英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜ルナリア自然公園・奥地〜

 

「はあっはあっ………」

「と、とんでもなかったわね……」

「……さ、さすがにもうダメかと思ったよ……」

「はあっ、はあっ……だが……何とか撃退できたようだ。」

戦闘が終了するとベルフェゴールとミルモはそれぞれの主の身体へと戻り、戦闘が終わった事に安堵と共に疲労が襲って来たリィン達は地面に膝をついて息を切らせ

「皆さんが無事で何よりです……」

唯一人疲れている様子は見せなく、地面に立っているプリネは疲弊していながらも無事の様子のリィン達を確認して安堵の溜息を吐いた。

 

「―――リィン。今しがた見せたのは?」

そして息を整え、立ち上がったラウラは魔獣に止めを刺した時のリィンの奥義を思い出して尋ね

「ああ……修行の賜物さ。今まで実戦ではロクに使えなかったんだが……何とかコツが掴めたんだ。」

尋ねられたリィンは自分が放った奥義の正体を説明した。

 

「そうか……」

「えへへ……やっぱりリィンは凄いな。」

「いつもここぞという時にやってくれるものね……」

「いや……みんなのおかげさ。今の魔獣にしたって……みんなの力を合わせなければとても敵わなかっただろう。この勝利――――俺達A班全員の”成果”だ。」

エリオットとアリサに感心されたリィンは恥ずかしそうな表情で答えた後、先程の戦闘を思い出し、静かな表情で答えた。

 

「……えへへ……」

「ふふっ、そうね……」

「皆の成果か……」

「!(この気配、足音は………!やはり来たわね……)」

エリオット達が強敵との戦いの勝利に喜んでいる中、どんどん自分達に近づいて来る多くの人の気配を感じたプリネは厳しい表情で自分達が歩いてきた方向を見つめた。

 

「……と、とんでもねぇ……」

「ぐっ……こんな連中が出てくるとは……」

「あの野郎……話が違うじゃねえか……」

一方リィン達の戦いを見ていた偽管理員達はそれぞれ信じられない表情でリィン達を見つめていた。

 

「”あの野郎”……?」

そして偽管理員の一人が呟いた言葉を聞いたリィンが偽管理員達に視線を向けたその時、笛の音が聞こえてきた!

 

「え……!?」

「こ、これって……」

「……面倒な者達が駆け付けてきたようだな。」

笛の音を聞いたアリサとエリオットは驚き、ラウラは厳しい表情をしていつの間にか、自分達の背後にいる領邦軍を睨んだ。

 

「いたぞ……!」

「連中も一緒だ!」

そして領邦軍は偽管理員達達を包囲せず、なんとリィン達を包囲した!

「手を上げろ!」

「抵抗は無駄だぞ!」

「くっ……」

「何故、そこの彼らではなく我らを取り囲むのかな……?」

領邦軍に降伏勧告をされたリィンは唇を噛みしめ、ラウラは厳しい表情で質問した。

 

「口答えするな……!」

「学生だからと言って手加減するなと思うなよ!」

「へ、へへ……」

「頑張ったみてえだがここまでのようだなァ?」

リィン達を包囲する領邦軍を見た偽管理員達は勝ち誇った笑みを浮かべ

「か、完全にグルじゃないか………」

「……呆れ果てたわね。」

「…………まさかここまで腐敗していたとは。」

エリオットは信じられない表情をし、アリサとプリネは呆れた表情で領邦軍を見つめた。

 

「―――何の話かな?確かに、盗品もあるようだが彼らがやった証拠はなかろう。可能性で言うならば……”君達”の仕業という事もあり得るのではないか?」

「ええっ!?」

「……そこまで我らを愚弄するか。」

「本気でそんな事がまかり通るとでも……?」

隊長が口にした信じられない言葉にエリオットは驚き、ラウラとリィンは厳しい表情で隊長を睨んだ。

 

「わきまえろと言っている。ここは公爵家が治めるクロイツェン州の領内だ。これ以上、学生ごときに引っ掻き回されるわけにはいかん。手を引かぬというならば……このまま容疑者として拘束し、バリアハート市に送ってもいいが?」

「くっ……」

「最悪ね……」

隊長の言葉を聞いたリィンは唇を噛みしめ、アリサは怒りの表情で隊長を睨んだ。

 

