義輝記 蒼穹の章 その十四
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【 戦術遊戯? の件 】

 

? 長江の岸部 にて ?

 

《 昼過ぎ (12時半) 》

 

赤壁の川岸では………猪々子達数人が『水切り』を行う。

 

普通の水切りは、平面の小石を持って回転を掛けながら水面へと投げる。 すると、水面を跳ねて進んでいく……あの『遊び』である。

 

だが、この水切りは……石の大きさが半端ではなく、お盆より大きい特別製の石であり、大の男でも、これで水切りが出来るかどうか………分からない代物なのだが。

 

平気で片手でブン回し……勢いよく投げつける将達。

 

…………重ねて言うが……『児戯』『童戯』である!!

 

ーーーー

 

ドッ! ドッドッドッドッ…… ドゴオオッンン!

 

猪々子「よおっしゃ──! 当たりだぜ!!」

 

ーーーー

 

季衣「まだまだ! ボクの方が上手く当たるもんねぇーだぁ!」

 

ドッ! ドッドッドッドッドッ……ボコーン!!

 

ーーーー

 

流琉「私も………よーく狙って……! それっ!!」

 

ドッシュ! シュシュシュシュ──! 

 

シュ──ン─────!!

 

流琉「あ……あれっ!?」

 

季衣「流琉、凄ぉーい! 船を越えて、どこか行っちゃたぁ!!」

 

猪々子「やるじゃねぇかぁ!! 今の行動、このアタイへの挑戦と受け取ったぁぁ!!!」

 

斗詩「文ちゃん!! 船に当てないと意味が無いの!! こうやって──!」

 

シュッ! シュッ! シュッ!

 

ドッ! ドッ ドッ ドッ ドッ──! 

 

ドスボス! ゴカァーン!!

 

猪々子「斗詩……。 三枚連続で投げて……船に全部ぶつけるって………」

 

季衣「…………………」

 

流琉「あ、あの………任務ですからね? 続けないと……」

 

猪々子「おぉー!! これだよ! これ!! 『必殺技』って技が『天の国』にあるってアニキが言っていたが……きっと、こういうもんだろうぜぇ!!! 

 

うっし!! 燃えてきた!!! アタイの必殺技を編み出してやる!!」

 

季衣「へぇ〜〜 そうかぁ!! 兄ちゃん、いまの技が出来れば誉めてくれるかな? 頭撫でてくれるかな!? どう思う──流琉!?」ワクワク ワクワク

 

流琉「う、うん! 間違いなく誉めてくれるよ! ねぇっ、斗詩さん?」

 

斗詩「わ、私も頑張って……北郷さんに、誉めて貰わないと───っ!!」

 

シュッシュッシュッ──!! 

 

ドドドドドババァァンン!!!

 

流琉「……………わ、私も負けられない! 頑張ります!!兄様!!!」

 

★☆☆

 

? 赤壁 袁術船団前列 にて ?

 

ガガガガ────! ガゴォォ! ガゴオーン!

 

ドドドドドッ────!! ボコッ! ボコッ! 

 

ゴガガガガガガガガカッッッ!!! 

 

袁兵「うおおっっっ!! なんで石盤が──こんなに大量で来るんだぁ!?」

 

袁兵「い、いくら鉄張りの……装甲でも───耐えきれん!!」

 

ドオォバアァァッッンン!!! ゴボゴボッ!!

 

袁兵「し、浸水した!! 装甲が破られたぞぉ!!!」

 

ーーーーーーーー

 

? 赤壁 久秀本船 にて ?

 

袁兵「ほ、報告いたし……ます! 前例の蒙衝全隻に…おいて、石で出来た円盤の投擲により被害が続出! ………大部分が浸水のため、先へ進む事が出来ません!!!」

 

久秀「……………消火活動と敵の動きに注意なさい!」

 

袁兵「はっ───!」

 

ーーーーーーーーー

 

順慶「────後方部隊!! 何をしていますの! 先程の凧を操る術者は、捕縛したのですか!?」

 

後方部隊兵「そ、それが………! 我々が鳥林峯に近付くと、急に山の斜面全部に旗が立ちまして……我々は指示を仰ぐために……退却致しました……」

 

順慶「それは偽装の計略ではないですの?」

 

後方部隊兵「わ、我々も疑い、様子を窺うと……大勢の人影が見えまして!」

 

順慶「それでは───『夏口』攻めに向かった部隊は!?」

 

◇◆◇

 

【 朱理の怒り の件 】

 

? 夏口城 城壁 にて ?

