戦艦タナガー
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2004年 11月23日 コンベース港 エイギル艦隊 旗艦戦艦タナガー 艦橋

エルジア海軍のシンボル、戦艦タナガー。

その艦の艦橋にエイギル艦隊の提督はコーヒを飲みながら、コンベース港を眺めていた。

「いつ見てもイイ港だ。戦争じゃなければゆっくりしたいものだよ」

「提督。出撃はまだか?他の艦たちが出撃させろとうるさくたまらない」

突然、提督の後ろに1人の男が現れる。

普通の人間だと驚く所であるが、提督は特に驚くこともなくその男の方を向く。

「しかないだ、タナガー。上からの出撃許可がこないからな」

提督からタナガーと呼ばれた男。

この男は戦艦タナガーの艦魂である。

もう少し簡単に言えば戦艦タナガーに宿った魂である。

艦魂は人には見えない存在だが、極稀に提督なように見える人もいる。また、本来であれば艦魂は女性のはずだが、タナガーは何故か男である。

本人と他の艦魂たちに聞いても原因分からないらしい。

タナガーの他にも空母ジオフォンも男性の艦魂がいるが、他の艦魂は女性である。

「やっぱり、ISAFに補給線がやられたのが痛かったか」

「その通りだな。ISAFも必死だ。なによりコンビナートがやられたのが一番の痛手だよ」

島国ノースポイントまで撤退したISAFはだが、航空戦力を主力とした必死の抵抗していた。

その抵抗により、ノースポイントに攻撃するため爆撃機を集めていたリグリー空軍基地がISAFの航空機による攻撃を受け、爆撃機と共に壊滅。

また、エイギル艦隊に届ける補給物資を積んでいた輸送機が次々とISAFにより撃墜され、さらに、エイギル艦隊の燃料の生命線である石油化学コンビナートの一つが破壊された。

これにより、エイギル艦隊は燃料の補給が当初の予定より1週間遅れており、今日ようやく全艦燃料補給が完了する予定になっている。

だが、燃料の他にも弾薬、物資も不足しているうえ、上層部がISAFの必死の抵抗にあったため慎重になり、エイギル艦隊の出撃を取り消し、ISAFの戦力を再度調査に入り。調査が終わるまで出撃許可は出さないとことを決定していた。

「…この状況いつまで続くと思う?」

「わからないな。ISAFが先に動く、我々が先に動くのかは」

提督はコーヒを飲みきり、カップを置く。

「まぁ、お前が沈むはずがないよな。そうだろ?タナガー」

「当たり前だ!この戦艦タナガーが沈むわけがないだろう!」

「その意気だな」

提督は再びコンベース港を眺め、早い所この戦争を終わらせ、祖国に帰り、タナガーを休ませようと思った。

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2004年 11月25日 11時15分 コンベース港 湾外上空 

上空からコンベース港に接近する6機の戦闘機の姿があった。

普通であれば既にレーダーに捕捉されている距離だが、この6機は世界初のステルス攻撃機F-117ナイトホークであるため、レーダーに捕捉されていなかった。

「時間か…」

そのうち1機のパイロット。

ホーク1はそう言い、無線機のスイッチを入れる。

「ホーク1から各機へ。現時刻を持って無線封鎖を解除。ラフシーズ作戦を開始する。この作戦がISAFの未来が掛かっていることを忘れるな」

この6機のF-117ナイトホークを駆るホーク1達はISAF所属であり、そしてISAF空軍の最後のステルス攻撃隊、ホーク隊である。

最後のステルス攻撃隊を投入した、ラフシージ作戦はISAF本部をノースポイント移して初の大規模作戦であり、ISAFの未来が掛かっている作戦でもある。

この作戦の目的はただ一つ。

無敵艦隊エイギル艦隊の撃破である。

「各機、攻撃開始。可能な限り敵艦及びレーダー施設にダメージを与えろ。行くぞ」

ホーク隊は二手に別れる。

片方は低空へ、もう片方は現高度を維持しコンベース港に攻撃を始めるのであった。

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2004年 11月25日 11時18分 エイギル艦隊 旗艦戦艦タナガー 艦橋

