欠陥異端者 by.IS 第十二話(現実はいつも残酷)
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【零SIDE】

 

束「やあやあ、会いたかったよ、ちーちゃん! さぁ、ハグハグしよう! 愛を確かめよう────ふべっ!」

 

突如、現れた謎の女性は、織斑先生に飛びつこうとしたが、織斑先生はそんな女性の顔面を片手で捕え、見事なアイアンクローを極めた。

 

零(あれは痛そう・・・)

 

出席簿で叩かれている女生徒を何度も見かけているが、あの女性に関しては問答無用だ。

しかし、女性はその痛みを愛の鞭とのたまい、十分に痛みを味わって満足したのか、拘束から逃れて、今度は篠ノ之さんに声をかけた。

 

束「やぁ!」

 

箒「・・・どうも」

 

束「えへへ、こうして会うのも久しぶりだね。何年振りかなぁ?」

 

箒「・・・さぁ」

 

束「それにしてもおっきくなったね・・・特におっぱいが──[ガンッ!]──」

 

手をワキワキさせながら近づいてきた女性を、どこから出したのか、日本刀の鞘で頭部にめがけ殴打させた。

 

箒「・・・殴りますよ」

 

束「殴ってから言ったぁ! 箒ちゃんヒド〜イ!! ねぇ、いっくんもそう思わない!?」

 

今度は一夏に・・・この人、一体何者なんだ?

 

千冬「おい、束。自己紹介ぐらいしろ」

 

束「え〜、面倒くさいな〜」

 

心底面倒くさそうにため息をついた束と呼ばれた女性は、くるっとその場で一回転してから名を名乗った。

 

束「私が、天才の束さんだよ、ハロー。終わりっ!」

 

私の自己紹介より簡潔で最低限だった。しかし、「天才」「"束"という名前」だけで一つの結論をセシリアさんが閃く。

 

セシリア「もしかして、この方がISを作った────」

 

千冬「そうだ。その天才だ・・・ったく、もっとマシな自己紹介は出来ないのか?」

 

織斑先生の肯定が、この場にいる殆どの人を混乱させた。

篠ノ之束・・・たった一人でISの基礎理論やら何やらを構成させた、インフィニットストラトスの生みの親。

現在、その行方はどの国も捕えることが出来ず、指名手配中にもなっている彼女が、何故ここに来たのだろうか。

 

千冬「一年はコイツの事は無視して作業を進めろ・・・山田先生、サポートの方をお願いします」

 

真耶「は、はい!」

 

織斑先生はこんな時でも、この場の統制を乱さないよう、冷静に指示を出した。

だが、今のやり取りを見て、とても恨めしそうに見つめるのは、先ほどの篠ノ之束だった。

 

束「むうぅ・・・ちーちゃんが珍しく優しい。束さん、激しくじぇらしぃー・・・おのれ、このおっぱい魔神め! たぶらかしたなぁ!」

 

真耶「え?・・・ふひゃ!?」

 

何が彼女をそう突き動かしたのか・・・完全に無防備だった山田先生の胸を背後から鷲掴みにする篠ノ之束。

 

真耶「なっ、なんっ、なんなんですかぁ!?」

 

束「ええい、よいではないか、よいではないか!」

 

あれ? 確かジェラシーを感じての行動だったはずなのに、ものの数秒でベタな時代劇に────。

 

千冬「いい加減にしろよ、束」

 

束「あら?」

 

今度は後頭部からアイアンクローを極められ、山田先生から引き離された。それでもまだ手をワキワキさせて、唇を尖らしてふて腐れている。

 

千冬「第一、お前も胸は大きいだろう」

 

束「いやんっ! ちーちゃんのエッチ」

 

千冬「死ね」

 

怒りのメーターが振り切れたのか、空中に彼女を投げた織斑先生は、ゴールキックさながら彼女を蹴っ飛ばした。

砂浜に顔面から埋まった彼女・・・この人が本当に、稀代天災"篠ノ之束"なのだろうか。妹の箒さんとは、性格が違いすぎる。

 

箒「それで頼んでいたものは・・・」

 

束「うっふっふっ、それは既に準備済みさ! さぁ、大空をご覧あれ!」

 

今日は快晴、ギラギラに照りつく太陽を指差す方向を、私達だけでなく、他の生徒達もつられて見上げた。

太陽が夏らしい日照りを放っている・・・しかし、よ〜く目を凝らしてみると、太陽の中心に黒い点がどんどん大きくなって・・・って、何か降ってくる!?

