義輝記 蒼穹の章 その十八 |
【 蜀の武神……? の件 】
? 荊州 鳥林 袁術軍陣営地 にて ?
《 夕方 ( 16時頃 ) 》
俺達は、雪蓮を促し少数精鋭で向かっている!!
ーーーーーーー
伝令兵から受けた報告に、念の為……ある容貌を伝えた………
颯馬「その敵将は《熟したナツメのような赤い顔、胸まで伸びる美しい髭、蚕のような眉、鳳凰のような目》だったのだな!?」
伝令兵は……『ご、ご存知なのですか──!』と叫び、『そこまで分かっておいでなら、何故! 対応策が出来ていないのですか!!!』と罵られる!
話を聞けば……その者一人の為、数千の被害が出ているという!
人を片手で鳥林峯の頂上付近に投げ捨て、得物で一振り事に数十人の命を奪う。 ………俺の知る『蜀の武神』を……遥かに上回る猛将。
詳しい事情を説明も出来ず、鬱々とした気持ちを宿して………伝令兵と共に雪蓮へ進言、援軍を派遣する事となったのだ!
ーーーーーーーー
ガタガタ ガタガタ!
ダッダッダッダッ!!
颯馬「『義の武神』………なのか!? しかし、何で……この世界に!!」
謙信「まさか……あの『古の軍神』が……か!?」
信廉「…………………」
ーーーーー
華琳「べ、別世界の関雲長!? ───な、何? この胸の高鳴りは!!」
凪「『古の軍神』……」ドキドキ ドキドキ
蓮華「………そんな事って………」
冥琳「………雪蓮、貴女は信じられる? 私達の他に……別世界の男である『私達』が居るなんて………」
雪蓮「…………信じられないわよ。 普通に物事……考えてたら。 だけど、颯馬達が居るじゃない! 天の国より降り立った御遣いという物証!
それに……一刀も言っていたわよ? 天の国には、私達以外の女の子が、大陸を駆け巡り、雌雄を決する物語があるって。
私が…一番驚いたのは……ね。 どの世界の『孫呉の将兵』は……大陸統一を、母様の目指した平和な世を目指し……驀進(ばくしん)して行ったことよ! 世界が変わろうが性別が変わろうが……私達は私達だなって……!!」
冥琳「………私が聞いて驚いたのは………貂蝉が……『絶世の美女』? 董仲穎様が………いや、止めておこう。 あまりの落差に私の精神が持たん!!」
雪蓮「ちょっと、冥琳! 私に恥ずかしい事、喋らせといて…自分は黙り───!? それに、それは聞いてないわよ!! 教えなさい!!!」
冥琳「駄目だ! これは……箝口令が敷かれている! 言うわけには……!」
雪蓮「さっき…口に出そうとしてたのにぃ〜!?」
◆◇◆
【 忘れていた?二人 の件 】
? 荊州 鳥林 袁術軍陣営地 にて ?
《 夕方 (16時半) 》
忠勝「だ、駄目でござる! こやつの武は……拙者を超えているでござる!」
一存「こ、これしきの事でぇーーーーーー!!」ガクガクガクッ
長慶「み、皆! ここは……私を残し……退いてくれ!!」
昌景「………ふっ! 死に急ぐのは、老い先短い儂が……一番!
お主等! 合図と共に……この場を離れよ!! 後、三、四合……なんとか耐えて……時間を稼いでやるわぃ!!」
忠勝「ま、待つで……ござる!! 昌景殿!!!」
ーーーーー
カンウ「ソンナ………トキナド……アタエン……!! 『呉』ニクミスルモノニハ………『死』ヲ─────!!」 ガッ! ブン! ブゥ……!!
片手て冷艶鋸を振り回し、四人の将へ斬りかかる寸前───!!
ジャラジャラジャラ ジャラジャラジャラ
カンウ「───ンッ?」キョロキョロ
背後から金具の擦る音が響き、驚いて……辺り周辺を見渡す!
