英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 |
〜夜・ノルドの集落〜
「あ、あはは……なかなか戻ってこないので様子を見に来たんですけど……」
「フフ、どうやら私達はお邪魔だったようですね。」
エマは苦笑し、プリネは微笑み
「……………………」
ガイウスは静かな笑みを浮かべて頷いた。
「!!!あ、あ、あなた達!いったい何時からいたの!?」
「『―――でも、そういう風に言えるっていうことは……多分、前に進めるきっかけが掴めたってことでしょう?』」
口をパクパクするアリサの問いかけにユーシスはからかいの表情でアリサが口にした言葉を繰り返し
「や、やめてええっ!!あれはリィンの恥ずかしい台詞をそのまんま返しただけで……っ!」
アリサは顔を真っ赤にして悲鳴を上げて言い訳をし始めた。
「ふふっ……そんなに恥ずかしがらなくても。思わずジンと来ちゃいました。」
「ああ……悪いとは思ったが、良い場面に立ち会わせてもらった。」
「クスクス、滅多に見られない場面を見せてくれてありがとうございます。」
「ああもう、なんで私が一番、恥ずかしい人になってるの!?ええい、こうなったらあなた達も加わりなさいっ!恥ずかしい青春トークを一緒にぶちまけてもらうわよ!」
クラスメイト達に微笑ましそうに見つめられたアリサは顔を真っ赤にして首を横に振った後エマ達を睨んだ。
「ええっ!ま、待ってください!」
「ふんっ……お断りだ!」
「フフ、さすがに私も遠慮しておきますね。」
アリサの言葉にエマは慌て、ユーシスは口元に笑みを浮かべて首を横に振り、プリネは微笑みながらやんわりと断った。
「そうは行かないわよ!まずはプリネ!レオン教官との出会いやどういう経緯で恋人同士になったのか、洗いざらい話してもらうわよ!」
「ええっ!?そ、それはさすがに勘弁してほしいのですが…………」
アリサに矛先を向けられたプリネは驚いた後冷や汗をかいて苦笑し
「フッ、その件に関しては俺達も是非聞きたいな。」
「フフ、そうですね。もしかしたらサーガになるような内容かもしれませんね。」
「ユーシスさん!?エマさん!?」
味方と思っていたはずの二人があっさりアリサの意見に同意した事に驚いた。
「……お疲れだったな。」
一方その様子を微笑ましそうに見つめていたガイウスはリィンを労った。
「いや、こちらの方が力づけてもらったくらいさ。―――なあ、ガイウス。」
「なんだ?」
「本当に―――いい所だな。」
「ああ……そうだろう?」
そしてリィンとガイウスは夜空を見上げた。
〜深夜〜
一日の疲れを取るかのようにベッドでぐっすり眠っていたアリサだったが、どこかの遊園地らしき場所でリィンとデートし、観覧車で互いを抱きしめて自分からリィンに口付けする瞬間で目を覚ました。
「!!!(な、何なの今の夢……!?)」
目を覚ましたアリサは顔を真っ赤にして飛び起きて、ドクンドクンと鼓動する胸を片手で抑えた。
(私……もしかしてリィンの事………………)
リィンへの恋心に気付いてしまったアリサは湯気が出る程の真っ赤な顔でリィンとユーシスが眠っている場所を見つめた後、からかいながらもリィンに親しげな態度で接しているベルフェゴールとリザイラの存在をすぐに思い出した。
(リィンは二人の事……どう思っているのかしら……?二人とも悔しいけど凄い美人でスタイルもいいし、性格だってそんなに悪くないし…………それにもしかしたらエリゼさんも……………………)
自分が恋焦がれる相手の恋敵(ライバル)があまりにも強力な相手ばかりである事に気付いたアリサは不安そうな表情をしたが
(……だからと言って、諦めないんだから!そ、それにいざとなったら重婚って手もあるし……!)
すぐに決意の表情になって、ベッドから出てリィンが眠っているベッドに移動して眠っているリィンを見つめた。
「…………………………」
(あら?)
(こんな夜更けに何をしに来たのでしょう?)
