義輝記 蒼穹の章 その五
[全1ページ]

【 久秀の奇計 の件 】

 

? ?州 烏巣付近 にて ?

 

麗羽「ちょっと! これはなんですの!?」

 

華琳「………顔良! ここで間違いない!?」

 

斗詩「はい! ここです! ここなんです!! ……でも、なんで? なんで、こんなに早く成長してるの!!」

 

 

??「それが、久秀の力よ! ……顔良。 現実を直視なさい!」

 

 

驚く俺逹を尻目に、横から冷たい声が響き……懐かしい下駄の音が聞こえてきた。

 

カランコロン… カランコロン… カランコロン…  

 

────スッ

 

月明かりが照らす中、すぐ横の暗闇に覆われた林から、一人の少女が現れて、麗羽達が名前を呼んだ!!

 

麗羽「久秀さん!」

 

猪々子、斗詩「「 司馬仲逹(さん)!! 」」

 

華琳「貴女が………『司馬懿』? これは、どういう事?」

 

華琳がそういうと、司馬仲逹は……声を出して笑ったんだよ。

 

名高い勇将達が率いる八千の騎馬隊がいる中で……司馬仲逹のさも可笑しそうな笑い声が響き、辺りの温度が冷え込む感じが………。

 

久秀「………面白い事を言うわね? この貯蓄庫は、我ら袁家の物。 貴女達みたいな敵から守るために、防壁を強化しただけよ……」

 

桂花「あの『荊の壁』が防壁? ハッ! 笑わせてくれるわ!!

 

確かに兵には有効だけど、木は火を生ずる『五行相生』を知らないの!! 全軍! 火矢準備! ─────放て!!!」

 

ヒューン! ヒューン! ヒューン!

 

トスッ! トットスッ! トスッ!

 

流石、桂花! 華琳達と司馬仲逹が喋っている間に、火矢の準備をさせて、すぐに点火出来るようにしておいたのか───!

 

だけど、何故か司馬仲逹の顔は、相変わらず『嗤い』の表情だった。

 

久秀「そういう貴女こそ、水が火を剋する『五行相剋』を知らないようね。 ──この機会に覚えておきなさいな! 

 

水の気が強い木には、火を相剋できるという事を!!」

 

ジュ〜! ジュジュ〜! ジュ〜!

 

放った火矢の火が……全て………消えてしまった!!

 

桂花「!!!」

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

久秀の策 『 荊砦の計 』

 

土地に植物の成長を早める術を掛け、荊の壁を造る。

実際の植物ゆえに、水を吸い上げ水分を保つ。 生半可な火計では攻略できない。  

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ザッ!!

 

愛紗「ここは、我ら武の覚えがある者が行かねば!!」

 

猪々子「この野郎! よくも、姫逹を売りやがったな!!」

 

春蘭「華琳様! 私達が相手を───!!」

 

武で鳴らす勇将の三人が馬で近づこうとする………が!

 

久秀「………だから、筋肉お馬鹿は嫌いなのよ。 頭で解決出来ないと、直ぐに力で解決しようとする。 久秀が、何故この軽装でいるのか……考えないの? 脳筋さん逹──!!」バッ!

 

司馬仲逹は、言い終わる前に、左手を頭上に挙げた!!

 

「「「ヒヒィーン ブヒヒ ヒン!」」」 

 

パカラッ! パカラッ! パカラッ!

 

俺らの後ろから馬が数十頭近づいて来る!! 俺は驚き、慌てて避けようとするが……馬の様子がなんか変──!!!

 

「ブヒヒヒィィィン!」 

 

「ブルルルーン!」 ガッガッ!

 

曹兵「お、おい! なんだ! なんだぁ!?」

 

パカラ! バンバン! パカラ! 

 

曹兵「静まれ! うわぁ───!!」

 

春蘭「静まれ! こらぁ!!」

 

愛紗「ど、どうしたのだぁ!?」

 

猪々子「なんだぁ────!?」

 

み、皆の馬が、あ、暴れ───! ウワッ!!

 

ドシ〜ン!!  いてぇー!! 

 

ドン! グフゥ!  痛ぅ───!!

 

猪々子「あの馬鹿馬! アタイを落とすなぁ──!!」

 

おい! 早くどいて!! 苦しいからぁ!!!