ジャラジャラ───!! ギュルギュルギュル!
カンウ「 ──! ウオオォォオオオ─────!!」
音の根元を特定した時は、すでに遅く──己の身体に巻き付いてきた!
数百人の兵士が集まり、鎖を全員で持ち……カンウを抑え込む!!
思春「───孫呉に仇なす『化け物』がぁ!! ──手の開いてる者で灯りを用意しろ!!! 奴へ絶対に近付くなぁ────!! 」
孫兵「はっ!」
明命「───間に合って良かったですぅ!!」
カンウ「『鎖』ゴトキデ……ワレヲ! ──フゥン! フウゥゥン!? ───バカナ!! チギレナイダト…………!!」
思春「無人になった天幕を捜索していたら、奇怪な部屋があってな? 部屋内の監禁場所より、見つけた鎖で……お前を縛したのだ!! 拘束場所にあった鎖と同じ物! これなら……縛せると思ったが……正解だった!!」
明命「袁術軍を監視していた私達です! 変装をして……謎の将になっていますが……誤魔化せませんよ!? 元死刑囚……『士 仁』!!」
カンウ「ワレハ……ソノヨウナ『名』デハナイ!! 『カンウ』ダ!! 『呉』ガ………『樊城』……キュウエン……コナケレバ! ワレガ『死ナナケレバ』……『兄者』ハ……トキト……ジュミョウ……ムダニシナカッタ!!」
思春「何を訳の分からない事を!! 関羽は……我らの仲間として活躍しているぞ!! それに、樊城は袁術側、お前達の勢力範囲の城ではないか!」
カンウ「ニクイ……! ニクイゾ!! 『陸遜』『呂蒙』『孫権』!!!」
明命「───士仁!! 大人しくなさい!!!」
カンウ『ガアアアアアァァァーーーーーー!!!』
威嚇の声を発するカンウ! ここで逃れさせると……自分達に刃が降りかかるため、全力で阻止する孫呉の兵士達!!
ーーーーー
忠勝「た、助かった………でござるか?」
昌景「───いや。 あやつの闘氣が…下がっておらん!」
ーーーーー
長慶「一存! しっかりしろ!!」
一存「姉さん……無事かぁ………!」
長慶「馬鹿者! 私を庇って楯になるなど……しっかりするんだ!!」
◆◇◆
【 順慶の鬼策 の件 】
? 荊州 葫蘆谷付近 にて?
《 夕方 ( 同時刻 ) 》
久秀「順慶? この辺りで……いいんじゃない!?」
順慶「………そうですわね?」
順慶は、ツカツカと殿に向かい………必死の形相で付いてくる負傷兵士達の隊列に来て……ニッコリと笑いながら言い放つ!!
順慶「皆さん! お疲れ様!! よく頑張ってくれましたわね!! ……でも、安心していいですわ。 もう…付いて来なくても…宜しいですわよ…!」
負傷兵「……つ、筒井……サマ? い、今……なんと……?」
順慶「もう〜! しっかり聞いてくださいね!! 後、一度しか申しませんからね?」
先程の天女の笑顔から……鬼女の蔑みへと表情と言葉使いが変わる!!
順慶「…………アナタ方は、全員──ここで待機!! この場で、孫呉の追討軍を阻止するのよ!! 自分達の命を賭けて!!
……敵に懇願して、命を助けて貰うのも……手ですわね? 颯馬様は…お優しいから可能性ありますわよ? まぁ、私は……許す気などありませんが……」
負傷兵「お、俺達を………捨て石に…………」
久秀「その言い方は……違うわよ? 貴方達は……袁術様の国の『礎石』になるの? 捨て石だなんてぇ思ってないわ! 使えるところは……骨まで使わせて貰うわよ?」クスクス ──スッ!
順慶「………では、最後の命令。 しかと伝えましたわよ?」──スッ!
負傷兵「つ、筒井ぃ────さぁまあぁぁぁ!!!」
負傷兵「司馬ぁぁさぁぁまぁぁ!!」
こうして……袁術軍約一万の負傷兵達が……仲間を無事に引き上げさせるために……残されたのだった!!!