リィンを見つめているアリサの気配に気付いて目覚めたベルフェゴールとリザイラは不思議そうな表情でアリサを見つめたその時
「ありがとう、リィン…………ん…………」
なんとアリサは眠っているリィンの唇に口付けをし
「〜〜〜〜〜っ〜〜〜〜〜!!!?(わ、私ったら何て事を…………!)」
すぐに我に返って湯気を出す程顔を真っ赤にした後慌ててリィンから離れて自分のベッドに飛び込むように入って布団を被り
(うふふ、どうやらついにご主人様への思いを自覚したようね♪これから面白くなりそうだわ♪)
(フフ、ご主人様への思いを自覚した途端、私達の存在に焦ってあのような事をしてきたのかもしれませんね。)
アリサが去るとベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべ
「〜〜〜〜〜っ〜〜〜〜〜」
(むにゃむにゃ…………葡萄が一杯だ〜♪)
顔を真っ赤にしたアリサの様子に気付いていないミルモは呑気に好物に囲まれた夢を幸せそうに見ていた。
6月28日、02:55――――
〜監視塔〜
「02:55……あとちょっとで交替か。共和国(あちらさん)の動きは今夜も無しと……まったく、本当にこんなことやる必要があるのかねぇ。」
ノルド高原に建造されてある監視塔でカルバード軍が建造した基地を見張っていた兵士はぼやいていた。
「やれやれ、見張りの任務を何だと思っている。」
その時交替の兵士が近づいてきた。
「おっと、早いじゃねえか。いやあ、ボヤきたくなる気持ちもわかるだろ?クロスベル方面ならともかくこんな僻地で戦争なんて起きるはずがねぇんだし。」
「決めつけるんじゃない。中将閣下も警戒は緩めるなと仰っていたし気を抜くべきじゃないだろう。」
「ゼクス中将ねぇ……凄い人なのはわかるけどよ。有名な第三機甲師団もこんな辺境じゃ形ナシだよな。やっぱり鉄血宰相への協力を拒んだから飛ばされたのかねぇ。」
「こ、こら、滅多なことを言うな。あらぬ噂が立ったらどうする?」
兵士が呟いた言葉を聞いた交替の兵士は慌てた様子で指摘した。
「へいへい、真面目だねぇ。ま、とっとと交替して俺は寝させてもらうぜ。数分くらいオマケでもいいだろ?」
「まったく…………」
同僚のいい加減さに交替の兵士が呆れたその時、何かが爆破する音が聞こえてきた。
「なんだ今のは……!!!」
「あ、あれは……!?」
音に気付いた兵士達が音が聞こえた方向を見つめるとカルバード軍の基地の一部が炎上していた!
「な、なんだありゃ!?砲撃でも受けてんのか!?どこかの師団が動いてるってことかよ!?」
「馬鹿な!そんな話は聞いてない!クッ……とにかくゼンダー門に連絡を―――」
そして兵士達が行動に移ろうとしたとき、何かが飛んで来る音が聞こえてきた。
「な、なんだ……」
「まさか――――」
するとカルバード軍の基地がある方向とは別の方向から飛んできた砲弾が監視塔に命中した!
「う、うわあああああっ!?」
「て、敵襲!?一体どこから――――」
突然の奇襲に兵士達は驚いて砲弾が来た方向を探して周囲を見回すと、再び何かが飛んで来る音が聞こえ、音が聞こえた方向を見つめた。
「あ…………」
「女神(エイドス)よ――――」
すると砲弾が次々と監視塔に命中し、監視塔は炎上し始めた!
……という訳でアリサ、エリィのように原作より早く攻略されました!!(大激怒)おのれ、リィン……!閃Uで参戦するトワ達の事を考えるとマジで腹立ってきました……!それとアリサが見た夢の内容はどういうものなのか既にお気づきの方もいると思います。……え?何でそんな夢を見たのかって?恐らくですが因果を変える事ができるどこかの誰かさんがアリサがその夢を見るように仕組んだしれません。(オイッ!)
説明 | ||
第84話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
2283 | 2096 | 3 |
コメント | ||
感想ありがとうございます 本郷 刃様 でしょうねぇ。そんな真似ができるのは一人しか思い浮かびませんしww(sorano) 感想ありがとうございます ジン様 セシルの件は賛否両論ですから何とも言えませんね。他の男性とは言え幸せになってよかったって言う人もいますし THIS様 爆発しろリィン!! (sorano) 因果の流出ですか・・・キーアの粋な計らいですかなw?(本郷 刃) おのれリィン!!うおおおおうらやましいぞ!!(THIS) ↓続き ガイさんは死んで転生せずセシルはリウイに寝取られてるとか可哀そすぎじゃね;; てかセシルってどちらかと言うとガイのことを思い続けて誰とも結婚しないイメージだったからなんだかなぁ〜 次回の更新も楽しみに待っているので頑張ってください応援してます。(ジン) この小説の正史の出来事をまさか夢と言う形で見るってどこの主人公^^;あとは別の人の小説を読んだ後に光と闇を読むとガイさんが不憫でならない;;てかカリンは転生してレーヴェと結ばれてるのに(ジン) |
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