 

猪々子「あっ、アニキ! わりぃ、わりぃ──!!」

 

そ、曹操軍の全軍が騎馬だったから、司馬仲逹の仲間が放ったと思われる裸馬達で、乗馬が暴れ出し落馬する者が続出した!!

 

軍馬だから、それなりに音や衝撃にも、抵抗力はあるはずなのに、この暴れ様は一体どんな理由が──!!!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

久秀の策 『 牝馬の奇策 』

 

この頃の軍馬は雄馬を使用。 但し……『去勢』されていないので気がかなり荒い。 そこで、牝馬を何十頭か放し、雄馬の本能を刺激させ、暴れさせる。

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

ーーーーーーーーーーーー

 

久秀「あらあら、言うわりには無様なものね? さて、今度はこちらの方が相手くださるそうよ! 袁公路様!! おいで下さい!!」

 

チリ〜ン! チリ〜ン! 

 

──────ザッザッザッ!

 

美羽「………………」

 

七乃「………………」

 

輿に乗せられ、正座姿で中央に座り、焦点の定まらず目を此方に向けて呟く二人。 袁家に相応しい衣装に、流石に着替えさせられてはいるが……二人に感情らしきモノは、見当たらない。

 

美羽「妾は………両袁家の当主である袁公路じゃ……! 邪魔者は全て………滅す……ぞ!!」

 

七乃「……突撃…せよ!」

 

麗羽「み、美羽さん!? 美羽さん!! 貴女は何を!!!」

 

斗詩「七乃さん!! 目を覚まして下さい!!!」

 

猪々子「やい! 司馬懿!! 卑怯な手を使いやがって!!」

 

久秀「卑怯? 多人数で久秀を殺そうとした将が、何をほざくのかしら? でも、そうね……今度は、正々堂々と攻めてあげるわ。 

 

この三万の軍勢が───ね!!!」

 

◇◆◇

 

【 地獄に仏 の件 】

 

? 鳥巣から官渡への道 にて ?

 

袁兵『うおおぉぉぉーーー!!!』

 

袁兵は全軍徒歩! 曹操軍は騎馬で此方に来たものの、久秀の策で馬が暴れ出し、大半の乗馬を失い徒歩となる!!

 

月明かりの中、うっすらと道が浮かび上がる。 

 

その道を、華琳達は文字通り『死に物狂い』で逃走していた。

 

ーーーーーーーーーーーー

 

春蘭「この! このっ! チィ! しつこいわぁ!!」

 

ガンガン! ドン!!

 

袁兵「ぐはぁ───!!」 バタン!!

 

季衣「邪魔だぁ!! でええぇぇぇーい!!」

 

ドゴォ─────ン!!

 

袁兵「ぐふぅ──!!」 バタッ!

 

流琉「早く早く──! 囲まれないうちに!! 」

 

桂花「か、華琳様………わ、私は、もう……駄目………」

 

華琳「何を言ってるの! まだ、貴女の力は必要なのよ!!」

 

桂花「………申し訳ありま……きゃあ!?」バタン!

 

華琳「桂花!?」

 

華琳の声を聞き、気を抜いた桂花は足がもつれ……地面に倒れ伏す。

 

すぐ後ろには、月明かりに反射した黄金色の袁兵が蠢く!!

 

曹兵「───間に合いません!! お早く!!」

 

華琳「─────桂花!!!」

 

華琳が救いに向かうが、今行けば巻き沿いで殺される。それでも駆けつけようとすれば、護衛兵に引き止められる!!

 

決して彼が薄情ではなく、軍師を失えば痛手で済む。 総大将を殺されば、国は終わりという冷静な判断から………。

 

桂花は、自分に向かって……名前を叫びながら連れられて行く華琳を…見守るしかなかった。 そして、黄金色の死神が…後ろに迫る。 

 

袁兵「袁公路様に忠誠を! 曹操に組する者は殺せ!!!」

 

シャキン! ブ────ン!!

 

頭上高く剣を振り上げる袁兵。 

 

見上げながら、為すすべも無い桂花!  

 

そして…………無情にも、剣が振り落とされた!! 

 

桂花「きゃああぁぁぁ────!」

 

ドン! 

 

桂花「えっ!?」

 

ガキィ────ン!! 

 

桂花が斬られる前に、何者かが割り込み、剣を受け止める!