ーーーーー
久秀「……『捨てかまりの計』を行うの。 ……やっぱり、考えが陰険なのね? だから『大和国』を久秀に奪われるのよ……」
順慶「久秀こそ……この計より奸智に長けた計を、放つつもりだったのでしょう? 貴女の計に比べれば……私の計が颯馬様に好まれますわよ?」
久秀「どうかしら? 久秀の計は……あの兵士達を囮に置いて…近付いてきたところを油や大木を落として、火計で焼き尽くしてあげれたのに……虎牢関で颯馬が使ったような策をね…………」
順慶「くっ……………!!」
久秀「……どのみち……時間も材料も無いから、出来ないのだけど…」フゥ…
ーーーーー
この一万の軍勢のお陰で……久秀達は無事に、赤壁を逃れる事が出来た。
ただ……この『負傷者の軍勢』は……その後……どうなったのか……?
孫呉の公式的な記録及び漢王朝の公式記録さえも……記載がなかった。
……後々……噂だけが流れるだけ。
『絶世の美女に招かれ……益州に向かった』と…………
◆◇◆
【 集結 の件 】
? 荊州 鳥林 袁術軍陣営地 にて ?
《 夕方 (17時頃)》
鳥林峯より、戦場の異様さを感じ取り……兵に陣営を守備するよう命じて、降りてきた将達!! そこは………地獄絵図に似た凄まじい有り様だった!!
灯りで、照らされる辺りには……五体満足の遺体は……無しに等しい!
手足が散らばり、身体の中心部は、骨や内臓がはみ出て……飛散している。
目が慣れれば、すぐ近くの木々に……大きな『実』が……連なっているように
見えた。 だが……『実』の下より『樹液』が滴り落ちるのを見て、違うモノだと判別する。
第一、人の頭ぐらいの大きさの実など……木の上には出来ない!!
ーーーーー
霞「なんや、なんや──!? この惨状は!!」
ねね「大災害でも……あったような……!」
恋「………可哀想……」
道雪「……理由はわかりませんが……根本は、あの捕らわれている将と見ていいでしょう!! ───紹運! 宗茂! 直ぐに忠勝殿達を……あの将より引き離して下さい!! 」
紹運「分かりました! 姉上! ……宗茂! 行くぞ!!」
宗茂「はいっ!!」
ーーーーー
星「これは────!? 筒井順慶と対峙した黄巾討伐戦より──惨い!!」
愛紗「これを……一人の将が………か!?」
義清「────油断が出来ぬのじゃ!」
ーーーーー
鹿介「──────『武神 関羽』!」
朱里「えっ!? あ、愛紗さんなら……そこに………」
信玄「違いますよ、朱里! あの将は『天の国で伝わる関雲長』に……似ているのです! ……不自然な程に…………!」
星、朱里「────────!」
愛紗「わ、私かぁぁぁ!?!?」
ーーーーー
颯馬「─────関雲長!! それと……昌景殿達が! 信長、謙信殿! 紹運殿と宗茂の手伝いを頼む!!」
信長「任されてやろう。 ……だが、良いか? この私が素直に命令を聞いてやるのは……颯馬……お前だからだ!! 覚えておくがいい!」
謙信「わかった! 私も軍師殿の指示なら、火の中水の中! ……その……閨の中でも……行くぞ……。 って、何を言ってしまうんだ、私は!!! ──す、すすす──っ、すまぬ! 私も……行ってくる!!」
颯馬「……?」
ーーーーー
華琳「………あれが『天の国の関雲長』!! ほ、欲しい! 私の臣下に加わえなければ──!!」
蓮華「か、華琳! 貴女は……我が孫呉の臣下!! 勝手な事など……させないわよ!!
それに───あの将は、我が兵士を多数虐殺した!! この修羅場を見ても、命を助け臣下に欲しいなど………許せない!! 私が!!!」ダッ!
