地上のエースオブエースと呼ばれた騎士 エピソード7 |
第7話『黄金林檎』
「この現場に初めからいた人がいたら前に出てくれないか?」
教会から出てきたカイル達はこの現場に初めからいた人が居るかを呼び掛けると民衆の中から一人の女性が前に出てくる。
「あなたは?」
「ヨルコと言います…」
「もしかして聞こえた悲鳴も…」
「はい…先程死んだ…彼はカインズは…昔のギルドメンバーで…久しぶりに食事に行こうとしたときにカインズ居なくなっていて…そしたらカインズが教会の窓からロープで吊るされていて」
辛そうな声で事件のなる話を言いその場で座り込み手で顔を覆い隠す。
「その時、誰かを見ませんでしたか?」
「…はい、見ました…ですがローブを来ていて顔もはっきりとは…」
その証言を聞きカイルとアスナは顔をあわせて言葉は不要のように頷いた。
「そのプレイヤーが犯人かもしれないわね」
「そうだな」
(ヨルコさんが嘘をついていなければの話だがな…)
そうしてカイル達はヨルコを宿屋前までまで護衛することになり宿屋にたどり着いた。
「送っていただきありがとうございます」
「後日、お話をお伺いしますので宿屋からは一歩もでないでください、宿屋は安全なので」
「もし何かあったら俺か彼女に連絡を直ぐに駆けつけるので、それとあと1つお聞きしてよろしいですか?」
「あ、はい…」
「亡くなったカインズさんの頭文字はKで間違えはないですか?」
「あ、はい間違えありません」
「…わかりました、ありがとうございます」
そしてヨルコは宿屋へと入りカイル達は転移門のある広間に向かって歩いていた。
「ヨルコさんから詳しい事情は明日聞けるとして後の手掛かりがこの短槍だな…なあ、あんたは「ちょっと」…なに?」
「あんたって言うのはやめてくれる?」
「それじゃあ何て言えばいいんだ?」
「普通にアスナで良いわよ、そのかわり、カイルくんって呼ぶから」
「わかったよ、それでアスナ鑑定スキル…上げてないか…」
「カイルくんもね」
「知り合いに上げてるやついるか?」
「うん。確かにいるけど今は一番忙しい頃だから…」
「それじゃあ俺の知り合いを訪ねるか…」
そして転移門まで行き50層のアルゲードへ足を運びカイルの知り合いがやっている店までやって来て中に入るとエギルと交渉しているであろうキリトがいた。
「よお、相変わらず悪どい商売しているのか?」
「なんだ、カイルか、それとどこが悪どい!?」
「安く仕入れて高く売り付ける…これを誰もが見れば悪どいだろ」
「同感だな」
「全くよっでまさか冷やかしに来たんならまたあとでな…」
「違う…ちょっとした用でな」
「えっとこんばんわ」
漸く、本題に入るときにアスナが店の中に入ってきてそれをみたエギルとキリトは信じられない顔をして、カイルを強引に引き寄せた。
「お、おい!何で副団長さんと一緒に居んだよ、お前ら仲悪かったんじゃなかったか?」
血相を変えてエギルがカイルを問い詰め…その場を後ろから見ているアスナは苦笑いをしていた。
そんなわけで…
「圏内でデュエル以外でプレイヤーが殺された!?」
「ああ、かなりの人が見ていたしウィナー表示も無かった…あしたヨルコさんに事情を聞きにいくけど…それで後に手がかりになるものが」
「この短槍ってわけか」
「鑑定を頼む」
「任せろ」
エギルは真剣な顔をしながら鑑定スキルで鑑定を始める。
「こいつはプレイヤーメイドだ」
短槍がプレイヤーの作られたものだとわかった、途端動揺がはしる。
「製作者は!?」
「ちょっとまて…グリムロック…聞いたことがねえな一級の刀匠じゃないのは確かだ、それとこいつの名前はギルティソーン…罪のイバラってところか能力も特に特殊な効果もついてない…」
「罪のイバラ…ねえ」
エギルからギルティソーンを渡してもらい刀身をじっくりと眺めカイルは何かを決心する。
「…よし!」
ギルティソーンを右手に持ち左手を刺そうとしたときアスナがカイルの右手をもって止めた。
「…特殊な効果も付いてないんだ、大丈夫だろ」
「馬鹿なの!?それで人が死んでるのよ!」
アスナはカイルからギルティソーンを取り上げてエギルに渡した。
「これはエギルさんに持っていてもらいます」
「お、おう」
「それでこれからどうする?ヨルコさんは後日になるわけだし…」
「そうね、明日はヨルコさんが泊まっている宿に集合いいわね?」
「了解…」
(帰りにカインズの安否だけは見ておくか)
そして事件発生一日目が過ぎていき二日目…カイル達はヨルコと合流してレストランに入った、中はプレイヤーがほとんど居らず空席が目立つ。
「ヨルコさん、お話を聞かせてもらいませんか?グリムロック…という名前に心当たりはありませんか?」
「あります、グリムロックは私達の元ギルドメンバーです」
