英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
リィン達が駅に入ると既にB班のメンバーが駅にいた。
〜トリスタ駅〜
「あら、皆さん。おはようございます。」
「そちらも出発か。」
「……おはよ。」
「おはようございます。天気も晴れで幸先がいいですね。」
リィン達に気付いたエマ、ガイウス、フィー、ツーヤはそれぞれ声をかけてきた。
「ああ、おはよう。」
「そっちはもう出発するみたいね?」
「ええ、B班のパルム市はここから結構離れていますから。今から出発したとしても夕方近くに到着する見込みです。」
「ふむ、確かにそのくらいはかかるか。」
「たしか帝国で一番南にある町だったよね。」
エマの話を聞いたラウラとエリオットはそれぞれ位置を思い出しながら呟き
「ええ。リベール王国やメンフィル領にもかなり接近している町です。それはともかく……そちらは相変わらずのようですね。」
二人の言葉に頷いたプリネは冷や汗をかいて苦笑しながら互いに背を向けているマキアスとユーシスに視線を向けた。
「………………………」
「………………………」
互いに背を向けている二人は何も答えず黙り込み、二人の周囲は険悪な空気をさらけ出していた。
「ねえ、あれって……」
「ずっと、あの調子なのか?」
二人の様子を見たアリサとリィンは小声でB班の他のメンバーに尋ねた。
「まあ、そうだな。」
「その、思った以上に溝が深いみたいで……」
「実習先で喧嘩をしないか、かなり不安なんですよね……」
「正直、うっとおしい。」
二人の質問にガイウスは頷き、エマとツーヤは不安そうな表情をし、フィーはジト目になって答えた。
「う、うーん……」
「やれやれ、こちらの方ほど簡単には行かないようだ。」
「せめて二人がそれぞれどこかで妥協してくれればよいのですが……」
4人の答えを聞いたエリオットや、ラウラ、プリネはそれぞれ困った表情をしていた。
「そういえば……アリサさん、リィンさんと仲直りできたんですね?」
「べ、別にそんなに仲が悪かったわけじゃ……そもそも仲直りって最近知り合ったばかりだし!」
(フフ、反応が初心でホント、可愛いわね♪)
エマの指摘に慌てている様子のアリサを見たベルフェゴールは微笑ましそうに見つめていた。
「よかったな、リィン。」
「やったね。」
「誤解が解けて何よりです。」
「はは……ありがとう。」
「だ、だからそういう大げさな話じゃないってば!」
ガイウスやフィー、ツーヤに祝福されたリィンは苦笑し、アリサは顔を真っ赤にして怒鳴った!
まもなく2番ホームに帝都行き旅客列車が到着します。ご利用の方は、連絡階段を渡ったホームにてお待ちください。
「……フン。」
「時間だ、行くぞ。」
そして列車が来る放送が聞こえるとユーシスとマキアスはそれぞれホームへと向かっていった。
「……大変そうだけどそちらも頑張ってくれ。」
「あの二人の間を取り持つのは難しいかもしれないけど……」
「ああ、やるだけやってみる。」
「あたしも出来る限りの事はしてみます。」
リィンとエリオットの応援の言葉にガイウスとツーヤは頷き
「そなたたちにも武運を。気を付けて行ってくるといい。」
「互いに良い報告ができるように、私達も頑張りますので、そちらも頑張ってください。」
「初めての特別実習……お互い頑張りましょう。」
「ふふっ、はい。」
「……じゃね。」
ラウラとプリネ、アリサの言葉に頷いたエマとフィーはガイウスと共にマキアスとユーシスの後を追い、到着した列車に乗り込み、リィン達も乗車券を購入した後列車に乗り込んだ。
〜列車内〜
「えっと、ケルディックまで1時間くらいなのかな?」
「そのくらいのはずだ。先日、トリスタに来る時にちょうど乗り換えたからな。」
「そうか、ラウラの故郷の”レグラム”は確か……」
「ケルディックに乗り換えてバリアハートに向かうのよね?」
「うん、そこから更に列車を乗り継いだ終点になる。はっきり言って僻地だな。」
リィンとアリサに尋ねられたラウラは頷いた後故郷の牧歌的な景色を思い浮かべて苦笑した。
「フフ、ロレントも良い勝負だと思いますけどね。」
「”ロレント”?」
ラウラの言葉に微笑むプリネの言葉を聞いたエリオットは首を傾げ
「確かリベール王国の都市の一つ……よね?」
アリサは自分が覚えている知識を思い出しながら尋ねた。
「はい。幼い頃からロレント郊外にある大使館で育ちましたからロレントは私にとって第二の故郷と言ってもおかしくありませんから。」
「あ。そう言えばロレント市はメンフィル大使館やアーライナ教の大聖堂がある事で有名よね。」
「へえ……意外だなあ。お姫様なんだからてっきりメンフィル帝国のお城で育ったのかと思っていたけど。」
プリネの話を聞いてある事を思い出したアリサは目を丸くし、エリオットは不思議そうな表情で尋ねた。