と気付いた時には、鉄の塊が砂浜に落ちて、砂が飛び跳ねた・・・痛っ・・・目に入った。

 

束「じゃじゃ〜ん! これぞ箒ちゃん専用機こと『紅椿』! 全スペックが現行ISを上回る束さんお手製のISだよん!」

 

鉄の塊の壁面が開き、そこに現れたのは『真紅のIS』。新品さながらの輝きさが装甲に宿っており、夏の日差しがよりそれを引き立たせている。

しかも、篠ノ之束の発言は、この場にいる・・・特に国を代表する専用機持ち達が、驚愕と混乱が入り混じった表情を浮かべた。

さらに彼女から『展開装甲』と言われる"第四世代兵器"が搭載されている・・・(『白式』の雪片弐型にも使用されている)・・・事が告げられ、再度ここにいる面々を驚かせた。

 

束「さあ、箒ちゃん! 今からフィッティングとパーソナライズをはじめようか! 私が補佐するからすぐに終わるよん♪」

 

『紅椿』が操縦者なしで膝をつき、篠ノ之さんを迎えた。

篠ノ之さんが搭乗すると、まるで遠い昔から((主|マスター))を待っていたかのように、ウキウキと起動するのを私は感じた・・・機械のはずなのに。

 

束「あっ、いっくん・・・あとそこの人。ちょっとこっちに来て、二人のISを見して。束さんは興味津々なのだよ」

 

「そこの人」と呼ばれた私は、警戒心をMAXまで高めて一夏と共に彼女の前で『カスタムV』を展開する。

 

一夏(大丈夫だ。束さんは、確かに突拍子のない事をし出すが、俺と一緒なら零に危害は加えてこない)

 

そっと一夏さんが耳打ちをしてくれた。どうやら彼女は、心を許す人間と許さない人間との対応差がこの上ないほど大きいのだろう。

『紅椿』に多量の配線が繋がれてるのと同じく、『白式』、『カスタムV』にも配線が繋がれる。

空中に、ディスプレイを出現させた彼女は、ISのアーマアームらしきもの四本を背後に展開させて、『紅椿』のパーソナライズの補佐+『白式』と『カスタムV』のフラグメントマップを解析を同時に行う。

ちなみに、フラグメントマップというのは、ISが独自の自己進化の筋道を決めるもの。動物で言う遺伝子。

 

束「ありゃりゃ? いっくんも"そうじゃない人"も変わったパターンで構築されてるね〜・・・なんでだろ?」

 

う〜んと唸る彼女は、一旦、操作を他のアーマアームに任せ、突然、私の眼帯を取り上げた。

その動きは物凄く俊敏で、防ぐことが出来ず、私はただ片手で左目を隠す事しか出来なかった。

 

束「ああもう、見せてよ〜!」

 

零「ッ・・・」

 

ねだって強引に片手を左目から剥がそうとする彼女。私はカァーと頭に血が上り、思いっきりもう片方の腕を彼女に振り下ろした。

だが、その行動を一夏さんが止めた。

 

  [ガシッ!]