信廉「───孫仲謀殿! 颯馬……私は後を追います!!
貴方も……気を付けて!!」ダッ!
颯馬「頼みます!! 信廉殿!!!」
ーーーーー
冥琳「………思春、明命! ご苦労!!」
雪蓮「────これは!? 皆!! 直ぐに警戒態勢!!! いえ、戦闘準備を早く──!!! ─────蓮華!? 行くなぁ!!!」
☆☆★
ダッダッダッダッダッダッ!
蓮華「わが名は『孫仲謀』!! 我が国! 我が民! 我が兵に危害を加える将よ!! 孫策の代わりに私が──お前を裁く!!!」
信廉「お止めなさい!! 貴女では──関羽に油を注ぐ結果に!!」
カンウ「───ソ、『孫権』ダト!? 『碧眼ノ小童』───!! 『兄者』ハ! 『兄者』ハ────!!! グガアアアアァァァアアア!!!」
ガキーン! バキッ! カチン! バキン! ボロッ!
ーーーーー
思春「鎖が──!?」
明命「鎖を持つ手を離して────きゃっ!!」
ーーーーー
カンウの身体が急に膨れ上がり、鎖を弾き飛ばした!!
カンウ「クハァァ────ッ! 呂蒙ノ献策ヲ受ケイレ……陸遜ヲ命ジ……ワレヲ謀リテ……捕ラエ処刑ヲ……!! シカモ……兄者ヲ愚弄シタ……信義無キ者!!! 許サン! 許スワケニハ……イカン!!!」
……ズシン! ………ズシン! ……ズシン!
蓮華「……えっ!? ───えっ!? 」
信廉「は、早く──お逃げくだ─! くっ、間に合わない!! 」
氣当たりを受け、動けない二人に……カンウの狂刃が閃く!!
カンウ「ワガ恨ミ───思イ 『 ───させないわよ!!』 ──!!」
ガキィ─────ン!
後ろより攻撃を仕掛けた雪蓮の『南海覇王』をカンウが易々と受ける!
雪蓮「蓮華! 何をしてるの!! 早く逃げなさい!!!」
蓮華「──! ね、姉様!!」
冥琳「信廉殿! すまない! 貴殿も下がれ!
──思春! 蓮華様を遠ざけよ!!
諸将!! 頼む!! 蓮華様と雪蓮を守ってくれ───!!」
☆★★
霞「はっ! あない強敵…貂蝉以外…相手したことなんぞ……あらへんやったからな!! こりゃ……久々に──完全燃焼や!!!」
恋「………貂蝉……倒すつもりで……全力!!!!」
道雪「私の……この身では足手まとい! 紹運達を応援しましょう!」
ーーーーー
星「筒井並みの強さ……か? やれやれ……この世は、なんと強敵に恵まれているのやら……。 だが……連闘だけは勘弁して欲しいな……!!」
愛紗「あ……あれが…私? あ、兄者とは兄上の事か? ん? 姉上も向こうで…男なら……兄上!? 『愛紗! 考え事など後にしろ!!』──ぐっ!」
義清「くうぅぅ──!! このような強敵相手に槍を振るえるなど、村上家の名誉!! そ、それに、兄者へ……私が背中を任せられる者に相応しいか! 頼りになるか! ……お見せしなければ!!」
華琳「…一度、刃を交えて……実力を知らないと。 曹孟徳! ……この戦闘、参戦させて頂く!」
信玄「諸将! 相手は『関羽』を名乗る怪物! 皆で突撃しても勝てません!
