バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つ者 第四十四話 |
姫路と共に住むここととなり何か生活が変わったかというと決してそういうものはない。ただ今まで一人でいたためか気を使わなければならないのが現状だ。
新学期になって雄二がAクラスに師匠戦争をしかけようとした矢先、Cクラス代表小山がFクラスに試召戦争を仕掛けてきた。本人は健全な学生生活を送りたいといっていたがどうも怪しかった。話し合いの結果試召戦争を明後日に控えた俺の家では姫路と共に勉強をしていた。
「ここはこうなってだな・・・・」
「あ、なるほど!」
鋼牙が姫路と共に勉強をし、一息入れようとカフェオレを淹れようとした時であった。牛乳が切れていることに気付いた。
「すまない姫路、ザルバを預かっていてくれ。」
そう言うと鋼牙はじめじの左手中指にザルバをはめた。
「どうかしたんですか?」
「牛乳が切れていた。今から買ってくる。」
「だったら私が・・・」
「こんな夜遅くに女の子を外に出すわけには行かないからな。もし不審者が家にでも入ってきたらザルバをかざせ。火を吹いて敵を牽制できる。」
「はぁ・・・・」
「じゃあ行って来る。」
鋼牙はそう言うと白いコートを羽織って牛乳を買いに行った。
「まさか混んでいたとはな。」
鋼牙は近くのスーパーまで買い物に行ったのだが閉店前もあって意外と混んでいた。鋼牙が帰ろうと歩こうとしていると雨が降ってきた。
「雨か・・・・・・・急ぐか。」
鋼牙は走って自宅に戻ろうとする。そんな時途中の公園で憶えのある気配を感じ取った。
「ん!」
鋼牙は雨が降る中公園の屋根のある遊具に歩み寄る。
「葉月ちゃん?」
「っ!鎧のお兄ちゃん!」
雨宿りをしていたのは葉月であった。傘を持っていなかった。
「どうしたんだ?こんな時間に?」
「葉月お買い物に行ってたのですがこの雨で・・・・・」
「そうか。うちに来るか?」
「えっ!いいんですか!」
「ああ。丁度姫路もいる。から大丈夫だ。」
「あの綺麗なお姉ちゃんもですか!」
「ああ。」
「じゃあ早くいくですっ!」
「そうしよう。」
鋼牙は自分のコートを葉月に被せておんぶをすると自宅まで走った。
「姫路、今戻った。すまないがタオルを二枚持って来てくれ。」
鋼牙は家に帰るなり姫路に頼む。姫路は返事をしてタオルを持って玄関に行く。
「あれ?葉月ちゃん?」
「はいですっ!」
「帰る途中で公園で雨宿りしているところを見つけてな。おそらく通り雨だから雨が止むまでの間家にいさせるつもりだ。」
「わかりました。はいタオル。」
「すまないな。」
濃い宇賀は姫路からタオルを貰うと軽く頭と服を拭き、そのまま家に上がると自分の着替えの服を棚から出し、そのまま脱衣所に入った。葉月のほうは鋼牙のコートによって護られていたため軽く髪が濡れている程度である。
「お兄ちゃん濡れちゃいました。」
「鋼牙君なら大丈夫ですよ。さ、早くタオルで拭きましょ。」
「はいですっ!」
しばらくして鋼牙が風呂から上がるとソファーで葉月が寝ていた。
「疲れちゃったみたいですよ。」
「そうか。」
鋼牙は椅子に腰を下ろす。
「しかしあんな場所で会うとはな。」
「どういう意味ですか?」
「葉月ちゃんに人形を渡した日があそこだったんだ。」
「人形?」
「ああ。あれは俺が称号を受け継いだ日。つまりあいつらとの別れの日だ。あの日俺は先日人形を換えない葉月ちゃんを見て助けたいと思ったんだ。」
「・・・・・」
「変だと思うだろ。会ったばかりの女の子に優しくするなんて。でも俺は何故か助けたかった。それを知っていたのかあいつらはその人形の代金を五分の四出してくれた。俺じゃなくて俺たちで払えばいいって。そして俺は葉月ちゃんに人形を渡した。」
「・・・・・同じですね。」
「え・・・・・」
姫路の言葉に鋼牙は間抜けな声をあげた。
「私も鋼牙君と同じように困っている葉月ちゃんを見て買ってあげようかと思ったんです。でもそれだと親御さんに迷惑掛かると思って自分で作ったんです。」
「!」
鋼牙はその言葉を聞いた瞬間葉月に人形を渡した後に何故あの場所で姫路と会ったのか理解した。
「そうだったのか。」
「はい。なんだか似ているところありますね、わたしたち。」
「そうだな。」
鋼牙は微笑んだ。そんなときにザルバが声をかける。
「鋼牙、雨が止んだようだぞ。」
「ん、わかった。」
そして鋼牙は葉月を背負って葉月の買ったものを手に美波の家に向かった。ちなみに美波には既に連絡済である。
鋼牙は美波の家に着くとインターホンを鳴らした。
「はーい。」
玄関から美波が出てくる。
「鋼牙!」
「夜分にすまないな。葉月ちゃんをこんな時間に一人で帰すのは危ないのとこの通り寝ているのでな。」
「ううん、いいの。それとありがと。」
「気にするな。」
鋼牙は葉月を美波に渡す。
「ところで鋼牙。」
「ん?」
「その・・・・・瑞希と一緒に生活してるけど・・・・・・もしあんな状況が私でも泊めてくれた?」
「ああ。家に女の子が一人でいるのは危ないからな。」
鋼牙は他意はなく言ったのだが美波はその言葉を聞いて顔を赤くした。
「大丈夫か?」
「う、うん!大丈夫!あ、ありがとね、鋼牙。」
「ああ。じゃあ俺はこれで失礼する。」
そう言って鋼牙は家に戻った。
後日鋼牙は明日のテストに向け勉強していたのだが夜分になり突如鋼牙は倒れ始めた。姫路はその時驚いたがザルバの指示で鋼牙をベットに寝かした。ザルバが鋼牙は風邪だと聞いて姫路は安心した。
「おそらく昨日の雨が原因だな。朝までには回復するだろうが病み上がりは危険だからな。」
「そうですね。鋼牙君は明日少し遅刻してもらうしかないですね。」
姫路はザルバそう決まった。
「そうだお嬢ちゃん。ちょっと俺を机の上に置いてくれ。」
「はい・・・・わかりました。」
姫路はザルバが何故そんなことを言ったのか分からなかったが指示に従った。するとザルバは口を大きく開いて何かを吐き出すように声を出した。
「かぁ・・・・・・はぁ・・・・あ゛あ゛あ゛!」
姫路はその光景に引いていた。ザルバの口から蛇のような何かが出てきた。それは自分の尾を口で銜え指輪になる。
「これを填めておきな。いざお前さんがピンチのときは俺が鋼牙にお前さんの居場所を教えておいてやるから。」
「わかりました。」
姫路はザルバの指輪を自分の左の人差し指に填めた。
「薬指に填めないのか?」
「填めません!」
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アメニヌレルトタイテイノモノハダメニナル。ジャアヒトノバアイハドウナル? 「風邪」 バカハカゼヒカナイッテホントカ? |
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