「!?」

「タナガー。どうしたんだ?」

接近してくるF-117ナイトホークに最初に気付いたのは艦魂タナガーである。

自分自身のレーダーに一瞬何かに反応したことに気付き、急いで艦橋からレーダーに反応があったら方角を見る。

そして、見つけた。

接近してくるF-117を。

「提督!本艦前方に敵ステルス機!」

「何!」

提督も急いで前方を見て、F-117の姿を確認した提督は急いで叫んだ。

「敵襲!本艦、前方に敵ステルス機!総員戦闘配置!急げよ!」

艦橋にいる乗組員たちは提督のその叫びを聞いた瞬間すぐに動き出す。

1人の乗組員は艦内に伝えるため、艦内放送を流し、もう一人は艦隊に伝えるため、通信を入れる。

その直後に低空から接近してくF-117は対艦ミサイルを、上空にいるF-117は爆弾を投下する。

爆弾はレーダー施設に直撃し、吹き飛び、対艦ミサイルエイギル艦隊の艦船に次々と命中し、そのうち一発がタナガーの隣に停泊していた駆逐艦ハーンの艦橋に直撃した。

「ハーン!」

「くっ!各艦被害状況知らせろ。空母ジオフォンには急ぎ艦載機の発艦するように伝えてくれ。付近に空軍基地にも救援要請を送れ。敵機は?」

「敵機離脱します!」

奇襲攻撃したホーク隊は攻撃後、成果も確認せずに離脱していた。

コンベース港はあちらこちらから黒煙が上がり、停泊していた艦船からも炎が上がっていた。

「提督。遅くなりました。状況は?」

艦橋に艦長と数十人の乗組員たちが入って来てそれぞれの配置に着く。

「ステルス機による奇襲攻撃だよ。被害状況は現時点では不明。現在調査中だが…駆逐艦ハーンはもう駄目だよ」

「…敵機は?」

「離脱したよ。だが、この程度で攻撃が終わるはずがない。……各艦、出港準備。出港準備が終わり次第出港だ。艦長、本艦も出港準備入ってくれ」

「了解!出港準備入れ!各ブロック配置に着いたか?」

「提督!被害状況判明しました!駆逐艦ハーン、カラミティ、ウィング。巡洋艦オルガ大破!また、地上のレーダー施設もやられました!」

F-117の攻撃によって駆逐艦ハーン、カラミティは艦橋に直撃弾を受け大破。

駆逐艦ウィングは右舷艦首側及び右舷艦橋後部側に命中し大破。

巡洋艦オルガは艦首に2発の対艦ミサイルが命中し、艦首が完全に吹き飛び大破。

また、コンベース港の空の目であるレーダー施設も爆撃により完全に機能を停止した。

「提督。各艦戦闘配置に付きました。ただし、出港にはまだ時間が…」

「わかった。出来る限り早く頼むよ。それと、主砲1番、2番に新三式弾を装填してくれ」

新三式弾。

元は現在敵国であるノースポイントが開発した三式弾と呼ばれる対空砲弾である。

この砲弾は炸裂時に多数の弾子を放出し、敵機を撃墜させる物である。

それを、エルジアが独自に改良。

また、ベルカからエルジアに亡命したベルカ技術者の協力を受け、MPBMと同じような炸裂方式に変更されている。

「了解。主砲1番、2番新三式弾装填!」

提督と艦長が次々指示を出す中、艦魂タナガーは艦橋が無くなったハーンを見ていた。少し前で共に話していた仲間が大破し、炎上していた。

タナガーはこれまで何回も仲間が傷付き、沈むのを見ていたが、その悲しみは慣れない物であった。

タナガーはハーンの甲板を見ると、一人の女性がいた。

女性は全身ボロボロで、頭から血を流していた。

その女性こそが駆逐艦ハーンの艦魂である。

ハーンはタナガーに気付き、そして、こう言った

「タナガー…私の分まで戦って」

「ハーン!」

その直後駆逐艦ハーンは大きな爆発を起こし真中からへし折れた。

「駆逐艦ハーン爆沈!」

「艦長。レイヴンから緊急通信。レーダーに敵機確認。数は40。本艦前方より接近中。本艦の主砲の有効射程内まで残り10分。以上です」

「本艦のレーダーでも捕捉しました!」

「来たか…対空戦闘用意!」

「了解!対空戦闘用意!」

乗組員たちは威勢よく動きだし、対空戦闘に備え始める。

その頃、タナガーは爆沈した駆逐艦ハーンに敬礼し、そして、提督の隣に行き、ハーンのことを伝える。

「提督」

「どうしたのだ、タナガー?」

「ハーンが…最後に私の分まで戦ってだって…」

「…そうか…」

提督はそう言い、目を閉じ考え始める。無論、これからどう戦うことである。

そして、僅か数秒目を開け、艦長にあることを聞く。

「艦長。あと10分以内に動ける艦は何隻いるのだ?」

「現状では本艦とレイヴン、ジオフォン、コルガ、レイダー、クロムの6隻のみです」

「…よし、本艦とレイヴン、ジオフォン、コルガ、レイダー、クロムは直ちに出港。湾外に出たのちに、ジオフォンを中心とした輪形陣を組み敵機の迎撃に入る」

「なっ!提督、脱出ではなく敵を向かい撃つのですか!?」

「あぁ。たとえ、この6隻が脱出できたとしても軍港内にはまだ残っている艦がやられたらエルジア海軍は終わりだよ…だから、向かい売った方いい」

エルジア海軍は1999年7月8日に地球に落下した小惑星ユリシーズの被害で多数の艦が沈み、今ではまともな艦隊はエイギル艦隊のみである。

つまり、エイギル艦隊の壊滅はエルジア海軍の壊滅と一緒である。

たとえ、

タナガー、レイヴン、ジオフォン、コルガ、レイダー、クロム、計6隻が脱出しても、軍港内には15隻以上の艦がおり、これらもやられた場合も、エイギル艦隊は事実上の壊滅なる。