 

《 朝方 (10時頃) 》

 

袁術軍 二万

 

夏口守備兵 三千

 

城は、一方を川に配し、三方から出入りが出来る城門を有する。

 

星「………お主は、一刀殿と一緒に行くのではなかったのか……愛紗?」

 

愛紗「……………………」

 

星「やれやれ……黙り(だんまり)か。 それも良かろう! だかな……迷い過ぎて、この戦いで足など引っ張るなよ! 別働隊が動くなら、大将は『筒井順慶』だ! ……………三度目の僥倖など考えられないからな!」

 

朱里「星さん! 愛紗さん! 袁術軍が来ました!! お二人共、準備をお願いします!」

 

☆☆★

 

将1「かかれぇぇ────!!」

 

袁術軍《夏口城攻略部隊》は、二万の兵で……素早く城を包囲し、攻城戦の準備を始めた!! 

 

長梯子を準備して城壁を登る者! 

 

破砕鎚を用意して、城門を破壊しようとする者! 

 

それぞれの役割分担をこなしていく!!

 

知る者が見れば、不思議な光景が広がる攻城戦…………『あの袁家に属する兵の動きはなんだ?』と思われよう。 主君と同様に『烏合の衆、雑魚、寄せ集め』と言われる戦闘集団が………。

 

袁家の兵が、他国に勝るとも劣らない動きを見せるに………理由がある。

 

夏口は、長江と漢水の合流点。 ここを制圧しないと……大軍を渡渉して孫呉の領地に攻め込みが出来ない場所である! 二つの水運を利用しての兵と兵糧の運搬。 陸路より遥かに早く楽であるから。 

 

そんな重要拠点を奪取するように申し渡したのである……順慶が………。 

 

『出来ない』…未達成、『無理』…諦め、『やりたくないでござる』…拒否等をした部隊は、にこやかに笑う順慶に『可愛いがられ』……下手をすると『死を賜る』事になった! 

 

実に……官渡の戦い以降より、多くの事を学んだ袁術軍ならではの……働きである。 正に『死に物狂い』の働きであった。

 

ドーン! ドーン! ドーン! 

 

急に城内から太鼓の音が響き渡り、城壁に人影が現れる。 ただ、手に持つのは弓でも槍でも剣でもなく……『柄杓(ひしゃく)』である!

 

星「それ今だ! 敵に熱湯を馳走してやれ!!」

 

守備兵「はっ!!」

 

バシャッ───ッ! バシャッ───ッ!!

 

ドバッ!!  シュッ〜ウゥゥ〜!

 

攻城兵1「アッ! アッチィ!! アァァアツツゥゥゥ!!」

 

攻城兵2「目ガァ『 バシャッ! 』バババァァ─────!!」ゴロゴロ

 

ーーーーーーーー

 

愛紗「こちらも……タップリと浴びせてやれ!!」

 

守備兵「はぃ!!」

 

兵に命じて、かなり前より煎っていた『焼き砂』を、敵兵に向けて、撒くように指示を出す!!

 

ザザッ! ザザザッ! バッ! バッ! バッ!

 

攻城兵3「あああぁぁっつう!! よ、鎧の、な、中! ホッアチャー!」

 

攻城兵4「脱げねぇ! 取れねぇ! だ、誰かあぁぁ───!!」

 

ーーーーーーーー

 

城壁に集まった兵に熱湯、焼け砂を浴びせさせる!!!

 

意外な反撃、無形の攻撃……防御が全く出来ない袁兵に、死傷者の数は増大の一途をたどる!! 

 

ーーーーーーーー

 

? 夏口城 城門入り口 にて ?

 

周りの様子に慌て出す袁兵達! しかし、ここを早く占領しなければ──! 

 

攻城兵5「くそがぁ!! 早く城門を──《バシャッ!》 うぉ───!! アッツツウゥ!! 

