バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つ者 第四十五話 |
Cクラスとの試召戦争が開始されようとしている日の朝のHR、雄二は姫路に問いかけていた。
「おい姫路、鋼牙の奴はどうしたんだ?」
「そ、それが風邪を抉らせてしまって今は休んでもらってます。」
その言葉に雄二たちが反応した。
「そいつはマズイな。」
「確かにのう。」
「・・・・作戦の変更。」
「鋼牙・・・・」
四者四様の反応を表した。
「しかしこれだと戦力が大幅に下がった。」
「どのくらい下がったのじゃ?」
「あー・・・・・・7・8割だな。」
『はぁ!』
「だってそうだろ。鋼牙は文月学園で唯一の魔戒騎士の称号を持つ奴だ。平均点が5〜6千万単位。総合科目一万越えだぞ。今この状況で二番目に戦力になるのは姫路だ。」
「つまり水木だけが便りってワケね。」
「そうだ。しかも相手はCクラス。Bより成績は下だが上のクラスだ。こっちが簡単に勝てる相手ではないのはわかるだろ。」
「じゃが鋼牙がいなくとも勝たなければわしらは鋼牙に頼りっぱなしになるぞ。」
「そーだな。まぁ鋼牙のことだからすぐに戻ってくるだろうぜ。アイツはある意味バカだからな。」
一方そのろ鋼牙はベットから体を起こしていた。
「ん・・・・・あれ?」
鋼牙は目覚まし時計を見ると時刻は既に十時半を指していた。
「っ!」
鋼牙は急いで起き上がり指輪賭けに掛けられているザルバを填め話しかける。
「ザルバ!これはどういうことだ!」
「憶えてないのか?昨日お前さんが風邪でぶっ倒れたところをお嬢ちゃんがベットまで運んでくれたんだぜ。」
「風邪?・・・・・そういえば昨日体調が少し変だったな。」
「お嬢ちゃんが気を利かせれくれたんだ。感謝しな。」
「ああ。ともかく、今は急ぐか。」
鋼牙は朝食を摂るとすぐさま制服に着替え文月学園に向け走り出した。
鋼牙が学校に着くと既に試召戦争は開始されていた。鋼牙は職員室に入ると遅刻届に“風邪”と書いて遅刻届を出した。
「さて、どうするものか。」
鋼牙は二年生校舎に向かおうとしたときであった。一回の空き教室に白昼堂々とCクラス代表の小山が小暮先輩と一緒にいた。
(何故だ?こんな場所にいたら狙われる・・・・・・・・・・いや、逆か。)
「状況はどうなの?」
「相手を教室に押し込むまで追い込みました。」
「でも代表までには至らないと?」
「はい。学年事跡レベルの子が今日は自棄に張り切ってまして、思うように攻められません。」
「確か彼女は体力が無いから疲弊させたら問題は無いと聞いているわ。」
その言葉を聞いた瞬間鋼牙は引っかかった。今彼女は聞いていたと答えた。つまりこのアドバイスは彼女の考えではないということだ。
「ところでこの試召戦争だけどBクラスに協力してもらったら?」
「どうしてですか?」
「彼氏がいるんでしょ?」
「もう別れた奴です。」
「でも絶好ってわけではないのでしょ?」
「はい、かろうじて。」
「じゃあBクラスに何処かのクラスと試召戦争をしてもらいましょう。科目を指定して戦ってもらえばいくらFクラスといえども低い点数で戦わざるを得なくなりません。」
「なるほど。」
そろそろ仕掛けるべきかと鋼牙が思った瞬間、後ろから気配がして鋼牙が振り向くとそこにはCクラスの生徒十人と先生がいた。
「おい!あれ冴島じゃないか!」
「叩き潰せ!」
「くっ!」
鋼牙は戦うことを決めた。
「二年Fクラス冴島鋼牙!Cクラス代表小山に試召戦争を挑む!」
「しまっ!」
「俺たちも受けるぞ!」
『試獣召喚!』
「Fクラス 冴島鋼牙 VS Cクラス生徒×10人
日本史 2015点 平均166点
Cクラス代表 小山友香
276点 」
敵の召喚獣は全て槍を使っている召喚獣だった。十体の召喚獣は横一列に配列を組み鋼牙の召喚獣に挑もうとしている。一方鋼牙は赤みの鞘の剣を手にしていた。
(どうする鋼牙?)
