ブラック・ブレット〜黒の戦士と炎の印〜第4話依頼 |
第4話依頼
蓮太郎side
先生にえげつない物を食わされて一週間…喉の不快感はまだ治らず、今日ものど飴を舐めながら木更と一緒に登校。学校に着く頃にはのど飴も無くなっていた。途中、木更にせがまれキスをしたりとお熱い登校風景だった。
俺は、教室に入り先にいたヒビキと世間話や宿題について喋っていた。そして、国語、数学、英語の授業をマジメに受けて休み時間になると、いきなりクラスメイトから
「蓮ちゃん、天童さんが呼んでるよ。」
と言われ、何事かと思い彼女のとこに行くと彼女は
「里見くん、今から防衛省に行くから準備して。仕事よ。」
と言い放った。俺は、なぜ仕事で防衛省まで行くのか理由は分からなかったがどうでもいいやと思い、質問をした。
「えっ、学校は?」
「勿論、早退よ。」
そんなあっさり言うのかよ。とツッコミを入れたくなったが、入れたら不機嫌になって半殺しの刑になるのは目に見えていたのでやめておいた。俺が帰り支度をするのを見ていたヒビキに家の用事で帰ると誤魔化し、俺は校門を出た。
蓮太郎sideout
木更side
私が防衛省からのメールを確認したのは3コマ目の休み時間だった。授業中では携帯は使えないので、確認するのが遅れていた。集合は11:30、今は11:10だ。公共交通機関を使ったら絶対に間に合わない。私は同じクラスの未織に事情を説明すると未織は条件付きで司馬家の車を用意してくれることなので、私は急いで里見くんのクラスに行きました。
ちなみにその条件とは里見くんを使ってヒビキ君のフリーの時間を教えて欲しいとのことで、大方後のことは私は想像できた。とりあえず、ヒビキ君、南無―。
私は里見くんと一緒に校門を出ました。そこにはリムジンが止まっていました。里見くんは驚いていたけど、私は平然と中に入り車を進めて貰いました。これなら間に合うと思い、
里見くんと楽しい一時を過ごしました。
木更sideout
蓮太郎side
校門の前にあったのはリムジン。俺はなぜこんなものが、と思ったが木更さんにこれが司馬家の物でこれを借りるために交わした条件とやらを聞き、ヒビキにおつかれ。と心の中で謝りつつも、木更さんと甘い一時を過ごした。
そして防衛省に着き、案内されるとそこには既に数社来ており多くの民警も後ろの壁にもたれている。俺らの席は中間ぐらいにあった。木更が席に着き、俺もその後ろの壁にもたれた。何か辺りが騒々しいがまぁ、いつものことだと自分に言い聞かせて耐えていた。どうせ、餓鬼が民警なんてやってるんだよ的な話だろう。さらに俺は今日延珠を連れてきていないので怪しい人物と思われても仕方無いとしか言えない。俺は妙な視線を感じ、そこに目をやると延珠とは正反対のようなイニシエーターの少女がいた。俺と目が合うと少し目をそらしたが、すぐに視線を戻しまるで観察でもしてるかのように見ていた。
集合時間の11:30になると突如前のスクリーンに映像が映し出された。そこに映っていたのは天童菊之丞と聖天子だった。その圧倒的なオーラに民警の会社の社長は全員立ち上がる。無論木更もだ。俺ら民警も気を付けの姿勢でスクリーンを見つめる。全員がこちらを向いたのを確認した聖天子は依頼についての話を始めた。空席が1つあったのにもかかわらず
蓮太郎sideout
NOside
聖天子の話が始まった。今回の依頼は昨日から行方不明の感染源ガストレアの排除とそのガストレアに入っていると思われるケースを無傷の状態で回収しろということだった。すると、社長たちのいるテーブルにそのケースのホログラムが現れその横には巨額の報酬金が書かれていた。
部屋の中には呆れた顔をしてる奴が多い。それもそのはずだ。エリアの国家元首が直々に依頼する内容としてはいくらなんでも不釣り合いだった。聖天子はそんな奴に目もくれず「質問のあるひとはいますか」と尋ねる。するとセーラー服を身にまとう女性が挙手した。
「質問よろしいでしょうか。そのケースの中身は一体何なのでしょうか」
そう尋ねると聖天子は
「それは個人のプライバシーに関わることです。お答えはできません。ところであなた。お名前は。」
「天童木更です。」
木更ははっきりと名を言った。
後ろで天童菊之丞が怒気を発していたが、聖天子は手で制したことで菊之丞も落ち着いた。
「…あなたがお噂の方でしたか。「そんなことはどうでもいいのでは聖天子様。私が疑問に思っているのは「なぜ、そんな簡単な仕事を民警のトップクラスを交えて聖天子が依頼者として話をするのか、だろう。クックックッ」
NOsideout
蓮太郎side
木更の堂々とした態度に圧倒されたが、俺は木更の質問を途中で遮った男の声がしたほうに目を向けた。いや、声だけで誰が言ったかは分かっていた。そして、目を向けると空席だった場所にあいつが座っていた。その隣にはイニシエーターであろう二振りの小太刀を持った少女がいた。
「蛭子、どっから入ってきた。」
俺は最大限の怒気と殺気をやつに浴びせ、質問した。だがあいつはなんとも思わないような顔つきでこう言う。