 

な、なんだぁ!? これ!? 《ネバァ〜》 と、取れねぇ!? アチィ! アーァアアツウェオオ!? 取れねぇぇぇよぉお!!」

 

城下の惨劇を……城壁の上で眺めていた……朱理が……ほくそ笑む。 

 

朱里「ふっふっふっ……《 山芋 》をドロドロにまで煮込んだ物ですよ。

 

……ネバネバして取れにくいでしょう? それに、熱さが湯や砂と違い……持続するんです。 もどかしいでしょう? 気持ち悪いでしょう……? 

 

だけど……真の恐怖は、後日に襲いかかる『痒み』なんですよねぇ〜? 全身痒くて痒くて………堪らなくなるんですよ………。 

 

私の血の滲む努力で描いた『筵画』を……駄目にしてくれた悪い集団には…私の策をもって……裁いてあげますぅぅ!!」 ゴゴゴゴゴ………

 

朱里が手を上げると、待機していた部隊が、簡易的に作り上げた炉の上で、グツグツ煮えている『山芋』を柄杓でバラまく!!

 

攻城兵5「アッ! アッアッ!! アアアァァ──!!!」

 

攻城兵6「アァ───ツゥア────!!!」

 

ゴロゴロ──!! バタバタ! ドタドタ!!

 

ーーーーーーーーーーーー

 

? 長江 夏口城付近 にて ?

 

夏口城の周囲が修羅場と化してる場に、下流より楼船が上ってきた。

 

城の守備兵は、わざと少なめにして敵を誘い、船で伏兵を隠す。

 

五隻の楼船には、武田信玄、村上義清、山中鹿介、兵数約五千!

 

信玄「弓兵隊構え! 楼船が接岸する直前に、矢を射るのです!!」

 

義清「我が隊も槍を準備!! 接岸して渡し板を掛け終わったら、すぐさま突撃し弱っている敵を討ち果たすのじゃ!」

 

鹿介「某達も負けず、奮戦致しましょう!!」

 

予想を上回る『熱い歓迎』で、のた打ち回る者達! その様子に腰が引ける残存部隊に伏兵部隊が襲いかかる!!

 

朱里「星さん! 愛紗さん! 今が好機! 出撃して下さい!!」

 

星「………筒井は居なかったか……? だが、油断せず行くぞ!!」

 

愛紗「───────うむ!」

 

 

────この後、城からも出撃され………散々に打ち破られ……這々の体で逃げ出して来たという。

 

 

◆◇◆

 

 

【 順慶の策 久秀の詭弁 にて 】

 

? 赤壁 久秀本船 にて ?

 

《 昼過ぎ (13時) 》

 

順慶「………で、おめおめと戻ってきたのですか?」

 

攻城兵7「……はっ! 将は退却途中で討たれ、二万の軍勢も討死、捕縛、逃走で一万弱程残りました。 残りの兵も大半が火傷で苦しみ、比較的元気な私が、状況報告を…………!」

 

順慶「………分かりましたわ。 次の戦いに期待しましょうか……」

 

攻城兵7「えっ? ほ、本当ですか? あ、ありがとうございます!!」

 

順慶「私は嘘を申しませんわ! 信用しなければ、今、罰を与えても……」

 

攻城兵7「い、いえ! とんでもございません! 次の戦いに奮起させて貰いますです! はいっ!! ではっ! し、失礼致しました!!!」

 

ーーーーーーーーーー

 

? 久秀本船裏 鳥林 にて ?

 

久秀「後続部隊に次ぐ! 敵は我が軍の船を焼き、長江よりの侵入を阻んだ! しかし、元より赤壁の火計は、司馬仲達の考えにある!! その為、後方に精兵を残したのだ!!!」

 

ーーーーーー

 

兵1「お、俺達! 精兵だったんだ!? てっきり船に乗った奴等が偉いと思っていたんだが?」

 

兵2「あの司馬様が言うんだ。 間違えねぇよ!」

 

兵3「だが、あの司馬様だからこそ、何考えているか………」

 

ーーーーーー

 

久秀「疑うのも無理はないわ……。 だけど、考えてみなさい! 孫呉の兵は船戦を得意とする軍勢! いくら、こちらの兵力が圧倒的でも、船戦などしたことが無い我が軍が勝てると思う? 結果的は……負け! 大敗よ!!」

 

兵『─────────!』

 

久秀「ならば、どうすれば勝てるか? 我が軍が、自分の得意な場所で、相手が不慣れな場所で戦えばいい!! 