それだけは回避したい提督は全艦出港するまで、現在出港できる6隻で湾外出た後に輪形陣を組み敵機を迎撃することを考えた。

「了解です提督。本艦はもう出港出来るな?」

「後は錨を上げれば出港できます」

艦長は一度提督の方を向き、提督は頷く。

「錨を上げ」

「了解!錨上げ!」

海底に沈められていた錨を巻き上げ開始。

やがて、海面から巨大な錨が姿を現し、巻き上げ完了する。

「錨、巻き上げ完了!」

「よし、両舷微速前進」

「両舷微速前進」

タナガーはゆっくりと動き出し、湾外と向かう。

それに続いて空母ジオフォン、イージス艦レイヴン、巡洋艦コルガ、駆逐艦レイダー、クロムの順に出港し、タナガー共に湾外へと出る。

「主砲、有効射程内まで残り4分」

「湾外までには間に合わんな…」

提督は本艦隊が湾外出るよりも先に敵機が主砲の有効射程内に入るのが先になると判断し、次の指示を出す。

「あまり、湾内で撃ちたくないだがな…やむなしか…艦長。主砲1番、2番発射用意。目標は敵航空部隊。発射タイミングは艦長に任せたよ。それと、各艦に本艦が主砲発射後SAMを発射すように伝えてくれ」

「了解。主砲1番、2番発射用意!目標、敵航空部隊!」

「タナガーから各艦へ。本艦の主砲斉射後にSAMを発射せよ」

タナガーの40.6cm砲が動きだし、敵編隊の前方に弾着するように角度を調節する。

その動きに合わせるように、艦魂タナガーも敵編隊の方を向く。

「敵編隊、射程内に入りました!」

「主砲1番、2番てぇぇぇ―――!」

「吹き飛びぇぇぇー!」

艦長と艦魂タナガーの叫びと同時に40.6cm砲が凄まじい轟音共に火を吹く。

タナガーの主砲が発射を確認した、ISAFの編隊は編隊を解きブレイクするが、8機が他の機より遅れてブレイクした。

その遅れが命取りになった。

9発の新三式弾は同時に炸裂し、その8機を新三式弾が作った光に飲み込まれ、文字通り消滅した。

《なんだ!今の光は!》

《あの光はMPBM!?タナガーの対空砲撃弾は三式弾ではなかったのか!?…ちっ!ミサイルが来るぞ!ブレイク!》

MPBM方式炸裂の光を見たISAFのパイロットたちは一時的に混乱状態になる。

そこに、各艦から放ったSAMが襲い掛かり、5機がSAMに命中し撃墜する。

「敵機合計14機撃墜!残りはなお接近中!」

「各砲座自由射撃を許可する。敵を撃ち落とせ!」

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2004年 11月25日 11時45分 コンベース港湾外 エイギル艦隊旗艦 戦艦タナガー 

「敵機全機離脱します」

「やっとか…」

「いや、まだ油断はできんな…各艦、現状を維持せよ。各砲座の弾薬補給も忘れるなよ」

ISAFの攻撃を受けつつもジオフォンの航空部隊と付近の空軍基地から救援にきた航空部隊の掩護のお蔭で湾外に出られた6隻は空母ジオフォンを中心とした輪形陣を組み迎撃を継続、攻撃を耐えきった。

だが、巡洋艦ラーズリ、駆逐艦チアシが大破。

また、大破しながらも敵機を迎撃していた巡洋艦オルガ、駆逐艦ウィングが撃沈された。

また、航空部隊も19機撃墜されていた。

「これが最後だといいですが…提督は、敵はまだ来ると思いますか?」

「わからんな…だが、現状のISAFの士気は高い。それを考えると第三派攻撃はある方が高いだろうな。できるなら、来てほしくないものだが…」

提督は現在の艦隊の損害を考えると、これ以上の敵機が来たら壊滅する可能性が高くなるため、第三派無いことを祈っていた。

だが、その祈りは通じることはなかった。

「!?レーダーに新たな敵機を確認!数は…60!」

「60機…第二派より20機多い…これは、少しきついかもしれないな」

敵機は第二派より、さらに、20機多い60機という報告を受けた提督は現状の艦隊では耐えられないかもしれないと思った。

「提督…どうしますか?これ以上はさすがに…」

「やるしかないよ。湾内に停泊している艦を見捨てるわけにはいかないよ」

既に奇襲攻撃を受けてから40分以上も経っているが、未だに出港出来ない艦が多数いる。

これらの艦が出港するまでは提督は脱出する気はない。

「主砲1番、2番新三式弾装填。照準は敵航空部隊。細かい照準は各砲に任せるよ。発射指示は再度艦長だ」

「了解です。主砲1番、2番新三式弾装填。目標は敵航空部隊。細かい照準はそちらに任せる!」

再び新三式弾が装填された主砲1番、2番がISAF機を撃墜するため動く。

この戦いはタナガーの新三式弾でISAF機を多く撃墜するかどうかでよって戦況が大きく変わってくることは乗組員全員がわかっており、ISAF機の距離が縮まるにつれ、艦橋は緊張に包まれる。

そして、その時は来た。

「主砲、有効射程内!」

「主砲1番、2番てぇぇぇー!」

タナガーの主砲は再び火を吹き、6発の新三式弾を撃ち出し、ISAF編隊に向かっていく。

一方、ISAFの第三派攻撃隊は第二派攻撃隊から新三式弾の情報を受け、編隊の1機の幅を広げており、すぐに、散開が出来るようにしており、タナガーの発砲と同時にブレイクする。

