真・恋姫無双〜虎と狐の三国演義〜
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   参之七 『 二兎追う事 』

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「やっと着きましたね」

「わっちは…もう駄目ぢゃ…」

斑、タマを加えた一行は無事、天和達の舞台が行われる場所へとたどり着いた。といっても移動はほとんど空であり霊獣であるタマの背に乗っての移動は明命に抱きかかえられる斑以外には快適なものだった。

「それで、これからどうしましょうか?」

「とりあえず、二手に分かれようと思います。斑様とタマは天和達の舞台で術の調査を、僕と明命で人和の言っていた書の方を探してみます」

「まぁ、妥当ではあるが…二兎追う者は一兎をも得ずと言うぞ?」

「でも、追う事をしなければまたそれも得る事は叶いませんよ」

「正論ぢゃな…、あい分かった。では眼鏡っ娘の方はわっち等に任せい。うぬ等は安心して書を探すと良い」

「では、お願いします。じゃあ明命、行こうか」

「はい!」

うん、元気な返事だ。

天和達の方はまぁ、斑様に任せておけば大丈夫だろう。術を調べるだけだし多分大丈夫…のはず、きっと…恐らく…。

「どうかしましたか?」

「いや、ちょっと不安になってきて。早く終わらせよう」

 

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「さて、ではわっち等も参るとするかの」

「ご主人様達は大丈夫でしょうか?」

「まあ無理ぢゃろう。あっちの兎は捕まらん」

心配そうに疑問を口にするタマに斑はあっけらかんとそう答えた。

「そもそもわっちですら知らん書物ぢゃ、それをみすみす手放す事はせんぢゃろうて。そしてそれは狐燐も理解しておろう」

「じゃあ、なんでご主人様はそんな事を?」

「わっち等が追うのは野兎では無いということぢゃ。それ以上は自分で考えい」

それにしても、周りはほとんどむさ苦しい男共ばかりである。だが特徴的なのはそのほぼ全員が黄色い布を巻いている事だろう。

「それで私達はこれからどうするんです?」

「まぁ、舞台の開演までもう少しありそうぢゃしちと見て回るかの。と、いうわけで案内してくれんかの?」

「…いきなり訳が分かんないし」

近くにいた少女を巻き込むつもり満々の斑だった。

 

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一方の狐燐達は大天幕の裏手にある天和達の楽屋を見張っていた。

「あの〜狐燐さん?」

「ん?何?」

「長角さん達とお知り合いなら直接会って書を譲ってもらったほうが早いんじゃないですか?」

「確かにそうなんだけどね、でも黒幕も近くにいるかもしれないし…」

そこで狐燐は一度言葉を切った。今狐燐が危惧している事は黒幕によって天和達が殺されてしまわないかという事だ。もし、以前の賊の時と同じ者が絡んでいれば同じように天和達は口封じに殺されるかもしれない。それだけは避けなくては。(弐之五 参照)

「あっ、出てきましたよ」

「そろそろ舞台が始まるみたいだね。始まったら楽屋に忍び込んで書を探そう」

「はい」

「そうはいきませんよ」

いざ、行動を開始しようとした矢先、背後から声がした。振り返ると金髪の青年と黒髪に眼鏡を掛けた二人組みがいた。

(この二人はまずい!)

狐燐はそう本能的に悟った。自分はまだしも明命が危ないと。なら取るべき行動は一つしかない。

「明命、書の方をお願い。僕はこの二人を足止めする」

「わ、わかりました!」

その場を離れる明命を背に狐燐は二人に向き合いながら眼帯を外す。

「貴様一人で勝てると思っているのか?」

「勝つつもりはありません。ただ、足止め出来ればそれで十分ですから」

「なら、やってみろ!」

「そうさせてもらいます。宝貝『虚実陣』」

金髪の青年が蹴りを放つと同時に狐燐の展開した宝貝が周囲を包み込むと、狐燐を狙った蹴りはその身体を素通りしてしまう。

「これは…幻術か?!」

「いいえ、どうやら幻術とは違うようですよ左慈」

「その通りです。よくわかりましたね」

宝貝『虚実陣』。その効果は陣の中に存在する物の『存在する確率』を書き換え一時的にその存在を消したり、また、存在しない物を存在させたりする事ができる宝貝である。

ただし、『物』限定であり生物相手では使用者である狐燐にしか確率の改竄は行えないという制限もある。

「…まあ、一人で複数相手の足止めにはうってつけな宝貝かな」

「何をぶつぶつと…、貴様何者だ!」

『何者か』とはもう何度目かになるような質問だが、まあ聞かれたからには一応名乗っておこうかな。

「僕は蘇業白貴。孫家に仕える仙道です」

「仙道だと?!そんな奴いるはずが…それに蘇業、そんな名聞いたことがない」

「左慈。此処は退きましょう。どうやら一筋縄ではいかない相手のようです」

「于吉、貴様はまたそうやって何もせずに」

「やってはいるんですがねぇ…」

「ちっ、蘇業…貴様の名憶えておくぞ!」

(別に憶えてなくてもいいんだけどなぁ…)

と、思っている間に既に二人の姿は無くそれを確認した狐燐も陣を解く。

「それにしても、しんどかった。」

左慈と呼ばれていた人物の体術も相当だったが、面倒だったのは于吉と呼ばれていた方だ、あの短い間に4、5回位幻術に嵌めようとしてきていた。なんというかもの凄くねちっこい奴だった。

「でも、あっさり退いたってことは黒幕じゃなかったのかな?」

だとすれば一人先に行かせた明命の方が危ないかもしれない。

「…何事もなければいいけど」

しかし、そうはならないであろう確信が狐燐にはあった。

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あとがき

 

ツナ「困った事になった」

和輝「唐突だなぁ、何があった?」

ツナ「最近、別のネタが浮かんできて頭から離れなくなってきた」

和輝「原因は解ってんのか?」

ツナ「120%の確率でSAOとアキバ○トリップのせいですな」

和輝「SAOはまだしもアキバは碌な事にならん気がするぞ?因みにどんなないようだよ」

ツナ「SAOは.hack//とのクロスネタ、アキバは強いて言えば『脱・恋姫夢想』かな?」

和輝「ほんっとに碌な事になんねぇだろそれ!」

ツナ「だよね〜、まぁ新作は今の所はお蔵ですね。希望があれば投稿するかもしれませんが…」

和輝「話は変わるが、『Re:道』のキャラが出てなかったか?」

ツナ「エーナンノコトカナー?」

和輝「ちっ…まあいい。というか狐燐卑怯じゃねえか?」

ツナ「正直これでもまだ半分位ですかね。設定上まだ上があります。ついでに言えばラスボスもチートだから仕方が無い」

和輝「そうか。聞かなかった事にしておいてやろう」

 

ツナ「とりあえず、また次回!」

説明
どんどんチート化していくオリ主。しかしまだ設定の範囲内だ

注:オリ主作品です
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コメント
禁玉⇒金球さん>一応状況的な意味でしたけど、混乱しそうなので修正しました。(ツナまん)
狐燐の台詞の「この二人は不味い」って食事的な意味ですか?ハンニバル万歳!!。(禁玉⇒金球)
nakuさん>まあ、完全に狐が捕食する側ですから、(ツナまん)
黒鉄 刃さん>そう言ってもらえると嬉しいです。しかしこれでもまだ全力ではないんですよねぇ(ツナまん)
チートか…惹かれるな!(黒鉄 刃)
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