一夏「おい、零・・・」

 

零「っ・・・すみません」

 

千冬「束。眼帯を返してやれ」

 

束「ええ〜・・・まっ、仕方ないか。ほいっ」

 

雑に返された眼帯を、一夏さんに止められた手でキャッチし、元の場所にかけ直した。

その後、彼女はさっきの事が無かったように作業に戻って、私と一夏さんは解放され、『紅椿』の稼働テストが行われた。

主装備である二本の刀『雨月』と『空裂』・・・『雨月』は刺突攻撃の際にレーザーを放出し、『空裂』は斬撃そのものをエネルギー刃として放出する仕様。

近接型に調整された篠ノ之さんに合う機体で、機動性も大したものだ・・・全スペックが現行ISを上回っている発言にも頷ける。

 

束「どう、((箒ちゃんが思った以上に動くでしょ|・・・・・・・・・・・・・・・・・・))」

 

箒『え、ええ・・・まぁ』

 

その返しが嬉しかったのか、篠ノ之束の表情がさらににんまりとした・・・だが、その表情を厳しい顔で見る人が一人。

 

千冬「・・・」

 

さっきまで彼女の勝手な行動に悩まされて苦しい表情をしていたのに、今だけは敵を見るような目つきになっている。

篠ノ之束もその目つきに気付いているのか、一回だけ織斑先生に向かってウィンクをした。

それを見た先生は呆れたようにため息をつき、視線を上空に留まっている『紅椿』を見上げ、私もまた同じように見上げた。

 

箒『────やれる。この『紅椿』なら!』

 

興奮が抑えきれない篠ノ之さんは、口から意気込んだセリフが吐き出される・・・そんな様子が、私の中に不安の渦が生まれさせた。

 

真耶「ええぇ!?────お、織斑先生っ!!

 

その不安を自覚する前に、誰かと連絡をしていた山田先生が、顔を青ざめて走ってくる・・・生まれた不安が、恐怖に上塗りされた。

 

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【投稿者SIDE】

 

突如、真耶の端末に来た連絡は、アメリカ、イスラエル国が共同開発していた軍用IS『((銀の福音|シルバリオ・ゴスペル))』がハワイ沖で試験稼働中、暴走、制御下から離れたとの事。

その事態収拾をIS学園の専用機持ちに対処してもらう命令が学園上層部から出て、現在、旅館の宴会場を貸し切って作戦が千冬から説明された。

薄暗い室内に大型の空中投影ディスプレイ・・・いかにも機密会議っていう空間が、一般人の零、一夏、箒は緊張を隠せない。

 

千冬「これより作戦会議を始める。意見がある者は挙手をしろ」

 

セシリア「はい」

 

セシリアの意見は、『銀の福音』の詳細のスペックデータの要求だった。敵を知るのは、戦い前の基本的な情報収集だ。

千冬から、スペックデータを他言しないようにと念を押されて、福音のデータが各専用機持ちの正面に投影ディスプレイとして出現した。

 

広域殲滅を目的とされた特殊射撃型IS『銀の福音』・・・『((銀の鐘|シルバー・ベル))』という大型スラスターと広域射撃武器を融合させた新型システム。

高密度に圧縮されたエネルギー弾を36口もある砲口から全方位へ射出するとともに、常時瞬時加速と同程度の急加速が行える高出力の((多方向推進装置|マルチスラスター))。

 

鈴音「攻撃と機動性の両方に特化された機体ね。スペック上じゃ、あたしの『甲龍』よりも高い性能を持っているから、向こうの方が有利・・・厄介だわ」

 

シャルロット「この特殊武装が曲者って感じがするね。丁度、本国からリヴァイヴ用の防御パッケージが来てるけど、連続の防御は難しい気がするよ」

 

ちなみに、シャルロットの言った『パッケージ』というのは、単純な武器だけではなく、追加アーマーや増設スラスターなど装備一式を指す換装装備である。

全てのISに存在し、専用機だけに用意されたパッケージを『オートクチュール』と呼ばれている。

 

ラウラ「しかも、このデータでは格闘性能が未知数だ・・・偵察は行えないのですか?」

 

千冬「無理だな。衛星による追跡の結果、この機体は現在も超音速飛行を続けている。最高速度は時速2450キロだ・・・アプローチは一回だけだろう」

 

