーを舐めながら扉の前にある小さな階段ほ降りて、げんぶに近づいていった。
「始めましてだな、本郷耕也。いや・・・・・
「仮面ライダー」と呼べばいいか。」
げんぶ「なっ・・・・!?」
図星だった。確かに、げんぶの本名は『本郷耕也』で、そして同時に『仮面ライダー』でもある。だが、まだ本人から一度も口にしていないワードであり、更には見ず知らずの少女が先にそう言ったのだ。
当然、げんぶは警戒をするのだが、少女はそれをも読んで、げんぶに言うのだった。
「心配するな。私はお前の敵ではない。まぁ・・・同時に味方でもないがな。」
げんぶ「・・・・どういうことだ。お前は一体・・・・・」
ココノエ「私はココノエ。第七機関の科学者だ。」
げんぶ「第七機関・・・・・ココノエ・・・・・」
ココノエ「元はといえば、お前が来るのを待っていたのだが・・・流石にあそこまで極度の方向音痴の馬鹿だったとは知らなかったからな。勝手だが、お前をココに強制転送した。」
げんぶ「・・・・・・・・・それは・・まぁ・・・・有りがたいが・・・・・お前は一体、何の目的で俺をココに?」
ココノエ「・・・・理由は二つ。まず一つにお前にとって有益な情報を私は持っているから。そして、それが私にとっても、お前にとってもプラスだから。」
げんぶ「情報・・・・だと・・・?」
ココノエの言葉に耳を疑うげんぶ。
正直言えば、げんぶはまだ彼女を信用していない。
敵でもなければ味方でもない。つまり、妙な行動をすれば最悪、殺されるという事だ。
ココノエ「そして、もう一つ。それはお前の探している人物が私にとっても不確定要素であるから。」
げんぶ「・・・・・・・。」
ココノエ「言うなれば共闘してくれという事だ。無論、此方にもそれなりの準備などはしている。」
げんぶ「・・・・・いきなり、そう言われて納得すると思うか。」
ココノエ「・・・正しい判断だ。少なくとも、「アイツ」よりかは・・・ま。アイツは状況が状況だったからな。」
げんぶ(・・・・アイツ・・・?)
ココノエ「・・・・まぁそう言うことだ。ハッキリ言うが、ココでお前がYESかNOかを言わない限り。ココからは帰さんって言うか一生ココで生活だ。」
げんぶ「ッ・・・・・。」
ココノエ「一言で決断するだけだ。私も余りチンタラしている時間も無い。出来るだけ速い決断を頼む。」
ココノエはそう言うと手に持って居たキャンディーを舐め始めた。
時間つぶしのものらしい。
互いに時間が惜しいとき。ならばげんぶの今の答えは唯一つだった。
げんぶ「・・・・悪いが。今はまだ・・・・・・・」
ココノエ「・・・・・そうか。」
げんぶの答えはNOだった。
ココノエはその答えに意義を持たず、素直に受け入れたのだ。
だが、一応の補足は必要だろうと思い、げんぶはその理由も話すのだった。
げんぶ「確かに、もしお前が味方なら、それも良いだろう。だが、俺は今は一人で行動するべきだと思う。」
ココノエ「・・・その理由は?」
げんぶ「・・・・俺の・・・・・・勘だ。」
ココノエ「・・・・・・勘・・・・・」
げんぶ「それに・・・これは俺一人の問題だ。他人を巻き込む理由も無い。」
ココノエ「・・・・・・そうか。解った、ただし。
レリウス=クローバーに注意しろ。奴はお前の全てを知っている。」
げんぶ「レリウス・・・・・?」
= イカルガ レイクサイドポート =
その頃、Blaz達はと言うと・・・
Blaz「・・・・初っ端から最悪だな。」
Blaz達はそんな最悪な相手と対峙していた。そう。
シグナム「・・・旅団の奴か。当たりだな。」
現在、絶賛発狂・気狂い中のシグナムである。
局員達を従えていない所を見ると、どうやら単身で待ち構えていたらしい。
アルト「おいおい・・・・堂々と待ち構えているたぁ・・・衛士達は何してんだか・・・」
鈴羽「多分、アレじゃないかな・・・・」
鈴羽がそう言ってシグナムの後ろを指差す。
其処には全滅した衛士達が倒れており、どうやら暇つぶしの相手にされたそうだった。
ニュー「うにゅう・・・あのひと、心が荒れてる・・・自分の心も・・・燃やそうとしているよ・・・」
