小説6 |
諸田は、音楽が大好きで、巷で流れている流行歌の音楽の音符の編集をして新しく自己流の音楽を作るのが得意だった。そして、それをうまくオリジナルに変えて、実際に音楽会社に販売してOKをもらえるほどの実力の持ち主だった。だが、作詞の方は苦手だったので得意そうな子を個人的にアルバイトで雇って、作詞の手伝いをさせていた。
しかし、それほど思うように稼げてはいないので、雀の涙ほどの報酬しか与えてはいなかった。少しおこづかいになる程度の報酬だった。それでも現在、作詞のアルバイトで働いていたゆう子は、嫌な顔一つせず諸田のいいなりになっていた。多分彼のことを好きなのだろう。
ゆう子は結構面くいなタイプだった。諸田は、そんな彼女の理想どおりの超ハンサムな和風顔だったのだ。
また、好きになるのは勝手だが、その際に長年交流のあった友人を何人かあっさり切り捨ててしまっていたことには大変驚かされる。
まず、昔の友人にそのような関係の相手がいることすら知らせることもなく、さらに、それだけならまだしも、意味もなくわざわざ至近距離に越してきていたのだった。もちろん、なんの前連絡もせずにだった。交際は最終的にはお互いの問題なのだからお互いがよければ誰と誰が付き合おうともまったく関係ないのだが、何もわざわざ知り合いの近所に事前に連絡なしで越して来ることはないだろうと思うからだ。
過去の友人を捨ててしまう時は誰でも人生の中で一度や二度はあることだと思うのだが、それ以上の行動を無理にとる理由は別にないと思うのだ。もしあるのなら、きっとろくな理由でないことは間違いない。
この予想は大きく当たっていた。昔の友人の近所に越してきた理由は、最初から悪質な利用だったのだ。音楽関係の仕事と言うのは、普通の仕事と違い、浮き沈みが激しく、技能のレベルの問題もあり、必ずいつも稼げる訳もなく、下積み期間も長いから、その仕事一本だけで食べていけるかどうかはすごく問題があると思うのだ。
また、良い仕事をもらえるまでは、取引先の関係者の接待もしなくてはならず、そのために本業にする気もない接待をしないとならないこともあり、諸田自身が、男性であるがとても端正な顔立ちで同性にも好かれる顔立ちなので、正直言って、今までもそのようなことはしてきたし、かなりの接待をしてきたが、自分が仕事を回せる相手の接待を一周してしまうと、それだけでは足りなくなり、仕事がもう増えてこないと感じると、自分に夢中になっているゆう子に当然のように代打で接待をさせていたのだ。
そして、そのゆう子もとうとう接待をすべき関係者達を一周してしまったので、どうしても次の接待係が必要になったのだ。それがゆう子の元友人で自分も前に知り合いだったこともある人物だったのだ。
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ちょっと思いついた出来事を小説風に書いてみました。><空想でもあります。 | ||
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