セシリア「という事は、やはり一撃必殺の攻撃力を持つ機体で当たるしかありませんわね」

 

さすがは国を代表とする面々の作戦会議。個々の意見が一つずつかみ合っていき、一つの結論へと向かっていく。

一切ついていけない元一般人三人は、入る隙もなく、ただただ鎮座していた・・・だが、5人の視線が一夏に集まると、一夏がキョトンと首を傾げた。

 

鈴音「一夏、あんたの零落白夜で落とすのよ」

 

一夏「え? ちょっ────」

 

セシリア「それしかありませんわね。しかし問題は・・・」

 

シャルロット「どうやって、一夏をそこまで運ぶか、だよね」

 

ラウラ「しかも、目標に追いつける速度を持つISでなければならないな。超高感度ハイパーセンサーも必要だろう」

 

突如、名前が挙げられた一夏は、話の内容に追いつけず柄になく、おどおどしていた。

そんな一夏を見かねて、千冬が声をかけた。その声色は、教師の教えというより死地を経験した軍人のような印象だった。

 

千冬「織斑、これは訓練ではない。実戦だ。もし覚悟が無いなら、無理強いはしない」

 

[ゴクッ]

 

この言葉に固唾を飲んだのは、一夏ではない。その隣に座る零だった。

さっきから恐怖心が零のメンタルを責め立てていて、落ち着きが無かった。

 

一夏「────やります。俺がやってみせます」

 

零「っ・・・!?」

 

全員が「それでこそ"織斑一夏"」と頷いている中、横目で一夏の様子を見ていた零が、表情に変化はないが、驚愕で膝に置いた握りこぶしがさらに力強く閉じようとした。

 

千冬「よし・・・現在、最高速度が出せる機体はどれだ?」

 

セシリア「丁度、ブルー・ティアーズの強襲用のオートクチュール『ストライク・ガンナー』が届いていますわ。超高感度ハイパーセンサーも備えられています」

 

シャルロット「あと、『リヴァイヴ』専用の特攻殲滅用パッケージが届いてます。『ブルー・ティアーズ』との速度はほぼ同じです」

 

千冬「超音速下での戦闘訓練時間は?」

 

シャルロット「9時間です」

 

セシリア「わたしくは20時間です」

 

千冬「ふむ。なら、オルコットが適任────」

 

束「待った待ーった! その作戦はちょっと待ったなんだよ〜!!」

 

決まりかけた作戦に異論を唱える声・・・それは、何と天井から聞こえた。パカッと天井が開き、束の頭が生えてきた。

 

千冬「・・・お前は、もっと普通に登場が出来んのか?」

 

束「チッチッチッ、ちーちゃんは分かってないな〜。私が普通に登場したら、他のキャラが立たないでしょ・・・あっ、いっくん、降りるからどいて」

 

「意味が分からん」と ぼやく千冬をよそに、シュタッと降りた束は、宴会場にある設備を全てハッキングして『紅椿』のデータを全員が見れるよう、ディスプレイを召喚した。

 

セシリア「これは・・・」

 

そこには『展開装甲』に関する詳細なデータが記されており、全ての『展開装甲』の性能を機動性に回せば、『ブルー・ティアーズ』も『銀の福音』すらも凌駕する性能が出せると、数字が語っていた。

 

束「これぞ"第四世代機"特徴【パッケージ換装を必要としない万能機】! 現在絶賛机上の空論にもの! 束さんにかかれば、こんなの作るのなんて三時のおやつ前なのさ!」

 

また、束の発言でこの場にいる全員を驚かせた。

つまり『紅椿』は、状況に合わせてリアルタイムで攻撃・防御・機動に性能を切り替えられる・・・わざわざ、別個でパッケージなんぞ作らなくても、あらゆる場面において対応ができる優等機なのだ。

 

千冬「────束、言ったはずだぞ。やり過ぎるな、と」

 

