管理者からの御遣い 魏√11
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一刀たちが最後だったために出発はあっという間だった。

結局陣を展開する暇もなく、次こそ都に向け、行軍を開始する。

 

 

桂花「水関は公孫賛と劉備ですか・・・・・」

華琳「ええ。連合の初戦、我々で引き受けたほうが良かったかしら?」

桂花「いえ、水関の将は華雄一人です。それほど強い相手ではありませんし、ここで無駄な力を使うこともないでしょう」

一刀「使うなら、虎牢関だな。呂布に張遼」

桂花「ええ」

華琳「天下の飛将軍呂布と、神速の用兵を用いる張遼。黄巾の時は何進に振り回されて苦労していたようだけれど、本来ならどちらも一筋縄ではいかない強敵ね」

春蘭「それは確定情報なのか」

桂花「さっき戻ってきた斥候からの情報だから、今のところは最新情報よ」

華琳「ならその情報、後で公孫賛と劉備にも送っておきなさい」

一刀「送るのか?」

華琳「公孫賛は小物だけれど、麗羽と違って借りを借りと理解できる輩よ」

一刀「なら、劉備は?」

華琳「劉備というのは良く分からないけれど・・・・・・公孫賛が信用するに人物のようだし、戦いぶりは水関で分かるでしょう」

凪「軍議中、失礼します。華琳様、報告が・・・・・・」

華琳「なに、また麗羽が何か無茶な命令でもしてきたの?」

凪「いえ、そうではなくて・・・・・袁術殿が先行して勝手に軍を動かしてそうです」

一刀「・・・・・・」

春蘭「先鋒は誰だ!」

凪「先鋒は孫の旗。おそらくは孫策殿かと・・・・・」

華琳「・・・・・孫策の考えではないでしょうね」

桂花「功を焦ったのか、袁紹に張り合ったか・・・・・・ともかく、袁術の独断でしょう」

春蘭「華琳様!今こそ過日の借りを・・・・・!」

一刀「はぁ・・・・・」

華琳「今はまだ返すべき時ではないわ。それに孫策も望んではいないでしょうね・・・・・自制なさい」

春蘭「しかし!」

一刀「・・・・・・・脳なし」

春蘭「なんだと!」

華琳「孫策を助けるためには軍を動かすことになる。そうなれば我々は麗羽から不興を買うし、助けられた孫策も袁術の不興を買うことになる。それこそ借りを返すどころか、上積みよ」

春蘭「・・・・・・むぅ」

 

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関羽「曹操から情報が流れてきた?」

公孫賛「連中、桃香の所にも行くって行ってたから、どうなのかなと思ってさ・・・・・ちょっと来てみたんだ」

劉備「うん。ちょうどわたし達も、その話をしていたんだけど・・・・・どう思う?」

関羽「罠ではないのですか?この同盟軍、どうにも胡散臭いことが多すぎる・・・・・」

趙雲「やれやれ・・・・・。愛紗は疑心暗鬼が過ぎるのではないか」

劉備「朱里ちゃんはどう思う?」

諸葛亮「罠ではないでしょうね・・・・・・。曹操さんは野心の塊ですから、敵には容赦しないでしょうが・・・・・味方の足を引っ張って、自らの評判を落とすような人でもありません。それに孫策さんが水関の攻略に失敗したという情報は、確認してます」

張飛「華雄って、そんなに強いのか?」

諸葛亮「どうも袁術さんの側も一枚板ではないようで・・・・・孫策さんの隊に、袁術さんからの糧食の補充はなかったそうです」

公孫賛「・・・・はぁ?」

張飛「おなかが空いたら戦えないのだ」

諸葛亮「ともかく、その辺りの細かい情報も、こちらと一致してます」

関羽「なら、虎牢関の情報も正しいと?」

諸葛亮「恐らく、こちらに貸しを作っておきたいのと・・・・・こちらが本命だと思いますが、我々の実力を測りたいのだと・・・・」

公孫賛「まあ、桃香たちは新参だしな・・・・・どの程度の実力があるのかは、皆気になると思うぜ」

劉備「そっかー。じゃ、その情報は正しいと思って良さそうだね」

諸葛亮「はい。当面の作戦は、曹操さんの情報が正しいことを前提に立てますね・・・・・ただ、偵察も送っておきますね。違いがでたらその都度修正しますので・・・・・それでよろしいですか?」