 

だから、久秀は考えた! 

 

我が虎の子の精兵を無駄には出来ない! 適所適材で敵を欺こう! 

 

だから、長江の船団には荊州水軍を配し、中央を本船だけ置いた空洞を作る陣を構築し、船団を数より多く見せ付け、孫呉に警戒心を抱かせたのだ!!」

 

ーーーーーー

 

兵1「船酔いは勘弁したい…………」

 

兵2「危ないところは、奴等にか……。 さすが司馬様!!」

 

兵3「なるほど………船を操れない奴が居るより、慣れた奴の方が断然いい!」

 

ーーーーーー

 

久秀「……敵は、久秀の術中にはまり、火計を仕掛け……荊州水軍を大破させ、筏を繋ぎ合わし長江に『橋』を掛けて攻め寄せる気よ!

 

しかし、孫呉の兵は、長江の対岸、長江下流にあたる夏口、そして……我が軍に無謀にも火計を仕掛けた別働隊の三カ所! 

 

此処に居る精兵は、まだ四十万以上!! しかも、我が軍が得意とする地面の上!! 船酔いも……溺れる事も……足場も……心配無用!!!

 

これで、勝てないと言う事があろうか!!!!」

 

ーーーーーー

 

兵1「司馬様!! 凄えー!!」

 

兵2「勝てる! 勝てるぞぉ!!」

 

兵3「ウオオォォォーーーーーーー!!」

 

ーーーーーー

 

? 赤壁 久秀本船 にて ?

 

《 昼過ぎ (14時) 》

 

順慶「そちらは……どうですの?」

 

久秀「『 長江の船団の被害は、我が策の内 』。 こう宣言して理屈を付ければ……後方部隊の動揺は、奮起に替わり私達のために頑張ってくれるわ……! ついでに、目障りな術者も葬るように命じたわよ!!」

 

順慶「それでは、颯馬様の火計は…………」

 

久秀「………残念だけど、全く読めなかった……。 この久秀が……颯馬如きに後塵を拝すなんて…………」

 

順慶「ああぁ……さすが、私の颯馬様ですわ! 久秀にも計り知れない策術をお持ちになるんてぇ〜〜!!」

 

久秀「……………黙りなさい! ところで、そちらはどうなの?」

 

順慶「夏口攻めの負傷兵は全員収容、軽傷の者が面倒見てますわ!」

 

久秀「へぇ〜、何時も厳しい貴女が……今回やけに優しいわね?」

 

順慶「………もしかの……備えですわ……あんな人達でもね?」クスリ

 

久秀「まぁ……大体の検討は付くわ………残酷な策だ事………」クスクス

 

◇◆◇

 

【 思惑の裏の裏 の件 】

 

? 久秀本船 牢屋内 にて ?

 

《 昼過ぎ (14時半) 》

 

貂蝉「ねえぇぇ〜〜ん、卑弥呼ぉ〜!! 私達って………忘却の彼方に置き忘れられてないのかしらん? 誰も私達に、会いに来てくれないのよぉん!」

 

卑弥呼「それは違う!! ここの『おのこ達』はシャイで初心で仕事熱心だから、来れないだけだぁ! そんな可哀想な『おのこ』達のため、儂等が会いに行ってやりたいが……ダーリンの熱い視線が…儂の身を焦がすのだあああ!」

 

貂蝉「………それにぃぃ、颯馬ちゃんより頼まれた事もあるのよねん! なんとかしてあげたいのだけどぉぉ! ご主人様が、私を視線で釘付けにするのよぉぉぉん!!」

 

( 流琉が投げた水切りの石が飛んできて…………… )

 

────ヒューン!! ドカァーン!!!

