小説9
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何度も断る幽霊がいる、その幽霊は、超有名な、大昔の西洋の貴族の王妃の幽霊だ。

 

何故、その幽霊が出会う人皆をこっぴどく断るのかと言うと、そもそも、その幽霊が生前そうとう気位が高く好き嫌いが激しかったのだろうということと、いつもせっかく安らかにすやすやと墓場で眠っているところを突然、プロのベテラン魔術師に蘇生術で叩き起こされて、行きたくもない、入りたくもない赤の他人の体に無理やり召喚されるのですっかりむくれているのではないかと私は想像している。

 

正に精神状態が激怒している状態なので、召喚術を受けてどっかの他人の体に入った途端、身も知らぬどっかの高級品や有名作品を高額に買った人に引き合わされても好ましいとか愛おしいだとかそう言った感情はまったく沸かないのだろうと思うのだ。

 

赤の他人にわざわざ古代の王妃の幽霊が召喚される理由はこうだろう、作品や高級品の代用品に選ばれた相手をより引き立たせるためだと思う。

 

また、その古代の崇高な魂は、召喚の居場所に選ばれた相手が色々非難を浴びたり嫌がらせを受けるのを見て、それが可愛そうだから何とか快い反応をして少しでも精神的に楽にしてあげようなどと言う、そういった思いやりも殆ど持ち合わせてはいないのだろうと想像される。

 

だから、いつ召喚された場合でも、とっても偉い人を断った直後に震災や津波、竜巻などが平気で勃発していたのだろう。かなりのわがままちゃん幽霊ではないかと思う。

 

そういった一連のおぞましく恐怖に満ちた天災活動を何度も幽霊が蘇生されるたびごと、大事な高級品や作品のお客さんを断るたび行ったとしても、何度また墓場にいづれ戻してから、また忘れた頃、誰かに召喚しても、いつもいつも同じことをまた繰り返す、そう言った意味では、とんだ性懲りもないお騒がせ名物幽霊なのだろう。

 

それでも、出会う人を必ず断ることによって一応めちゃくちゃ高額に決めた価格の品位や尊厳が崩れ落ちることはないので、それだけでも良いと思ってしまっている状態なのではないだろうか。

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つまり、自分が誰かの体に召喚されて、その体を利用して自分の意思や考えを表に出せる状況になった場合でも、前に召喚された時に、断るたび大勢が死んだことを思い出して、今度は断るのはやめようと言うそういう慈悲や暖かな同情心などはまったく持ち合わせていない、そういう氷のように冷たく利己的なその幽霊の本性がここで浮き彫りにされると思う。

 

それなら、もうくだらないからわざわざ熟睡している最中に墓場から起こして召喚するのをやめればいいのに・・・と誰だって思うと思う。ここで問題は、何故、その悪戯に人の心を傷つける蘇生と召喚魔術を止めないのかというその大きな壁にぶち当たることだ。

 

私が想像しているだけでも、その幽霊が召喚術で借りている体を利用して断った相手の数は、数え切れないのではないかと想像しているからだ。

 

その心理や道理をまんまと利用して自分を断った相手や態度が気に入らない相手をサドの金持ちになんとか上手く引き合わせて何とか関係を持たせるところまで持ち込み、騙してサドプレーを受けさせ、身も心もズタズタにしたい、上手く行けば、最終的に態度や断り方が悪いために最悪殺されてしまえばいいと思っているのに違いないのだ。それは、古来から有名な血の涙のマリアの像からも見てとれる昔からあった本当の陰謀と策略の結末の証だと思う。あの血の涙のマリアは、実は神でも女神でもなく、そういった被害者の女性の姿を神聖視して証拠を抹消して隠蔽工作したものだと私は確信している。

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