「ああ、そうそう。そちらの女子生徒にはバリアハート市まで同行してもらうぞ?公爵閣下にとって、そちらの女子生徒は”今後”の為に役に立つからな。」

「……………」

そして口元に笑みを浮かべた隊長に見つめられたプリネは厳しい表情で隊長を睨み

「なっ!?」

「ええっ!?そ、それってまさか……!」

「ちょ、ちょっと、ちょっと!?その娘が誰なのかわかっていて発言しているの!?」

「メンフィル帝国と外交問題が発生する可能性があるのがわかって発言しているのか!?」

隊長の言葉を聞いて領邦軍がプリネを拘束しようとしている事を察したリィンとエリオットは驚き、アリサは信じられない表情をし、ラウラは厳しい表情で警告した。

 

「フン、”魔王”と言えど人の子……愛娘の為に強気になれないと思うが?それにこれは公爵閣下の”勅命”だ。」

アリサとラウラの反論に嘲笑した隊長は懐から書状を出し

「”アルバレア公爵家”の印がされてある……正真正銘”アルバレア公爵家”の勅命書だ……!」

書状に押されてある豪華な印の部分を見たラウラは厳しい表情で呟き

「クッ……!」

「国家間の修復の為にわざわざエレボニアに留学して来たプリネを人質にしようとするなんて……どこまで腐っているのよ……!」

「ど、どうしたらいいの……!?」

ラウラの言葉を聞いたリィン達はそれぞれ厳しい表情をしたり不安そうな表情をした。

 

「やれやれ……アルバレア公爵も思い切った事をしたものだ。”百日戦役”の続きでもしたいのか?」

その時呆れた様子の聞き覚えのある青年の声が聞こえ

「!?何者だ!姿を現せ!!」

声を聞いた隊長は周囲を警戒して声を上げ

「え――――」

「こ、この声って……!」

「ま、まさか……!」

声を聞いたリィンは呆け、アリサとエリオットは驚いた後周囲を見回した。するといつの間にか木の枝に立っていたレーヴェがリィン達の前に飛び込み

「―――セイッ!!」

「ぐああああああっ!?」

「ぎゃあああああっ!?」

剣で周囲を薙ぎ払うと共に凄まじい斬撃波を放ってリィン達を包囲していた領邦軍の兵士達を吹っ飛ばし、レーヴェの斬撃波を受けた兵士達は大量の血を噴出させながら地面に叩きつけられ

「………………」

レーヴェはプリネの前に出て剣を構えて冷徹な視線を領邦軍に向け

「あ―――」

「レオン教官……!」

「ど、どうしてここに……!?」

レーヴェの姿を見たリィンは呆け、ラウラは驚きの表情で声を上げ、アリサは信じられない表情で尋ねた。

 

「――忘れたか。俺の本来の役割はプリネ皇女の護衛だ。お前達”Z組”の成長を阻害せぬ為に今まで手は出さないでいたが………さすがに見過ごせない事態になったからな。こうして介入させてもらった。」

「そ、そう言えばレオン教官はツーヤと同じプリネ姫の護衛役だったよね……!?」

「ああ……」

レーヴェに問いかけられてある事を思い出したエリオットは驚きの表情でリィンに尋ね、尋ねられたリィンは頷いてレーヴェを見つめた。

 

「き、貴様、何者だ!?その紋章―――メンフィル帝国の軍人か!?何故メンフィル帝国の軍人がここに……いや、ここをアルバレア公爵家が治めるクロイツェン州だと理解していての狼藉か……!?」

一方隊長は怒りの表情でレーヴェを睨んで怒鳴り

「フン、狼藉をしているのはどちらだ?―――それと先に言っておくがここで俺達が暴れ、貴様らを滅した所でエレボニア帝国は俺を”犯罪者”扱いできないどころかメンフィル帝国に対して、謝罪を求める事もできん。」

「何だと!?」

レーヴェの発言に驚いた隊長がレーヴェを睨んだその時、レーヴェは懐から書状を出し

「――――メンフィル皇女プリネ・カリン・マーシルン並びにプリネ皇女と”契約”している使い魔達。プリネ皇女親衛隊長ツーヤ・ルクセンベール並びに副隊長レオン=ハルト。以上の者達がエレボニア皇帝、ユーゲント・ライゼ・アルノールの名において自分達を襲う者達と戦闘、処刑並びに拘束した際の罪は”相手が貴族、軍人、平民関係なく”問わない。」

