英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜士官学院・グラウンド〜

 

「…………………」

ベルフェゴールの圧倒的な攻撃にサラ教官を含めたその場にいる多くの者達は口をパクパクさせていた。

 

「な、何なんだ、今のは!?」

「せ、戦車や戦闘用の飛行艇に搭載されてある導力砲でもあんな威力は出せないんじゃないの!?」

そして我に返ったマキアスとアリサはそれぞれ表情を青褪めさせ

「余りにも圧倒的すぎる攻撃だな……」

「……”魔神”はたった一人で国一つを滅ぼせる程の力を持っているという話をプリネ達から聞いた時は何の冗談かと思ったが、これを見たら納得できるな……」

「しかも撃った本人が平然としている様子からして、まだまだ余力を残しているね。」

ラウラとユーシスはそれぞれ真剣な表情でベルフェゴールを見つめ、フィーは静かな表情で呟き

「……あの時彼女が手加減してくれなかったら、オレ達は一瞬でこの世から消滅していただろうな。」

「や、止めてよ、ガイウス。想像するだけでも恐ろしいのに……」

真剣な表情で呟いたガイウスの言葉を聞いたエリオットは不安そうな表情をし

(これが伝承上しか存在していない”七大罪”の一柱である”魔王”の力………一体どうしてそれ程の存在がリィンさんに………)

エマは真剣な表情でベルフェゴールを見つめた後、不安そうな表情でリィンを見つめた。

「あ、圧倒的な魔力でしたね。下手をしたらエクリアさんやペテレーネさんとも並ぶか、それ以上じゃないですか?」

「ええ……さすがは”七大罪”の一柱を司る”魔神”ね。」

「フッ、あの時、奴の気まぐれでシュバルツァーと契約していなかったら、俺達の方に甚大な被害が出ていただろうな。」

一方ツーヤは表情を引き攣らせ、ツーヤの言葉に頷いたプリネは真剣な表情でベルフェゴールを見つめ、レーヴェは静かな笑みを浮かべてベルフェゴールを見つめた。

 

「はい終わりっと!どう?私と”契約”して、改めてよかったと思うでしょう?」

「あ、ああ。え、えっと……サラ教官、これで一応クリアしたという事でいいでしょうか?」

微笑むベルフェゴールに視線を向けられたリィンは戸惑いながら頷いた後サラ教官を見つめて尋ね

「ええ。まさかこのあたしが相手の強さを推し量れなかったとはね……」

尋ねられたサラ教官は頷いた後疲れた表情で溜息を吐いた。

 

「フフ、貴女みたいな”お子様”に私の強さを推し量れる訳ないじゃない♪」

「へえ?まさかこのあたしを”お子様”扱いする命知らずが存在するなんてねえ?まあ確かに何百……いえ、何千年生きているかわからない”お年寄り”にとったら20代のあたしなんて”お子様”でしょうけどねえ?同じ女として、骨董品レベルの年代を生きているのにどうやってそんな”若作り”ができているのか、是非聞きたいわ。」

しかしからかいの表情で自分を見つめて言ったベルフェゴールの言葉に顔に青筋を立てたサラ教官は不敵な笑みを浮かべてベルフェゴールを見つめ

「あら、もしかして私の美しさに嫉妬しているのかしら?人間の女って難儀な生物よねえ?人間は他の種族と違って比較的老化が早いから、必死になって男にアプローチをしないと貴女みたいな中古品はすぐに売れ残っちゃうし♪同じ女として同情するわ♪」

「誰が中古品で売れ残りですって!?」

「ベ、ベルフェゴール!?」

からかいの表情でサラ教官の怒りを次々と買うような発言を次々と口にするベルフェゴールにリィンは慌てだし

「うふふ、それじゃあまた用があったら呼んでね、ご主人様♪」

慌てだすリィンや自分を睨むサラ教官の様子をからかいの表情で見つめたベルフェゴールはリィンの身体の中へと戻って行った。

 

「見てなさいよ……いつか絶対にその余裕そうな面を恐怖に変えて、あたしを舐めた事、後悔させてやるんだから……!」

ベルフェゴールがその場から消えるとサラ教官は怒りの表情で呟き、サラ教官の物騒な発言を聞いたその場にいる全員は冷や汗をかき

「ハア……場をかき乱すだけ乱して、自分は逃げるなんて。契約しているこっちの身にもなってくれよ……」

(うふふ、期待して待っているわ♪)

リィンは肩を落として疲れた表情で溜息を吐き、サラ教官の呟いた言葉を聞いていたベルフェゴールはからかいの表情でサラ教官の見つめていた。

 

「え、えっと、サラ教官。リィンさん達が戦った相手は一体何なのでしょうか?」

その時場の空気を変える為にプリネがサラ教官を見つめて尋ね

「そ、そう言えば……!」

「機械……?見た事ないかも。」

プリネの言葉を聞いたアリサとフィーはそれぞれ自分達が戦った人形兵器達を思い出した。

 

