管理者からの御遣い 魏√10 |
それから数日が過ぎた。
一刀たちは軍を率いて、街道を進んでいた。
行き先は都ではなく・・・・・。
一刀「まだ遠いか・・・・」
華琳「これでも近い方よ。西方の馬騰などは、この何倍もの距離を、私たちよりも迅く駆け抜けるわ」
一刀「西方の民は騎馬の民だ。・・・・赤子の頃から馬に触れている人達と一緒にされてはたまらん・・・・・・・そうだ、流琉。」
流琉「はい?」
一刀「この間から思ったのだが・・・・・」
流琉「何ですか?」
一刀「なんで、兄様?」
流琉「え?季衣のお兄様なら、私もいいかなぁ・・・・・と、ダメですか?」
一刀「まぁ、好きに呼んだらいいさ」
流琉「はい!兄様!」
一刀は、また一人妹ができ表情には出さないが喜んではいた。
桂花「華琳様!袁紹の陣地が見えました!他の旗も多く見えます!」
顔良「曹操さま!ようこそいらっしゃいました」
華琳「顔良か。久しいわね」
顔良「お久しぶりです」
華琳「で、私たちは何処に陣を張れば良いのかしら?案内して頂戴」
顔良「了解です。それから、曹操さま。麗羽さまがすぐに軍議を開くとのことですので、本陣までおいで頂けますか?」
華琳「分かったわ。凪、沙和、真桜。顔良の指示に従って陣を構築しておきなさい。それから桂花は、何処の諸侯が着ているのかを早急に調べておいて」
桂花「御意」
華琳「私は麗羽の所に行ってくるわ。春蘭、秋蘭、一刀は私に付いて来なさい」
「「御意」」
一刀「・・・・俺もか」
華琳「他の将の顔も見ておくといいわ。何か得るものもあるでしょう」
一刀「興味はないが、華琳が来いという付いて行こう」
袁紹「おーほっほっほっほ!」
一刀「・・・・・五月蝿い」
華琳「・・・・・・久しぶりに聞いたわね。その耳障りな笑い声・・・・・・麗羽」
袁紹「華琳さん、よく来てくださいましたわ」
華琳「・・・・・」
袁紹「さーて、これで主要な諸侯は揃ったようですわね。それでは最初の軍議を始めますわ知らない顔も多いでしょうから、まずそちらから名乗って頂けますこと?」
一刀「・・・・秋蘭、あの五月蝿いのが袁紹か?」
秋蘭「そうだ。三公を輩出した名家の出身で、自身も司隷校尉だ。恐らく、ここに揃った一同の中では一番位が高いはずだぞ」
一刀「へー・・・・・」
一刀は、どうでも良さそうに生返事をした。
公孫賛「・・・・・幽州の公孫賛だ。よろしく頼む」
劉備「平原から来ました劉備です。こちらは軍師の諸葛亮」
諸葛亮「よろしくおねがいします」
馬超「涼州の馬超だ。今日は馬騰の名代としてここに参加することになった」
袁紹「あら、馬騰さんはいらっしゃいませんの?」
馬超「最近、西方の五胡の動きが活発でね。袁紹殿にはくれぐれもよろしくと言付かってるよ」
袁紹「あらあら、あちらの野蛮な連中を相手にしていてはなかなか落ち着く暇がありませんわね・・・・・」
袁術「袁術じゃ。河南を治めておる。まぁ、皆知っておろうがの」
張勲「私は美羽さまの補佐をさせて頂いています、張勲と申します。こちらは客将の孫策さん」
孫策は立ち上がって、一礼をしただけでそのまま座ってしまう。
春蘭「・・・・・む!」
一刀「春蘭」
春蘭「分かっている」
袁紹「次、華琳さん、お願いしますわ」
華琳「・・・・・・典軍校尉の曹操よ。こちらは我が軍の夏侯惇、夏侯淵・・・・それから、黄飛」
一刀の名が呼ばれた瞬間、視線は一刀に向く。
一刀「・・・・・・・・・・」
華琳「・・・・・一刀」
一刀「すまん、ついうっかり殺気を出してしまった」
華琳「・・・・気をつけて頂戴」
袁紹「あーら。その貧相なのが、天からの遣いとかいう輩ですの?・・・・・さて、それでは最後はこのわたくし、袁本初ですわね!」
華琳「それは皆知っているから、いいのではなくて?」
公孫賛「だな。有名人だから、皆知っているだろう」
袁紹「そ、それはそうですけど」
馬超「軍議を円滑に進めるための名乗りだろう?なら、いらないんじゃないか」
袁紹「・・・・・まぁ、いいですわ。では、軍議を始めさせて頂きますわ!」
華琳「いいから、早く始めなさい」
袁紹「最初の議題ですけど・・・・・・」
公孫賛「現状と目的の確認だな」
袁紹「え・・・・・ええ、そうですわ。このわたくしが集めた、反董卓連合軍の目的ですけど・・・・」
華琳「都で横暴を働いているという董卓の討伐、でいいのよね。だた、董卓という人物を私は良く知らないのだけれど、誰か知っているものはいるのかしら?」
袁術「妾も知らんのじゃ」
公孫賛「私もだ。本初は?」
袁紹「わたくしも、そんなどこの身分とも知らぬ者、知りませんわ」