束「えへへ〜、つい熱中しちゃって・・・で? どうどう? "白と紅"のマルチバトル!」

 

完全に楽しんでいる口調で『白式』と『紅椿』のコラボを推す束。そこに、異を唱えるのはセシリアだった。

 

セシリア「織斑先生、わたくしの『ブルー・ティアーズ』なら確実にミッションを完遂できますわ! それに、たとえ『紅椿』が『ブルー・ティアーズ』を凌駕する機動性を持っていても、箒さんは超音速下での訓練経験が────」

 

束「はあ? 何、しゃしゃり出てるの? お呼びじゃないだけど」

 

セシリア「え・・・?」

 

急に豹変した束の発言に、セシリアは完ぺきに出鼻を挫かれた。「邪魔しないで」と凄まれ、セシリアは無言で座り込む。

そんな様子を、昔馴染みの三人がため息をついた。この場にいる全員、セシリアに同情しつつ、セシリアと同じてつを踏まないと心に決めた。

 

千冬「・・・束、『紅椿』の調整にはどれくらいの時間がかかる?」

 

セシリア「ッ・・・!」

 

悔しそうに歯を食いばるセシリア。握りしめる手の甲には青筋が浮かんでいた。

 

束「10分・・・ううん、7分あれば余裕だね!」

 

千冬「よし。では本作戦では織斑・篠ノ之の両名による目標の追跡及び撃墜を目的とする。作戦開始は30分後だ。各員、ただちに準備にとりかかれ」

 

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【零SIDE】

 

作戦開始2分前。一夏さんと篠ノ之さんは、海沿いの砂浜でISを展開し待機していた。

私は、先ほどの宴会場で教員の人手不足により、『銀の福音』との戦闘空域のレーダー監視役に代役として入っている。

バイト先で似たような事をしていたので、大方の操作は分かっていた。

 

零(何だろう・・・この不安感・・・)

 

恐怖にも似た黒ずんだものが、心にベッタリとこびりついており、まったく拭える感じがない。

目の前に起こる命がけの戦いに対する恐怖・・・何か良からぬ事が起きるかもしれないという不安・・・この二つが解消されるためには、二人が無事に戻ってきて、無事に作戦完了になることだ。

 

千冬「今回の作戦の要は、ワンアプローチ・ワンダウンだ。短時間で決着をつけろ」

 

織斑先生が司令塔として、二人に檄を飛ばす。

先生の言う通り、長期戦になれば二人が不利だ。『白式』の零落白夜は強力な武器だが、その分SEを消費する諸刃の剣。

その零落白夜を全身に展開装甲として搭載している『紅椿』も、エネルギー消費は大きいだろう・・・いずれ、エネルギー切れ作戦は失敗に終わる。

 

千冬「・・・織斑───────」

 

檄を飛ばし終えた先生は、何故かこちらに聞き取れないほどの声量で、何かを一夏さんに伝えている・・・もしかしたら、私が抱えている謎の恐怖や不安を、先生も感じ取っているのではないだろうか。そして、一夏さんも。

 

零(お願いします・・・どうか無事に・・・!)

 

真耶「・・・落合君」

 

隣でオペレーターを務める山田先生が、私の背中をさする。しかし、恐怖は安らぐどころか徐々に強くなっていった・・・そして─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴音「う、うそ・・・」

 

セシリア「っ・・・っ・・・」

 

シャルロット「いちか・・・」

 

ラウラ「・・・くっ」

 

箒「・・・」

 

砂浜で救助されたのは、ISスーツの至る所が燃え切れ、背中全体が火傷の重傷を負った織斑一夏だ・・・。

 

千冬「作戦は失敗だ! 以降、状況に変化があれば招集する。それまで各自現状待機しろ!」

 

零(最悪だ・・・最悪の、結果だ・・・)

 

私は、恐怖でわなわなと震える手を抑えつける事が出来なかった・・・。

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インフィニット・ストラトス

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