 

一刀「ぐうぅぅ───!!」

 

袁兵「死ね! 死ね!! シネ!!!」

 

袁兵は無表情の顔で、一刀を切り倒すために力を込める。 口からは相手を呪詛するかの如く、言葉を吐き出す。

 

愛紗「ご主人様!!!」

 

ブゥ──ン!! ザシュ!! 

 

ブシュゥゥゥーーーーー!!

 

袁兵「うごぉ…袁公路様に忠誠を─!!」 バタン!

 

愛紗が後ろより袁兵を斬り倒し、一刀の危機を救うが……連戦の戦い、命のやり取りを何度も行ったため、疲労は極限に近い!!

 

桂花「…………………」

 

一刀「ハァー、ハァー!!」

 

愛紗「ご主人様──! 大丈夫ですか!? 桂花は……!?」

 

一刀「……あぁ、無事だ………」

 

だが、斬ったのは……たった一人のみ。 

 

また……新たな兵により、直ぐに囲まれようとした。

 

ダッダッダッダッダッダッ!!

 

麗羽「 我が君! お早く!! えーいっ! とおっ!!」

 

シュン!! シュッ!  ズバッ! 

 

猪々子「曹孟徳のねぇちゃんは───無事に逃げたぜ!」

 

斗詩「北郷さんも──皆さんも早く!」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

一刀達は逃走をするが………薄暗い夜道を数万の軍勢から、逃げおおせるのは……無理に近い。 

 

しかも、歩く事も出来ない桂花を、背負いつつである。

 

………男嫌いの桂花が、何故大人しく背負われているのか……疑問に思う者もいたが、本人は顔を赤くして背中に伏せているので、そのまま放置した。 聞けば毒舌が返ってくるのは分かっているから。 

 

一刀「ハァー、ハァー、ハァー!」

 

麗羽「……私が桂花を背負いますわ! ご無理をなされないように」

 

愛紗「しかし、敵の追尾が………こうも厳しいと……」

 

──────スッ!

 

明命「───間に合いましたか!」

 

猪々子「うおっ!? びっくりしたぁ!!」

 

斗詩「えっ!? あ、あれ? もしかして……孫策軍の!」

 

明命「皆さん! ここは、私に任せて下さい!! 」

 

愛紗「なんで孫策軍の将が、ここに居るんだ!? 我々を更に嵌めるための罠なのでは!!!」

 

一刀「だけど………ここで……このままにしてても……いずれ捕まり殺される………。 君に……何か……方法が……あるのかい?」

 

明命「はい! これです!!」

 

と、明るく笑い、俺達に見せたのは……『黒い縄』………

 

ーーーーーーーーーーーー

 

袁兵『……………………………』

 

数万の軍勢は、急がず焦らずゆっくりと……しかし、決して休まず進む。 規則正しく、歩調も一緒、一向(ひたすら)に…………。

 

ーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーー

 

明命(来ましたよ!!)

 

道筋は一本道、左右は森が続いている。 道幅は約2bぐらいの幅が均等に広がっていた。

 

その中を袁兵が、粛々と行進してきた。 まるで、玩具の兵隊のように……。 表情は能面の如き変わらず……目的に向かい一歩、また一歩……歩を進ませる。

 

一刀(どう思う……桂花?)

 

愛紗(えっ? まだ背負っておられたのですか?! ──こらっ! 桂花! いい加減に降りろぉ!)

 

桂花(!)イヤイヤ イヤイヤ

 

愛紗「おい! (愛紗! 声、大きい!) ……スイマセン」

 

ザッザッ ザッザッ ザッ──? ザシュ─?

 

ザッザッ─! ザッザッザッザッ!!!

 

(一人の袁兵が、縄に掛かり通過出来ない。 一度立ち止まり考えるが、そのまま通るが、引っかかったままで足を動かす。 そして、同じ行動を二人、三人、四人、五人……………… )

 

ミシッ! ミシッミシッ! ミシッミシッミシッ!!

 

両端を多数の木の幹に回し付け、尚且つ根本には、既に倒れ易いように、切り込みを入れてある!

 

このまま続けば……………

 

ドドドドドドーーーーーーーー!!

バタン! バタバタ! ゴーン! ブシュー!

ガタガタ! バリバリ! ドーン!!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

明命の策 『 暗中引木の計 』

 

明命の『髪の毛』で編んだ縄を木に括りつけ、道の前面に張り巡らす。 幹には切り込みを入れて、すぐに倒れるように仕掛けておく!