ヨルコがグリムロックのことを知っているということなグリムロックも何らかのこの事件の関連があるのではカイルとアスナは無言で互いに頷き鑑定の結果をいうことにした。
「昨日、現場に残された武器を鑑定してみたのですが、制作者の鍛冶屋はグリムロックとのことでした。何か、思い当たることはありませんか?」
「……はい……あります。昨日、お話しできなくてすみませんでした。忘れたい……あまり思い出したくない話ですけど……でも、お話しします。……あの事件のせいで、私達のギルドは消滅したんです」
「できれば話してくれないか?もしかしたら関連があるかもしれない」
「はい、ギルドの名前は、『黄金林檎』っていいました。総勢たった八人のギルドです。でも、半年前、たまたま倒したレアモンスターが、敏捷力を20も上げる指輪をドロップしました。 ギルドで使おうって意見と、売って儲けを分配しようって意見で割れて……でも、最後は多数決で決めて、結果は五対三で売却でした。前線の大きい街で、競売屋さんに委託するために、ギルドリーダーのグリセルダさんが一泊する予定で出かけました。 でも、グリセルダさん……帰ってこなかったんです。嫌な予感がして、何人かで、黒鉄宮の『生命の碑』を確認にいきました。 そしたら…………グリセルダさんの名前に、横線が……」
その言葉に、アスナは息を呑む。第一層の黒鉄宮にある、生命の碑には、SAOに参加した一万人のプレイヤーの名前が刻まれている。そして、横線が入っていたということは、その人物はこのゲームから脱落……即ち、死んだことを意味する。
「死亡時刻は、リーダーが指輪を預かって上層に行った日の夜中、一時過ぎでした。死亡理由は……貫通属性ダメージです」
「…そんなレアアイテムをもって圏外に出るとは思えない…もしかしたら睡眠PKやポータルPKかもしれない」
「半年前なら、両方ともまだ手口が広まる直前だわ。宿代を惜しんで、パブリックスペースで寝る人もそれなりに居た頃だしね。」
「だがそれでも、疑問が残る」
アスナはグリセルダ暗殺の手口を睡眠PKと判断したようだが、カイルはただのPKとは考えなかった。
「ギルドリーダーを務めるような人物が、レアアイテムを持ったままパブリックスペースで寝泊まりするような迂闊な真似をするとは思えまない…それにレアアイテムを持った状態でPKされるというのは偶然にはほどがある、犯人は持っていることを知っていた…つまり身内の可能性が高い」
瞑目したヨルコが、こくりと頷いた。その後は、語られずとも察しがついた。おそらく、黄金林檎の残り七人も、そう考えたのだろう。リーダーが不在で、皆が皆を疑う状況にあったのならば、ギルドは簡単に崩壊しただろう。
「それじゃあ犯人は売却に反対した三人の可能性が高いってこと?」
「確かにそうなるな、ヨルコさん、グリムロックについて教えてくれませんか?」
今回の事件が、半年前の指輪事件における、黄金林檎のリーダー殺害に関係している可能性は高い。そして、おそらくプレイヤー殺害に用いられることを承知で武器を用立てた鍛冶屋、グリムロックは、リーダーとは特別な関係だった可能性が高い。そしてカイルの予想通り、ヨルコからグリムロックとグリセルダの関係が語られる。
「……彼は、グリセルダさんの旦那さんでした。グリセルダさんは、強い片手剣士で、美人で、頭も良くて……私はすごく憧れてました。グリムロックさんは、いつもニコニコしてる優しい鍛冶屋さんで……二人とも、とってもお似合いの夫婦でした。」
殺害されたグリセルダとグリムロックが夫婦だったのならば、今回の事件の動機はおおよそ察しがつく。昨日の圏内PKの犯人は、指輪売却に反対した人間をグリセルダ暗殺の犯人と見なして復讐をしているのかもしれない。となれば、考えられることは……
「もしかして反対したメンバーの中にはカインズさんが居たんじゃないですか?」
「っ!はい、後、反対したのは私とシュミットという今は聖竜連合のタンクです」
攻略組であった二人はシュミットについては顔見知り程度だがあったことがありヨルコはもしかしたらシュミットまでも殺されるかもと言ったのでシュミットを連れてくることになり、アスナが知り合いからシュミットを呼んでもらいヨルコのいる宿屋にたどり着いた。
「……グリムロックの武器で、カインズが殺されたというのは本当なのか?」
先に口を開いたのは、シュミットだった。既に事件のあらましはカイルとアスナから説明されていたが、圏内PKなどそう信じられるものではない。だが、ヨルコは静かに頷き、肯定した。
「本当よ。」
それを聞いた途端、シュミットが大きく動揺する。目を見開き、思わず立ちあがって尚も問いかける。
