北郷一刀の外史紡ぎ二篭 第九話 |
北郷一刀の外史紡ぎ二篭 第九話― 一時の休息
俺達はそのまま炎蓮さん(蓮華が許してるなら構わん!とのこと)と共に寿春に戻り蓮華は喜びに涙を浮かべ、思春はよくご無事で、と生還を祝福し、大殿、また酒を飲み交わしましょう。と呑みの約束を交わしたりしていました・・・が。
蓮華「母様・・・一刀達の戦闘の邪魔をしようとしたとの報告は本当ですか??」
炎蓮「ん?邪魔?な、何の事だい??」
蓮華「ふふふ・・・聞いてますよ?守りに徹するのが・・・なんて言いましたっけ?憶病風??なるほど、ご自身が何故黄祖の罠に掛かる切っ掛けになったかお忘れと思いますが・・・ちょっと裏まで来てください。イイデスネ?」
炎蓮(蓮華・・・強くなって・・・あの人に似てきてお母さん嬉しいよ・・・グスン)
玉座の間の裏に引きずって行って俺と同じ説教を俺の倍の時間していた。俺はそれを見ないふりをして明命の報告を聞いていた。
明命「一刀様、張角達の居場所ですが・・・おそらく現在は幽州ですが、張梁については別行動中らしいです。この付近で動きがある情報がありました。」
一刀「なら捕らえるか。明命、もっと詳しい情報を頼む。」
明命「はい!」
元気な返事と共に明命は情報収集の任務を開始した。
一刀「今日は非番の粋怜さん・・・その酒瓶は?」
粋怜「へ?あ・・・」
思春「粋怜様は酒盛り中だったらしい。」
一刀「・・・粋怜さん。朝からですか?」
粋怜「な、なんだよ!悪いかよ!!私の楽しみなんだよ!!」
二人「「はぁ。なんでこんなに残念なんだ。」」
粋怜「酷い言われようだ!?」
最近俺と思春は息が合う。とてもうれしい限りである。
炎蓮『ま、待て蓮華。それはシャレにならん。冥琳と梨晏の説教に包を控えさせるのは止めてくれ!!さすがの私でもそれは堪える・・・って蓮華?なんだその縄は・・・へ?逃げないように縛る??逃げない、逃げないからそれはやめ・・・ひゃぁぁぁぁぁ!!!』
何やらかわいらしい悲鳴が聞こえるが・・・炎蓮さんの印象が大きく変わってしまったのは言うまでも無いな。
その後、炎蓮さんは華陀と共に建業へと出発した。しかし蓮華・・・どこで亀甲縛りを知ったのですか?
蓮華「七乃、あれは良いな。縛ればもはや抜け出せないどころかもがけばもがくほど絞まるとは。」
七乃「お役に立って何よりです。一刀さんもきっと喜びますよ。」
蓮華「か、一刀にか!?わわわ、私はその・・・まだ・・・ゴニョゴニョ」
七乃「初々しいですね〜」
七乃の仕業でした。うん、後で亀甲縛りの上ワザと締め上げて放置してやろう。そうしてやろう。結璃ならきっと・・・
結璃「蓮華さん私達と一緒に一刀君を縛りあげましょう?きっと興奮しますよ〜」
・・・よし、しばらく俺は旅に出よう。此処に居たら変な趣味に目覚めてしまう。
思春「安心しろ北郷。私が守ってやる。//////」
一刀「思春・・・」
思春が優しいです。ホロリ。
思春「だ、だから明日は私と街でお茶でもしよう。」
一刀「ああ、いいよ。行こうか。」
こうして俺の明日の予定はデートと相成りました。
思春(蓮華様、お先に失礼します!)
一刀「ん・・・ふあぁぁぁぁ」
大きな欠伸を上げながら寝床から起き上がり、すぐにそばに置いてあった水差しから直接水を飲む。
一刀「えっと・・・今日は休みだから・・・そう・・・思春と・・・」
まだ日は昇り切っておらず、窓から見える空は白んでる程度である。
一刀「ん・・・眼鏡眼鏡・・・」
寝起きの目をこすりながら中学のころからの相棒である眼鏡を探し当て装備。視界が鮮明になる。
一刀「ん〜〜〜〜〜!!」
大きく背伸びをしながら立ち上がり、壁に掛けてあった太刀(銘は無し)を手に取る。
一刀「ん〜、もうちょっと強度とか欲しいよな〜」
まだ試作段階の太刀に愚痴をもらしながら、まずは顔を洗って日常となってる朝の鍛錬だ。
一刀「ん?先客かな?」
いつも鍛錬をしている中庭に、人影が見える。よく目を凝らすとそれは思春だった。
一刀「あれ?思春。今日は如何したの?」
思春「ん・・・ああ。今日は北郷と一緒の日だからな。朝からでもいいかと思って・・・迷惑だったか??」
一刀「そんなことないよ。一緒に鍛錬しよう。」
そう言って俺はまずは準備運動を始めた。
思春「/////////」
思春はちょっと目を逸らしてる。どうしたんだろう?準備運動しないと怪我するよ??
