英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜
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数日後、ついに中間試験の結果が戻り、廊下の掲示板に順位が貼りだされた。

 

6月23日――――昼休み

 

〜トールズ士官学院・廊下〜

 

「……………………」

「あ、あはは……」

掲示板に貼りだされてある順位を見たマキアスは呆け、エマは苦笑していた。

 

72位 フィー・クラウゼル(544点)

 

36位 エリオット・クレイグ(802点)

 

20位 ガイウス・ウォーゼル(870点)

 

17位 ラウラ・S・アルゼイド(895点)

 

15位 ツーヤ・ルクセンベール(900点)

 

8位 アリサ・ラインフォルト(924点)

 

7位 リィン・シュバルツァー(932点)

 

4位 プリネ・カリン・マーシルン(945点)

 

3位 ユーシス・アルバレア(952点)

 

1位 マキアス・レーグニッツ(975点)

 

1位 エマ・ミルスティン(975点)

 

「よ、よかった〜……そんなに悪い順位じゃなくって。それにしても、まさか委員長とマキアスが同点1位なんてね!」

順位を見たエリオットは安堵の溜息を吐いた後興味ありげな表情でマキアスをエマを見つめ

「さすがだな、マキアス。」

「ええ、宣言通りエマさんに負けていませんよ。」

「はは、ちゃんと有言実行を果たせたじゃないか。」

ガイウスとツーヤ、リィンはマキアスを見つめて感心した。

 

「あ、ああ………何と言うか、さすがだな、エマ君。」

一方マキアスは戸惑いの表情で頷いた後エマに感心し

「いえいえ、お互い頑張った結果だと思います。」

マキアスに感心されたエマは微笑んだ。

 

「それにしても……みんな、いい線行ってるわね。」

アリサは全員の順位を見て目を丸くし

「うん、私も入学試験より順位が上がっているようだ。」

「まあ、こんなものか。」

「フフ、勉強した甲斐がありました。」

ラウラやユーシス、プリネはそれぞれの結果に満足している様子で呟いた。

 

「ユーシスはユーシスでさらっと余裕そうだし……リィンも10位以内に入るなんて、相当頑張ったみたいね。」

「はは、みんなと試験勉強をばっちりやったおかげだよ。」

「……ちょっと疎外感。」

それぞれが試験結果に明るい表情をしている中、自分だけ順位が圧倒的に下のフィーは不満そうな表情をし

「ふふっ、フィーちゃん、頑張ったと思います。」

「基礎学力のことを考えると十分すぎるほどの結果だわ。次はもっと上を狙えるはずよ。」

エマとアリサはそれぞれ感心した様子でフィーを見つめた。

「ん、気が向いたら。そういえば、そっちにも何か書かれてるけど。」

アリサの言葉に頷いたフィーはクラスごとの平均点と順位が書かれてある紙が貼られている掲示板に視線を向けた。

 

1位 1−Z(883点)

 

2位 1−T(843点)

 

3位 1−V(770点)

 

4位 1−U(735点)

 

5位 1−Y(675点)

 

6位 1−X(650点)

 

「わあっ……!」

平均点と順位を見たエリオットは驚き

「ほう、我らZ組が首位か。」

「皆さんで頑張った甲斐がありましたね。」

「ええ。みんなで協力し合って勉強していましたものね。」

ラウラは興味ありげな表情をし、プリネとツーヤは微笑み

「ふふっ、1位から4位までいるしちょっと予想はしてたけど。」

アリサは嬉しそうな表情をした。

 

「フン、俺が属するクラスが負けることなどあり得んがな。」

「だから君は何でそんなにも偉そうなんだ……」

鼻を鳴らして呟いたユーシスの言葉を聞いたマキアスは呆れた表情でユーシスを見つめ

「クスクス……」

二人の様子を見たエマは微笑んだ。

「……いや。実際みんな頑張っただろう。」

「ああ、誇ってもいいと思う。」

「V(ブイ)、だね。」

そしてガイウスの言葉にリィンとフィーはそれぞれ頷いた。

 