劉備「うん。それでいこう!」

 

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一刀「・・・・・高いな」

 

 

巨大な砦の足元に広がるのは、公孫賛と劉備。

連携の取れていない同盟軍には珍しく、二つの隊は互いを助け合うような動きでしている。

 

 

凪「・・・・・始まりましたね。でも、本当に見ているだけでいいのでしょうか?」

一刀「いいのさ。指示が来るまで戦闘態勢のまま待機が、華琳の命だ」

真桜「まぁ、今んとことはこっちが有利みたいやし、大丈夫やろな・・・・・」

沙和「あれ?砦から兵士が出てきたの・・・・・」

一刀「・・・・・・・普通は攻められる側は、籠城するはずだが・・・・・挑発にでも乗せられたか」

真桜「守備隊の将ってどんだけアホやねん・・・・・」

一刀「・・・・・一騎打ちか。どこの将だ」

秋蘭「劉備の所の関羽というそうだ」

一刀「へぇー・・・・・・あれが関羽。いい闘氣だ」

凪「秋蘭様、どうしてこんな所に?」

秋蘭「あまりに暇なのでな。伝令役を買って出た」

一刀「・・・・それで、内容は?」

秋蘭「水関が破れたら、直ちに進撃を開始。劉備達が様子見で引いた隙を衝いて、一気に突発する。敵に追撃をかけるぞ」

真桜「敵の罠やったら?・・・・・・あっ」

一刀「落ちたか・・・・・」

秋蘭「・・・・・今、負けたのが水関の総大将だ。ここで自ら追撃しこのまま逃げ出すような輩に、そんな器用な作戦が立てられるはずもあるまい」

一刀「・・・・逃げたな。今が好機」

秋蘭「先頭は姉者が努める、お前達もうまく流れに乗るがいい」

一刀「あぁ。総員、移動を開始せよ!門が閉まるまでに駆け込め!」

「「「はっ」」」

 

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一刀は、その日の軍議には参加したくはなかった。

 

 

袁紹「華琳さん!何をやってるんですの!」

華琳「劉備たちは戦闘直後で、いったん矛を引いた形だったわ。そこで反撃を受けると厳しいだろうと判断したから、追撃を引き受けようと思ったのだけれど?」

袁紹「キーッ上手いこと言って!どうせ、水関を一番で抜けたかっただけなのでしょう!」

華琳「結果的にそうなった事は否定しないわ。けれど、華雄たちの追撃が主な目的だったのも確かよ」

劉備「ま、まぁ、二人とも、そんなに熱くならないで・・・・・結果的に、わたし達も助かったわけだし・・・・」

華琳「劉備もこう言っているのだし、それでいいんじゃないかしら?」

袁紹「ぐ、ぐぬぬぬぬぬ・・・・・っ!」

華琳「どうしてもと言うなら、次の虎牢関攻略は私たちが指揮を取っても構わないけど?・・・・・ただ、追撃はあ、誰かに引き受けてもらうと助かるわね」

袁紹「なら、追撃はわたくしがあ引き受けてあげますわ!虎牢関の一番乗りは譲ってもらいますからね!」

華琳「分かったわ」

 

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華琳「予定通り、虎牢関攻略の指揮権は引き受けてきたわよ。これで良いのね。桂花」

桂花「はい。ここで呂布と張遼を破れば、華琳様の名は一気に高まるでしょう。それは華雄ごときの比ではありません」

一刀「・・・・・・その分、強者だがな」

春蘭「呂布の武はは天下無双。飛将軍の名は伊達ではないな。それに張遼の用兵は神出鬼没と聞く。恐らくは、董卓軍で最強は奴ら二人だろう」

華琳「・・・・・欲しいわね、その強さ」

春蘭「また悪い癖が・・・・・」

秋蘭「今回ばかりはお控え下さい。張遼はともかく、呂布の強さは人知を越えております」

一刀「・・・・・・どれくらいの強さを持ってるんだ?」

秋蘭「用兵はともかく、個人の武では桁が外れていると聞く。中央に現れた黄巾党の半分、約三万は、呂布に一人で倒したそうだ」

一刀「そこまでか・・・・・」

秋蘭「もしどうしても呂布をご所望とあらば・・・・・そうですね。姉者と私、それから一刀と季衣、流琉あたりがいなくなると思っていただきたい」

華琳「・・・・・随分と、弱気ね」

春蘭「秋蘭共々、それほどの相手と認識しております」

華琳「・・・・・分かったわ。・・・・・・呂布は諦めましょう。でも張遼ならどうかしら?」

秋蘭「張遼の強みは個人の武よりも用兵にあります。兵を奪った上で捕らえろという命であれば、兵は桂花が。張遼は姉者が何とかしてくれるでしょう」

華琳「なら、張遼は桂花と春蘭に任せるわ。見事、捕らえてみせなさい」

「「御意!」」

華琳「では、桂花。全体の動きの指示を」

桂花「はっ」

 