「なんで今更カインズが殺されるんだ!?あいつが……あいつが指輪を奪ったのか?……グリセルダを殺したのは、あいつだったのか……」
冷や汗をかいて取りみだすシュミット。だが、ヨルコはその問いには答えないし、答えられない。シュミットは少しばかり冷静になると、椅子に座りなおして額を手で覆う。
「グリムロックは、売却に反対した三人を全員殺すつもりなのか?俺やお前も狙われているのか?」
その点に関しては、未だ分からない。武器の制作者がグリムロックなのは間違いないが、実行犯が同一である確証は無いのだ。だが、カイルがそれを説明するまでもなく、ヨルコが口を開いた。
「まだ、グリムロックがカインズを殺したと決まったわけじゃないわ。彼に槍を作ってもらった他のメンバーの仕業かもしれないし、もしかしたら…………グリセルダさん自身の復讐なのかもしれない。」
その言葉に、その場にいた全員が絶句した。聞いた当初、何を言っているのか理解できなかった……否、シュミットに至っては、理解したくなかったのかもしれない。そんな三人の心情を察して、ヨルコは続ける。
「だって、圏内で人をPKするなんて……幽霊でもない限り不可能だわ。」
尤もな意見である。圏内PKの手段についてはカイルとアスナも散々考えてみたが、結局のところそのロジックを解明するには至らなかった。そして、そんな荒唐無稽な意見を否定する間も無く、ヨルコは錯乱した様子で立ち上がり、叫ぶように己の内心を吐露する。
「私……昨夜、寝ないで考えた……結局のところ、グリセルダさんを殺したのは、メンバー全員でもあるのよ!あの指輪がドロップした時、投票なんかしないで、グリセルダさんの指示に従えば良かったんだわ!」
先程までのヨルコにはなかった、常軌を逸した剣幕に、アスナとシュミットは金縛りにあったかのように動けない。カイルはただ、内心が窺い知れない表情でその様子をじっと見つめていた。
「ただ一人……グリムロックさんだけは、グリセルダさんに任せると言った……だから、あの人には私達全員に復讐して、グリセルダさんの仇を討つ権利があるのよ……」
「冗談じゃない……冗談じゃないぞ!今更……半年も経ってから、何を今更……」
明らかに取りみだした様子だったが、最後はやや冷静に戻った様子で締めくくるヨルコ。だが、今度はシュミットが取りみだす番だった。
「お前はそれで良いのかよ、ヨルコ!?こんな訳の分からない方法で、殺されて良いのか!?」
ヒートアップしてヨルコに詰め寄るシュミット。カイルはそんな彼の腕を掴み、冷静になるよう促す。ヨルコの方も、溜めていたものを吐きだしたことで少しは落ち着いた様子だった。今日の所は、これ以上の話し合いは無理だろう。そう判断して、解散しようと考えた、その時だった――――
トンッ
ふと、何かが突き刺さったかのような、乾いた音が響いた。同時に、ヨルコの身体がぐらりと揺れる。窓枠に手をつく彼女の背中、長く垂れる青い髪の向こうに、何かが突き立っていた。背中の根元に被ダメージ時に迸る赤いライトエフェクトが煌めいている。つまり、ヨルコの背中に突き刺さっているのは、ダガーである。 ヨルコに起きた突然の異変、そして背中に刺さったダガーを見て、アスナとシュミットは戦慄する。安全な筈の圏内で起こった殺人事件が、今再び、目の前で再現されているのだから。
「あっ……!」
アスナの小さな悲鳴が漏れるよりも先に、ヨルコの身体は窓から外へと落下していく。いち早く動いたカイルは、窓辺まで一直線に走りだしたが、ヨルコを捕まえるには至らなかった。窓から顔を出し、地面に落下して横たわっているヨルコを見下ろすカイル。だが、次の瞬間には、ヨルコの身体はポリゴン片を撒き散らして消滅していた。そのときヨルコの小声で何かをいっているのをその目で確認する。
どうも、
ヒースクリフ「やあ、こんにちわ」
さてと圏内事件編が中盤が、終わりいよいよ終盤になりますね。
ヒースクリフ「その通りだね、ところで前にコメントで投稿されていたときリリカルなのはの要素が全くないと言っていたね…」
まあ、SAOですからしょうがないですけど…まあ、管理局サイドからオリキャラを一人だしましょうか…設定はカイルの訓練校での同期でゲンヤのところの舞台にいる捜査官とか…
ヒースクリフ「それは何故、SAOにいるのことになるのかな?」
それはどっかの親バカがカイルの生存を話してどっかのもと上司のお偉いさんが頼み込むとかそういうのがいえるであろう…
ヒースクリフ「なるほど、それなら管理局が介入しているということになるだろうね」
まあ、それでは次回お会いしましょうさいなら!
今回一回もボケてねえ!( ; ゜Д゜)
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