「んー、とある筋から押し付けられちゃった物でね。あんまり使いたくないんだけど色々設定できて便利なのよね〜。ま、ちゃんとテストの役に立ったし、結果オーライということで♪」

(色々事情がありそうだけど話すつもりはなさそうだな……)

笑顔で答えを誤魔化すサラ教官をリィンは呆れた表情で見つめていた。

 

「―――さて。”実技テスト”はここまでよ。先日話した通り、ここからはかなり重要な伝達事項があるわ。君達”Z組”ならではの特別なカリキュラムに関するね。」

「!!」

そしてサラ教官の口から出た今まで気になっていた言葉が出ると全員真剣な表情でサラ教官に注目した。

 

「ふふ、さすがにみんな気になってたみたいね。それじゃあ説明させてもらうわ。君達に課せられた特別なカリキュラム………それはズバリ、”特別実習”よ!」

「と、”特別実習”……ですか?」

サラ教官の口から出た未知なる言葉を聞いてクラスメイト達と共に黙って考え込んだ後、クラスメイト達を代表するかのようにエマが戸惑いの表情で尋ね

「……な、なんだか嫌な予感しかしないんだが……」

入学式でのオリエンテーリングの事を思い出したマキアスは表情を引き攣らせた。

 

「君達にはA班、B班にわかれて指定した実習先に行ってもらうわ。そこで期間中、用意された課題をやってもらうことになる。まさに特別(スペシャル)な実習なわけね♪」

「学院に入ったばかりなのにいきなり他の場所へ……?」

サラ教官の説明を聞いたエリオットは戸惑いの表情で尋ね

「……その口ぶりだと、教官達が付いてくるというわけでもなさそうですね?」

ある事に気付いたリィンは尋ねた。

 

「ええ、あたし達が付いていったら修行にはならないでしょ?獅子は我が子を千尋の谷にってね。」

「はあ………」

「ふむ、修行ならばむしろ望むところではあるが……」

説明を聞き終えたアリサは疲れた表情で溜息を吐き、ラウラは考え込み

「―――バレスタイン教官。結局、俺達に何時(いつ)、どこへ行けと言うんだ?」

ユーシスは一切動じていない様子で尋ねた。

 

「オーケー、話を進めましょ。さっきも言った通り、君達にはA班、B班にわかれてもらうわ。さ、1部ずつ受け取りなさい。」

そしてサラ教官はメンバー表を配った。

 

『4月特別実習』

A班・リィン、アリサ、ラウラ、エリオット、プリネ

   (実習地:交易地ケルディック)

 

B班・エマ、マキアス、ユーシス、フィー、ガイウス、ツーヤ

    (実習地:紡績町パルム)

 

 

「え―――――」

メンバー表に自分とアリサが一緒である事に気付いたリィンは呆け

「えええっ……!?」

アリサは驚きの表情で声を上げた。

 

(絶対狙って分けていますよね……)

(十中八九そうでしょうね。本当にこのメンバーで大丈夫かしら?)

クラスの雰囲気を悪くしているリィンとアリサ、ユーシスとマキアスがそれぞれ一緒の班である事にツーヤは表情を引き攣らせ、プリネは頷いた後苦笑しながら4人を見つめ

「ほう……興味深い班分けだ。」

ラウラは目を丸くしてメンバー表を見つめた。

 

「ケルディックとパルム……どちらもエレボニアの街なのか?」

「う、うん。ケルディックは東にある交易が盛んな場所だけど。」

「パルムは帝国南部にある紡績で有名な場所ですね……それと確かメンフィル領と隣接している場所でもありましたよね……」

ガイウスの疑問にエリオットと共に答えたエマは遠慮気味にプリネとツーヤを見つめ

「……あそこか。めんどくさいな。」

自分が行く場所の状況などを知っているフィーはつまらなそうな表情をしていた。

「ば、場所はともかくB班の顔ぶれは……!?」

「……あり得んな。」

(やれやれ。先が思いやられるな。)

一方マキアスは信じられない表情でメンバー表を見つめ、ユーシスは呆れた表情で呟き、二人の様子を見たレーヴェは溜息を吐いた。

 

「―――日時は今週末、実習期間は2日くらいになるわ。A班、B班共に鉄道を使って実習地まで行く事になるわね。各自、それまでに準備を整えて英気を養っておきなさい―――!」

 

そして数日後、ついに”特別実習日”が来た………!

 

 

説明
第23話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 まあ、チートすぎますからねww THIS様&Kyogo2012様 和解するでしょうねえ。リア充ですし!!(sorano)
和解なんかしなくてもいいよ。したら、きっと、エリゼ様が激おこぷんぷん丸になるよ。ケケケケ(Kyogo2012)
 相手の方が一枚も二枚も上手ですって!!そして・・・ここからどうなるのか!?アリサとの和解はいくのかね?(THIS)
サラよ、きっとというか確実にベルフェゴールが後悔するということは訪れないであろうww(本郷 刃)
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