「クッ、何という屈辱だ……!」

「帝国貴族の誇りをあんな寄せ集めどもに……!」

一方1年T組の貴族生徒達は自分達のクラス平均点が”Z組”より下である事に悔しがり

「そ、それに……アリサさんのあの家名は……」

アリサの家名を見たフェリスは信じられない表情をし

「……………………」

パトリックは怒りの表情で”Z組”の面々を睨んでいた。

 

午後―――実技テスト

 

〜グラウンド〜

 

「試験結果は見させてもらった。――――よく頑張ったな。」

「いや〜、中間試験、みんな頑張ったじゃないの♪あのイヤミ教頭も苦虫を噛み潰したような顔してたし、ザマー見なさいってね♪」

グラウンドに集合したリィン達を見回したレーヴェは静かな笑みを浮かべ、サラ教官は嬉しそうな表情でリィン達を称賛した。

 

「別に教官の鬱憤を晴らすために頑張ったわけでは……」

「というか、教頭がうるさいのは半分以上が自業自得ですよね?」

サラ教官の称賛を聞いたリィンとアリサはそれぞれ呆れた表情で指摘した。

 

「まったく、あのチョビ髭オヤジ、ネチネチうるさいっての……やれ服装だの居酒屋で騒ぐなだのプライベートにまで口出しして……おまけに婚期がどうだの、余計なお世話だっつーのよ!」

サラ教官の愚痴を聞いたリィン達は冷や汗をかき

「フッ、逆に”七大罪”の一柱を司るベルフェゴールと同じ意見を口にした教頭には感心すべき所もあると思うが?」

(ああ、婚期ね♪)

静かな笑みを浮かべて言ったレーヴェの言葉を聞いたベルフェゴールはからかいの表情になり

「ああん!?何か言ったかしら!?」

「レ、レーヴェ……」

「それ以上火に油を注がない方がいいのでは……」

レーヴェの言葉を聞いたサラ教官がレーヴェを睨むとプリネとツーヤはそれぞれ冷や汗をかいた。

 

「―――コホン、それはともかく。早速、実技テストを始めるとしましょうか。」

「はい。」

「フン、望むところだ。」

「はあ、中間試験よりはちょっと気がラクかなぁ。」

そしてサラ教官は指を鳴らして人形兵器を召喚した。

 

「……現れたか。」

「また微妙に形状が変わっているな……」

「一体どこで手に入れているのかしらね?」

「ええ……”入手先”が気になりますね。」

現れた人形兵器を見たガイウスは警戒し、マキアスは疲れた表情をし、プリネとツーヤは真剣な表情で人形兵器を見つめていた。

 

(これは……)

「……気付いた?」

一方何かに気付いた様子で真剣な表情で人形兵器を見つめたリィンの様子に気付いたフィーは視線をリィンに向け

「ああ……フィーもか。色や形状は違ったけどどこか似ているな……」

「素材の雰囲気が近いんだと思う。ひょっとしたら――――」

リィンの意見に頷いた後何かを言いかけようとした。

「……?どうしたのだ?」

「別に。こっちのこと。」

しかしラウラに尋ねられると視線を逸らして答え

「……………………」

(またか……)

フィーの答えを聞いて厳しい表情でフィーを見つめ始めたラウラの様子にリィンは呆れた。

 

「フン……面白そうなことをしてるじゃないか。」

するとその時T組の貴族生徒達が声をかけてきた。

「T組の……」

「な、なんだ君達は?」

T組の登場にエマは目を丸くし、マキアスは戸惑い、貴族生徒達はリィン達に近づいてきた。

 

説明
第70話
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コメント
感想ありがとうございます kelvin様 まあ、要するに身の程知らずなんですよww(sorano)
Z組が優秀なのはある意味必然なんですよね……寄せ集めというか、貴族クラスと平民クラスの上澄みを掬い取ってるようなものですし。それを解っていない貴族クラスが哀れとしか…(合掌)(kelvin)
感想ありがとうございます 本郷 刃様 しかも原作より絶望してもらいますww(sorano)
Z組はホントに1人1人の成績が優秀ですよね、実戦経験も積んでいますし・・・T組はこのあと絶望を知るww(本郷 刃)
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