ですので……私が采配を振るいますから、その指示に従って下さい!!」
ーーーーー
信長「──おっ! 私達も参戦しよう! 謙信! 行くぞ!!」
謙信「道雪殿! 私達は『関羽』と対峙する! 忠勝殿達の事……頼む!!」
道雪「任されましょう!」
ーーーーー
朱里「…………一存さんは大丈夫です! 身体が鍛えてあったため、命に別状は無いですよ!!」
長慶「そうか………ありがとう! 朱里!」
ーーーーー
忠勝「拙者も……まだまだで……ござる! これでは、直政に笑われるでござるよ…………」
昌景「はははっ! まずは、お互い無事である事を喜ぼう! ………戦は何回重ねても……初陣の覚悟で赴かなければな!!」
ーーーーー
颯馬「───凪! 油とか『火が点く水みたいな物』……どっかに無いか探してきてくれ!!」
凪「はいっ!! 」
ーーーーーーーーー
信玄「陣を二段に分け、長柄の者が前方! 剣、刀の物が後方! 敵を三方包囲するのです! 義清、鹿介、信廉、関雲長、曹孟徳は待機!! 攻撃する度に、次の相手右側から後ろへ回り込む(逆時計回り)で交代!
─────武田流《巴の闘陣法》で撃って出ますよ!!」
ーーーーー
霞「──なら、まず先陣切らんとあかんな! 『神速』の張文遠! 行くでぇぇぇ────!!」
ブゥゥ────ン! ガキィン! クルッ!
雪蓮「『江東の小覇王』こと孫伯符!! 亡き将兵達の仇! 取らせてもらうわ!!」
ザシュ────!!
ーーーーー
恋「──恋の力! 思い知れ!!」
ガガガァァ─────ン! クルリ!
謙信「『越後の軍神』の刃! 受けていただこう!!」
シュ──────ン!!
ーーーーー
星「このような強敵と刃を交えるのは、武人としての喜び! だが、こういう勝負に勝利して、主より誉め言葉を賜う事こそ……至上の喜び!!!」
シュンシュンシュンシュン!! クルッ!
信長「武で破壊する事は不定はせん! だが……その尻拭いも出来ず、ただ暴れるだけとは……思量が足りんわ!!」
ゴシュ──────!!
ーーーーー
▼▽▲ ▲▽▼ ▼▽▲ ▲▽▼
《 巴の闘陣法 》
六人三組、得物の長短で分ける闘い方。
最初に……相手の持つ得物の長さと同じ者が一斉に掛かり、得物の間合いを覚えさせる。 次に違うタイプの得物を持つ者が攻め、間合いの感覚をずらす。
複数で行う為、長長長が長短長、短短短が長長短と、ランダムで変化するため、相手は間合い設定を……その度に修正し直すため……疲労が早くなる!!
▼▽▲ ▲▽▼ ▼▽▲ ▲▽▼
カンウ「オ、オノレェェェェ─────!!」
ブゥゥ─────ン!
恋「………ぐっ!」ガキィ!
霞「恋! ウチも助太刀するでぇ!!」ガン!
カンウの怒りに任せた横薙ぎの攻撃を、恋が受け止め、霞が加勢して抑え込む。
星「───どこを見ている! お前の相手は……此処だ!!」シュッ!
カンウが、二人に捉えられた冷艶鋸を、外すために四苦八苦していると……背後より星が攻勢を掛けた!!
カンウ「グオッ───!!」
ーーーーー
信玄「疲れた者、怪我をした者は、直ぐに申し出るように! 予備の将に代わって貰いますよ!!」
義清「私もやるぞ!!」
華琳「あの将を戦術で防ぐ……応用で使える方法は……無いかしら?」
信廉「姉上……さすがです!」
愛紗「………あの猪が私? 私も同じ猪……?」
鹿介「あの将一人で、此処まで手こずるとは………」
ーーーーー
凪「あ、天城様! 油壺と『白酒』の酒壺がありました!!」
颯馬「ありがとう! だけど……必要なさそうだな……」
ーーーーー
冥琳「………将対将の戦いに……こんな闘い方が……あるなんて!!」
明命「………私の武力では……及びもしません……」
ーーーーー
蓮華「………ご、ごめんなさい!」
思春「謝らなくてもよろしいです、蓮華様。 ただ、貴女様は次期孫呉に担う方であると同時に……我らの家族です。 我らの為に、お怒り下さる事……有り難いですが……御自分の身も御自愛下さい!」
★★★
ダダダダダダッ!!
