英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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〜北クロイツェン街道〜

 

「あ……!あの建造物は……!」

「メンフィルの”ケルディック要塞”……!助かった……!これで何とかトリスタに帰れるな……」

遠目で見える建造物を見たエマとマキアスは明るい表情をし

「ああ。後はメンフィル兵達が俺達をケルディックに通してくれるかだが……その点も心配は無用なのだろう?」

「ええ。あたしが皆さんの事を証明しますから、大丈夫です。」

ユーシスに視線を向けられたツーヤは頷いた。するとその時何かが地面を走る音が聞こえてきた。

 

「?何だこの音は。」

音を聞いたユーシスは眉を顰め

「!まさか………!」

「やっぱり、まだ諦めていないようだよ。」

リィンは血相を変え、フィーは警戒の表情で音が聞こえてくる方向を睨んだ。

「へ――――」

フィーの言葉を聞いたマキアスが呆けたその時、バリアハート方面から”アハツェン”や装甲車の軍団が近づいてきていた!

「なあっ!?」

「そんな……ここまで来たのに……!」

領邦軍の軍団を見たマキアスは驚き、エマは不安そうな表情をし

「とにかく追いつかれる前に走って!」

エステルの指示によってリィン達は再び走り始めたが、戦車や装甲車のスピードには敵わず、瞬く間に包囲された!

 

「くっ……ここまでなのか……!?」

包囲された事にマキアスが唇を噛みしめたその時、隊長が姿を現してリィン達を睨んだ。

「貴様ら……よくもふざけた真似を……レーグニッツだけでなく、全員で捕まりたいらしいな!?」

「ああ……捕まえてもらおうか。」

隊長が声を上げたその時、ユーシスが前に出て隊長を睨んだ。

 

「ユ、ユーシス様!?どうしてレーグニッツ達の脱走行動に協力していらっしゃるのですか!?」

ユーシスの登場に驚いた隊長は信じられない表情で尋ね

「フン、実習を再開しただけだ。―――それよりも、どうする?こいつらを逮捕するならば、俺も同罪という事になるが……」

ユーシスは鼻を鳴らして答え、目を細めて領邦軍の兵士達を見回した。

 

「……そ、それは……」

「さすがに若様に銃口を向けるわけには……」

アルバレア公爵家の次男に危害を加えるという事に兵士達は戸惑ったが

「ええい、狼狽えるな!いくらユーシス様でも軍事施設への無断侵入は許されるものではありません!ましてや公爵閣下の命に背き、勝手に容疑者を逃がすなど――――」

隊長が一喝し、ユーシスを睨んで何かを言いかけたが

「―――いい加減にしろ。」

静かな怒りを纏ったユーシスの言葉に驚いて黙り込んだ。

 

「そりが合わないとはいえ、同じクラスで学ぶ仲間――――その者があらぬ容疑を掛けられ、政争の道具に使われるなど……このユーシス・アルバレア、見過ごせると思ったか!?」

「……っ……」

「ユ、ユーシス様……」

領邦軍を睨んで怒鳴ったユーシスの決意に兵士達は驚き

「……………」

マキアスは呆けた表情でユーシスを見つめ

「……ユーシス。」

「よく言ったわ!」

「ええ。貴方のような誇り高き者こそ、”真の貴族”ですわ。」

リィンは口元に笑みを浮かべてユーシスを見つめ、エステルとフェミリンスは感心していた。

 

「くっ、何を言われようと我らにも使命がありまする!お前達、こうなったらユーシス様ごと武装解除をしろ!」

「ハッ!」

そして隊長の指示によって兵士達がリィン達を包囲して攻撃しようとしたその時!

 

「そうはさせないわよ!――――先制攻撃よ、永恒!」

(承知!―――空牙!!)

「ががっ!?」

「ぐあっ!?」

エステルの指示によって召喚されたサエラブが神速で兵士達に次々と襲い掛かって、怯ませ

「クーちゃん、尻尾で周囲の兵士達を薙ぎ払って!」

「クー!!」

「ぐあっ!?」

「なっ!?がっ!?」

「り、竜!?ぎゃあっ!?」

更に続けて召喚された”白水竜”クーが尻尾を振るって周囲の兵士達を吹っ飛ばした!

