インフィニット・ストラトス 受け継がれる光の絆 |
とある休日、一夏は親友の五反田弾の家にいた。
「喰らえ!シュトロームブラスト!!」
「うお!!そんなのありか!?」
二人が今対戦しているゲームは『IS/VS』である。発売月で百万本セールスを記録した超名作。データは第二回IS世界大会『モンド・グロッソ』のものが使われている。千冬のデータは諸事情により入ってない。世界二十一ヵ国でそれぞれ国別バージョンが販売されている。
「つうかお前よく使えるな。メイルシュトロームて使いにくいキャラだぞ。技弱いし、コンボ微妙だし」
「そう言う奴ほど極めると結構強いぞ」
「俺イタリアのテンペスタ使ってるのに今ので四連敗だぞ」
「じゃあもう一回やるか?」
「いいぜ。今度はフランスのラファールだ」
「じゃあ俺はドイツのヴァイスフローゼだ」
二人はキャラを選びOKボタンを押すとバトルが始まった。弾は遠距離で攻撃していたが一夏は避けながらガトリングやバーズカを使って攻撃。そして最後に瞬時加速を使ってプラズマブレードで止めを刺して勝利した。
「よっしゃ勝った」
「くそ、五連敗かよ・・・」
そんな風にゲームをやっていると、
「お兄!さっきからお昼出来たっていってんじゃん!」
部屋に入って来たのは弾の妹、五反田蘭である。
「あ、久しぶり邪魔してる」
「いっ、一夏・・・さん!?」
蘭は一夏を見ると自分の格好を見てあわてて隠れた。
「なあ、蘭て何時もあんな格好か?」
「まあ家だと基本ああだけど」
「お兄!余計な事言うな!」
蘭は再び入って来たが一夏を見て再び隠れた。
「あ、あの・・・一夏さんの分もあるのでよかったら・・・」
「ああ、いただくよ」
蘭はそう言って部屋を出て行った。
三人は食堂で五反田食堂鉄板メニュー『業火野菜炒め』を食べていた。蘭の服は先程と違い、白いワンピースであった。
「でよう一夏。鈴とえーと、誰だっけ?」
「ああ、箒な」
「誰ですか?」
「俺のファースト幼馴染」
「ちなみにセカンドは鈴な」
「ああ、あの・・・」
鈴の話をすると蘭は不機嫌になる。
「箒とは同じ部屋だったんだよ。まあ今は・・・」
「お、同じ部屋!?」
取り乱しながら蘭が立ち上がった。
「い、一夏、さん?同じ部屋っていうのは、つまり、寝食をともに・・・」
「まあ先月までの話で今は別々の部屋になってるけど」
「い、一ヶ月半以上同せ――――同居してたんですか!?」
「そうなるな」
「・・・・お兄。後で話し合いましょう・・」
「お、俺この後用事が・・・」
「では夜に」
「・・・・はい」
「決めました」
「何を?」
「私、来年IS学園を受験します」
「お、お前、何言って――――」
その瞬間、一夏が頭を下げるとおたまが弾の顔面に直撃した。
「受験するって・・・・何で?蘭の学校エスカレーター式で大学まで出れて、超ネームバリューのあるところだろ」
「大丈夫です。私の成績なら余裕です」
「IS学園は推薦ないぞ・・・。というかIS適性ないと入れないぞ」
「そっちも心配ありません」
蘭は一枚の紙を一夏に見せた。
「これって政府がIS操縦者を募集する一環だろ。IS適性率・・・A」
「はい。問題は解決済みです。ですから、その・・・もし入学できたら、一夏さんにぜひご指導・・・」
「ああ、いいぜ。入学できたらな」
「ほ、本当ですか!約束ですよ!?」
「ああ、わかった」
「おい蘭!何勝手に学校変えてるんだよ!母さん!」
「いいじゃない別に。一夏くん、蘭の事よろしくね」
「あ、はい」
「じーちゃんはいいのかよ!」
「蘭が自分で決めたんだ。どうこう言う筋合いはねえ」
「いあやだって―――」
「なんだ弾、お前文句あんのか?」
「・・・・ないです」
「お前おじいさんに弱いな」
「あのじーちゃんに逆らえるか」
「そう。じゃあごちそうさま。そろそろ行くよ」
「もう行くのかよ」
「他に行く所があるから。あ、あとこれ」
一夏は弾に封筒を渡した。
「俺の撮った写真」
「何だあんかよ」
弾は封筒から写真を出し蘭と一緒に見た。するとある写真で見るのを止めた。
「お前、あそこでも戦っているのか?」
弾は一夏にネクサスの写っている写真を見せた。
「ああ、でも俺は戦う。皆を守る為に」
「そうかよ。まあがんばれよ」
「ああ。それじゃ」
一夏はそう言って五反田食堂を出て行った。
「変わんねえな、一夏」
「うん。今でも皆の為に戦ってるだ」
一夏が帰った後、二人は写真を見ながら去年を思い出した。山の中でビーストに襲われた時、一夏は二人の前でネクサスに変身し二人を守ったのだ。二人は一夏がネクサスである事を知っている数少ない人物である。
「守れよ、大切なものを」
説明 | ||
今回は番外編。2巻の最初です。 | ||
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