Blaz「・・・心よりも目みりゃ解る位、殺気立ってるぜ。」
シグナム「・・・・・・・旅団メンバーが一人と・・・女子供が三人か。舐められたものだな。私とレヴァテインも。」
鈴羽「Blaz。ココは私が・・・・」
アルト「いや。久しぶりにアタシが相手にするよ。」
鈴羽「えっ・・・でも、か・・・・違った・・アルト・・・!」
アルト「大丈夫。獣兵衛のおっちゃんにしごかれてるから。」
Blaz「・・・師匠のお墨付きなら大丈夫な筈だ。」
鈴羽「あははは・・・やっぱり?」
Blazはアルトの肩に手を置き、耳元でアルトへとささやいた。
最低限の応援という事で。
Blaz「ヘマすんなよ。」
アルト「大丈夫だ。あのゴリラよか手ごたえは無いと思うが、苦労する相手でもなさそうだしな。」
余裕そうな表情に少し苛立つシグナム。
怒りで拳に力を入れ、手に血が流れる。
シグナム「良いだろう・・・・その言葉・・・後悔するなよ。」
アルト「・・・・・どうだか。」
Blaz「んじゃ頼むぜ。」
そして、Blazはアルトの肩を叩き、別方向からイブキドへと向かうのだった。
残された二人は対峙し、シグナムは周りへと炎を発生させ、殺気と共に全てを燃やしていたのだ。だが、対するアルトは平然としており、寧ろ熱さを感じていないようだった。
アルト「・・・・・アンタの魂・・・ヒドイな。ロックでもへヴィでもない・・・ただの絶叫。無茶苦茶に破壊する、ただの暴走狂だ。」
シグナム「・・・・・・・・・・。」
アルト「正直、ココで出会ったガキんちょ達の方が、いい音出してたぜ。下手だけど・・必死に歌っていた、アンタとは大違いだ。」
シグナム「・・・・・・・意味の解らぬことを・・・・・」
アルト「・・・傍からみりゃそうかもな。けど、解るやつには解る。相手の魂って奴がな。」
刹那。アルトはそう言うと背中に背負っていた、包帯で巻かれた大きな棒を右手で軽々と持ち出した。そして、一気に包帯を巻き取ると、其処には
シグナム「・・・・・槍か。」
そう。全体は白く、刀身部分は三角で刀身自体はオレンジだった。
蒼をメインとした長い杖の所とは裏腹に、刀身部分は総じて大きく、見た目からすれば、六課のエリオのストラーダに杖向きにも少し尖っている場所があるような感じと言えばただろうか。
アルト「まぁな。アタシ専用の武器で、正直これがしっくり来るんだよ。今も昔も・・・」
シグナム「・・・・・・御託はいい。先ずはお前を斬る。ただそれだけだ。」
アルト「・・・・・・。ま、出来ればな。」
シグナム「・・・・・餓鬼が・・・・!」
アルト「・・・・さぁ・・・・・・『((GET DOWN TO BUSINES|仕事を始めようか))』。」
= STAGE : カザモツ・レイクサイドポート =
= アルト VS シグナム =
= BGM : GET DOWN TO BUSINES =
THE WHEEL OF FATE IS TURNING
REBEL1
ACTION!
シグナム「ハァッ!!」
先制攻撃を仕掛けようとシグナムが一気に仕掛ける。
最初から殺す気でいる。その証拠に、アルトからは解らないと思うが、非殺傷を解除しているのだ。
しかし。アルトにそんな事は関係が無い。寧ろ、それが当たり前なのだ。
アルト「そいよっと!」
アルトは槍で軽くシグナムの剣を受け流す。
そして、左足で蹴りを入れ、シグナムは蹴りで飛ばされる。
だが、それをアルトは不審に思った。
余りにあっさりとしていたからだ。つまり。
アルト「・・・・受け流したか・・・」
わざと受けてたが、飛ばされた方向に身体を動かし、ダメージを軽減させたのだ。
それを知っても知らずも、シグナムは関係なく、剣を持ってあるとへと急接近したのだ。
アルト「っうおっ!?」
荒々しくも規則と理に適った攻撃がアルトを襲う。
だが、それをアルトは軽々と回避し、受け流す。
シグナム「ッ・・・・!」
アルト「ほいほいほいッ!」
ペースが段々とアルトのペースになっている。
積極的に攻めているシグナムにも解ることだった。
だが、自分が一方的に攻めているのに、どうして?