祭「策殿達は───!? こっちか!! 」
亞莎「こ、こちらは……掃討出来ましたよ──!!」
穏「司馬懿達は、どうなりましたか〜!?」
ーーーーー
宗茂「だ、駄目です! 呂蒙や陸遜が此処に来たと知ったら──!!」
紹運「〜〜〜〜言ったら、余計駄目だぁ!! 宗茂!!」
宗茂「あっ───!?」
ーーーーー
カンウ「『呂蒙』『陸遜』!! 仇ガ………揃ッタ───!!」ブワッ!
仇……二人の名前を聞いたカンウの氣が……更に膨れ上がる!!
霞「───急に強くなりおった!?」
恋「……た、耐えれない!!」
星「うわ────っ!!」
信玄「───皆! 急いで離れなさい!!」
ーーーーー
その事態の緊迫が、更に増すのを察知した颯馬は、用意していた物を──!
颯馬「凪!! 油壺を『関羽』に投げつけてくれ──!!」
凪「はい!」
カンウに向かう油壺……それは易々と得物で叩き壊される!!
カンウ「コンナモノ! 『ガチャン!』 ブハァ!? 『油』カ!!」
………が、颯馬の策の内。 後は、火を点けるのみ!!
颯馬「よし! 次は氣弾を放て!!」
凪「猛虎蹴撃!!」
カンウ「フ──ン!!」バシュ!
凪の蹴りより、虎形の氣弾が行くが……カンウの一振りで氣弾は消滅!!
颯馬「氣弾を消すか!! ………火を点ければ勝てるが。 ……よし!!」
颯馬は……少し黙思し………悲壮な決意を固めた!!
颯馬「……凪、松明を準備してくれ! それと、白酒も合わせて………」
凪「あ、天城様!! また……貴方は……自ら危険に飛び込んで……行くのですか!?」
その決意が……顔に現れていたようで、凪が止めに掛かるが…………。
颯馬「……それは違うよ。 此処では……安全な場所なんて無い。 軍師として拝命したからには、敵の損害甚大にし、味方の被害を抑える。 例え……命を懸けてでも。 だから、俺しか知らない方法で……火を点けるんだ!!
……『君達を守る為、行く事は、流れの如し』 ………後を頼むよ」
そう言って……寂しげに……されど、決意も固く決めた颯馬に……何も言い返せない!! そこへ……複数人の足音と共に声が掛かる!
愛紗「どうか、お待ち頂きたい!!」
そこに居たのは、予備戦力として……体力を消耗して居ない将達!!
愛紗「………御一人より二人の方が成功しやすい! 私も参戦させていただきます!! 」
義清「兄者! 兄者の背後を守る者として! 何故、私を呼ばぬ!! そんなに私が頼りないのか!!」
華琳「言った筈よ! 貴方の戦い振り、間近で見たいと…! 我が野望を達成する術は無き今! 一人の武人として死すのも…また良し!!」
鹿介「天城殿! 命じていただければ……命懸けで行いますぞ!」
紹運「大友勢の参戦無しでは……いい笑い話だ! 高橋紹運! この修羅場! 好き好んで参加させて頂く! 断っても却下するぞ!!」
信廉「……姉上より劣るかもしれませんが、『影の虎』の采配! 皆さんを必ず勝利に導いてみせます!!」
それを見ていた凪も参戦を申し出た!!
凪「…………分かりました! ならば、私も天城様の護衛! 参加する事、当然でしょう!! 行かせてもらいます!!!」
颯馬は……暫し唖然としていたが……足止めしてくれている将達にも、疲労がかなり出ている! 押し問答している間も惜しい!!
颯馬「……あ、ありがとう! それでは、策を説明する! 俺が『関羽』の三尺(約70a)まで間合いに入れるような隙を作ってくれ!