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

麗羽、斗詩「「───────!」」

 

猪々子「いやぁ! 派手だねぇ!! うん! やっぱ戦はこう……派手さがないとなぁ!! そう思うだろう? 斗詩?」

 

愛紗「……………!!」

 

一刀「これは………凄い………!」

 

明命「袁術達は心配ないですよ! 後方に居ましたから無問題です! これで時間が稼げましたから、急いで逃げて下さい!!!」

 

明命の案内の下、一刀達は官渡まで戻ってくる事ができた。

 

◆◇◆

 

【 意外な提案 の件 】

 

? 官渡砦 曹操陣営 にて ?

 

華琳「桂花!! よく無事で! 本当に、本当に………!」

 

桂花「華琳様………また、お会いできて、桂花は幸せです!」

 

一刀「……………………」ガクン

 

愛紗「ご主人様〜〜〜!!」

 

麗羽「─!」スッ 

 

麗羽が直ぐに寄り添い一刀を支える。 額に手を添えたり、脈拍を診たり甲斐甲斐しく……しかも手際よく診察する。

 

麗羽「ふぅ……極度の緊張と疲れからの気絶ですわ。 しばらく安静にすれば大丈夫、直によくなるでしょう………」

 

この動作を見ていた元学友は……驚愕の色を隠せれない。

 

華琳「麗羽………貴女のいつもの高飛車や高笑いは、どうしてしまったの? まさか……アレって………」

 

麗羽「えぇ! あの性格は、袁家当主に相応しい対応という事で、幼き頃から、指導されてきた物ですわよ? ……今は、その楔から解き放たれ、このように自由気儘に御奉仕できますわ!!」

 

『はぁ〜〜〜!?』と疑問符を含む呆れた声が一斉に挙がる中、華琳が説明すると、今度は同じ言葉のため息が、一斉について出る。

 

そん中で、一人の将が文字通り滑り込んできた!

 

ダッダッダッダッダッダッ! 

 

ジュッザァァァ────!!

 

春蘭「秋蘭!! 一体どうしたのだぁ!!!」

 

秋蘭「姉者! 華琳様は──! 華琳様はどこだぁ──!?」

 

華琳「秋蘭! どうしたっていうの!?」

 

秋蘭「か、華琳様──申し訳ありません! 許昌が、袁紹軍により……陥落されました!!!」

 

『━━━━━━━━━━━━!!!』

 

華琳「─────! …………秋蘭、私の質問に答えなさい! 他の将兵達や民は……どうなったの?」

 

秋蘭「……はっ! 全員………無事で……ございます!」

 

華琳「……撤退を優先とする作戦を選んだのね……」

 

秋蘭「……私達は、民を逃した後……徹底抗戦するつもりでした! しかし、一人の将が……私達の元に訪れ……」

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

? 許昌 にて ?

 

明命「お願いします! 止めて下さい!! 敵は十万以上の軍勢なのに、城に籠城じゃ勝ち目なんて、全然ありませんから!! 」

 

雛里「仰ることは分かりますが……私達にも兵も精兵多数、城も修復済みで堅固です! 籠城すれば、数日間は持つ事ができます! 」

 

秋蘭「他の勢力で動く将が、我々の戦術に口出しするなど無用! 早々に立ち去るがいい!!!」

 

明命「嫌です!! 確かに私達は、敵対しています!! でも、あの驍将には、普通の武将では勝てないんですよー!! 私達と戦える貴女達のような将が結集して、初めて勝ち目が浮かぶのです!! 」

 

鈴々「そんな敵、鈴々が倒して『趙雲さんが討たれそうになったのにですか?』─────せ、星が…かぁ!?」

 

秋蘭「何を──根拠に言うんだぁ!!」

 

明命「私は見たんです!! ここを攻める先陣の将を!! 金髪、白い衣装、髪に黒い装飾具で留めた『筒井』となる、あの驍将が……先頭で率いているのですよ!!」

 

桃香「朱里ちゃんが言ってた……『化け物』と一緒!!」

 

秋蘭「………では、貴様は……その事を、何で証を付ける!」

 

明命「我が真名『明命』を夏侯淵、貴女に預け誓います!」

 

秋蘭「…………………」

 

明命「…………………」

 