しかし、それでも逃げ遅れる機が出る。

もちろん、それが命取りになり、逃げ遅れた機と運悪く弾着ポイントにいた機は新三式弾が上空に作った6つの光に飲み込まれ、消滅する。

《10機もやられたか…だが、作戦には問題ない!》

《すべてのターゲットへの攻撃を許可する!無敵といわれたエイギル艦隊を沈めろ!幸運を祈る!》

残った50機の内25機が対艦ミサイルを発射。

各艦に向かって行く。

「敵機対艦ミサイルを発射!」

「迎撃!CIWS撃ち方始め!」

既にタナガーに搭載している迎撃用ミサイルは切れており、CIWSによる迎撃しかできない状態であるが、タナガーのCIWSは6基も搭載しており、迎撃ミサイルが無くっても高い迎撃能力を持っている。

タナガーの6基のCIWSは向かってくる対艦ミサイルにそれぞれ弾幕を展開し迎撃開始。僚艦迎撃ミサイルを発射し、対艦ミサイルを撃ち落とす。

撃ち漏らした、対艦ミサイルもタナガーのCIWSの弾幕で次々と撃ち落とされて行く。

だが、撃ち落とした対艦ミサイルはただの対艦ミサイルではなかった。

「…これは!?艦長やられました!ハンス粒子濃度が急激に上昇!対艦ミサイルにハンス粒子が入っていた模様!」

「艦長!敵機の中に爆装した機を確認!」

「提督、これは…」

「あぁ。近接戦闘を仕掛けてくる気だな。ISAFは」

ハンス粒子は全ての誘導方式を弱体化させる能力がある。

それこそ腕が高いパイロットだと、フレア、チャフを使わずにミサイルを回避することも出来ほどである。

新人のパイロットさせもフレア、チャフを使えば回避することも出来る。

ハンス粒子はそれほど強力なものである。

だが、ハンス粒子は敵味方にも効果があるうえ、無力化することもできない。

そのため、ハンス粒子が実戦に投入されたベルカ戦争以降、空戦はミサイルの撃ち合いから再びドックファイトに戻ったのだ。

それは、艦対空も一緒であり、戦闘機による長距離対艦ミサイルによる攻撃も目標の艦がチャフを撒けば8割は回避することができる。

それは、対空ミサイルも同じであり、イージス艦による対空ミサイルも攻撃も当たりにくくなる。

そのため、ハンス粒子の散布下の中では昔ながらの急降下爆撃、近距離からによる対艦ミサイル攻撃などの近接戦闘が有効である。

「各艦、近接対空戦闘用意。輪形陣維持しつつ迎撃してくれ」

「近接対空戦闘用意!各砲座、自由射撃用意!」

提督と艦長はISAFが近接戦闘を仕掛けてくること予想し、提督は各艦に近接対空戦闘用意に備えるように指示を出し、艦長はタナガーの各砲座に自由射撃を用意するように指示を出す。

一方、ISAF機はジオフォンの艦載機と空軍機と交戦を開始。

一部の機はそれらを無視し提督と艦長の読み通り近接戦闘を仕掛けてくるため、各艦に接近してくる。

「敵機来ます!」

「各砲座自由射許可する!撃ち方始め!敵機の接近を許すなよ!」

接近してくる、ISAF機の迎撃を開始。

各艦からもSAMやCIWSによる弾幕が展開される。

いくつかのISAF機はその弾幕の餌食になり海へと墜ちて行くが、いくつかの機はその弾幕を掻い潜り、艦隊に接近する。

そして、1機のF-2がタナガーへと急降下を開始する。

「敵機直上!急降下ァァァー!」

1人の見張りがそのF-2に気付き大声でそう叫ぶ。

「左舷全速!面舵一杯!」

タナガーは面舵をとり回避行動に入ると同時にF-2戦闘機が爆弾を投下し、タナガーから離れる。

投下された爆弾はタナガーの左舷側の海面に落ち大きな水柱を作る。

爆弾が当たらなかったことにホッとした乗組員たちであったが、すぐに次の攻撃がくる。

「右舷低空に敵機、2!」

今度は右舷低空からF/A-18とF-2が接近。もちろん、その翼の下には対艦ミサイルを搭載されている。

タナガー右舷の対空兵装の一部がそのF/A-18とF-2の迎撃開始し、一発の対空砲弾がF-2の右翼を吹き飛ばし、海面に墜ちる。

一方、F/A-18は対艦ミサイルを発射。その直後にF/A-18は対空砲弾の直撃を受け爆散する。

「右舷から対艦ミサイル!」

「CIWS1番、2番で迎撃!」

タナガー艦橋前と右舷中央付近に設置されているCIWSが接近してくる対艦ミサイルに向かって多数の弾を撃ち出し、対艦ミサイルを撃ち落とす。

「提督…このままでは」

「わかっているよ、艦長。港に残っている艦はあとどの位で出港できのだ?」

「現状ではあと10分掛かると言うことです!」

「それでは遅すぎるな…何としてでも5分以内に出港してくれと伝えてくれ」

「了解」

提督も艦長も限界を感じ始めていた。

救援の空軍機は燃料、弾薬切れでいくつかの機は補給のため基地に戻り始めているうえ、ジオフォンの艦載機も既に20機も撃墜されており、空軍機と一緒で燃料、弾薬切れもそろそろ近い。