 

 パラパラ……  ヒラリ…… ヒラリ………

 

卑弥呼「どこからか知らぬがぁ、都合の良いことに壁が破壊されたわい!!」

 

貂蝉「きっっとおぉ! 私達を応援して下さる人達からのぉ、愛のメッセージよぉぉぉん! おかげで、ご主人様達の視線が弱くなって、動けるわぁぁ!」

 

卑弥呼「やはり、陰のヒロインである儂等の活躍が無ければぁ、物語が進まぬのだぁぁぁぁ──────!!」

 

牢屋より脱出した貂蝉達は……ある場所に向かった。 

 

手には、あの自分達を止めていた筵を三枚……携えながら─────!!

 

★☆☆

 

? 鳥林 鳥林峯付近 にて ?

 

兵5「今度は倍の四万だ! 如何なる者が居ても、負ける心配なんかねぇ!」

 

袁兵6「それに、三方を俺達に囲まれている! そう多くは居ない筈だ!!」

 

袁兵4「だが………確かに、多数の兵が動き回るのを見たんだよ………」

 

袁兵6「それが、相手方の擬装だというだ! そもそも、少数の兵だからこそ、我らの裏をかき鳥林峯を占拠できた! その後、警備を強化し麓への立ち入り禁止を命じ、全く人が寄り付かないのに、どうして兵が増える? 」

 

袁兵7「それに、この峯は低い故収納人数は万も無理だ! もし、居たとしても我らの人数は四万! 後ろや左右の陣営に知らせを送れば、我らより多くの援軍を送ってくれよう!! 心配する事など要らん!!」

 

鳥林に残る袁兵達は、鳥林峯攻略と夏口方面の警戒を最大限に力に入れた! 

 

長江の対岸は、荊州水軍がまだ健在する事と、筏の上を通過するための人数制限がある! もし渡ってきても数千が精々、手の開いてる部隊が当たればひとたまりもない!

 

袁家の兵は誰しも思うに至る!! 

 

 

───『この戦は、勝つのが当然なんだ!!』と───

 

 

自分達の兵数は、敵より多いと過信し、司馬仲達の采配に心酔していた為。 

 

だが………今回は、裏目に出た!

 

★★☆

 

? 鳥林峯 頂上付近 にて ?

 

《 昼過ぎ (15時) 》

 

??「久々の出番と聞ぃて…とんで来てみれば、ぎょーさんおるやないか? こりゃあ……腕の振るいどころやな!?」

 

??「…………コク!」

 

??「まだですぞぉ!! この地だけで対応すれば、数で押されて殲滅と、すぐに決着を迎えてしまいますからな!!」

 

道雪「貴女方が……こうして来て下さるとは! この立花道雪……感謝に堪えません!!」

 

ーーーーーー

 

紹運「まさか………三国最強の呂奉先殿と共闘出来る事と、高橋家最大の名誉! 不躾ですが……この青二才に御指南を賜りたく!!」

 

恋「……? 恋でいい……」

 

紹運「はっ!! 恋殿! 宜しくお引き回しの程を!!」

 

恋「??」

 

ーーーーーー

 

宗茂「兄様の命令だったのですか……霞様?」

 

霞「連絡もろったら、すぐに向かうよう話はな、してあったんや! そしたら、果心居士が出撃するよう即すさかい、一万騎で出たら報告が来たわけや! 

 

騎馬隊で此処まで到着する予定にしてたんやが………近付くにつれ、警戒がえらく厳しくなってな…………」

 

ねね「……ですので、ねねが斥候を出して確認しましたら、鳥林峯と言う山で『空中に浮かぶ黒い物を発見した』と報告をもらい、そこの兵と急いで接触……漢水を渡り合流に至った……という訳なのです!!」

 

恋「赤兎達……近くの街……預けた!」

 

宗茂「あ……兄様は、この事態まで……先を読んでいたのですか!?」

 

霞「……聞いてんのは、袁術軍殲滅の一端を、うちらが担うって事だけや!」

 

ねね「………あの鬼畜軍師は、とんでもない策を考えていたのです! ねね達の軍勢、益州攻めの軍勢、孫呉の軍勢で……三方包囲戦術を袁術軍に仕掛けていたのですよ!!」

 

宗茂「えっ!? それじゃ一方開いて、包囲じゃ……」

 

道雪「宗茂……! 戦術も勉強するようにと、申し渡してありますでしょう? ねね殿……三方ではありません。 もう一方である長江では、既に戦が始まり……殲滅戦に移る頃合いですよ?」

 

ねね「な、なんですとぉぉぉ────!!」

 