シグナム「クソッ・・・貴様、何をしたッ!!」
アルト「あ?」
アルトが剣を一気に振り払って距離を取る。
シグナムは剣を構えつつ警戒する。僅か数分だというのに意気が荒れ始めている。
対してアルトも警戒はしているが、シグナムとは違い、息は上がっていない。
戦いが始まる前と変わらず、呼吸は整っている。
アルト「・・・・・・何も。アンタが後先考えずに剣ぶん回しているから、余計に体力減らしたんだろ?」
シグナム「ッ・・・・・!!」
アルト「・・・・逆ギレかよ・・・・・全く・・・」
シグナムの逆ギレに呆れ、アルトはため息を吐く。
呆れてものも言えない。まさにこの事だ。
アルト「・・・・時間が惜しいな。さっさとケリつけるか。」
シグナム「いいだろう・・・・・直ぐに黒コゲにしてやる・・・・!」
逆ギレ状態のシグナムは五つのカートリッジを消費する。
レヴァテインの刀身からマグマの様なドスの色も入った炎が全身から吹き出る。
その炎は無差別にあらゆるものを燃やし、あまつさえシグナム自身も燃やしていたのだ。
アルト「・・・・・・!自分の身体もかよ・・・・」
シグナム「我が身体か主の為・・・その為なら、命すら投げ出す覚悟だ・・・・!」
アルト「騎士道・・・・見事に外しているな。こりゃ急いでケリつけるか。」
シグナム「ほざけ・・・・・寝言はあの世で言えッ!!」
刹那。シグナムは炎の衝撃波を地面に叩きつけて放つ。叩きつけられた地面はメルトダウンしたかのように燃え上がり、炎の衝撃波は一直線にアルトへと向かっていった。
アルト「わりかしマジなんでね。」
しかし。アルトは紙一重でジャンプして攻撃を回避したのだ。
それにシグナムは反撃しようとするが、先程の一撃で身体の反応が遅れたのだ。
シグナム「なっ・・・・・・!」
アルト「んじゃ先ずは・・・・!」
そして、アルトは槍を振るい、シグナムの身体へと攻撃を当てる。
一撃が重かったのか、シグナムは体勢を崩し、一歩二歩と後ろに下がる。
アルト「1.Beatッ!!」
シグナム「ぐっ・・・・!!」
アルト「まだまだっ!!」
槍を軽々と振るい、二回目の攻撃を入れるアルト。
蹴りで少し後ろへと下げ、其処から槍で右腕へと攻撃する。
アルト「2.Beatッ!!」
シグナム「ガッ・・・・!」
アルト「んじゃ、とっとと極めますかッ!!」
術式がアルトの足元に展開される。
やがて魔素のエネルギーが槍の刀身へと集束され、刀身部が二本になった。
そして、その槍をアルトはシグナムへと突き刺したのだ。
アルト「2.Beat”ツイン・ランス”ッ!!」
槍の一撃がシグナムへと当たり、衝撃が身体へと伝わる。
だが、それだけでは終わらなかった。
ギャンッ!ギャンッ!
シグナムの身体から、何かが爆発したかのように衝撃が走り、更にダメージが加速した。
その衝撃はまるでギターの音の様で、何がどうなっているのかとシグナムは唖然としかできなかったのだ。
シグナム「がっ・・・・がはっ!?」
アルト「・・・・・これで終わりだ。」
シグナムは全身から血を出し、地面へと叩きつけられた。
身体はいう事も聞かず、意識が少しずつ薄れていくのだった。
DISTORTION FINISH
シグナム「ぐっ・・・・・ごほっ・・・・・」
アルト「・・・内臓とかは外した。ま、悪いが右肩に少しダメージを行かせたから、しばらく力ははいんねぇと思うぜ。」
シグナム「なっ・・・・・・・」
アルト「んじゃな。アタシも急いでいるから。」
アルトはそう言い、槍を包帯で巻き背中に差すと、その場から立ち去った。
残ったシグナムは地面に大の字で倒れたままで、しばらくそのままの状態だった。
シグナム「・・・・何故だ・・・・・なぜ勝てん・・・・・・」
ココに来て負け続けているシグナムは、空に向かってそういった。
何故、勝てないのか。自分は主の為に戦っているのに。あんな無法者達や、裏切り者達に何故負けるのか。
守るべきものがある物こそ強い。それは自分だって知っている筈なのに。
シグナム「・・・・・・力だ・・・・・・・私に・・・・・・・力を・・・・・・」
その言葉を待っていたかのように、ある人物は笑みを浮かべたのだった。
レイチェル「・・・・歯車は・・・狂い始めた様ね。」
クライシス「試される者達。
破界の力を宿す存在
己を偽り続けた存在
創られた、守護者
そして。蒼を手に入れてしまった
『人外』。」
在るべき物語は崩れた。
それは破滅へと向かうのか。それとも希望へと向かうのか。
それはまだ誰も知らない。それが観測者達であっても。
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キミノオトハ、ドンナオト? イメージソング OP2「BLUE SANCTION」 BLAZBLUE -CHRONOPHANTASMA- より ED2「W-B-X 〜W-Boiled Extreme〜」 仮面ライダーW より |
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