そう思いながら思春も軽くストレッチし始めたので突っ込まない事にした。
思春「よし、往くぞ北郷。」
一刀「おう、こい!」
思春「ふっ!」
ヒュン!
後ろ手から横一線の斬撃をまずは何なく俺は避けて見せる。
一刀「と・・・はあ!」
フォン!!
そこからすかさず袈裟切りで反撃に移る。
思春「ぬ・・・せ、は、しぃ!!」
ヒュヒュ、フォン!!
それをよけた思春はクロスの斬撃フェイントから横一線の斬撃を放ってきた。
一刀「よとと・・・は!せい!りゃぁぁ!!」
ヒュン、ブォン、ボウ!!
タイミングをずらしながらもそれを避けながら突き、斬り払いからの唐竹割りを放つ。
思春「ぬ、くぅ、うぅ!!」
スッ、ザザァ、ギィン!!
一刀「止まったな!!でぇぇぇぇぇい!!!」
ヒュヒュヒュ!
思春「ぐうぅぅぅ!!ぬあ!!」
ギギギギギ!ギャイン!!
俺の連撃に思春の鈴音が弾かれ、後ろに刺さる。
思春「く・・・私の負けだ。さすがだな北郷。」
一刀「いやいや、あの虚撃は俺も焦ったよ。」
俺達は汗を拭きながら互いの良かった点、悪かった点を確認しあった。
その後、着替えをする為に別れた俺達は城の正門前で待ち合わせをして出発した。
一刀「思春〜。」
思春「北郷か。」
どうやら思春の方が早く来てたらしい。待たせて申し訳ないなと思いながらも、過去彼女が言った言葉を思い出した。『お前を待たせるより、私が待っていてお前が来る時の一挙手一投足を記憶に焼き付けたいんだ』と言われたのを思い出した。すごく嬉し恥ずかしかったのを覚えている。
一刀「お待たせ〜」
思春「では行こうか。」
一刀「まずは朝飯だな〜」
と、言うのも城での朝飯はまだ早く厨房で何か軽くと言っても本当に軽くだから、むしろ食べないで外で食べたほうが腹もちは良いのである。ここ最近の寿春も治安向上により早朝から深夜までやってる店が多くなってきているが故に出来る事でもある。
思春「そうだな・・・最近できた定食屋が朝からやっていたはずだが?」
一刀「そう言えばそんなのが出来てたな。じゃ、そこで朝飯だな。」
そこから数分歩いた所に、真新しい店構えの定食屋?があった。なんだろう・・・少し違和感があるんだよな〜。
夫婦食事中・・・
一刀「ふぅ、結構おいしかったな。」
それなりに本格的な和食だった。なんで和食かは突っ込まない。突っ込んではいけない。そんな気がしたんだ。
思春「どうやら朝から昼までの営業らしいな。」
一刀「でもこの作りって・・・夜にも来てみるかな?」
思春「夜?」
一刀「ああ、店の作りがね。俺の知ってる夜にお酒を飲む店に似てるんだよ。」
そう、俺の違和感は合っていた。内装は確かに定食屋のそれだったのだが、テーブルが分割式で内装を変えれる点があったのだ。よくよく見てみるとカウンターがあったりとBARの様相を含んだ内装だったのだ。これも突っ込んではいけない気がしたのでスルーした。
思春「ほう、それは粋怜殿が喜びそうな・・・」
一刀「あ〜、あの人は家飲みだから外に出る時は酒を買う時だよ。」
思春「否定できん所が何とも・・・」
俺達がとても失礼な事をほざいて居たら後ろから声がかかって来た。噂をすれば人は現れる物なのだろう。
粋怜「否定しろ。」
思春「す、粋怜殿!?」
一刀「あ・・・お、お疲れ様です粋怜さん。」
粋怜「まったく・・・こっちが仕事の最中にまさか同僚の逢引現場に出くわすとは・・・」
思春「あああああ、逢引!?」
一刀「あ、あはは・・・」
思春がめちゃくちゃ動揺してる中、俺は苦笑いする事しかできなかった。
粋怜「ほどほどにな。特に北郷。七乃と結璃が後で怖いだろうな。あと・・・蓮華様もな。」
一刀「へ?そこでどうして蓮華が出てくるんだ??」
二人「「・・・は〜、これでは蓮華様も苦労なさる。」」
一刀「同じ意見!?」
何とも心外な・・・
思春「北郷、私とのことは・・・まず置いておこう。蓮華様の事もしっかり見てやれ。」
一刀「え?え?な、何の事なの??と、とにかく分かったよ・・・」
思春「頼むぞ?それでは粋怜殿。私達はこれで。あ、あい・・・びき・・・の最中なので/////////」
何この思春、超可愛いんだけど抱きしめて撫でまわしていいですか?