それに比べ、ISAF機は未だに40機以上はいる。

このまま、戦闘を続ければ耐えきれなくなるのは確実である。

その前に、湾内の艦を出港し、脱出しなければいかない。

しかし、出港しタナガーと合流ししてもしばらくはISAFの攻撃を耐えながらの脱出になるのは間違いない。

提督はその時のどう動くか考え始めようとした時だった。

「右舷低空敵機!くそ!あんなにも低く飛べる奴がISAFにはいるのか!?」

右舷の見張り役は右舷低空から接近してくるF-2を発見。

しかし、そのF-2の高度の低さに見張りは驚きの声をあげる。

見張りの声を受けた提督と艦長はそのF-2を直接確認し、その低さに目を疑った。

「ISAFにはまだあんなパイロットがいるのか!?」

「黄色中隊以外にもこんなにも低く飛べる奴がいるとは…!」

そのF-2が、エア・インテークが今にも海面にぶつかるような超低空で飛行しているからである。

「マズイ!右舷対空砲!あのF-2を撃ち落とせ!」

艦長の号令の元で右舷対空砲座は超低空から接近するF-2に多数の対空砲弾を撃ち出すが、あまりにも低空にいるため対空砲弾が当たらない。

そもそも、タナガーの兵装は大規模近代化改修で全てCICで操作が出来るようになり、主砲もレーダー射撃が可能になり、そのお蔭で精密な射撃が出来るようになった。

しかし、ミサイル、CIWSを除く対空兵装は予算不足のせいで、レーダー射撃機能が無く、CICから手動で照準しているため、タナガーの兵装中で一番、命中率が低いのは対空兵装である。

「CIWS1番、4番撃ち方始め!」

「…!?チャフ散布!」

艦長は接近してくるF-2に対してCIWSによる迎撃指示を出した時、あのF-2が高度を少し上げたのを提督は気付き、そしてあのF-2が次にやることもすぐに分かった。

あの超低空飛行だと、対艦ミサイル発射すると間違いなく対艦ミサイルは海面にぶつかり爆発するため、一度高度を上げないといけない。

がから、あのF-2が上げたということは対艦ミサイル発射体制に入ったことになる。

提督は急いでチャフを散布するように指示を出すが、その前にF-2は対艦ミサイルを発射する。

「敵機対艦ミサイル発射!」

「!?CIWS4番目標を対艦ミサイルに変更!」

「チャフ散布急げ!間に合わなくてもいい!」

「敵機、チャフを散布!CIWS1番のロックが外されました!」

対艦ミサイルが発射されたことを聞いた艦長はCIWS4番の目標を対艦ミサイルに変更の指示を出し、1番は目標通りF-2をロックしたが、その直後にF-2はチャフを散布しロックを解除と同時に再び超低空飛行に戻る。

4番は対艦ミサイルをロックし多数の弾を撃ち出すが、対艦ミサイルはそれらを掻い潜り、真っ直ぐとタナガーへと向かう。

タナガーはチャフも散布するが対艦ミサイルの軌道には変化はなかった。

「対艦ミサイル弾着まで10秒!」

「迎撃間に合いません!艦長!」

「総員襲撃に備えろ!」

迎撃が間に合わないと判断しタナガーの乗組員は弾着時の襲撃に備えるため、何かに掴み、艦魂であるタナガーはただ黙って対艦ミサイルじっと見て、目を閉じた。

そして、対艦ミサイルはタナガー右舷中央部に命中し、爆発する。

「「「ドワァ!」」」

「グッ…グハッ!」

弾着時の衝撃で提督と何人かの乗組員が倒れ、艦魂であるタナガーは口から血を吐き座り込むように倒れる。

艦魂は艦に宿る魂。

つまり、艦魂は宿った艦そのものであり、艦がダメージを受けた時、艦魂にもダメージが入るのだ。

「くっ!被害状況を確認!提督、大丈夫ですか!」

「あぁ、なんとか大丈夫だよ…うぉ!」

提督が立ち上がろうとした時、対艦ミサイルを発射した、F-2が艦橋の前を通り過ぎる。

その時、提督と艦魂タナガーはハッキリと見えた。

あのF-2の垂直尾翼に付けられた…

「「リボンのエンブレム…」くっ!」

リボンのエンブレムを付けたF-2が起こしたソニックブームで艦橋の窓ガラスが割れ、ガラスの破片が一部の乗組員達を切り裂く。

「やってくれたな!医療班を呼べ!被害状況はまだか!」

《こちら、CIC!CIWS4番大破!復旧は不可能!また、右舷対空兵装およそ2割が使用不能!一部レーダーにも損傷あり!》

《こちら、ダメコン!浸水は確認できず!しかし、火災発生!現在、消火活動中》

「CIWSが1基失うだけでもマズイ状況なのに!」

艦長はCIWS4番が使用不能になったことで焦り出した。

今、この上空にはISAF機が未だに35機は以上はいるうえ、空軍機とジオフォンの艦載機は大半が燃料切れ。または撃墜され、制空権が失いつつある中で、CIWSが1基でも失えば危険である。