秋蘭「──フッ、分かった。 その言葉、信用しよう! だが、敵は十万以上! 我々より速度は速いぞ! どうするつもりだ!?」

 

明命「私に考えがあります! あわよくば全滅させたいところですが、多分………あの将が策を阻んでくると思いますけど………」

 

秋蘭「では、我らは……策の準備を手伝ってから撤退を開始する! だが──死ぬなよ! 真実なら生きて、私達に証明してみせよ!!」

 

明命「はいっ!!」

 

▲▽▼  ▼▽▲  ▲▽▼  ▼▽▲

 

 

秋蘭「その後、私達は明命……周泰を残し退却しました。 その後、小高い丘より振り向くと、城を攻める袁紹軍の人だかりが………! 

 

城兵が居ない門を軽く突破され、雪崩混まれたと……思うと、 城内の門付近から大火が生し、瞬く間に城内を業火で飲み込んでしまったんです!!!」

 

華琳「………そう。 では、どういう事か……説明して欲しいんだけど………周泰?」

 

明命「夏侯淵……約束は果たしましたよ?」

 

秋蘭「お、お前は────!! 

 

くっ! この夏侯妙才が……敵将が生きていてくれて………嬉しいと………思うなんて…………!! 

 

明命、私の真名は『秋蘭』と呼ぶ! 先程の礼として、我が真名を預けさせてもらおう!!」

 

明命「はい! 確かに預からせてもらいます! 秋蘭さん!」

 

ヨロ〜ヨロ ヨロ、ヨロ ヨロヨロ〜

 

鈴々「ハァ、ハァ、ハァ〜! 秋蘭〜早いのだぁ〜!」

 

桃香「只今〜、もど〜り、ま〜し〜たぁ〜!!」

 

雛里「キュ〜〜」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

明命の策 『 玉引火籠の計 』 

 

敵軍勢を城内に餌(ガラクタを木箱に入れ積み重ねる)を持ちて、中央に集合させた後、城門を閉め四方に火を放つ!! 

 

★☆★  ★☆★  ★☆★  ★☆★

 

 

 

華琳「周泰、話を戻すわ! 貴女の許昌の起こした行動は、敵の打撃と足止めだと言ったわね? 奴らの到着予定は……どれくらい?」

 

明命「壊滅を主にしたのですが……足止めにしかならない可能性大です。多分、一両日には立て直し、こちらに進行して来るかと……」

 

華琳「ここの陣を払い退却するとしても、私達は手詰まり。 司馬仲達の深謀遠慮からすれば、陳留へも帰るのは無理。 ……後は無いわね……………」

 

『……………………!』

 

一同…顔を下に向け黙り込む中、一人だけ、異質の将が声を挙げる!

 

明命「曹孟徳様! 江東へお逃げ下さい!! 私が孫策様を説得して参ります!! どうか、どうか! お願いします!!」

 

華琳「それは、この曹孟徳に孫策の下に入れと言っているわけ?」

 

明命「いえ! 同盟を組んでいただき、わが孫呉で客将としてお願いしたいのです!! 勿論、離脱も可能なように孫伯符様にお願いしたいと思います! 何卒、聞き届けて下さい!!」

 

華琳「何故、私達の力を欲するの? 秋蘭から概ねの事は聞いたわ。でも、私達単独で勝てる可能性も……『ありません!』─!」

 

桂花「ちょっと! 勝てる可能性が無いって、どういう事よ!?」

 

明命「───司馬仲達は分かりませんが、『筒井』は……『天城』様達と同じ………『天の御遣い』だからです!!!」

 

『────────────!』

 

「「───!」」  

 

沙和「そーなの! 忘れてたの!!」

 

真桜「間違いあらへん!! 天城はん方の御遣いとやりおうた時、面識あるような事、いってはったんや!!」

 

星「そうだったな。 私と周泰殿の二人で共闘しても勝てない奴だ。そうなると、司馬仲達の鬼才振りも……『天の御遣い』なら……筋が通る!! 」

 

華琳「───分かったわ! これは、私の矜持なんかより、遥かに重要な事。 この曹孟徳! 一時、孫策の客将に加えさせてもらう!!