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張遼「おー。来た来た」

華雄「・・・・・・」

張遼「来た来た」

華雄「・・・・・・・・・」

張遼「来た・・・・・・っつーか、どんだけ来るねん!華雄・・・・・言うてた数と全然違うやんか・・・・・」

華雄「そんなはずでは・・・・・・」

陳宮「これでは作戦も立て直しなのです!まったく、軍師のねねの事も考えて欲しいのです」

華雄「くぅ・・・・・・・兵の確認をしてくる!」

張遼「恋・・・。なんとかなりそうか?」

呂布「・・・・・・なんとかする」

張遼「せやな・・・・・・何とかせんと、月も賈駆っちも守れんか・・・・・」

呂布「・・・・・・・(コクッ)」

張遼「んー。陣形の展開もなかなかやな。この手の定石は籠城やし、向こうもそのつもりやろうけど・・・・・・」

兵士「申し上げます!」

張遼「何や?敵の状況なら見えとるで!

兵士「はっ。あの・・・・・・華雄殿が出撃されるようです・・・・・」

張遼「・・・・・・・・・・はぁ!?なんやそれ!」

陳宮「そ、そんなの聞いてないのです!」

張遼「前言撤回や!あの猪!」

呂布「・・・・・・出る」

張遼「・・・・・しゃあないやろ!せめて華雄を引きずり戻さんと、月に合わせる顔がないわ!」

 

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華琳「・・・・・・出てきたわね。水関の時といい、連中は籠城戦を知らないのかしら?」

桂花「旗印は華。・・・・・先日の失態を取り戻そうと華雄が独奏したのではないかと」

春蘭「春蘭でもしないわよ、そんなこと」

春蘭「華琳様、どうして私を引き合いに・・・・・」

一刀「春蘭をからかうのは、後にしてくれ。後続の出てきたぞ、旗印は深紅の呂旗、紺碧の張旗」

華琳「華雄の独走に引きずり出された、と言った所でしょうね。まあいいわ、一刀は他の部隊にも通達の指示。本作戦は、敵が関を出てきた場合の対応で行う!」

一刀「了解した。行くぞ」

凪「はっ」

真桜「分かった」

沙和「はーい」

華琳「・・・・・・さて。流琉」

流琉「お側に」

華琳「確かこれが初陣になるのよね・・・・・・この間は遠巻きに見ているだけだったけれど、実際に相手を目の前にして、どうかしら?」

流琉「正直・・・・・ちょっと怖いです」

季衣「大丈夫だよ。ボクも一緒に戦いから」

流琉「うん」

華琳「さて。流琉が大丈夫なら行動を開始するわよ。・・・・・・聞け!曹の旗に集いし勇者たちよ!この一戦こそ、今まで築いた我ら全ての風評が真実であることを証明する戦い!黄巾を討ったその実力が本物であることを、天下に知らしめてやりなさい!総員突撃!敵軍全て、飲み干してしまえ!」

 

 

これより、虎牢関の攻略が始まる。

 

説明
完成
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コメント
桂花「旗印は華。・・・・・先日の失態を取り戻そうと華雄が独奏したのではないかと」 ←ここのセリフで独奏ってあるけど独走ってこっちじゃないの?(アイリン♂)
春蘭「春蘭でもしないわよ、そんなこと」 ←ここのセリフは華琳じゃないの?(アイリン♂)
「かあ」や「はあ」などは、aのキーを押しすぎたのかな? 言葉が切れていく表現したいなら、「ぁ」を使えばいいと思うよ。(IFZ)
袁術でのが→殿が  劉備「罠ではないのですか?→「劉備」の台詞では無く「関羽」の台詞だと思われる  両備もこう言っているのだし→劉備  誤字が目立ちますね……(ohatiyo)
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真・恋姫†無双 一刀 

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