それが、対空ミサイルをあまり持たない戦艦タナガーであればなおさらである。

「タナガー。大丈夫か?」

提督は立ち上がり、未だに倒れているタナガーにそう聞く

「大丈夫だ!この程度で戦艦タナガーは沈むわけがないだろ!」

タナガーは口に着いた血を腕で拭き取り、力強く立ち上がる。

それを見た提督はタナガーはまで戦闘継続が出来ると判断する。

「落ち着けた前。この程度で戦艦タナガー沈むわけが沈まんよ。まだ戦えることは出来る」

「提督の言う通りです、艦長!こいつはまだ戦えます!」

「…そうだな、こいつはまだ戦える…CIC!撃ちまくれ!反撃だ!」

艦魂タナガーと提督が言った通り戦艦タナガーは対艦ミサイルが1発だけでは沈まない。

CIWS1基と右舷対空兵装が2割やられたが、タナガーの戦闘能力が完全に0になったわけではない。

だが…

《タナガーが煙を吹いているぞ!誰がやったんだ!》

《メビウス1だ!メビウス1があの弾幕を抜けてタナガーに当てた!》

《全機!攻撃をタナガーに集中!沈めるぞ!》

被弾したタナガーを見た、ISAFは好機だと思い、タナガーに集中攻撃を開始。

無数の戦闘機がタナガーの直上、被弾した右舷側から襲い掛かる。

「直上敵機!急降下!!」

「右舷より多数の敵機が接近中!」

「CIC!撃ち落とせ!これ以上やらせるな!」

次々と襲い掛かるISAF機にタナガー乗組員たちは必死に迎撃活動をするが、やはり、CIWSと右舷対空兵装2割がやられたのがかなりの痛手だった。

対艦ミサイルを搭載している、ISAF機は全て右舷低空から接近してくると同時に、急降下爆撃をしてくる。

タナガーは確実に追い込まれていた。

「これ以上は流石に防ぎきれない…湾にいる艦の出港はまだなのか?」

「提督!たった今、通信がきました!全艦出港

これより、タナガーに合流する!以上です!」

「よし、あと少しだ。あと少し辛抱だな」

湾内の艦が全艦出港したとことを聞き、提督はあと少しの辛抱だと思い、少しは安心した。

その安心はすぐに消えた。

見張りの一言ことで。

「右舷敵機!対艦ミサイル発射!数は5!」

「迎撃!チャフ散布!」

右舷から接近していた2機のF-2戦闘機と3機のF/A-18から1発ずつ対艦ミサイルを発射し、真っ直ぐとタナガーに向かう。

タナガーはCIWSによる迎撃を開始し、CIWSから次々と弾を撃ち出し、1発の対艦ミサイルに命中し、爆発。

その爆発でもう1つの対艦ミサイルがバランスを崩し、海面ぶつかり爆発する。

しかし、残り3発は健在でさらに、タナガーへと接近する。

「駄目です!対艦ミサイル抜けられます!」

「総員衝撃に備えろ!」

再び、タナガーに対艦ミサイルが命中する。

1発は艦首に、残り2発は右舷船尾に命中し、大きな爆発を起こす。

「「「ぐわぁぁぁ!」」」

「ガハッ!」

3発の対艦ミサイルは同時に命中したため襲撃がかなり大きく艦橋にいた全員が倒れる。

一方、艦魂であるタナガーも体にも大きな傷が出来、血を吐く。だが、タナガーの悲劇はこれで終わらなかった。

《よし!捉えた!投下!投下!》

《投下!くそ!やられた!オメガ11イジェェェェェェクト!》

《投下!これで沈め!》

タナガー直上から急降下爆撃を仕掛けた5機のF/A-18が爆弾を2発ずつ投下する。

うち1機はCIWSで主翼を撃ち抜かれ、パイロットは脱出した。

タナガーのCIWSは投下された10発の爆弾を捉え、迎撃を開始。

10発中4発は撃ち落とすが残り6発は抜かれ、1発は外れるが、他は船尾付近に2発、第三砲塔に1発、左舷中央部に1発に命中し、さらに主翼が撃ち抜かれパイロットがベイルアウトした無人のF-2が船尾付近に墜落。