 

「な、ななななななっ!?」

突然の出来事に隊長は混乱し

「り、竜……!?」

エマは信じられない表情でクーを見つめた。

「―――パズモ、テトリ、ニル、カファルー!出番よ!」

そしてエステルは風の最上位精霊―――”ルファニー”族のパズモ・メネシス、木の妖精(ユイチリ)族の最上位妖精―――”ニルユイチリ”族のテトリ、”第四位”を冠する天使―――”主天使(ドミニオン)”のニル・デュナミス、炎を纏いし巨大な獣―――”魔神”カファルーを自分の傍に召喚した!

 

「ようやく私達の出番ね!」

「が、頑張ります!」

「グオオオオオ――――ッ!!」

召喚されたパズモ達はそれぞれ戦いの構えで周囲の兵士達を睨み

「天使として、身分に囚われた愚かな人間達に裁きの鉄槌を与えてやるわよ、メティサーナ!」

「はい!我ら誇り高き天使の力、存分に見せつけてやりましょう、ニル様!」

ニルの言葉にメティサーナは力強く頷いて大鎌を構えた!

 

「こ、これは……」

「な、ななななななっ!?」

「………………」

「”ブレイサーロード”を守護する6人の異種族の”守護者”達―――”六異将”が勢揃いだね。」

「ま、まさかこの方達全員がエステルさんに従っているのですか……!?」

召喚されたパズモ達を見たリィンは驚き、マキアスは混乱し、ユーシスは口をパクパクして絶句し、フィーは静かに呟き、エマは信じられない表情をし

「正確に言えば”従う”ではなく”協力”です。皆さん、様々な経緯によりエステルさんに協力して下さっているんです。」

「そして私もエステルの”光”に導かれ、他の異種族達のように、その娘を見守る事を決めた者の一人。」

エマの言葉にツーヤは答え、ツーヤに続くようにフェミリンスも静かな表情で答えた。

 

「ええっ!?という事は……!」

「”女神”自らがたった一人の人間に協力しているというのか!?」

(……………………う、嘘でしょう!?あの”姫神”が人間と契約しているなんて……!)

フェミリンスの答えを聞いたリィンは驚き、ユーシスは信じられない表情で声を上げ、ベルフェゴールは口をパクパクした後信じられない表情でフェミリンスを見つめていた。

 

「みんな、ママの人徳のお蔭だよ!……あれ?でもみんな”人”じゃないから、なんて言えばいいのかな??」

「ミント、今はそんな事を気にしている場合じゃないから。」

嬉しそうな表情で言った後首を傾げたミントの様子を見たヨシュアは呆れた表情で指摘し

「さ〜てと。これ程の数を相手にするなんて久しぶりね!―――リィン君!」

エステルは意気揚々と”姫神フェミリンス”の加護が宿る棒―――”ラクスフェミリンス”を構えてリィンに視線を向けた。

 

「は、はい!何でしょうか!?」

「あたし達はここで大暴れして何とかケルディック要塞までの道を作るから、君達はその隙にケルディック要塞に逃げて!」

「ケルディック要塞にさえ辿り着けば領邦軍も手出しできないはずだ!それまでは何とか頑張って耐えてくれ!」

「そ、それは…………」

エステルとヨシュアの指示を聞いたリィンは戸惑った後エマ達を見回した。するとエマ達は全員互いの顔を見合わせた後決意の表情で頷き

「―――いえ。俺達も戦います!―――今こそ、力を貸してくれ!ベルフェゴール!」

「フフ、この程度の数、私一人でも充分だから安心しなさい♪」

「エステルさん達の援護をする事ぐらいならやれます……!」

「ん。それに久しぶりに”本気”を出すのにちょうどいいしね。」

「元はと言えば僕のせいでこうなってしまったのですから、当然僕も戦います!」

「共に戦う仲間を見捨て、自分は背を向けて逃げるような”貴族の義務”に反する愚かな真似は絶対にせん!」

それぞれ決意の表情で戦いの意思を伝え

「フフ、どうやら皆さん、やる気のようですよ、エステルさん?」

リィン達の決意を微笑みながら見ていたツーヤはエステルに視線を向けた。

 

「みんな、いい度胸じゃない!正直、驚いたわ!そんな度胸を見せてくれるみんなを絶対に誰一人欠けずにケルディックに送り届ける為にも、あたしも本気を出さないとね!―――サティアさん、みんなを守る為に力を貸して!ハアッ!!」