(少し荒技で行く!)
鋼牙の召喚獣は牙狼の鎧を召喚し一気に小山の召喚獣の方まで跳ぶ。飛んでいる最中槍で刺され、鋼牙自体に痛みが走ったが鋼牙は耐え、小山の召喚獣の前に立つと牙狼剣を振り下ろし小山の召喚獣を倒そうとする。
「いけませんよ小山さん。」
小暮先輩が試召フィールド外まで小山を引っ張る。それにより小山の召喚獣は試召空間から姿を消した。この場合逃亡には入らなかった。
「代表が前戦に出るなんて自殺行為よ。」
「はい!以後気をつけます!」
クソッ!戦いに水を差して!」
鋼牙がそう思っている隙に十体の召喚獣が牙狼を囲むと一斉に槍を突いてきた。鋼牙は反応が遅れその攻撃を受けてしまう。
「ぐうっ!」
全身を通して伝わってくる痛みが鋼牙を蝕む。牙狼は腕おもやりで貫かれているため振る事が出来ない。せいぜい腹部に手を動かすことが限界である。
「・・・・・・・・ザルバ、一分以内にやるぞ。」
「まさかお前!」
「ああ。」
「よせ!危険だ!」
「今はそう言っている状況ではない!」
牙狼は腹部の紋章に右手を置くと刻印を回した。カチンッと何かが解放される音が聞こえると牙狼は宙に浮かび上がり始めた。十体の召喚獣は異変を感じ槍を急いで抜いた。
「があああああ!」
鋼牙の身体に痛みが走ると同時に牙狼の姿に変化が生じ始めた。徐々に大きくなっていく上半身。顔は次第に本当に狼の様になり、鋭い爪と尻尾が二本生えていた。そしてそれは地に下りた。
心を無くし、ただ獣のような姿になった姿。心滅獣身ガロである。
「な、なんだ!」
「なんかヤバクね!」
時既に遅し。ガロは召喚獣を一体掴むと両手で引き裂いた。その瞬間その召喚獣を扱っていた生徒に激痛が走った。
「あ・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」
「どうしたんだよ、おい!」
「い・・・・・いだい!身体がいだい!」
ガロは咆哮を上げ召喚獣を咥え、踏み潰し、爪で引き裂いたりした。全てを倒し終えたときには既に小山はその場から恐れをなしてどこかに消えていた。空き教室には身体二球列名フィードバックを受けた生徒と立会人の先生しかいなかった。試召フィールドが解除されると鋼牙は重い体を引きずりながら小山を探そうと歩き出した。
「鋼牙、だから止めろと言ったんだ。その身体で戦ってみても負けるだけだ。」
「だが・・・・」
鋼牙がザルバに反論しようとした瞬間鋼牙は膝から崩れ始めた。
「・・・・・・・っ!」
「見ろ!心滅獣身は強制的に強くなる代わりに本人へのフィードバックが激しいんだ。」
ザルバがそう言っている直後鋼牙は後ろから声をかけられる。
「鋼牙君?」
鋼牙が振り向くとそこには優子がいた。
「優子・・・・・・すまないがAクラスで休ませてもらえないか?」
「別にいいけど・・・・・・・・・・・・大丈夫?顔色良くないわよ。」
「すこし・・・・な。」
鋼牙は何も言おうとしなかったが優子は鋼牙に肩を貸しAクラスに連れて行った。
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コウガガイナイFクラスハイマピンチニナッテイル。イソグゾ・・・・・ッテナンデアイツガココニ! 「獣身」 ヤメロコウガ! |
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