そして、最後の1発は艦橋に直撃する。

「「「うわぁぁぁ!」」」

艦橋にいた全員が爆発に巻き込まれ、吹き飛ばされる。

「うっ!ゴホッ!ゴホッ!くそ!…うそだろ…」

吹き飛ばされた艦長は全身に襲う痛みを耐えながら立ち上がり、周りを見渡すと、艦長の顔から血の気がなくなる。

艦橋の上部は完全に吹き飛ばされ、見上げれば青空が見える。

だが、見下げれば多数の乗組員が血を流しながら倒れている。

中には体の一部分が無い乗組員がおり、まさに地獄絵図となっていった。

「そうだ!提督は!」

艦長は提督が無事なのか確認するため、提督を探す。

そして、艦橋の隅で壁にもたれ掛るように座り込んでいる提督を見つけ急いで駆け寄る。

しかし、提督の姿を見た艦長は再び血の気がなくなる。

提督の横腹から血を流していた。

「提督!しっかりしてください!」

艦長は急いで提督の傷を確認する。

提督の横腹には大きな切り傷があり、それも深い傷である。

恐らく、吹き飛ばされた時、何かの破片が切り裂いたんだろう。

しかも、出血も酷く、医療知識が余りない艦長さえも、提督は危険な状態だとすぐに理解した。

「…私のことは…いい…それより艦の…被害状況は…どうなって…いるのだ?…うぅぅ」

「提督!あまりしゃべらないでください!誰か!動ける者はいないか?」

艦長は他に動けるものは聞くが誰一人、返事ない。

艦橋でまともに動けるのは艦長ただ一人であった。

「これは酷いな…生存者を探すぞ!」

そんな中、艦橋の被害を確認するため、ダメコン班が入ってきた。

「こっちだ!こっちに来てくれ!」

「艦長!無事でしたか!…なっ!提督!」

艦長の声を聞き、ダメコン班は艦長の方に行く。

しかし、提督の姿を見て、艦長と同じように血の気が無くなる。

一方、提督は今、入って来たのがダメコン班だと気付き、すぐに艦の被害状況を聞く。

「君たち…ダメコン班だろ…艦の被害状況は…どうなって…いるのだ?」

提督のその質問を聞いたダメコン班たちは暗い表情し、艦の被害状況言う。

「…対艦ミサイルを艦首に1発と右舷船尾付近に2発命中。これにより、火災、浸水発生。さらに、爆撃で第三砲塔、CIWS3番、5番が左舷対空兵装の4割は使用不能。機関にも直撃を受けたうえ、敵機が船尾付近に墜落。これにより、機関は停止。…本艦は航行不能です。また、浸水激しく、既に傾斜を初めています。復旧作業していますが…復旧の見込みは…立っていません」