公孫賛「そいつは、逐次情報収集だな」
袁紹「つっ、次は・・・・・」
袁術「都までどうやって行くかじゃな」
袁紹「・・・・そ、そうですわ。この大軍団をわたくしがどのように率いるかですわ」
馬超「後でクジか何かで順番を決めようぜ。その順で行軍すれば良い。どうせ戦闘になれば配置は変わるんだし」
華琳「良いのではなくて?経路は・・・・・一刀」
袁紹「・・・・・・」
一刀「・・・・・どうして、俺なんだ。・・・・・まぁいい。人数も多いし、街道に沿った移動となるだろう。間には、難攻不落の水関、虎牢関になるだろうから、この辺りか、もしくはその前後の広い土地での戦闘だな」
袁紹「そ、そうですわね・・・・・」
華琳「関所の方は?」
一刀「報告の話では、水関には漆黒の華一文字。猛将華雄だ。虎牢関には紺碧に張旗。神速と謳われる張遼。そして、深紅の呂旗。飛将軍と謳われる呂奉先。・・・・ただ、これは連合結成前のものだ、一度間者を放ち再び調べる必要があるが・・・・・」
劉備「あのね、白蓮ちゃん。ちょうさくらいなら、わたしたちがやるよ?朱里ちゃんが、まずはこの辺りの小さな任務を引き受けて、様子を見たほうがいいっていってるし・・・・・」
公孫賛「そうか?じゃあ、水関の偵察は私の所でやろう。機動力の高い兵もいるしな」
華琳「なら、水関の調査は公孫賛たちでいいわね。さしあたり必要なのは、そんなものかしら」
袁紹「まっ!まだ大事な議題が残っていますわ!」
公孫賛「何だ?」
袁術「水関を誰が落とすか・・・・・かの?」
袁紹「それは調査のついでに白蓮さんの手勢が攻め落とせばいいんですわ」
公孫賛「おいおい・・・・」
袁紹「あら。白馬長史の白馬軍団は、砦の一つも落とせないとおっしゃいますの?所詮、蛮族を相手に野原を駆け回るのが精一杯なのですわね」
公孫賛「・・・・っ」
劉備「白蓮ちゃん、落ち着いて」
公孫賛「・・・・・むー!わかった!やればいいんだろう」
軍議自体、スムーズに進んでいるように見えはいるが単純に、袁紹が喋らないようにしているだけ。
袁紹「なら決定ですわね。というか、そんなことなんてどうでもいいんですわ」
華琳「で、何?」
袁紹「この連合を誰がとりまとめ、仕切るかですわ!」
公孫賛「・・・・・・」
華琳「・・・・・・」
袁術「・・・・・・」
袁紹「わたくしはする気はないのですが・・・・・ただ、家柄と地位を考えた場合、候補はおのずとしばられるのではないかしら・・・・・」
華琳「はいはい。麗羽でいいわよ」
袁紹「仕方がないですわね。では・・・・・・かい」
一刀「解散!」
春蘭「孫策!」
孫策「あら・・・・・久しぶりね。どうしたの?」
春蘭「我が主が挨拶したいと・・・・・」
孫策「・・・・・陳留の曹操が?」
華琳「私の名、知ってくれているようね。光栄だわ」
孫策「黄巾の首謀者を討った曹孟徳の名くらいは、流石に知っているわよ」
華琳「なら、話が早いわ。先日はうちの部下が随分と借りを作ってしまったようね」
孫策「借りねぇ。・・・・・盗賊退治も手伝ってもらったし、楽させてもらったから別にいいんだけど」
華琳「そうもいかないわ。この借りは折り見て、必ず返させてもらう。よく覚えておいて」
孫策「・・・・・この戦いで」
華琳「さあ。この戦いか、この別の機会か・・・・・」
孫策「そ。まあ、期待しないで待っておくわ・・・・・・・」
華琳と話した後、一刀のほうに振り向いた。
孫策「ねぇ、御遣い君」
一刀「・・・・・・・」
孫策「ねぇってば」
華琳「一刀、呼ばれてるわよ」
一刀「ん?俺を呼んでいたのか、孫策」
孫策「他に誰がいるのよ」
一刀「俺は、御遣い君ではない」
孫策「ごめんなさい。私は孫策。あなたは?」
一刀「黄飛」
孫策「そう。黄飛ね、あなたわたしの所に来ない?」
一刀「面白い、冗談だな。孫策」
孫策「冗談ではないわよ」
一刀「そうか、冗談ではないか・・・・・興味ないね、失せな」
孫策「うちの子達は、皆巨乳よ」
一刀「聞こえなかったか?"失せろ"っと言ったんだ。孫策。俺が此処にいるのは"華琳"という人物に惚れているからだ。巨乳だろうが、貧乳だろうが、興味はない。もう一度言ってやる、失せろ」
孫策「そう。また日を改めるわ」
一刀「・・・・・・・」
孫策は、そういって袁術陣内へ去っていく。
華琳「・・・・・一刀」
一刀「心配しなくてもいい、抜けるつもりは元々ない」
華琳「そう」
華琳も内心嬉しそうだった。
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