 

だが、周泰!! この話……貴女個人の考えでしょう? 周瑜なら、まだ手の込んだ策を使ってくるわよ?」

 

明命「うぅ〜〜、なんとか説得してみせますぅ!!」

 

朱里「なら、私が付いていきましょう!」

 

華琳「では、二人で孫策達の説得をお願い!! 私達は汝南に進行するわ!!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

今回の話は、都合の言いように進んで、このようになります。

 

結局は、同盟を組んで───「赤壁の戦い」に向かう予定です。

 

本来なら、これで終わりですが、『北郷一刀の裁きを!』とのお声をいただき、何進将軍からの要請事もあったので、行いたいと思います。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーー

 

【 一刀への裁き の件 】

 

? 幕外 とある一室 にて ?

 

風「えっ〜、紳士淑女の皆様〜ようこそ『北郷のお兄さん弄りの会』にお集まりいただき…………ぐぅ〜」

 

稟「寝るなぁ! 『おぉぉ!!』 ……違うでしょう! 何進将軍の命により、北郷一刀に裁きを下すという要旨の刑場ですよ!」

 

集まったのは、白い着物を羽織った華琳と配下の皆様。

 

そして、部屋の中心にある寝台には、北郷一刀が大の字で縛られていた。 服……は、下着一枚。

 

一刀「おいっ! 何だよ! これはぁ!!」

 

風「まだ、分かりませんか〜? お兄さんに、もて遊ばれた女心の仇を討つためですよー!」

 

稟「えーと、例えば、華琳殿と愛紗殿との賭け事を裏で手を廻して無効にさせたとか……その事で麗羽殿に恩があると言って過剰な命乞いしたり……と、いろいろ来ています!」

 

一刀「だって、借りを受ければ返さないといけないって……」

 

稟「一刀殿の優しさは認めますが、自己中心的なんですよ。 貴方の周りの人を救いたいと言うのは…嬉しいですけど、救うのでしたら、駄目もとでも、他の人に実行しなければいけないんです! 」

 

風「それに、天の御遣いを……また噂されていい気になってますねー!? それに〜風も、偶には北郷のお兄さんを……弄りたいのです〜!」モジモジ

 

一刀「いくら可愛く言っても、最後は風様の欲望ですよね!? 」

 

ーーーーーーーーーーーーーー

 

稟「……さて、ここで特別に御招待した方を紹介します! ───どうぞ!」

 

─────スッ!

 

久秀「皆様、初めまして。 『司馬仲達』こと、松永久秀と申します、以後お見知りおきを───」ペコリ

 

『なっ───────────!』

 

稟「ここは、本作の物語と離れた『異伝』になります。 

 

それですので、素晴らしい調教の手腕をお持ちと聞く『松永久秀』様においでいただきました。

 

しかし、影響は、本作に被らない程度に繋がります。 それでは『刑罰』について説明しましょう!」

 

風「単純に言えば、『お兄さんと同衾しろ!』です。 ……本当にお兄さんの横に寝て貰うだけですよ? ですけど、それだけでは北郷のお兄さんへのご褒美になるので〜。 

 

罰としまして………『一物』を反応させてはいけませ〜ん!! 」

 

一刀「一応、一応聞きたい! ……もし、反応すると………?」

 

久秀「……あんまり反応すると……久秀が『去勢』のお手伝いをしてあげるのよ? 楽しみでしょう………クスクス!」

 

一刀「────────!!!!」

 

久秀「牛馬と同じように……『一物』を持って捻り千切ってあげる方がいい? それとも、直接潰した方がいいかしら?」

 

一刀「何それ!! 刑罰確定済み、百lの負け戦は!!」

 

稟「では、華琳殿と愛紗殿! 左右に入って準備をお願いします! 私達は、周りでジックリと見守らせていただきます…うっ!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

桃香「大変! 鼻血が出てる! 拭かないと!!」

 

星「風、稟が吹いたぞ!! …さて、私はどう攻めるとしようか?」

 

朱里「(この様子、しっかり目に焼き付けようね!!)」

 

雛里「(でも───次は、私達の番だよ!?)」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

一刀「話を聞け──────!!」

 

ギシギシ ギシギシ 

 

トスン! トス!

 

華琳「そう……! あの時は一刀のせいなの?!」

 

サワサワ (一刀の胸を触りまくる華琳!)

 

愛紗「ご……ご主人様! あ、ありが……とうございます…」

 

ギュウ〜!(負けずと、一刀を抱きしめる愛紗!)