それと、祭殿! もしもの時……この火計! …………貴女に託します!」
祭「よく分からんが、颯馬が失敗した時は……儂が動けばいいのじゃな……」
天城颯馬による第二回目のカンウ討伐戦が始まった!!
ーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
信玄の使用する陣法は……無論作者の考えであり、実在しません。
今までの策は七割近くは、作者の机上の策でして残り三割は、実在した策を使用、若しくは応用したものです。
ですから『武田に、そんな陣備えなんかないぞ!』とか言われると、作者としては困ってしまいます。 ただ、武田で代々伝わる武術があるとか、本で読みましたが……どうでしょう?
早く話を纏めて終わせたいのですが……どんどん長くなるこの話。
また、よろしければ読んで下さい!!
説明 | ||
義輝記の続編です。 よろしければ読んでください! | ||
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コメント | ||
禁玉⇒金球様 コメントありがとうございます! まぁ……関羽は取りあえずこんなとこです。 任侠の親分がそのままのし上がったような感じですが……。 確かに、憧れもしますが……好ましいとも言えないのです。 (いた) カンウが強い!!関羽がウザい((T_T))、悩まずに仕事だけしろ!!。どうしようもなくなったら殺すことが上善になり得るのですよね…。董卓は男ならば一度は憧れるそんな魅力的な漢ですよね、善悪ではない魅力があるのだ。(禁玉⇒金球) 月「私の出番が無いからって……。 詠チャン。 チョット……再教育ニ行ッテクルネ……」 詠「止めて──! こらっ! そこの作者! 怖がってないで月を止めなさい!!」(いた) naku様 コメントありがとうございます! ご指摘の通り……演義を元にしました! その方が話的にも進めやすかったもので。 愛紗を同行させるのも……一策として組み込んでみます。(いた) ふかやん様 本作品中の文章が、少し分かりにくい箇所があった為……修正しました。 誤解をさせてしまい、申し訳ありません! (いた) 変身段階四段目発動で……小さくなって裸。 う〜ん、カンウに使うのは何とも。 カンウが関羽を見てですか? 記憶操作してありましたからねw 面白いので採用させていただきます! それと、コメント欄に不適切な文章になってましたので修正しました。 すいません。(いた) h995様 コメントありがとうございます! やっぱり……ツッコまれましたか。 『仮面ライダーの』を入れておくべきでしたorz 悟空自体が四段超えてますし……。 こちらのカンウは、恨みの対象者が三人だけですので、これで終わりです。 出ないと……話が進みません。(いた) それで颯馬の策ですが、愛紗と同行するのがかえって悪手になりそうな気がしますね。「義兄」の仇である呉と手を取り合っている別世界の自分の姿を目にしたら、怒りがもっと増しそうです。(h995) あ、表記し忘れましたが、フリーザ様の最終段階は体はむしろ小さくなる上に、余計な装飾など一切無くしてすっきりとした体つきになります。(h995) ふかやん様 コメントありがとうございます! 人体発火では無いですが、ごく普通に燃えます。 因みに……久秀達は正史の曹操とほぼ同じ退却進路で逃亡中。 益州は……何進の活躍で攻略済みです。(いた) >悪役怪人等の変身段階は二段目までが鉄則! ……残念ですが、悪役怪人の最高峰であるフリーザ様は三段変身です。しかも、100%中の100%を含めると四段変身としてもいいでしょう。そして、その兄のクウラは100%中の100%というものがなくても四段変身です。(h995) ふむ…例えて言えばるろうに剣心での志々雄の様にその体温での人体発火でも狙っているのかな?しかし久秀と順慶の奴らは本当に下衆としか言えない…颯馬、関羽なんて捨て置いて早く益州に向かってくれえええええええ!!!!(ふかやん) mokiti1976-2010様 コメントありがとうございます! 悪役怪人等の変身段階は……二段目までが鉄則! これ以上大きくなると、戦隊物に書き直しに……。 (いた) カンウの身体がそのまま膨れ上がり過ぎて風船のように破裂するとか…そんな事は無いか。(mokiti1976-2010) |
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