「―――”姫神フェミリンス”。女神として誇り高き魂を示してくれた若き戦士達の為にこの力……存分に振るいましょう!」

リィン達の答えを嬉しそうな表情で見つめていたエステルは己の身体に宿る”正義の大女神アストライア”の魂に呼びかけ、エステルの呼びかけに応えるかのようにエステルの全身から膨大な神気や霊圧がさらけ出されると共にエステルの髪の色が夕焼けのような赤色に、瞳は青色に変わり、変貌したエステルの髪の色と同じ夕焼け色の髪と青色の瞳をしている美しい容姿をしている女性の幻影が優しげな微笑みを浮かべてエステルの背後に現れ、フェミリンスはエステルと共に膨大な神気と霊圧をさらけ出した。更に自然が二人がさらけ出す神気や霊圧を恐れるかのように地鳴りが起こると共に風が吹き始め、天候は晴れから曇りになった!

「な、なななななななななっ!?何なんだ、貴様らは!?」

「ヒッ……!」

「ば、化物……!」

変貌したエステルとフェミリンスがさらけ出す神気や霊圧に気圧された隊長は混乱し、兵士達は悲鳴を上げて恐怖の表情でエステルとフェミリンスを見つめ

「なんて霊圧……!」

「フフ、まさかこの私が女神や天使と共闘する日が来るとはねぇ……さすがご主人様ね♪」

「いや、そこで俺に感心されても困るんだが。」

二人からさらけ出されている霊圧と神気にエマは驚き、ベルフェゴールは口元に笑みを浮かべ、ベルフェゴールの言葉を聞いたリィンは呆れた表情で指摘した。

 

「き、貴様ら何者だ!?士官学院の生徒達ではないな!?」

一方すぐに気を取り直した隊長はエステルを睨んで声を上げ

「―――遊撃士協会・ケルディック支部所属―――エステル・ファラ・サウリン・ブライトよ!協会の条約により、”民間人”である士官学院の生徒達を守る為に、貴方達を今から全員ブッ飛ばすから覚悟しなさい!」

「ゆ、遊撃士!?」

「し、しかもあの”ブレイサーロード”だと!?」

「な、なんでそんな連中がユーシス様達の味方をしているんだ!?」

エステルが名乗ると兵士達は驚き

「おのれ……成り上がり風情の遊撃士如きが……!このバリアハートで好き勝手はさせんぞ!全軍、かかれ――――――ッ!」

隊長は怒り心頭の様子で身体を震わせた後指示をした。

 

「それじゃあ、みんな……行くわよっ!!」

「おおっ!!」

そしてエステルの号令を合図にリィン達は戦闘を開始した!

 

今ここに!”空の女神(エイドス)”の一族にゼムリアの”英雄”の一族―――”ブライト”家との共闘が始まった……!

 

 

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フハハハハ!ついにお待ちかねのエステルの使い魔達フル参戦の大規模戦闘ですwwなお、エステルが神気解放した時のCGは天秤のアストライアの力解放した時のセリカのCGをイメージしてくださいww次回の戦闘BGMは"Inevitable Sturggle(碧Ver)"だと思って下さい♪

説明
第60話
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コメント
感想ありがとうございます kelvin様 だって、半分人間じゃないようなものですものね、エステルww(sorano)
ミント、その言い方だと自分の母親も人間じゃないってことに聞こえますよw(ある意味合ってますがw)(kelvin)
感想ありがとうございます 領邦軍はホントに馬鹿な真似をしましたww(sorano)
〜領邦軍全滅のお知らせ〜エステルたちに攻撃を仕掛けた領邦軍は全滅する事が決まりました。(kanetosi)
領邦軍殲滅戦の始まりだ〜 メンフィルの軍もその内後ろから来るんじゃね?・・・・どちらにしろもう領邦軍は終わりだ!!あははははっはははははは・・・・・・・(八神 はやて)
あ、オワタwww(本郷 刃)
あああああ。喧嘩売った相手が悪すぎるぜよ。領邦軍よ。終わりだ。ケケケケケケ(Kyogo2012)
リィンはエステルの六異将に驚いてたけど遠からずリィンも似たような感じになるからその時が楽しみですね^^十二神将みたいな感じに^^; 次回の更新も楽しみに待っているので頑張ってください応援してます。(ジン)
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