「なっ!?」

「ええっ!?」

「ユ、ユーゲント皇帝陛下直々の勅命書……!?」

「王印がされてある……という事は本物の勅命書か……!一体どういう事なのだ……!?」

レーヴェが取り出した書状の説明を聞いたリィンとアリサは驚き、エリオットは信じられない表情をし、書状に押されてある王印を見たラウラは信じられない表情でレーヴェとプリネを見つめた。

 

「―――とある方に私達の留学を依頼された時にお父様が出した条件の一つです。お父様もこうなる事は予測していましたので……」

「ええっ!?」

「で、でもどうやってユーゲント皇帝陛下にあんな勅命書を書かせる事ができたの……!?」

「……まさか。プリネ達の留学を依頼した人物というのはエレボニア皇族の方なのか?」

(一体誰が……)

プリネの説明を聞いたアリサは驚き、エリオットは戸惑い、ラウラは真剣な表情でプリネを見つめ、リィンは考え込んでいた。

 

「な、なななななななっ!?」

一方レーヴェが取り出した書状の内容を知った隊長は狼狽え

「た、隊長……!ど、どうすればいいのですか……!?」

兵士達は混乱した様子で隊長に判断を促し

「う、うるさい!あんな書状、偽物に決まっている!かかれ――――ッ!!」

「オオオォォォォオォ――――ッ!!」

そして混乱している様子の隊長の指示を受け、残りの兵士達はレーヴェに突撃した。しかし!

 

「―――雑魚が。その傲慢な意志、全て砕け散らしてやろう……!はぁぁぁぁぁぁぁ………!」

「なっ!?」

「か、身体が……!?」

「こ、凍り付いて行く……!?」

膨大な闘気を込めた剣をレーヴェが地面に突き立てると襲い掛かって来た兵士達全員は殺気や闘気によって発生した氷に覆われ

「滅!!」

「ガハッ!?」

レーヴェが強烈な一撃を地面に流し込むと兵士達は全員地面に倒れて2度と起き上がらなくなった!

 

「う、嘘!?あれだけいた兵士達が一瞬で……!?」

「す、凄すぎる……!」

「なんて剣気だ……!」

「下手をすれば父上に届くかもしれないな……」

レーヴェの奥義―――絶技・冥皇剣を見たアリサとエリオットは驚き、リィンは信じられない表情をし、ラウラは真剣な表情でレーヴェを見つめ

「……どうやら殺しは避けてくれたみたいね。」

地面に倒れている兵士達から聞こえてくる呼吸が聞こえたプリネは安堵の溜息を吐いたが

「ああ。まあ、例えここで殺さなくても今後無事でいられる保証はないがな。」

「……そうね。」

レーヴェの言葉を聞き、複雑そうな表情で頷いた。

 

「な、なななななななっ!?おい!私だ!応援を……早く応援をよこ―――」

一方一瞬でやられた部下達の様子を混乱した様子で見つめた隊長は携帯通信用のオーブメントを取り出して通信をしたが

「無駄だ。」

「ガッ!?」

一瞬で詰め寄ったレーヴェのみねうちによって地面に崩れ落ちて気絶した!

 

「…………………」

そしてレーヴェは気絶した隊長の懐を探って隊長が先程リィン達に見せたアルバレア公爵の勅命書を取り出して懐に収め

「―――もういいぞ。全員、出て来い!」

周囲を見回して声を上げ

「ハッ!」

レーヴェの声に反応するかのように次々とメンフィル兵達が姿を現した!

 

 

 

 

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フハハハハ!という訳で大分前に書いた外伝のネタがここで発動しましたwwなお、レーヴェ登場時のBGMは”銀の意志”だと思って下さい♪

説明
第36話
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1938 1809 3
コメント
感想ありがとうございます。 本郷 刃様 まさに自業自得ですww taka82様 閃Uでも高確率で死ぬか当主下ろされると思いますけどね。内戦を起こした張本人の一人ですし(sorano)
今回のことでアルバレア公爵、当主降ろされるんじゃね?次期当主のルーファスに譲らないとダメな事態になるかも。どうせ今度は懲りずにマキアスにちょっかい出すんだし。(taka82)
ユーゲント皇帝直々の勅書、つまりは皇帝による勅命でもある・・・つまりこの実行犯たちはどのみち死は免れないのですね、にしてもさすがはレーヴェww(本郷 刃)
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