その被害の多さを聞いた艦長はタナガーが長くは持たないわかり、提督はただ、下を向き黙っていた。

「提督…もはや…タナガーは…持ちません…」

艦長は手を強く握り締め、悔しそうにそう言った。

提督はゆっくりと顔をあげてそして…

「総員…退艦…」

そう言った。

「了解…総員退艦だ。君たちは生き残っている者たちを頼む」

「…了解です」

ダメコン班は提督と艦長に敬礼し、艦橋にいる乗組員たちの救出作業に入る。

「提督。我々も」

艦長は提督に手を伸ばすが、提督はその手を振り払う。

「提督?」

「艦長…私は…艦と…ともに…するよ」

「な!?」

その言葉を聞いた艦長は驚きの声を出す。

「何故です!あなたがいなければ艦隊の指揮は誰が取るんですか!」

「この…出血量では…助からないよ…」

提督は自分の出血量を見て助からないことに気付いた。

他の艦に行って手当てするにも間に合わないことも。

そのため、提督はタナガーと共にすること決めた。

「だったら自分も!」

「君は…退艦しないと…いけない人物だよ…君は…まだ若し、才能が…あるからね…ここで散る命ではないよ…それに…家族もいるだろ?」

提督の言うとおりタナガーの艦長は若く、才能が有り、そのお蔭でエルジア海軍最短の歳で艦長になっている。

また、家族もおり、子供も二人もいる。

「艦長…!」

「行け…後のことは…頼むよ」

「提督…あなたの下で戦えたこと光栄でした!」

艦長は涙を流しながら敬礼し負傷者を運ぶダメコン班と共に艦橋を出て行った。

1人残された提督はただ黙って空を見ていた。

「提督…」

そんな、提督の隣に同じく傷だらけの艦魂タナガーが現れる。

提督はタナガーの姿を見て申し訳ない表情をする。

「タナガー…すまないな…お前…こん…な…ことに…になってしまった…ことを」

「別に…いいよ…ここまで戦えた方が…うれしかったよ」

「そ…うか…」

提督は段々と目の前が暗くなっていくこと感じ、自分の命はあと少しでなくなることを実感する。

だが、提督は自分の命が切れる前にタナガーに感謝の言葉を言う。

「タナ…ガー」

「何だ…提督?」

「お前の…艦で…提督を…やれ…て…よかった…よ…先に…行って…いる…よ…」

「提…督…?」

そのことを言った直後、提督は力尽き息を引き取る。

「それは…こちらのセリフだ…楽しかったよ。提督」

タナガー息を引き取った提督に涙を流しながらそう言った。

段々とタナガーの傾斜も酷くなり、あと数分も経てば海へと沈むくらいになっていた。

海へと沈む前にタナガーは最後の力を使い艦内の様子をみる。

右舷側のほとんどのブロックは完全に海水が浸っており、そこには逃げ遅れたのか、弾着時に戦死した乗組員たちが漂っている。

他の場所も見ても、生きている乗組員は誰1人もいない。

そして、最後に艦橋から海面を見る。

海面にはタナガーから退艦した乗組員が乗っている救命ボートが無数に浮いており、その中に艦長もいた。

「生き…残っている…乗組員は…全員…退…艦したな。これ…で…安心…して…沈む…ことが…出来るな」

生き残った乗組員が全員退艦したことを確認したタナガーは提督の隣に座り、今までの出来事を思い出す。

自分が建造された日。

妹たちが生まれて喜んだこと。

大規模近代化改修がされた日のこと。

空が砕け散った日のこと

そして、提督と出会った日のことも。

「本当に…長かった…人生…だった…でも…これ…で…終わる…提…督…そっちに…行き…ま…す」

そして、タナガーの意識は途切れた。

-5ページ-

タナガー級超弩級戦艦一番艦タナガー

1940年6月27日に起工し、1942年8月27日に当時のエルジア大統領の手によって進水。

1943年2月22日に就役したタナガーは、エルジア海軍のシンボルとして活躍する。

1945年にエイギル艦隊の旗艦として配属。

その後、1981年12月31日に大規模改修の為ドック入り。

2年に及ぶCIWS、ミサイル発射台、イージスシステム搭載。CICの設置などの大規模改修を終えたタナガーは全く別物の艦と言っていいほどの性能を誇っていた。

1999年7月8日に落下した小惑星ユリシーズの破片の迎撃のため、出撃。

ストーンヘンジを撃ち漏らした小惑星ユリシーズ破片次々と撃ち落とし活躍するが、エイギル艦隊所属艦3隻が小惑星ユリシーズの破片の直撃を轟沈。

また、同じく大規模近代改修されたタナガー級超弩級戦艦二番艦ノブリスも破片が直撃し、轟沈している。

そして、2003年。大陸戦争が勃発。

2003年9月1日。

タナガー率いるエイギル艦隊はアンカーヘッド湾を攻撃のため出港。

同日、エイギル艦隊の出港を受けたISAF海軍はエイギル迎撃のためアンカーヘッド湾に停泊している艦を全て出港させる。

同年9月6日タイラー海域にて両艦隊共に捕捉する。

ISAF艦隊はすぐに攻撃態勢に入ったが、あらかじめエイギル艦隊はタイラー海域に空軍の電子戦機を30機も配置し、強力なECM妨害を展開。同時にエイギル艦隊もECM妨害を展開する。

これにより、ISAFのレーダー、通信全てが使用不能になり混乱状態になる。

その隙にエイギル艦隊はISAF艦隊に接近。

ISAFがエイギル艦隊を目視で発見した時には時既に遅し。

タナガーの主砲攻撃を受け、壊滅する。

この海戦の勝利でアンカーヘッド湾は陥落し、エイギル艦隊の大勝利に終わった。

その後、しばらくアンカーヘッド湾に停泊していたが、ISAFとの決戦に備えエルジア軍が占拠したコンベース港に移動。

しかし、この頃からISAFの反撃が激しくなり、コンベース港の補給線がズタズタになり、エイギル艦隊は燃料、弾薬不足になる。

そして、2004年 11月23日 11時15分にISAFはエイギル艦隊撃破のためラフシーズ作戦を決行。F-117による奇襲攻撃を受けたエイギル艦隊は出港出来ない艦を護るためタナガー、レイヴン、ジオフォン、コルガ、レイダー、クロムが出港し、第二派攻撃隊を凌ぎ湾外に出る。

その後、湾外にて第三派攻撃隊迎撃を開始。

タナガーは圧倒的な弾幕を展開するが、後に大陸戦争の

大陸戦争の英雄と呼ばれるようになるコールサイン『メビウス1』が搭乗するF-2がタナガー右舷低空飛行で接近。

対艦ミサイルを発射し、タナガー右舷中央部に命中させる。

この被弾により、CIWS4番と右舷対空兵装2割が使用不能なる。

この被弾を好機だと思ったISAFはタナガーが被弾した右舷と急降下爆撃による集中攻撃開始。

タナガーの弾幕抜けたレイピア6、オメガ1、ヘイロ10、ヘイロ6が対艦ミサイルを発射。

その内2発は迎撃に成功するが、残り3発はタナガーの艦首に1発、右舷船尾付近に同時命中。

さらに、オメガ11、ヴァイパー2、レイピア1、ヘイロ2が急降下爆撃を仕掛け、計10発の爆弾を投下(この時、オメガ11はタナガーのCIWSにより、主翼撃ち抜かれ、敵地にベイルアウトするが、近くのボートを奪い帰還している。)

タナガーのCIWSにより、4発は撃ち落とすが、残りは船尾付近に2発、第三砲塔に1発、左舷対空兵装に1発、艦橋に1発ずつ命中。

さらに、タナガーのCIWSで主翼を撃ち抜かれたパイロットがベイルアウトしたF-2がタナガーの船尾に墜落。

これにより、機関が完全に停止し、第三砲塔、対空兵装6割が使用不能なる。

また、対艦ミサイルが同時に弾着した右舷では

浸水及び火災が発生。

浸水はダメコンが追いつかないほど激しく、被弾から1分も経たずに傾斜が始まっている。

この被害を受けた、戦艦タナガーは総員退艦命令を発令。

艦長を含む1650人が退艦する。

そして、11時40分

戦艦タナガーはエイギル艦隊の提督を含み1100人の乗組員たちと共に右舷から沈んで行った。

 

説明
艦これをやっていた書きたくなった。
後悔はしていない
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コメント
まさか後から公式に掘り起こされるとは(TEITUKA)
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戦争 エースコンバット エースコンバット04 戦艦 エイギル艦隊 オメガ11 

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