粋怜「照れるぐらいなら言うな・・・まあ気を付けろ。」
二人「「はい。」」
俺達はまずは街を回り、服屋、小物屋、旅芸人のストリートライブを見ながら昼食を取り、今は張三姉妹の公式ライブを見に来ている。
一刀「天和達も頑張ってるな。」
思春「今はまだ寿春周辺だけだがな。彼女たちにも窮屈な思いをさせて申し訳ないと蓮華様も言っていたぞ。」
一刀「これからたくさん領地を増やす事になるんだから、それまで我慢してもらうしかないな。」
思春「ああ、だな。」
天和『みんな〜、今日も来てくれてありがと〜。お姉ちゃんすっごく嬉しいよ〜』
人和『次の曲は恋人たちの悲恋を歌った曲です。』
地和『聞いてってね〜!!』
観客「「「「「ほわ、ほわ、ほわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!」」」」」
一刀「・・・悲恋の曲って・・・そんな雰囲気じゃなくね?」
思春「北郷、此処は突っ込んではいけない事の一つだ。」
一刀「そ、そうか・・・」
ついに我慢しきれず突っ込んでしまった。
スーパーアイドルバラード中
観客「「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」」」」
し〜ん、と言うSEが似合う空間になってしまった。さて天和、これをどう変える?
天和『・・・グス』
地和『・・・ヒック』
人和『・・・スン』
一刀「ってお前らも泣いてんか〜い!!」
思春「あ、馬鹿。」
天和『あ、か、か〜ずと〜!!!』
地和『一刀だ!人和、一刀が見に来てくれた!!』
人和『なんだ・・・思春さんと逢引だと聞いたから悲恋の歌を歌ったのに・・・これなら情熱の愛の歌でもよかったかな?』
観客(((((誰だいつ!誰だあいつ!誰だあいつ!)))))
お客さんの視線が怖いです。・・・あれ?思春どうしてそんなに離れているのですか?え??何々・・・す・こ・し・さ・ん・し・ま・い・こ・も・の・を・み・て・く・る?そうかそうか・・・え?だ・か・ら・し・ぬ・な・よ?何の事ですか?
天和『あ、一刀〜、後ろ後ろ!!』
一刀「は?何で天和がその謳い文句知って・・・ひ・・・」
観客「おまえ・・・天和ちゃんの何なんだよ?」
観客「貴様、地和ちゃんのマジお兄ちゃんとかじゃないよな!?」
観客「人和ちゃんは俺の嫁!!」
ドガ、バコ、ゴス!!
観客「れ、人和ちゃんは・・・俺達の嫁・・・(がく)」
無茶しやがって・・・
一刀「で・・・どうなるんです?」
観客「「「「「痛い目にだけは有ってもらうぞ!!!!!!!!!」」」」」
一刀「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
その日、俺は、アイドルファンの、黒い感情を、その深淵を、垣間見た。
一刀「う、いたたたた・・・」
思春「大丈夫か?」
一刀「あ、ああ。ちょっとだけね。」
思春「まあ、その・・・すまんな。」
一刀「謝らないでよ。あそこに思春が居たら思春に危険が及んでいただろう?それは俺が嫌だよ。」
思春「そ、そうか/////////」
思春は顔を真っ赤にして視線をそらせてしまう。ちょっと気障だったかな?
