世界の終わりに |
街頭インタビュー
「明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?」
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
「ええっ、それじゃあ、今まで着たことがないようなブランドの服を着て、今まで食ったことがないようなメシを食いますね。後はまあ、音楽とか聴いたり?当然、そんな明日世界が終わるとかわかってたら、会社も休みになりますよね」
――明日、世界が終わります
「ははっ、まさか」
その男は笑い、去って行った。
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
「死にますね。世界の終わり、なんてものを見たくない」
――明日、世界が終わります
「わかりました。死にます」
その男は死んでしまった。
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
「さて、どうしましょう。今日一日考えて、明日に考え付いたことをしますよ。明日もギリギリ世界はあるんですよね?」
――明日、世界が終わります
「えっ、嫌だなぁ。考えなきゃ。オレ、考えるの好きじゃないのに」
その男は苦笑いしていた。
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
「いつもと同じことをしますよ。私は日々、もしも明日自分が死んでも、悔いの残らない生き方をしたい、って考えてますからね。まだ、具体的に何をすればいいかわからないんですけど、まあそうやって考えてるのもいいことと思いますから」
――明日、世界が終わります
「それは残念だなぁ。悔いが残るんだろうなぁ。でも、それも運命ってやつですかね」
その男は残念そうにした。
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
「何もしないんじゃないかな。最期ぐらい、静かにしていたい」
――明日、世界が終わります
「へぇ、そうなんだ。じゃあ、静かにしていよう」
その男は、その場に寝転がり、動かなくなった。
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
「やっとですか!いやぁ、その時を待っていたんだ。私はもう、十分生きたんだ。きっと天国に旅立てる」
――明日、世界が終わります
「もうわかりましたよ。いやぁ、それにしてもよかった。もう十分生きたんだよ、本当」
その男は幸せそうにしていた。
――明日、世界が終わるとしたら、あなたは何をして過ごしますか?
説明 | ||
ふと書きたくなったので書きました ぱっと思い付いたことをそのままアウトプットしただけなので、やり方としては自動筆記のそれに近いのかもしれません |
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