恋「颯馬、頑張る! 恋も……頑張る!!」

 

ねね「恋殿ぉぉ!! 鬼畜で女誑しのツッコミ軍師の策を完全に読めなかった、ねねの不明をお許し下さいぃぃぃ!!」

 

恋「ねね……メッ! 颯馬は……優しく強く悲しい人。 悪口は駄目!」

 

ねね「そ、そんなぁぁ…………恋殿!! 申し訳ありません! 発言を取り消しますので〜!!」

 

恋「……コク!」

 

紹運「益州攻めの軍勢を反転させると、颯馬が言っていたが……益州攻めに五千だけで……大丈夫だったのだろうか………?」

 

霞「にっしっしっしっ! 大丈夫や安心しい〜や! 益州は……無事落としたそうやでぇ? 今頃、何進のおっちゃん……モテモテさかいやろな!!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーー

 

あとがき

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

半分までは、三日前に出来たの……それから話が進まませんでした。 

 

地理の名称が分からない! 街道筋が不明、資料にしている本でさえ、地図の表記が違うところを指している困った事があったので、遅くなりました。

 

誤字脱字は、また明日以降に直します。

 

待っていると思われる方に、早めの投稿をします。

 

また、よろしければ、読んで下さい!

 

 

 

説明
義輝記の続編です。 よろしければ読んで下さい。
6/6 13:39 修正しました。
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コメント
雪風様 再コメントありがとうございます! なるほど、関勝に見た覚えがあったのはそのためでしたか! 検索サイトで探せばわかりましたね。 それと、ご存知かもしれませんが『戦極姫』の『筒井順慶』原画担当の方が登録されて絵を展示されています。 この作品の『戦極姫』のタグで探していただければ…いらっしゃいます!(いた)
関勝と呉用ともに、水滸伝の時代の人で・梁山泊で有名です。(雪風)
雪風様 コメントありがとうございます! 関羽との進展は多分あるはずです。 山芋を当時どう扱っていたか作者は調べてないので……。 追伸 関羽の末裔の一人に、今は亡き『ジャイアン○馬場』氏がいらっしゃるそうです。(いた)
「祖は、倭国からの天の使者様と仲良くなれるのだろうか・・]by関勝(関羽の末裔)・「ほう山芋とな・・これはこれはなかなか奇抜で有効な計を思案されそして実行される・・流石ですね諸葛先生は」by呉用(未来の諸葛再来と言われた方)(雪風)
仲良くなりすぎて……『司馬日記』の作者様の斗詩になりますと困ってしまいます。 あちらの作者様のような力量は無いため。 (いた)
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! 漢女に向かっていた石は、偶然の物だから策とは気付いていないのです。 久秀本船の周りは、ドーナツ状の空間が広がっているため、普通は届かないハズの物が当たったとなります。 二人共……しっかり企んでおり、順慶は流れで分かると思いますが、久秀は『関羽』で思い付き、策に組み込みました。 (いた)
斗詩の幼き日々に彼女は一体何を想って独り水切りをしていたのか…きっとヤンのお二人と断金の仲になれるような事ですね(禁玉⇒金球)
if√ 漢女達から策発動の反応が見られない…水切りの巨石が二人を押しつぶしたようだ。負けている割には(負けているからこそ?)落ち着いているヤンのお二人ですが一体何を画策しているのかな?えげつない事には間違いなさそうですが(禁玉⇒金球)
うぅむ〜 聞きたいような聞きたいたくないような。 久秀「……なかなか……いい素質を持っていたわよ? そうねぇ……張譲に匹敵するかも……」クスクス(いた)
なんと……勇者的発言。 久秀に感想を聞きたいところですが、もの凄い『いい笑顔』で走って行きましたよ………。 (いた)
naku様 コメントありがとうございます! 朱理の怒りは……完全に八つ当たりです。 まぁ、結果的には守備成功なんで……誰もがわかっていましたけど、ツッコまない方向に行きました。 二人の漢女の活躍は、明らかにヒロインの枠を超えています! 筋肉の躍動としか言えません。 (いた)
mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 詳細は次回に判明致します!(いた)
何進がモテモテ…何があったのだろうか?(mokiti1976-2010)
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