「ふふっ、確かに礼儀作法等様々な勉強は城で習いましたけどお父様とお母様は基本、大使館に住んでいますから、城と同じくらいの頻度でロレントにある大使館に住んでいましたので。それにしても……フフ、ラウラさんの故郷が僻地である事を考えると不思議な共通点がありますね。」
「共通点?」
微笑むプリネの言葉に訳がわからないリィンは首を傾げて尋ねた。
「皆さんはリベールの”剣聖”―――カシウス・ブライト准将は知っていますか?」
「えっと、確か”百日戦役”でエレボニア帝国軍を追い払ったリベールの”英雄”、だよね?」
「私も勿論知っている。剣の腕も父上と互角と言われるほどの武人で、また戦略眼も優れている勇将と聞いている。」
「……俺も勿論知っている。剣の道に関わっているなら必ず聞く名だし、何より俺と同じ八葉一刀流の剣士であり、”皆伝”を頂いている方だからな。」
「リベールにそんな凄い人がいるんだ……でも、その人がラウラの故郷が僻地である事とどう関係があるのかしら?」
プリネの質問に答えたエリオット、ラウラ、リィンの説明を聞いたアリサは目を丸くした後尋ねた。
「そのカシウス准将の実家がロレント市なんです。カシウス准将と同じくらい剣士として有名な”光の剣匠”―――アルゼイド子爵が納められている領地も僻地という事なのですから、不思議な偶然だと思いませんか?」
「なるほど………」
「確かに凄い偶然ね……」
プリネの説明にラウラは頷き、アリサは目を丸くした。
「はは、僻地っていうなら俺の故郷も大概だけど……たしかケルディックと言えば交易地として有名だったよな?」
「うん、『大市』がある場所って昔から知られているみたいだね。」
「実習前のおさらいとして一応、確認しておきましょうか。交易地ケルディック―――帝国東部、クロイツェン州にある昔から交易が盛んな町ね。帝都と大都市バリアハート、更には貿易都市クロスベルと結ぶ中継地点としても知られているわ。」
「このあたりは昔から大穀倉地帯としても有名だ。農作物全般からバリアハート特権の宝石や毛皮、大陸諸国からの輸入品まで……一年を通して開かれる大市では様々なものが商われているらしい。」
「それは凄そうだな……」
「ええ……町としてもかなり栄えているのでしょうね。」
「うーん、ちょっと楽しみかも。」
アリサとラウラの確認の説明にリィンとプリネは目を丸くし、まだ見ぬ未知の土地にエリオットは嬉しそうな表情をした。
「まあ、ただの旅行で済むのなら気が楽なんだけど……サラ教官の事を考えると全然安心できないのよね……」
「ううっ……それを言わないでよ。」
「この『特別実習』が始まるまで色々と驚かされましたものね……」
疲れた表情で溜息を吐いたアリサの言葉を聞いたエリオットは不安そうな表情をし、プリネは苦笑していた。
「『特別実習』か……何をさせられるんだろうな。士官学校である以上、厳しいものが想像できるけど。」
「まあ、そうでなくてはわざわざ出向く甲斐がない。せいぜい楽しみにしておこう。」
「う、うーん……」
「とりあえず、到着したら宿に立ち寄ろう。そこで実習内容を記した封筒を受け取る手筈のはずだ。」
「ああ、そうだったわね。しかしさっきの駅といい、妙に準備が良すぎるような……」
リィンの言葉に頷いたアリサがある事に気付いてジト目になったその時
「―――それだけ士官学院も君達に期待してるってこと。」
サラ教官がリィン達に近づいてきた。
現在エステル達がゲスト出演する話を考えています。その時はエステル達に大暴れをさせる予定ですのでその時をお待ちください(ニヤリ)勿論、光と闇の設定を持ちこしているのでパズモ達もいますし、当然の如く反則的な強さを誇るフェミリンスだっていますよ?ちなみに今の所は終章のラストダンジョン時に登場させる話を考えているので終章に出てくる可能性は大かと思いますww
説明 | ||
第25話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1821 | 1709 | 3 |
コメント | ||
感想ありがとうございます。 本郷 刃様&Kyogo2012様 あの二人と同じ班のメンバーはご愁傷様ですねww THIS様 ツーヤもエマと一緒に胃をいためているでしょうねww(sorano) つーやに期待ですかね?ファイトと言わせて。しかし・・・すでにアリサの件って公認に近いも乃があったのに驚いた。(THIS) ユーシスとマキアスは最初の頃は最悪だったからな・・・・・。他のメンバーよ、頑張れ。としか言えませんな。ケケケケケ(Kyogo2012) B班はまったくもって苦労しそうですよね、ユーシスとマキアスww(本郷 刃) |
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