「まぁまぁ、その“気”を沈めたまえ。我が同志、里見蓮太郎君よ。質問の答えはこうだ。堂々と正面から入ってきた。まぁ、その途中で障害は排除させてもらったけどね。」
「お前の同志になるつもりもなったつもりもねぇよ。」
「静まりなさい。」
聖天子のまさに鶴の一声と言うべき言葉で剣呑な空気は少し和らいだ。
「あなたたちの名前は。」
聖天子が尋ねると
「俺は天童民間警備会社所属の里見蓮太郎。」
「私は蛭子影胤。私もその((依頼|レース))に参加させてもらいたい。無論あなたたちの敵だ。」
「お前の目的は何だ。それにお前の隣にいるイニシエーターは誰だ。」
「私の目的かい。それは『七星の遺産』を頂き、この東京エリアにゾディアックを召還すことさ。そうだ、もう一つの質問にも答えよう。小比奈。「はい、パパ。」この子が私の相棒であり、娘の小比奈さ。」
机の上に昇るとフリル付きの黒のワンピースにウェーブ状の短髪姿の少女が丁寧にお辞儀をした。それよりも俺は『七星の遺産』の言葉に反応した聖天子のことが気になった。しかし、俺は何を言われているか分からなかった。七星の遺産…それにゾディアックを召還するとまで言った。そんなことでもしたら東京エリアは大絶滅を起こす。一体何が目的なのか・・・
「君たちに質問がある。七星の遺産とは何かね。私たちにはそんな情報は入ってないのだが。」
突然質問をしたのは「三ヶ島ロイヤルガーダー 代表取締役 三ヶ島((影似|かげもち))」という奴だ。ちなみにその会社はこのエリアで1,2を争うほどの大手だ。優秀なペアも多数存在している。
「君たちは何も知らずにこの依頼を受けるつもりだったのかい。無能な国家元首だねぇ、聖天子。代わりに私が説明しよう。七星の遺産とはケースの中身に入っているエリアの封印指定物のことさ。ソレを私が使うと東京エリアにゾディアックを呼び、東京エリアは『大絶滅』を迎えるだろう。」
あいつの答えは実にシンプルで恐ろしいものだった。出席者らはみな怒気を放っている。
しかし、それだけでは済まない奴もいた。
「つまり、お前が死ねば何の問題も無いってことだろ。じゃあ今すぐ死ねやぁー。」
そう言い、蛭子に突撃を掛けたのは三ヶ島ロイヤルのプロモーターだ。1回だけ会ったことがある。確か名前は伊熊将監。前に俺に観察するように見ていた少女が止めようとしたが無理だった。そんなことを思い出しているうちに伊熊は大太刀を抜き、一瞬で蛭子の懐に入り、刀を振り下ろしたが俺の予想通り攻撃は失敗に終わった。
なぜならあいつは斥力場シールドを張り、刀を弾いた。俺以外皆驚いた表情をしていた。特に伊熊は必殺の間合いで蛭子に負けたのだ。動揺している。
「隙はあまり見せるものでは無いよ。」
そう蛭子が言うと、あいつはべレッタ拳銃を抜き発砲した。伊熊はかろうじてその太刀で弾を流した。すると、俺と伊熊以外の連中が自衛用の拳銃を抜き発砲態勢に移っていた。
俺はこの後の光景が分かっていた。
「みんな、やめろ。こいつは、蛭子影胤は斥力場シールドを使いこなす『新人類創造計画』
の内の1人だ。今、弾を打ったところでこいつにはかすりもしねぇ。」
俺は大声でみんなに蛭子の正体を明かした。
「な、何だと…あのガストレア戦争が生み出した対ガストレア用特殊部隊の1人だと…存在していたのか。」
みんな驚きの表情だ。聖天子も驚きの色が隠せていない。無理も無いだろう。噂程度しかないものが存在していたのだから…。そのころには皆、銃を下ろしていた。
「あぁ、そうさ。私は元陸上自衛隊東部方面隊第七八七機械化特殊部隊『新人類創造計画』蛭子影胤だ。」
「では、また会える日を楽しみにしているよ。あっ、そうそう。ここに元々座っている予定だった社長さんは殺させて貰ったよクックックッ」
そう言うと蛭子は机に木箱を乗せ、窓から飛び降りた。
部屋はシーンと静まりかえる。俺はおそるおそる木箱の中を開けた。そこには紛れもなく座っているはずの社長の首が入っていた。
「皆さん、聞いて下さい。事態は最悪の方向に走っています。あの蛭子影胤より先にガストレアを倒し、ケースを回収して下さい。」
俺はこれから起こるであろうことに恐怖を感じていた。
あとがき
今回は今までに比べるとダントツで長かったです。そして投稿しばらくできなくてすいません。これからはちゃんと投稿ペースを守ります。では次回にて・・・
説明 | ||
2週間ほど投稿してなくて申し訳ありません。以後気を付けます。 今回は長めです。では・・・ |
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コメント | ||
蓮太郎と木更が既にカップルなのが甘くていいですね、自分もこの2人のカップリング好きですしww(本郷 刃) | ||
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ブラック・ブレット 蛭子影胤 天童木更 里見蓮太郎 | ||
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