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

桂花「う、羨ましい──!!」

 

春蘭「ま、まぁ……私は、同衾ぐらい…平気だぞ! 秋蘭」

 

秋蘭「姉者………そっちは柱だ!」

 

真桜「役得やな……」ニヤッ

 

沙和「そうなの!!」ニコッ

 

季衣「う〜ん、眠いよぉ〜」

 

鈴々「(-_-)zzz」

 

流琉「ドキドキ! ドキドキ!」

 

麗羽「それでも……わたくしは………!」

 

斗詩「北郷さん…………」

 

猪々子「まぁ〜、アニキだからしょうがねぇかぁ───!!」

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

二人のそれぞれ趣が違う体型、香り、声が、一刀の欲望を刺激する。

 

一刀「ダメだ! ふ、二人が横に寝られると───!」

 

──────!

 

久秀「あらっ? もう反応があったようね? 仕方が無い屑だ事。 なら、試しに踏んでみよう──かなっ!!」

 

ドン!!  グニィ〜!

 

一刀「ギャアアァァァ─────────!!!」

 

久秀「へぇ〜? 結構いい声で鳴くじゃない。 このまま、久秀が調教すれば……颯馬を超える玩具になるかも?」

 

風「それは駄目駄目ですよ〜! 北郷のお兄さんは、風専用の玩具ですから〜!!!」

 

一刀「どちらにしても、嫌だ──────!!」

 

久秀「五月蝿い!!」 グリィグリィ〜!

 

一刀「あぁ─────────っ!!」

 

…………………………………………

 

この催しは、一晩中続けられた事は、言うまでもない。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

作者の文才では、こんなところですかね。

 

次回も、宜しければ読んで下さい!!

 

説明
義輝記の続編です。 宜しければ読んで下さい。 
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
1479 1294 10
コメント
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! 宮刑を執行されるのは何時なのか…作者も分かりません。 原作と逆となりましたこの話、どう動き出すか? 一生懸命考案中です。 他の方々の作品見ながら、落ち込むつつ……。(いた)
執行猶予付きの宮刑とは…始めての試み。華麗に雄々しく罠に嵌まった曹操軍、決して狙いと準備は悪くなかったが久秀様の方が上手だったと、此れから狩りが展開されるのかどうか、何れにせよ無傷ではなかろう!!。一刀の鞭打ち30に3000点(禁玉⇒金球)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 異伝は一刀にとっては黒歴史? それとも新たな覚醒? と、どちらか分かりませんが、立派にやり遂げました。 桂花…陥落一歩手前です。 よく言う吊り橋効果の結果です。(いた)
とりあえず…一刀よ、異伝であなたは立派に戦った。きっとあなたの事はみんな忘れないさ!ところで本編の方じゃ何だか桂花がオチたような気がするのは気のせいでしょうか?(mokiti1976-2010)
naku様 再コメントありがとうございます! 後半の部分が大事ではないですかw?  出ないと、一刀の魅力が半減しちゃいますよ?(いた)
あぁ……あの肉布団の計ですか。 書いてても暑苦しくなるので、載せるのも、どうかな………と。 やると、一刀が二度と立ち上がれなくなりそうで………。(いた)
最初はまだ、緩かったんですよ! 久秀を登場したら、こうなりました……。 作者としては限界ですね。 (いた)
naku様 コメントありがとうございます! 久秀の策、第二段目になります。 そして、三段目の策は、すでに一段目の時に動いています。 まあ、猪々子ですから、深く考えていません。 久秀認定脳筋ですので。 (いた)
他に考えますが、この物語も終盤に差し掛かってきたので、これ以上入れるかは……未定なんです。(いた)
雪風様 コメントありがとうございます! 実は赤壁の策は、青州黄巾討伐戦でのときに思いついて決まってます。 冥琳と祭さんファンが怒るんじゃないかと思う策を。(いた)
久秀側にも協力(洗脳)する戦極武将がいても面白い気がしてきましたよ。例えば、北畠具教&九鬼嘉隆・小田氏治・毛利勢等・・・。(雪風)
「久秀側に水軍の将が味方についたら厄介だな・・」by長慶・「伏龍軍は主に騎馬がメインで武田や私達伊達家の力を発揮出来そうだ」by政宗・「日ノ本から水軍の将を誘・・いやご招待するのも一計」byう吉(雪風)
タグ
戦極姫 真・恋姫†無双 

いたさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。

<<戻る
携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com