一刀「それにしても、寿春も変わったね。」
思春「ああ・・・此処がこうも発展したのは北郷のおかげだろう。」
一刀「そんなことないよ。七乃の必死の抵抗で地盤だけはしっかりしてたし、結璃や蓮華、思春に明命、粋怜さん。皆の力があってこそだよ。」
思春「・・・だが・・・それをたどればお前に行きつく。北郷あってこそ、私達はこうしていられるんだ。だから、ありがとう。そして、これからもよろしくな。」
一刀「思春・・・」
思春「北郷・・・」
幸か不幸か此処は町はずれの小川の岸、人は無く、雰囲気も悪くない。夕日が思春の顔に当たりただでさえ綺麗な顔を美しく朱色に染めている。
思春「ん・・・」
一刀「あむ・・・ぷあ。」
俺達は自然の流れで口を塞ぎ合う。
一刀「思春、俺・・・」
思春「北郷、わ、私の・・・始めてを・・・もらってくれないか?」
一刀「いいの?」
思春「ふふ、まったく不思議な物だ。最初の出会いは酷いものだったのに・・・」
一刀「ああ、あれから毎日追いかけまわされたっけ・・・」
思春「ああ、それでお前を追いかけると決まって足がもつれる。」
一刀「で、それを俺が受け止める。」
思春「そんな事の繰り返しだった・・・だが、その繰り返しが北郷一刀と言う人間を知る良い方法となって行った。」
一刀「・・・思春?」
思春「そんなお前だから・・・どんなに女が多くなろうと・・・もらってほしいと思えたのかも知れん。」
一刀「・・・思春」
思春「・・・だから頼む、もらってくれ。“一刀”」
一刀「っ――思春!!」
思春「ひゃ!?ちょ、ほんご・・・優しく・・・」
一刀「何だよ、ちゅ、名前は、ちゅぱ、誘う為・・・なのか?」
思春「あむ・・・そんなこと・・・んちゅ・・・ない・・・ん・・・ぷあ・・・一刀。ほ、ほしい・・・」
一刀「ああ・・・行くよ。思春。」
思春「ああ・・・ん―――――――」
その日の夜、北郷一刀の悲鳴(嬌声×悲鳴○)が城に響き渡り、バーサーカーRENFAの恐ろしい笑い声が響くと同時にデレデレ思春の悲鳴(嬌声○悲鳴×)が響き渡った。あれ?普通逆じゃね?
あとがき
ふ・・・思春が壊れた。
一刀「いや、俺もあんな思春は好きだぞ?」
華琳「あら、蓮華にちょっと似てる気がしたのだけれど気のせいかしら?」
どうだろうな。蓮華はもはや俺の中では病華か、嫁でしかないからな。
一刀「嫁でないなら病華だと・・・そう言いたいんだな?」
そうだが・・・どうかしたのか?
華琳「まあ、此処ではちょっと力を使って介入を防いでるみたいだけど・・・」
病華「ソンナATフィールドハ私ニハ無意味ヨ。」
・・・どうして・・・博麗大結界(小)も展開して・・・
病華「病メル乙女ニソンナ物ハ紙切レ同然ヨ!!グオォォォォォオオオオオオ!!!!!!!!!!!」
ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!
一刀「まさか・・・使徒(ユウヤ)を・・・食っている?」
華琳「これは見せられいわね。いろんな意味で。」
一刀「ああ、作品を否定するわけじゃないが・・・あれは無かった。」
華琳「あの終わり方はね・・・劇場版もなんだかな〜だったでしょ?」
一刀「華琳そこまでだ。それ以上はイクナイ」
華琳「そうね・・・別に嫌いって訳じゃないしね。可愛いわよねア○○とかマ○とか、でも一番のお気に入りは・・・ユ○ね。」
一刀「うわ・・・ついに死んだ人まで毒牙に掛けるのか。さすがに引くわ〜」
・・・し、死ぬかと思った・・・
二人「「いや、あれは死んでただろ(でしょ)」」
病華「ヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴヴ!!!!!!!」
ガッシャンガッシャン
と、とにかく。蓮華より先に思春さんがこうなりました。では、小休止は此処まで。次回はお話が進みます。
一刀「いいのかな・・・あれ。と、とにかく次回をお楽しみに。」
華琳「あれ・・・一刀が鎮めるのよね。ご愁傷様。それじゃ、また次回会いましょう。」
「「「ばいにー!」」」
一刀「・・・って、ちょっと待て!俺をあの檻にぶち込む気か!?や、やめ・・・うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!あ・・・・」
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第九話になります。 思春「感謝するぞ。ユウヤ」 いえいえ、ツンな方を全力でデレにすることが俺の生きがいですので。 思春「ふ、それでも・・・だ。」 ははは、それではお幸せに。では本編どうぞ。 |
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